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御近所からの御依頼

 

少し前に成りますが、近くだから持ち込みで依頼したいとの御連絡を頂きました。そして日程を擦り合わせ、数日後に御持参下さいました。

其の場で軽く説明した際、形状は両刃の和式ながら、未だ切り刃は弄らず刃先のみの研ぎで良さそうだと纏りました。

 

 

初期状態を確認すると、余り酷くは傷んでいない刃先・未だ其れ程には厚みが増していない切り刃だと感じました。

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ただ、汚れ主体の変色・粗い研ぎ傷は気に成りました。

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反対側も、ほぼ同様の印象。強いて挙げれば、刃元の厚みの薄過ぎが左側により顕著だった事。

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研ぎ始めは人造の320番からで、刃先の損耗を研ぎ落とし、付けられていた小刃の角度を若干、鋭角に。其の上で刃先最先端は角度を僅かに鈍角化。しかし、事前に汚れ落としの心算で切り刃を磨いた所、予想以上に厚みのムラ(片側に三か所ずつ凸の部分有り)と研削痕が気に成り、小割りの砥石を用いて手を入れてしまいました。此れに因り、刃先周辺の厚みも軽減。

刃先のみとの前提でしたので、極端には手を入れずに程々のレベルに留めましたが。もしも、軽めながらも切り刃の調整を行なった今回の作業に効果を見出して頂けたなら、先々に研ぎを継続して頂けるかも知れません。其の場合は、少しずつ改善を重ねて段階的に、完成されたレベルに近付くと思われます。

どうしても、一遍に切り刃を弄ると聊か高額な研ぎ代金に成りますし、更に両刃ですので片刃の二倍に成って来ますので、自分としても多少は気が引ける部分も有ります(笑)。

とは言え、此れが新品の状態であったとすると、其れは其れで異なった意味で触り辛いのも心情では有ります。(手作業で整えてくれとか)何も言われていない段階で、一定以上の水準で無い仕上げ方を、それも段階的に進めて行く前提で留めるのは、勝手が過ぎると言われても仕方が無いでしょうから。

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人造の1000番で形状を整えます。

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同じ1000番乍ら傷の細かい物・3000番で中仕上げです。

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対馬砥石で、より研ぎ傷を細かく。

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梅ケ畑の軟口で傷消しと、刃先の形状の仕上げ。

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中山の合いさ中硬の二種類を試し、相性的に優れていた方で最終仕上げです。

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研ぎ上がりです。

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所期の研削痕の多寡が有り、反射の仕方が部分的に異なるのが、手を入れた割合に違いが有った事を反映しています。傷が浅い・少なく成っている箇所は凸部だった為に、削られた量が多かった訳です。

序でと言うか癖の様な物で、ついつい切り刃の厚みをテーパー状に近付けてしまいますので、刃先寄り・切っ先寄りに小割りを当てる度合いが多く成ります。結果として、鎬筋近辺には深い研削痕が目立ちますね。

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御聞きすれば、想像していたよりも距離の有る中、御持参下さったとの事で恐縮です。御使用に於いて不都合など有りましたら、微調整も承りますので御気軽に御連絡を御願い致します。此の度は研ぎの御依頼、有難う御座いました。

 

 

 

 

 

今年最後の砥石館イベント

 

もう、二週間ほど前に成るでしょうか、今年最後の砥石館でのイベントに参加して来ました。当日の前半は、参加者の希望する枠に空きが出来た事も有り、時折り砥石館から応援を頼まれていると云う近隣の工芸関連の学生さんの御二方、その自主練にも付き合って来ました。

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勿論、後半は当日のメインである鏡作りでしたが。

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メインに先行して学生の御二方には、以前に作られた玉鋼製と工具鋼製の小刀を用いて研ぎの練習を。鋼材が異なるばかりでなく、切り刃の厚みが違って居たりして、一様に研ぎ進められる訳では無かったのですが(笑)。

人造粗砥から中砥、そして天然の巣板系統の後は、如何なる小割りの砥石によって刃紋が出るかの確認も兼ねていました。

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どう云う訳か、玉鋼製の方が波紋を出し難くて苦労しました。後に、田中館長が知人の刀剣研磨師の方に意見を聞いた上でしたか、拭いの手法を駆使して効果が上がったとの事でした。

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鏡作りは砂型の作業からスタートです。先ずは鏡の裏側と成る面の模様を選んで貰い、その後は型用の砂をザル等で篩いつつ詰めて行きます。下掲一つ目は、珍しくペンギンが選ばれた所です。

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亜鉛合金を溶かして、完成した砂型(表裏二つセット)へ流し込みます。結構、御自身で挑まれる方が多かったものの、概ね上手に熟されていました。

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或る程度、冷えた時点で型枠から出します。

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鏡本体から余分な所を切り落とし、各所の面取りの後に鏡面と成る部分をベルトサンダーで削ります。

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其の後は、只管に手作業で研磨して行きます。人造の粗砥と中砥、更に中仕上げの後は青砥に移行します。

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最後は研磨剤(番手違いで6種ほど)を撒いた布の上で磨きます。更に必要であれば、ダイヤモンドペーストを用いて仕上げます。

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今回の鏡製作体験も、参加者の方々には楽しみつつ作業をして頂けた様子で、嬉しく思います。現物の仕上がりも大きな瑕疵が無く安心しました。今後も砥石館でのイベントに関心を持って頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

(おまけ)何時も通り前日から現地に入っていたのに加え、有志の方宅へ泊めて貰う際に、何らかの料理を要求された事も変わらずで(笑)。

オムライスとのリクエストでしたので、鶏胸肉・エビ・玉葱・人参などを炒め、簡易的ながら固形のコンソメとジュース・荒濾しのトマトで米を炊きチキンライスに。

当初の目論見では柔らかオムレツに切り込みを入れ、ライスの上で広げる心算でしたが、鋳鉄の広いフライパン・慣れないIHの組み合わせに手間取り、薄焼き卵で包みました。其れでも厚くて歪に成ってしまったのが悔やまれますね。

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後は前回の会話中、黄色いズッキーニを知らないとの事でしたので、持参して切り込みを入れた上で塩を。出て来た水分を拭き取りオリーブオイルでソテーし、塩+黒胡椒した有り合わせのブナシメジにクローブ・シナモン・コリアンダー・千鳥酢でソースっぽい物に。

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亀岡へ向かう途中に有るので、時折り立ち寄る秋鹿の濁り酒を一本、進呈しておきました。

過去にオムライスは、ケチャップライスの物しか記憶に無い為かピンと来ていない様子でしたが、ズッキーニと濁り酒は分かり易かったのか評判は上々でした。まあ、基本的に酒なら大抵の物は嫌がらない気もしますが・・・。

残りの秋鹿は全て、親への御土産です。自分用(主として料理用)は大阪の量販店で「千秋」・専門店で「秋鹿」等の何れかを買えますので。対して、この種の季節ものは、出荷時期に手間を取らせてしまって恐縮ながら、入手のチャンスかつ現地で買うのが楽しくも有り。

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未だ来年以降の砥石館イベントに、私が呼ばれる予定も聞いていない内から「次に作って貰う料理を考えて置く」と言われても、そんな機会が有るのかどうかも不明だし、特別に料理が得意でも無ければ、作れるレパートリーが多い訳でも無いぞと釘を刺しておくのを忘れなかったのは、良かったと思います。

 

 

 

 

 

砥石館で肥後守の研ぎ体験イベント

 

先週末は、亀岡の天然砥石館でイベントの御手伝いでした。肥後守の切り刃を極力、ベタに研いで行き、最終は天然の仕上げ砥による刃金と地金の違いをも際立てせ、コントラストが引き立つ完成を目指しました。

 

 

砥石館は、二代目館長の田中さんに変わってからも、変わらず(以前にも増して?)意欲的に新しい分野や過去の方針の拡充に余念が無い様です。

下画像は新製品の小割りの砥石と、其れを納めるホルダーです。

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今回の主役となる、肥後守も勿論ですがサイズ別に揃っています。

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此れは、過去の直近に行われたドングリを模したアクセサリーです。実物を使って砂型を作り、熱した亜鉛合金を注いで製作する体験だったそうです。

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直接の関係は無いのですが、前館長の上野さんの趣味?を活かしたオブジェと言うべきでしょうか(笑)。昭和の時代のラジオをレストアし、放送を聞けるだけでは無く、ブルートゥースでCD音源を鳴らせるとの事。

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当日の主題である肥後守の研ぎイベント、そのチラシも有りました。

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用意された現物色々、サイズによりハンドルの材質にも違いが。

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下の開いて居る方は、確か田中さんが研ぎ上げた物だったかと。

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各種、天然仕上げ・中砥石の小割りも用意されていました。主として使われたのは、青砥・三河・内曇りの三種。

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始めは、メーカー問わず400番相当の人造砥石からです。肥後守は両刃ですので、両方の切り刃(左右の側面)をベタに成るのを目指して研ぎ下ろします。

過去に触れた事が有る肥後守は、大抵が凸の切り刃と成って居たのですが、最近の物はホローグラインドに成っている様ですね。形状の精度は向上していますし、取り敢えず切れる刃を付けるなら適した形状だと思いますが、切り刃全体を整えるにはホローの溝を消すまで終われない気に成ってしまいますね。もしも凸なら凸なりに仕上げれば、見た目的には砥石に当たらない部分と云うのが出ませんので。

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大まかにベタ迄に進めば、次は1000番相当の人造で傷を浅くして行きます。

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傷の低減と切れの向上が得られたら、天然砥石の中砥である青砥に移行します。

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全体が青砥の研ぎ肌に成れば(念の為に青砥の小割りを挟んでいますが)、今回のハイライトとも言える仕上げ砥の小割りです。

青砥、或いはダイヤモンド砥石で擂り、軽く泥を出してから作業に当たります。

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最終仕上げに使った小割りの砥石目が、切り刃の全面に揃った所で完成です。

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切れに関しては、部分的に私が研ぎを手伝ったりしましたが、自力で研ぎ上げる方も。そして、刃先を拡大してのチェックにも余念が有りません。

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実際に紙を切っての確認も。やはり、研ぎや刃物に興味を御持ちの方々ですので、切れの軽さや切り進む際の音の大きさに拘りを見せる場面も。

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ハンドルエンドにソングホールが有りますので、上野さんが切ったのでしたか?革紐を通して完成です。

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聞けば、早々に申し込みが満員御礼に成った、その参加者の方々ですので熱心にかつ楽しんで作業に当たって頂けました。拙い説明にも関わらず、清聴を頂き有難う御座いました。

御家庭でも様々な研ぎをなさる時に、今回の内容が幾らかでも御参考に成りましたら幸いです。更に高度な研ぎなどに付きましては、新館長が計画されそうですので、今後も砥石館の情報発信に御注目を頂けたらと思います。

あと、次回のイベントは砂型鋳造に依る鏡作りですが、一部の枠が埋まって居ないとかで、其の部分は今回同様の肥後守の天然仕上げに取り組む枠として用意されるそうです。何故なら、今回のイベントに漏れた方が複数名、居られた為に代替の枠としたいとの事で。もしも、日程に余裕の有る方は再度の御申し込みを検討されてみては如何でしょうか。

 

 

 

 

 

イベント前の息抜き

 

と言うのは言葉の綾で・・・郊外の古民家や、空いている土地を再利用してカフェなどが出来ている現状を、興味深く見ていました。そこで、両親の所に顔を出した序でに下調べをしていた施設に寄ってきました。

 

国道から少々、坂を上がって行った途中に建物が見えました。外観は落ち着いた風情ですね。隣り合った場所には所謂、古民家カフェも。

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中に入ると結構、見晴らしが良い事に気付きます。

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周辺で収穫された果物や農産品、米の量り売り等が目に付きます。

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飲食ができるスペースは、意外に天井が高く、壁際に薪ストーブが備え付けて有りました。

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メニューの中から、南山城産の紅茶とアテを。

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当日の御薦めは、入ったばかりの和栗との事でした。画像はモンブラン的な奴です。

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私の方は、予想以上に大きかったシフォンケーキ(アールグレイ)です。大きくてもフワフワだから簡単に食べきれる、その説明通りでしたが驚きは、横に据えられたクリームの方で。油っこさが無くてミルク感が強い物でした。

後日、話した料理人に依れば、練乳を加えると近い仕上がりに成るかもと。その伝で行けば、コンデンスミルク(無糖)や粉末状のミルク成分を混ぜても可能な気はしますが、この新鮮さ迄も再現できるのか、興味深いです。

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席からは下を走る国道・田畑を挟んで向かいの山肌が良く見えました。寒さが厳しく成れば、より紅葉もハッキリするし、冬枯れの草木も目立つのですが、当日は小春日和と言えそうな天候でした。

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両親の家では、結構なミカンと柿が生って居り。

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柿の方から収穫を。

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渋柿とは違って甘い方ですので、ジャムにする以外はスライス後に干す位しか無いかなと。

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魚を干す際に重宝している網で、試しに干してみました。

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自宅に帰り付き、次の日には知人からの貰い物が。小振り乍ら、結構な量の太刀魚です。

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太刀魚は塩焼きが旨いのも勿論ですが、刺身が好きなので、何種類かの切り方で比べて見る事に。更に余った分は、教えて貰ったしゃぶしゃぶで試しました。

左端のでっかいのは、カフェで購入のレモンとミカンの掛け合わせの物です。皮を薄く剝いて刻んだ物を使いました。

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丹波から送って貰ったのを保存していたとの事で、土産に持ち帰った黒豆の枝豆とで頂きました。

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今週末の砥石館イベントに向けて、良い気分転換に成ったのは確かですので、肥後守の研ぎ体験イベントでは楽しんで頂ける様、努めたいと思います。

 

 

 

 

 

近所の常連様から炭素鋼の包丁の御依頼

 

近くの御住まいの数少ない常連様、と言うだけでなく炭素鋼の包丁を聊か以上に鋭利に仕立てて御使用に成ると言う意味からも希少な存在?であるO様から、御依頼を頂きました。

 

研ぎ前の状態。錆びる鋼材ですので、其れなりに錆は出て居ますが、特に酷いレベルまでは見られませんね。

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其れ以上に目を惹くのは、刃先の損耗の少なさ。通常よりも三割増し程度に研いで居るにも関わらず、大きな欠け・捲れが皆無と言えます。

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研ぎ始めは、320番の人造からです。数回の研ぎにより、刃先の厚みが若干ですが増した為、小刃の幅を(多少は広げて来た従来よりも)広げました。

どうしてもと言う事であれば、側面の全体・何割かのの面積に亘って厚みを抜く事も可能ですが、時間と手間(大雑把では意味が少ないので)の観点から代金が高額に成りますし、製造段階で想定していない運用だと考えます。ナイフ・洋包丁にとっては、所期の小刃(1~2mmの幅)から研ぎ進め、5~10mmの幅まで広げつつ、刃先との兼ね合いを鑑み刃先最先端との角度の研ぎ分けを行なうのが妥当でしょう。

そもそも、薄い物が良ければ最初から薄く仕立てられた製品を選ぶべきであり、其の場合はグリップ(ハンドル)との重量バランスも取れた状態で使える筈です。鋼材と熱処理のバランスも、刃体の厚みと刃先角度に見合った(刃先を維持出来る)仕様に成って居る確率も高いと思われます。

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人造の1000番で、キズを浅く。

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同じく1000番ですが、粒度細かい物。次いで3000番で、小刃の幅を切っ先方向に向かって僅かに広げます(鋭角化)。

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天然は丸尾山の巣板、やや軟口と奥殿の中硬から。傷を消しつつ、更に形状を整えます。刃先最先端は幾らか鈍角化(切っ先に向かっては漸次鋭角化)。

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最阿雄仕上げは中山の硬口巣板と合いさで。

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研ぎ上がりです。錆を落とす際、小刃の直近の擦過傷を消す工程では、厚みを抜く(刃先方向・切っ先方向)狙いも含めて行なって有ります。

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御要望に従い刃先の最先端も、通常に比して鈍角化は控え目です。

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O様には、此の度も御依頼を頂きまして有難う御座いました。刃先の処理への工夫が奏功していると使い勝手が維持できると思われますし、錆の手入れを兼ねた磨きに依り、刃体本体も徐々に状態が良くなって行くと考えて居ますが、お気づきの点が有りましたら御問い合わせを御願い致します。

 

 

 

 

 

ダマスカス地金のVG10牛刀の御依頼

 

大阪府下のM様から、VG10の牛刀を送って頂きました。ダマスカス地金の間に心金を挟んだ仕様では有りますが、殆ど新品と言える段階で有り、刃先の損耗も軽度である事から、今回は小刃の範囲のみの研ぎに留める方向で作業を進めました。

 

 

研ぎ前の状態、全体画像です。全体に渡ってステンレス系統で構成されているものの、部分的に錆が発生しています。其処まで深くは無いのが何よりで、刃先の損耗も酷くは無いです。

日常的に、刃先への負担が少ない御使用法を伺わせると共に、此の段階で研ぎの必要性を感じられた点から、繊細な感性を御持ちである事・包丁を大切にされて居る事が拝察されます。

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初期刃付けの段階では掛かりを重視してか、やや荒い小刃が施されて居ます。ステンレスの仕上げでは、(特に人造仕上げ砥では)滑り易くなる傾向が有るので、其れへの対処として多用される方法では有ります。特に硬めに熱処理されたVG10は、超仕上げレバルの話しに成りますが、砥石に対して結構な選り好みが見られます。

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拡大して分かるのは、小刃が二段階と成って居ました。最先端の角度は、返りの処理と刃持ちを企図して付けられた物と考えられますが・・・稀に其の面積だけが使って行く内に摩耗して、あたかも別角度に仕立てたかの様に成っている事も有りますので、断定は出来ませんね。

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研ぎ始めは、人造の320番からです。大幅に研ぎ下ろす必要は無いのですが、硬目のVG10(耐摩耗性良好)故に、下りの速さは控え目です。

切り刃のカーブ手前の鎬筋周辺は、厚みが残って居る様子ですが・・・特に刃先周辺の切り刃はマズマズ均一気味の様です。ただ、研ぎ直した小刃のを観察して貰えれば分かるのですが、幅の増減が見られるという事で(今回は殆ど均一か、僅かに切っ先方向へ広がる筈の研ぎ方ですので)厚みの不均等が察せられます。

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続いて研磨力に優れる1000番で、より正確な小刃の形成に努めます。刃元は30度弱・中央は25度・切っ先付近は20度程で、両側から研ぎますから刃先角度の合計は、二倍と成ります。

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人造の最後は、3000番です。傷の浅い1000番を経て、更に傷を浅くします。

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天然に移行し、対馬です。

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奥殿の天井巣板、中硬の物で仕上げ研ぎです。普通に切るには充分とは言えます仕上がりに。

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普通では面白く無いので、やや硬口の中山の巣板・合いさで。切れは向上するも、未だ本調子を出せていない感も。

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超硬口のカラスでは、掛かりが向上。ただ繊細な切れにはもう一つ(違いが分からない人も居るレベルの話です)。

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超硬口の戸前では、切れと掛かりの性能が微増。

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此処で方向性を変え、水浅葱で。滑らかな切れでは最上の結果ですが、もう一声を狙えそうな感触。

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同じく水浅葱ですが、田中さんが惑星と呼称するタイプで。相性的に上画像の個体よりも優って居た様子で、最終仕上げの砥石としました。

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研ぎ上がりです。小刃のみの研ぎですので、全体画像による差異の確認は困難です。

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刃部のアップだと、研ぎ目の違いや小刃の幅の変化が見えて来るでしょうか。

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刃先拡大画像なら、使用した砥石の細かさ・砥ぎ分けた角度変化が確認出来ますね。小刃の幅の中で、数本の段階に分けて砥石を当てている結果です。切っ先方向へ進むほど、鋭角化も伴っていますが。

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一応、各所の錆も落とせるだけは落としましたが、新品時の仕様と同一とは行きません。使用工具や設備が異なると(扱う人間の違いでも)、完全な再現には成らない物です。

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M様には研ぎの御依頼と共に、ブログ掲載への御協力も頂き有り難う御座います。その理由を御聞きした上は尚更、感謝に堪えません。御自身が研ぎ専門の所へ依頼を出す迄に、かなり悩まれた経緯からだそうで。主婦が家庭で使う包丁を研ぎに出すのに、敷居が高く感じていると思われる為、少しでも身近に感じて貰えればと、御心遣いを頂いての事でした。

確かに、簡単に速く安く研ぐ訳では有りませんので、万人向けでは無いかも知れません(ナイフ・洋包丁は赤字ギリギリラインですが(笑)いや、和式も変わりませんね)。しかし、もしも私の研ぎに御興味が御有りでしたら、御家庭用の包丁だからと遠慮をされる必要は有りません。プラスチックの俎板により、直ぐに切れなくなるけれど、良く切れないと不満が出る方には御薦め出来るかと考えて居ます。

真っ直ぐに押し付ける、「落とし切り」と言われる切り方しか出来なければ「薄さ」しか頼れませんが、刃体も刃先も強度に劣り、刃体の曲がる心配・研ぎ直す頻度も上がります。刃物の寿命に関わる訳です。押し引きのストロークを織り交ぜて切る事が出来るなら、極端に薄く無くても(厚みや角度はテーパーが望ましいですが)充分な切れが出せます。まあ、刃先の角度が正確な必要は有りますが。

基本的には、上記内容に則った研ぎ方ですので、極端に荒く叩く様に扱う場合以外は、切れと永切れのバランスの取れた仕様を感じて頂けるかと。注意点としては、鋼材の種類と熱処理の結果次第で、実用に耐えられる刃先角度も決まって来る所です。

ホームページには、御問い合わせのフォームが有りますので、御気軽にメッセージを書いて御送り頂ければと思います。M様には明日夕刻、御返送の包丁が到着する予定ですが、不都合な点等が有りましたら御知らせ下さい。再度、調整等致しますので、宜しく御願い致します。此の度は研ぎの御依頼、有り難う御座いました。

 

 

 

 

 

ヘレのナイフの御依頼

 

群馬県のY様から、ヘレのナイフ(御友人作)を御送り頂きました。ヘレのファルクニーベンのブレードを使って、との事だったと思いますが、ブレード側面にはノルウェーと在った様な?確かファルクニーベンはスウェーデンでしたが、繫がりが有ったのでしたか・・・まあ、良い品であれば出自を問うのは野暮と言う物でしょう。

 

研ぎ前の状態。切り刃は殆ど初期状態の儘で、小刃を或る程度、研ぎ進めた様子です。やや厚く成って来た小刃の部分の強度を活かし、(サイズの割りにはハードな使い方である)バト二ングをするとか、ガシガシと木を削る作業には支障が少なそうでは有ります。

ただ、厚みの有る対象への最初の切れ込み・走り・抜けも考慮に入れるなら、そもそも鈍角目の切り刃・厚く成って来た刃先・一定角度の切り刃と小刃、の三点が気に成ります。

研ぎ方の御好みを窺った際、任せるとの事でしたので、私は強度(永切れ)と切れの両立を目指している点・研ぎ乍らの(砥石の番手其々で)試し切りを踏まえて、鋼材と熱処理の結果としての耐えられる刃先角度の選定をしている旨、御伝えした上で取り掛かりました。

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峰には損耗が見られますね。

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御要望としては、ファイヤースチール使用時に使える様、峰の面を平面に・側面との角を直角に。そして刃の研ぎ直しでした。完成品のブレードの背を精密に研削可能な設備は持ち合わせませんので、似通った自分のナイフを用いて、手作業による対応策を探りました。

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モーラのコンパニオンシリーズは、峰の面も綺麗に出ているのに対して、ロバストの方はプレス加工時の儘の凹面に成って居ます。下画像では、左方向から型で抜かれた状態でしょう。

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勿論、二本共です。

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其処で、ダイヤモンド砥石を用いて削って見ます。その後、番手を上げて行き最後はペーパーで。

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削った序でに、ストレート過ぎるブレードバックを、切っ先寄りの四割ほどの範囲で軽くドロップさせました。更にオマケとして、切っ先手前の峰の面取りも。加えて、其の部分の峰は(折角、平面にしましたが)改めて丸みを持たせました。鉛筆を削る様な使い方で、ウィークハンドでの後押しを想定しての事で、エッジが立って居ると皮膚への負担と成りますので。

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上記を踏まえて、ヘレに取り掛かります。同じくダイヤの低番手から。

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次に切り刃もですが、初めは小刃のみの研ぎで様子見しました。ところが、やはり切れに不満が出ましたので、元来の小刃の幅より少々、鎬を上げる程度に研ぐ事に。此の手のナイフに特有の傾向?が見られる、切っ先カーブから先が鈍角な切り刃と成って居る点も改善。

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人造の320番で、研磨痕を浅くしつつ、僅かに切り刃に切っ先方向へのテーパーを付けます。鎬付近は、ややふっくらで強度を稼ぎつつバト二ングでの楔効果を狙い、切り刃中央はソコソコ厚みを抜き、刃先までフラット気味に研ぎます。

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1000番と3000番で、更に傷を浅く。

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天然に移行し、対馬で。切り刃の面の繋がりを滑らかにしつつ、切っ先方向へのテーパーの精度を向上。

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丸尾山の蓮華入りの白巣板等で仕上げ研ぎ。

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中山の硬口の巣板で最終仕上げです。

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と思ったのですが、切れ加減が若干サッパリしていたので、粘っこい掛かりを求めて、合いさのカラスで刃先を2~3ストローク。

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研ぎ上がりです。

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今回は、御聞きした御要望に加え、ナイフ自体の現状から推し量った使い方に適した仕様にしたつもりでいます。Y様には御試し頂いて、問題が無いか確認を御願いしたいと思います。もしも不都合が有りましたら、刃先角の調整等の対応をさせて頂きますので、宜しく御願い致します。

此の度は研ぎの御依頼、有り難う御座いました。

 

 

 

 

 

砥石の日のイベント

 

毎年、砥石の日は10月14日なので、イベントも当日と思われがちです。そうで無くとも、(日曜にズレると既知の人でも)14日の直近だと考える様です。実際には14日の前にも後ろにも、そして結構、離れた日付にも成ったりします。

私の知人にも何人か、22日以外だと認識していた人も居ますし、自分でも近年まで同じ感覚でした。其れ位、余り関係性が強くないと言うか、自らも出向く様に成るとは思って居なかった訳ですね。やや引き籠り気味、までは行かずとも、大勢が詰め掛けるであろう場所は苦手な方ですので。

しかし偶々、去年は御誘いを頂き、田中砥石のブースの手伝いをして来ました。其れが如何なる経緯を辿ったのか、今回は研ぎに関する講演をする事に成りました。直前まで、技術指導的な方向かと思って居たので、喋る役割だと発覚してからは幾分、困惑しつつも取り上げる項目を選んだり、その際に話す内容を纏めたりして行きました。

 

其れとは別に、話した内容を実証実験的に反映できる様、幾つかの刃物も研いで置きました。結果的には、用意した全てを見せたり切ったりに使えなかったのですが、実際に手にして試して貰った方々には、或る程度は楽しみつつ納得して頂けたのではと感じました。

 

下画像は、単に普段使いの包丁ですが私の研ぎ方の特徴が少しでも伝わるかなと・・・持参したのですが出す余裕が無かったですね(笑)。他の、出刃・ビクトリノックス・モーラで手一杯に。

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此方が其の、モーラです。何方も緩いハマグリ(切れ優先)に研いであった物を、片方はベタ研ぎ気味に・もう一方はハマグリを強めにして、差を体感できるかなと。

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二本目も

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さて当日は、13:00からの講演に合わせ、午前の遅めに到着しました。前回は裏の搬入口からでしたので、正面入り口は今回が初です。

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予想以上に広くて、複雑な構造でした。御蔭で中々にたどり着けず、予定より余計に到着が遅れてしまう事に。

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案内板に従って進みますが

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一階だと思って居た会場は、前回もそうですが、地下だったと。そう言えば、エレベーターに乗ったのだから一回な訳は無かったですね。

下りた所から進んで行くとリフォームに関する展示や、当日は関係する会場も。

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無事に到着です。

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砥石の画像は少々、ピンボケになってしまいましたが

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隣の研ぎ場では、来場者が熱心に研ぐ姿が見られました。

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手挽きの体験も継続で

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会場では、三重の松阪から来訪の理容師かずけんさんや、特に関東の採掘場の歴史などを研究されているチヨウさんと旧交を温めたり。近況を尋ねたり、砥石関連の情報を交換したり。

他にも、嘗て研ぎ講習を受けて頂いたH様と御会い出来、3~4年前に私がお出しした紅茶の御礼にと、下画像を頂戴しました。

当日は砥石の購入も考えて居るとの事でしたので、丁度?一つ残って居た小振りな水浅葱(超硬口+目の細かい)を薦めました。僅かな可能性ですが相性の如何は未確認ながら、砥石その物は剃刀用としては一級品なので、名倉なども含めて使いこなして頂ければと思います。頂いた紅茶も興味深く、感謝致します。

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チヨウさんからは、調査した資料を纏めた物と、現場を回って地元の方からの協力を得て、集めた砥石の内の一つを頂きました。いつも有り難く活用させて頂いて居ます。

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肝心の講演ですが、自己採点では何とか及第点かなと。如何せん老若男女のプロ・ベテラン・中級者・初心者・一般の方の混成と思しきグループ相手ですので、どの範囲に合わせて解説しても不満や不足が出ると考えて居ました。

そこで窮余の策として、包丁・ナイフの一般的な刃体形状をカタログ風に図示して並べ、刃の付け方の概論、研ぎの基礎・応用と其の効果を、体験を交えて語りました。また使用する俎板や切り方の適不適で、刃物の耐久力や研ぎ直す頻度は変わり、切る対象や使い手の好みでも研ぎ方を変える必要性にも言及。但し砥石の扱い方・手の位置・研ぐ方向などの実技面は、隣の本会場で実際の研ぎを指導されて居るので、其方でと。

更に、予定では合間合間で質問コーナーを設け、受け答えを交えて進行をとの想定にも関わらず反応は薄目、其の為、最後の余興?として並べかけていた横の机の上の刃物類と新分類を移動、試し切りの実演で間を持たせました。

最後には凡その予定通りに、興味を持ってくれた方々が演壇?の周りに集まってくれ、刃物を手に取ったりビニール・新聞の束を切って見たりしつつ、刃物談議に花を咲かせました。唯一、心残りだったのは其の中に、普段は包丁にシャープナーを掛けているが砥石なら如何なる物がと聞いて頂いた方。どんな不満が有るのか・包丁の状態の程度は・砥石の揃えられる数と予算は、と余りにも聞き出す事柄が多かったので、不満が出るまではシャープナーで済ませ、いざと成れば砥石に進めば良いのではと、答えるに留めた事です。

刃先の厚みが増し過ぎたり、欠け等の損耗が激しければ、粗砥から。そうで無くても中砥が必要。面直しにはダイヤモンド砥石。切れに拘るなら仕上げ砥(人造でも天然でも)の購入も視野に入ります。シャープナーからのステップアップとしては、最低でも中砥とダイヤを買えと勧めて良い物かどうか、思案のしどころでは有る訳です。加えて、鋼材や硬さによって選択する砥石の製造法・メーカーの特徴も考慮しなければ成りません。況してや相性の良い天然砥石の選別などに至っては、徒に推奨するのも憚られます。

生活の中で研ぎに割ける時間の多寡も関わって来ますので、其の方がこのブログを見て下されば、当時の私の苦悩も御理解いただけるのではと微かな期待をしてみたり。

 

 

 

田中さん達がブースを片付け始めた所で、最後まで並んでいた砥石が多い事に気付き、自分用に一つ選びました。実は会場に着いて早々、田中さんから村上も買わないか?と聞かれ、少し前にエネキーを止められた人間に言われてもな(笑)。と返したのですが(笑い事では無い)、講演の謝礼として幾許かの収入には成るだろうとの皮算用(何時ものドンブリ勘定)の下、コッパを差し出しました。まあ、結果的には田中さんから当日の御礼として頂戴してしまい、恐縮です。

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ほんの少し、ブースの片付けを手伝い下画像のタオル迄も頂き会場を後視したのでした。

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表通りでは、時代祭りの余波が未だ続いている雰囲気で、国内外からの観光客が三々五々、帰路に就く所の様でした。

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イベントでは、私の拙い説明にも関わらず、最後までご清聴を頂き有難う御座いました。之までの人生で縁の無かった、殆ど喋りだけの仕事でしたので、不調法も有ったと思われますが、大阪の人間としましては面白さの不足も合わせ、今後の課題として活かして行く所存です。

 

 

 

 

 

2023 刃物祭り

 

この前の日曜日は、数年ぶりに関の刃物祭りへ出掛けて来ました。理由の一つは、服部に居た頃の先輩と合う為の、恒例の機会と成って居た事。コロナに因る自粛や規模の縮小を挟んだので、本当に久々に成ってしまいました。

もう一つは、二週間ほど前に日野浦さんとの連絡時(注文品の催促)、「今は海外出張前なので行くつもりは無かったが、村上と会える+ブースに座っている時に出来なかった通りの見物ができるなら、行こうかな」との事でしたので、日時を合わせて出掛けました。

 

 

事前の準備として土曜日に、先輩の好物の奈良漬けを購入。此方は十数年振りでしたか、しかし店舗は変わらずに盛況な様子でした。

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ブログを通じての知人・世話に成っている方・親への土産の分も合わせて。

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もう一つ、日野浦さんからの砥石選別の依頼を頂いている中、採掘の進むペースに御付き合いを願っている関係上、申し訳無いので私の御薦め中砥を御土産として持参する事に。幸い?対馬は触れる機会が薄かったらしいので、恐らく楽しんで貰えそうです。

 

以下は手持ちの対馬です。使い勝手が良く、研ぎ減りも少ないので気に入って居ます。

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そして、御土産用に用意した対馬。珍しい色のカシューで養生されて居ましたが、少し擦過傷が見られたので、自分でも透明の物で塗って見た所、やや落ち着いた居色合いに。

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あと日野浦さんからは「作業途中の段階だが、刃の方は見せられる」と聞いて居ましたので、代わりに私の手持ちの司作を研ぎ直した状態を見て貰おうかと。

以下の様に、何種類かの小割りを用いて(各種浅葱でも新たに数種を作って)地金に合う仕上がりを模索しましたが、最近の地金は数年前までの物とは異なり、同等の研ぎ肌には成らない事が改めて分かりました。

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とは言え、相応の仕上がりには成りましたので、研ぎ方の方向性を把握する練習にも丁度、良かったと思います。今回は、入手時の切り刃の状態から厚みの調整と、刃先の角度の研ぎ分けから進めましたので、傷消しは程々にして有ります。

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柳の方は、少し前に研ぎ直したので、其の儘で見せに行く事に。結果的に、「此処まで研ぎ込むのは大変なんだよな」とのコメントでした。御自身による、相当な研ぎへの拘りと年季を感じさせますね。刃体の形状の追及にも、納得と高評価を得られている様子で何よりでした。

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さて当日の刃物祭り二日目、日曜は昼前に到着しました。体育館(アウトドアナイフショーのブースの場所)をぐるりと回りつつ、日野浦さんを探しましたが見付けられず。代わり?に息子さん(睦氏)のブースの方に顔を出して挨拶し、少しの会話後に捜索を再開。

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結局、見つかりませんでしたが携帯での遣り取りでは、予想以上の挨拶合戦に成って居るとの事でしたので、食事場所の予約かたがた、刃物会館の方へ向かいました。

(服部での先輩には、すんなり合流できたので奈良漬け・砥石を手渡して、夕刻頃に再度の合流を約しました)

途中、郵便局周辺には御洒落な美容院とホテルが並んで新設されていて、暫く見ない内に様変わりしたなと感慨深い想いも。

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肝心の新生、刃物会館はガラスを多用した近代的な外観と成って居ましたが、その画像を撮るのを忘れる程、前庭での催しが気に成りました。

自衛隊の兵員輸送車でしょうか、其れとバイクの近くで記念撮影をしている人々が。さらに奥には特設ステージでライブも。何故か、国交省の投光器を備えた車両も出ていました。

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刃物会館の内部は、スペースの多くがショーケースに割かれていました。昔と比べて、山林道具や工具類は影を潜め、調理器具に重きを置かれている印象です。就中、キラキラと綺麗なハンドル材を使用したモデルが目を惹きます。

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期せずして日野浦さん御夫婦と取引先の方、其れに私を含めた六名での食事と成り、何故か当方まで御馳走に与ってしまうと言う経緯を経て、屋外に出ると結構な雨模様。全身防水仕様の私では有りましたが、通りを見て回りたいとの御意向を聞いていたので、台風傘を持参していました。其れを使って貰って移動と成りました。

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日野浦さんの車で、御持参下さった包丁類の刃を確認。しかし、予定していた二種類は含まれていなかった為、(注文を受けていた別種の分を)代わりに指定して仕上げまで頼みました。

思えば、出会ったのは2002年(2003年だったかも)の刃物祭りでしたので、今回の刃物祭りで丁度、二十年程の御付き合いと成りますね。時間が経つのは早いものです。

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車を出て別れた後、先輩と合流しようと再び体育館へ。息子さんが片付け中でしたので、先輩の片付けを待つ傍ら短く会話し、残って居た味方屋作の鉈を一本、購入しました。

司作の鉈と違って、味方屋の鉈は十数年前に大阪のナイフショップで竹割鉈を購入して以来です。其方は、狙いが其れて先端をコンクリートの床に打ち付けた際も、派手に欠けずに小さな欠けと捲れに終わったので其の熱処理に感心し、以後、何度か使いながら研いで来ました。

 

下画像は今回、購入の品です。五寸の両刃で、手持ちの司作の片刃の鉈の三本とは異なる使い方が出来そうです。

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数年前に研ぎ、仕舞って置いた竹割鉈ですが、一部に変色が見られましたので、研いで置く事にしました。

最初は、曇り仕上げで終えていたので、自作の革シースと云う事も有ってか、やや深錆と言えるレベルを地金の二か所に発生させてしまいました。

其の後、刃金は殆ど鏡面・地金は半鏡面仕上げとする事で、明らかな錆の発生は防げています。私が鏡面・半鏡面を推奨する理由は、単に永切れのみならず、この様な経験を踏まえたが故です。

 

研ぎ前、画像では判別困難ですが刃元の両側に変色。

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刃先も、やや角度の不正確さが残って居ましたので、対馬で研ぎ直してから硬口・超硬口の仕上げ砥で。地金部分は、千枚の小割り其の他で均し研ぎ。

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研ぎ上がりです。使用目的が目的ですので、嫌でも荒っぽく成り勝ちゆえに、仕上げの傷消しは程々で勘弁して貰いましょう。

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此れで、或る程度は地金も均一性・防錆性が向上。

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刃先部分は、包丁類よりも数段、鈍角のハマグリに

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刃物会館では、こんな物も選んで来ました。家に有る物は、良く切れるステーキナイフとソコソコ切れるステーキナイフですが、何方も厚みが薄いので、食パン・バゲット・パンドカンパーニュをスライスして袋に詰め、冷凍した物を分離させ役割には負担が大きい様子。此れは余り切れそうに無い代わり、厚みが充分ですから、パン同士を剥がすのにちょうど良さそうだなと(笑)。

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大阪へ帰る間際までは、先輩と恒例の喫茶タイムで近況を語り合い、またVG10の無垢材でペティを作って欲しいとの依頼が有った際には、製作を願いたい旨の要望を伝えたりして時間を過ごしました。

 

あと、司作を注文頂いて居る皆さんには、御待ちの期間が続いて居ますが、とうとう御本人とラインの交換もしましたので、より直接の遣り取りも可能と成りましたので、何とか目標の製品の製作まで漕ぎ着けたいと思って居ります。

 

 

 

 

 

兵庫県のU様からの御依頼、Hattoriのフォールディング

 

兵庫県のU様から、服部のカウリX製のfフォールディングナイフを送って頂きました。

新品同様で少々、刃先に荒れが有る程度でしたので、簡単な小刃の付け直しで改善出来ました。

 

 

研ぎ前の状態ですが、全体的に綺麗で刃先の異常も見え難いレベルです。

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刃先の拡大画像では、引き伸ばすと光を反射している部分の先に、黒い部分も有りますから刃先の処理は二段階と見受けられます。

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研ぎ始めは人造の320番からです。刃先の荒れが取れて、返りが少し出た所で1000番に繋ぎます。

此の段階で、右の刃元の厚みが僅かに少ない事・左の切っ先カーブの途中が少し、厚みが多い事が判明。但し其処以外は、相当に整っている構造であり「刃体の全面がハマグリ」のブレードとして、優秀だと思います。

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次に、同じく1000番ですが研磨痕の浅い物、そして3000番まで進めます。その段階で、小刃を少し広げつつ、切っ先方向へ向かい鋭角化して行きます。

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天然に移行し、対馬です。研ぎ傷を浅くしつつ小刃の幅の中で、途中から刃先へ向かって徐々に鈍角化。そして、切っ先方向へは鋭角化です。

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仕上げ研ぎに入り、奥殿の硬口~超硬口の黒蓮華です。相性も悪く無く、下りのみならず研ぎ上がりの切れも充分な仕上がり。

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超仕上げに相応しい、超硬口の中山の戸前近辺で。久々の登場でしたが、より相性的に適切だった様で上滑りも無く、狙った角度での刃先の処理も容易でした。

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研ぎ上がりです。と言っても、最小クラスの手の入れ方ですので、事前の状態との判別も難しいですね。

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刃先の拡大では、流石に違いも出て居ます。左から右方向に掛けて、等高線が広くなりながら続いて居ます。

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U様には、今後の御使用の予定は少なそうでは有りますが、先ずは少しの御試しでもして頂ければと思ってしまいます。御好みの仕上がりであった場合限定には成るでしょうが、その結果として多少は活躍の場も回って来るのも、ナイフにとっては幸せなのかも知れないと。

此の度は研ぎの御依頼を頂きまして、有難う御座いました。切れと永切れを心掛けているだけで、余り綺麗な物は得意として居ませんが今後も私で御役に立てる場合は、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

今回の記事は大幅に削る作業の報告や、使用砥石の選別に苦労した等の特記事項は無かったのですが、個人的に懐かしさみたいな物を感じた面も有りました。

下画像は昔、私が服部に居た頃に直接、購入したナイフ(銀紙の方)です。並んで上のナイフ、カーショウの1050は服部が下請けで製造して来たモデルで、確かアメリカ海兵隊で正式採用との触れ込みだったでしょうか。

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1050は8Aのブレードと真鍮ベースのハンドル。下のはカウリYのブレードでニッケルシルバーベースのハンドルです。購入時から銀紙に巻かれていたので、ニッケルシルバーの変色防止を狙っての物なのでしょう。関で何度か使って見た後で再度、銀紙に包まれて30年近く引き出しの中で眠って居ました。

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おまけに、もう一つは1055というモデルで、1050の一回り半ほどサイズダウンした物です。自分の手は小さいので当時は、此方の方がピッタリだと感じていたのですが、様々な扱いに慣れた現今では、何方も卒なく使えるなとの認識です。

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