最近の事(近所の方への研ぎ講習や御返送の柳)

 

手伝い先の方(一応、担当部署は隣ですが御一緒する事も)の包丁を、仕事場で名刺大の砥石にて簡単に刃先調整した所、その性能から興味を持たれた様子で・・・早速、研ぎ講習を依頼されました。

砥石での研ぎは初めてとの事でしたので、完全に壱からの説明と動作の見本を示し、試し切りで切れを確認しつつ、その結果を拡大画像から推測する流れで進めました。

御持参の18cmと21cmの牛刀で其々、紙一枚・紙の束・捩った紙の束・サランラップの芯も使い、切れと切れの軽さを比較しつつ、320番⇒1000番⇒対馬⇒丸尾山の巣板⇒中山の順で仕上げました。勿論、各工程で私が研ぎ直しを加えながら。

取り敢えず、切れと永切れ・抵抗の低減を企図して、初期状態の小刃より少し鋭角に研ぎ直し。その後、刃先に鈍角目の糸引きを入れ、逆に小刃の開始部分の凸部に対しては、鋭角目に(寝かせて)砥石を当てて貰いました。

 

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工程を経る毎に、切れの滑らかさと鋭利さが増すだけでなく、抜けや走りの軽さ(側面抵抗の低減)を実感して貰えました。此の先も、自主練で研ぎの向上を目指して頂ければと思います。

 

 

 

 

後、先日に研ぎ上げて御返送済みの柳に付いてですが、結果を知る事が出来ました。現地に集まった其々、研ぎ済みの包丁(同一鍛冶屋・同一寸法での比較も有った由、レギュレーション?)による対決で、優秀な成績だったと。

と言っても、他の殆どはベタに糸引きだったそうですので、二種類のハマグリ(+切っ先への角度変化)を盛り込んだ私の研ぎ方は、もしかすると反則と言うかレギュレーション違反に問われる可能性も(笑)。まあ当然、現実には制限など有る訳も無いのですが。

しかし此れは、例えばボクシングや柔道のテクニックのみで総合格闘技の大会に出場するが如きで、客観的に不利と言わざるを得ないでしょう。評価が「切れ・永切れ・掛かり・走り・抜け」の各項目を問われる内容であるなら、ベタ研ぎ乃至はベタに糸引きでは刃先の強度に不安が出たり、段差による抵抗・側面抵抗の不可避が付き纏うからです。まあ仮に、世間一般でハマグリと認識される研ぎ方であっても、効果的な形状や計算通りの角度変化で無ければ、期待外れと成りますが。

従って今回、私の研ぎが他の全てと一線を画す評価に成ったとしても殊更、驚くに値しない事に成ります。審査項目に最も合致した方法論が、其の儘の結果に結び付いたに過ぎないからです。しかし乍ら巷間、特に最近に散見される尤もらしい言説、「ハマグリ研ぎにはデメリットが多い」に与する方々には、再検討を願いたい所です。少なくとも、何処の誰のハマグリ研ぎも同じでは無い、と言う当然の事実から目を背ける事無く向き合って頂けましたら幸甚です。(因みに大阪サミットでしたか、あれが有った際にも同様の試し切りが行われたそうですが、今回と同様の結果だったと聞き及んでいます)

 

ハマグリはロマン???私にとっては、実用一点張りですね。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

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