カテゴリー別アーカイブ: 研究

高雄産砥石の傾向の確認

 

昨日も又、砥石の追加などで出掛けて来ました。到着時刻の加減により少し待ち時間が出来たので、手近な所の原石を選び鍛えたり面付けさせて貰っていました。

少しして中岡さんが帰着、購入希望の可能性が有る御二方用の赤ピンの選別もしました。以前に赤ピンの問い合わせをした所、在庫が無いとの返答でしたが加工して頂いていた事に感謝です。

 

1544276533667

此方は、某理髪店の方からFBでコメントを頂いたので、念の為に持って帰って来ました。砥面の一部に荒れ?は見えますが、硬過ぎず柔らか過ぎず。砥粒の均質で目の立ち方も適度です。

 

1544276550148

此方は現在、ガーバーのアーモハイド四本の研ぎ依頼を頂いている西宮のM様(過去にもオールドガーバーを研がせて頂きました)に試して頂こうかと念の為に持ち帰りました。メールにて、使用するべき砥石に付いての問い合わせも有りましたので。

御依頼品を研ぐ前、自分の手持ちのショーティーを題材に、仕上げに使う砥石の相性を調べて居ましたが、研磨力と仕上がりの良さで硬口の中山赤ピンに候補を絞りました(奥殿産硬口巣板・白のシャリシャリも遜色無しですが、僅かに研ぎ目が大きい。次点では中山並砥かなと)。以下画像は、本件砥石の砥面を整える作業に平行して試した結果の拡大画像です。

 

Still_2018-12-08_225934_60.0X_N0003

 

 

 

 

そして、自分で面付け他をして来た石達です。

1544276498623

左下は、少し硬いですが基本的に全部柔らか目です。

 

1544276521024

此方も左が少し硬い位です。

 

 

 

ゴロっとした原石が三つあったので、比較対象として使用。其々、表裏に皮が付いた状態で表の皮側から削って行きました。すると狙い通り?難の有る状態が見られました(しかも程度の違う)。

1544276441956

一度は面を付けたのですが、特に層の走行が暴れていた為に余計に巣や筋の影響が出ていました。筋・巣に対して斜めに面が付いていると表面に出る面積は増大・其の上、巣が減って来ても次の巣が頭を擡(もた)げる確率が高く成ります。余りに層の繋ぎ目が明確に出ると牙目に成りますし。

 

 

1544276450092

ですので、一部側面に剥離が見られた事もあり鏨を使って割って見ました。画像の砥面は、表の皮が付いていた側を向けてあります。

下側に位置していた(裏側に近かった)半分の方は、層の走行に合わせつつ面を付けたので、上半分よりも砥面に出る層の繋ぎ目が減少しています。元から少なかった巣の影響が、其の所為も在って尚更に薄く。

 

 

1544591098285

 

1544591082615

見て分かる様に此の個体は、裏に近付く程に白寄りに成っています。裏の一部は、奥殿の特徴なのか紫が出ています。巣板の茶色と白の境付近は蓮華も出易い様です。

上側単体でも、上面に対して裏の方が巣・巣の成りかけが少ないので、この点でも中央・裏寄りに難が少なかったと言えますね。

 

 

 

1544276468791

上の巣板に比べると、表の皮の直下から巣以外の難は二本の筋程度しか見られませんでした。但し、巣の範囲は広い。電着ダイヤに掛けても、硬くて滑り易いので整った砥面が出て来るまでは大変です。

持ち帰って、2~3度は面付けし直したので此のレベルに成っていますが、初期は白い部分が目立たない程。ですので、その段階で下画像の茶色原石と研ぎ比べれば当然、切れが劣りました。下画像の方は既に、研ぎに際して殆ど悪影響が出ない程には質的に恵まれた作業工程でした。

 

 

 

 

1544276558814

少し、白い部分が広がって来ました。

 

1544276582309

その状態で試し研ぎ。何とか使える感じです。

 

 

 

1544276477125

今回の原石の三個中で一番、難の少なかった茶色。層の荒れも巣の影響も砥面(砥粒の凝集・均質さ)の問題も極僅かです。そう云った雑味レベルでさえ、厚みを減らしていく程に改善されて来ました。

 

1544276590112

 

1544276604783

もう此の段階で一線級ですね。早速、本調子で使えそうです。

 

 

1544276628207

白い方は、あと1.5mmも(斜行を軽減する方向で)減らせば立派な白に成るでしょう。但し、まだまだ表の皮から少し進んだだけですので、次に如何なる難点が潜んでいるかは分かりません。此のまま著変無し、で経過を辿ってくれる事を期待します。

事ほど左様に、石の質によっては皮を剥がせば即、使い物になり全層に亘って最高性能を発揮してくれるとばかりは限りません。石の成り立ちにも因りますし、層に平行に面付けしなければ難の出現を誘発もします。余程、幸運に恵まれれば大きいまま最後まで問題無く性能を発揮してくれる石も存在するでしょうけれど。

以上は、特に巣板に限った話では有りません。合砥もそうで、更に言えば浅葱に顕著に見られる傾向だそうです。実際、地を引くとか針気が有るなどと評価された砥石であっても、性能を出せる層の部分を見付けてやれば、改善するどころか本来の一番美味しい部分を期待出来得ると。随分、難儀ですが面白いと感じます。

 

 

 

最後は、自分用に購入した二つです。

1544276527184

奥殿産の巣板、茶色に紫混じりです(と言うか下の大半は紫)。硬さは中くらいで砥粒の目の立ち方も中くらい、扱い易いです。

 

1544276510724

幾つか赤ピンを作ってくれていたので、その中ではやや柔らか目を。目は細かく、滑走感も適度で余り粘る泥では有りません。

 

 

 

 

1544276611811

オマケは、サンプルで購入した包丁。見た目は普通のステンレスっぽいですが、セミステンレスでSKD12相当との事。切れ・永切れは充分で、食材を切って見ても味や香りの低下はステンレス程では無かったです。それでも、天然砥石で仕上げた方が良い結果に繋がりました。

 

1544276620915

早速、茶色を使っていますが・・・3~4割、切れが落ちた状態からでも此の砥石で充分に戻せます。寧ろ、返りが出易くて分かり易い性質の鋼材・焼き加減ですね。

 

Still_2018-12-08_225830_60.0X_N0002

その状態の刃先拡大画像です。十分な仕上がりになっています。

 

 

この包丁の製造元へ、研いだサンプル持参で見学に行く事に成るかも知れません。色んな仕様で製造されている筈ですので、思う様な製品が有れば少量、販売用にとも考えています。包丁購入の相談などを受けた際に炭素鋼・手打ち鍛造を薦めてはいますが、どうしても錆の心配や重量・価格の点で二の足を踏む方への回答に成るかなと。

標準仕様の刃付けは鋭利過ぎる嫌いも在りますので、販売時には幾らか耐久性に振った角度で天然仕上げ砥による刃先調整を経てに成るでしょう。

 

 

 

 

 

高雄産砥石の傾向

 

此の所、一年くらいの間(頻度は疎ら)で高雄に通った結果、東物の砥石に付いて幾分は判って来た内容を簡単に纏めてみます。

全体的に硬い石が多いからか、(圧縮された故の)薄い層のみの石や断面の平行四辺形通りにしか採れない傾向が有ります。地下に在った際の重力や、プレートの動きによる荷重の所為か良く締まっているのとトレードオフなのでしょう。従って、厚物や大判が作り難い様です。

勿論、採掘場所や採り方によっては大きな原石として採れますが、後述の理由で其の儘で砥石として仕立てる事が出来ない場合が多いです。(物が良ければ大半使用可)逆に言えば、その理由を無視・或いは重要視しなければ大判や厚物に仕立てられる訳ですね。

 

① 東物の原石に現れる特徴は、皮と皮に挟まれた砥石の層の中央部あたりで、最も硬さ・細かさ・雑味の無さが発揮される部分が見られると云う事です。つまり、皮の付いた両端面は柔らか過ぎたり荒目だったり針気が有ったりで、難が有ります。其処から使い始めて最良の部分に達するのを待てるなら、端から使える事に成りますね。此れは砥石になった時の質の問題。以下は参考画像です。

 

1543478289238

此方を例に挙げますが(実際には既に使える砥面が出して有ります)

 

1543478296144

断面を見ると中央に紫の層が在ります

 

1543478312620

其処を狙って裁断すると、こんな感じで(石は違います)一面、紫の砥面に成ります。必ずしも紫であれば良い訳でも無く、それ以外の部分で裁断するべき石もあるとは思います。

 

1543478302402

此れも紫が勝っていますが、裏はもっと白が強くて柔らかいです。砥面としては裏の方が広く安定しているのですが、柔らか目なのと気泡の様な点々が気に成って紫側を使っています。

 

 

 

② 圧縮が強くて、層の一つ一つが大きく肥え難い・重なって行っても層同士で何処までも結合が強固な訳では無い(ハンマーで鍛えると分離する箇所が出る)ので剥離する所を落として行けば、其の分は薄く成ります。筋の入っていない砥石が難しい理由にも成りますね。此れは整形段階の問題。以下は参考画像です。

1543478280854

大分、砥面が安定して来た小さな天井巣板(硬口)

 

1543478266645

側面中央には、層の境界が。鏨を当てて叩けば此処から容易に分断出来ます。此れが何層にも亘って連なっていれば、厚い原石として採れる訳ですが層の何処かでは浮き易い接合面も出て来ます。

しかしながら、層の並びが此の面に平行に走っている確率が高いのも、高雄産の砥石の特徴ではあります。ですので、割れるにしても整然と平行に割れて行きます。小割りにする際もメリットになります。産地によっては平行で無かったり、其々複雑に入り組んだ走行を見せる石も在ります。(酷い場合は牙目)

逆に、層の平行を意識した砥面作りをしなければ(斜行)、研ぐ際に安定して本来の性能を発揮させられなかったりします。柔らかければ誤魔化し得るかも知れませんが、硬口の石故に其の影響も強く出ます。砥石層からの剥離・切断・面付けを通して適当に仕上げる訳には行かない理由が此処に在ります。

 

 

 

 

1543478230693

前回、常連であるベスパのディーラーの方へフォールディングナイフを届けた際に、入れ替わりで渡されたナイフです。

 

1543478237162

新品の状態では、刃付けの角度が鈍角だったり砥ぎ目が粗かったりで切れに不満が出易いです。

 

1543478244274

人造1000番の後、黒蓮華と上画像の奥殿産天井巣板(硬口)で仕上げました。初めの研ぎから大幅に研ぎ減らすのは避けたいので、初期刃付けでの減らし過ぎ部分は程々にしてあります。

浅葱系統とは違った、ややザックリした切れ方(強いて比べればですが)に仕上がるので、短い刃長のポケットナイフ等には向いているかも知れません。使い方が繊細で無くても、掛かりや切れ込みが感じ取り易い気はしますので。少なくとも、硬度が低かったり組織が粗かったりする刃物には、欠点をカバーしてくれるでしょう。そういった刃物に、鋭利且つ永切れに満足いく刃を付けるのは簡単では無いので。

 

 

 

 

最後に、高雄産の砥石達の展示施設が出来ましたので、その画像を。試し研ぎや、購入も可能です。事前に打ち合わせ程度は必要でしょうが、場合によっては場所の前身である鮮魚店の関係で、試し切り(魚の調理)も出来るとか。

上から二つ目の画像、中段下部には私が購入した本巣板の茶色梨地も見えます。最後から三つ目には白の蓮華混じりもかな?

1543074643050

 

1543074650160

 

1543074663323

 

1543074670470

 

1543074677174

 

1543074684078

 

 

 

 

 

内曇りの採掘場所へ

 

内曇りの採掘場所を自分の目で確認したく、再度高雄へ行って来ました。事前に聞いていた場所に到着した所、採掘者の方と古来より採掘に従事されて来た一族の末裔の方が作業をしていましたので、自分もその横で少し採らせて貰いました。

 

台風で倒れた木の辺りから見つかったとの事で。

1542377682229

 

 

1542377692215

 

 

 

1542377755136

 

 

1542377764111

 

 

 

私は此の辺りで探してみました。

1542377700356

 

 

1542377710463

 

 

1542377737857

紫がかった、カラス混じりの墨流しの内曇りの塊が出たので、砕いた所です。あと、通常の天井巣板その他も見えます。

 

1542381461562

 

 

1542381468357

カラス+墨流しと、通常の天井巣板・内曇りの境界みたいな物。

 

1542381476306

白の硬いのも混じっていました。研磨剤を感じさせる程の目が立った砥粒、シャリシャリした砥ぎ感の割りに滑らか。泥を出せば一気に研磨力アップと、個性的です。右端は内曇りですがカラスが少々。

 

1542381482166

左はおまけの中山赤ピン層の硬口。右は天井では無い奥殿の巣板。

 

1542381542078

内曇りですね。適度な抵抗と滑らかさ、刃金の傷を消してくれます。

 

1542381502399

上画像よりも粒度が細かく、当たりは柔らかいです。

 

1542381518277

内曇りよりも滑らかで地金も揃って来ます。

 

1542381525314

やや硬さを感じますが、奥行きのある手応え。通常の天井巣板が硬質ゴムの感触とすれば、硬い木の様な感触でしょうか。刃金も地金も明るめ。

 

1542381532403

傷が入りそうな感触ながら綺麗な仕上がり。シャリシャリの砥粒でもトロトロとサラサラの間の泥で砥ぎ易い。

 

 

1542381549408

内曇りよりも、ややネットリした感触。当たりは柔らかく、傷も少ない。カラスは裏面には少なく色も水色なので、表側から使って行くと途中で印象が変わるかも知れません。

 

 

 

 

此方は当日に選んだ中の石ですが、購入の際に参考にしたいので寸法などが知りたいと御問い合わせが有った物です。

 

1542381580634

左から、12.5×9×2.2:609g  中 14×7.5×1.7:394g  右 13×7.3×1.2:254g  です。

 

1542381587750

天井巣板のグイグイでも無く、シャリシャリでも無い少し反応させにくいタイプ。硬い割に当たりは柔らかいのですが。泥を出してやれば滑らかさ・研磨力共に向上します。其のままでは繊細な研ぎ方を必要とされる印章。

 

1542381595855

此方は中央の石ですが、右も同様で。グイグイ食い付くよりは、シャリシャリに寄っている感じですね。或る意味、分かり易くて研ぎに迷わずに済みます。研磨力も十分です。

 

 

 

 

オマケの赤ピン層の硬目。赤と緑が薄っすら混じって居り、硬過ぎず柔らか過ぎずの良いバランス。泥を出さなければ明るめの仕上がり。出せば滑らかな砥ぎ感と曇り仕上げに成ります。

1542381602021

 

 

 

 

紫がかったカラス+墨流しの小割りに面を付けてみました。或る程度、天井巣板に共通の紫が強く出た泥が印象的ですね。自分では此の色が入っている石が好みに成って来ました。今後も勉強がてら、時々は探しに行かせて貰えればと思います。

1542381609148

 

 

 

 

 

奥殿内曇りの試し研ぎ

 

この前、持ち帰った内曇りを本焼きで試してみました。

 

1541850104900

 

 

現在は余り使っていない、五寸五分の薄刃です。大まかには面が揃っているものの、一部は研削痕・初期の面ダレが残存しています。

 

1541850042146

以前の研ぎ済みの表

 

1541850049789

同じく、裏

 

1541853076610

今回の砥石で砥いだ状態

 

1541850059330

部分的に残っている研削痕を狙って、小割りも当ててみました。周囲への余計な傷も入らず、残存箇所を減らしてくれます。

また、同じ水野鍛錬所の本焼き柳よりも刃紋が出難い此の包丁ですが、過去の何れの砥石よりも少しハッキリした様です。完全に面が揃っていれば更に見え易く成った筈ですが、無駄に減らさず使う度に整えて行く方針に変わりは有りません。

 

 

研ぎ上がりです

1541850137708

 

 

1541850123876

 

 

1541850131529

 

 

本焼き用として、やや軟・中硬・硬と使っていますが、今回の内曇りで軟も揃った事に成ります。今後は相性探しや、工程の適正で活躍の場面が期待されます。

もう少し詳しく知る為に、採掘場所や出て来た様子などを実際に見に行きたい気持ちになって来ますね。前回の天井巣板の採掘場所と合わせて、印象深い場所に成ると思います。

 

 

 

 

 

奥殿の追加

 

昨日は久し振りに、高雄へ行って来ました。数日前に包丁向きと思われる、新しい砥石が出たとの知らせが入ったからです。前回、採掘で御一緒させて貰った山肌とは違った場所らしいのですが、少し前の台風で崩れた際に現れたとか。

層としては天井巣板層で、種類的には内曇りに当たるとの事。通常の奥殿とは格段に硬さが違うので、使用目的や効果の違う砥石に成りそうです。

 

 

 

幾つか原石のまま、袋に入っていた中から選んでみました。

 

1541521520029

此れは形状的に其のまま使えそうでしたので、自分で面付けをさせて貰いました。

 

1541521528331

此方は、大きな三角形でしたのでカットを御願いしました。もう自分で切れよと言われますが、まだまだ失敗が気に成りますので。

 

1541521535703

最後のは、薄くて広い物。厚みもバラバラ、従って角度もマチマチに成りますが全体的に面を付けました。持ち帰って小割りにするので、其の状態で問題無いです。

 

 

 

試し研ぎ

 

1541521570186

最初の筋が目立つ石ですが、あからさまな筋は乗っかる感じがしますね。ただ、刃金にダメージが出る程では無く案外、普通に研げます。地金に傷を入れずに仕上げるには工夫を要するものの、刃・地共に深い傷を浅くする能力や刃金を曇らせる働きには有効です。

 

1541521552789

裏の状態、刃金のみの部分ですね。刃物と砥石、双方の面を安定させて砥げば結構、均一な砥ぎ目に成って来ます。

 

 

1541521604706

炭素鋼のペティ、刃先を研ぎました。切れは、巣板仕上げとして妥当な物。掛かりの良さと手応えの軽さが印象的。後述の小割りした砥石で軽く側面も撫でて有ります。

 

 

1541521579342

此れは筋の数や質が幾分、控え目なので更に使い勝手や仕上がりが良いですね。

 

1541521588575

裏の状態も同上。

 

 

 

1541531137811

小割りした分です

 

1541531118871

未だ大き目のも有ります。広い面積用に、残して置いても良さそうです。

 

1541531110003

参考画像です。小割りした中には、三段階くらい硬さや層成りの違いが有った様です。基本的に、層が素直に出ている部分は当たりの滑らかさ・砥ぎ目の均一さに優れ、やや(練り物との表現も有るらしいですが、其れに近いのか)複雑な成り立ちと思われる部分では当たりがキツク、砥ぎ目もバラツク感じですね。まあ、役割分担で中継ぎと仕上げに振り分ければ良いと思います。

画像は、余り素直でない部分の小割りを地金部分に当ててみました。割った方も、そうでない方も適度な弾力が有り、奥殿の天井巣板の特徴を示しています。此の層に産する石は、どんなに硬くても一定の弾力を伴って扱い易さに繋がっています。

 

 

 

おまけです

 

1541522868474

北海道のT様から、メールの遣り取りを通して剃刀関係の文面を頂いて居ました。其れに適するかどうかは現物と合わせてみないと分かりませんが、必要とあれば用意しておこうかなと考えていました。期せずして、今回の作業中に目に付いた物を(本当は探して居たり)無理を言って持って帰って来ました。

奥殿産の浅葱、泡立ちとも称される砥ぎ易いタイプ。しかし彼方に通っていた時期を通して、此処まで硬さ・細かさ・均一性で匹敵するのは在ったかと思わされるレベルですので、砥ぎ易さは少し難易度アップかと。

もしも試して頂いて、扱い難いとの結果であれば自分用にする気満々で選びました。彼方でも、御目が高いとの言葉を頂戴しましたので間違い無い物なのは確かですね。

 

1541521618398

 

1541597633579

 

 

 

1541522882166

 

 

1541522894311

 

 

1541522911693

 

 

1541522904059

 

 

 

おまけのおまけ

 

1541521543922

序でに、辺りに転がっていたのも持ち帰りました。超硬の緑板が採れたとの会話中に、此の辺も・・・との説明が有りましたので同等品かなと思われます。(あやふやな書き方でしたね。此方は、正確には中山です。其の坑道付近での会話中)

 

1541531129574

薄い部分のコバはハンマーで丸めたり、大きな凸部はハツったりして面を付けました。左の上、原石の面が残る部分と右側面下方の二か所に油膜の様なホログラムの様な異質な反射をする部分が有ります。

特有の成り立ちに由来するのでしょうか、奥殿の山で薄暗くなって来ると原石の状態でも若干の蛍光色を思わせる色の違いが有るのを思い出させます。でも中山の方はもっと局所的で、代わりに強い反射を見せます。生まれか育ち故か、外観にも特徴が現れます。

 

1541522995454

砥ぎ感は、(超?)硬口の砥石と中硬の砥石の間位で、仕上がりも其れに準じます。

 

1541522988024

 

 

 

今回の砥石達は、新たな役割を果たしてくれそうなので有難いですね。特に、私は基本的に本焼きに付いては小割りの砥石を使わずに研いで来ましたので、其処に使える様であれば助かります。

軟鉄の地金にも難しさは在るのですが、本焼きの全面鋼(硬度差は有りますが)で面の連続性を保って一律の砥ぎ肌に仕上げるには、角砥石のみで勝負するしか無かったからです。

そうで無くとも、軟鉄部分の均し研ぎに使えるのは確認済みですので、今後活躍してくれる事は間違い無いでしょう。此の度は有難う御座いました。

 

1541522941494

 

1541522949315

 

 

 

 

 

追加で本日、もう一つの方も仕上げました。

 

1541597640665

 

1541597647915

元から薄かったので、流石に此の儘では使い難いですね。鉋や切り出しと違って、包丁では致命的です。17日には砥石館でのイベントに呼ばれているので、現地で板に張り付けて来ようかなと考えています。

その後には神戸のS様が、当方にて砥石や包丁の動画を撮られるとか。共に研ぎや天然砥石に付いて情報発信をと誘われていますので、研ぎや切り・食材の味の違いに付いても表現出来ればと思います。上記の薄い砥石は、板に貼った後にデモンストレーション用に持っておいて貰おうかなと考えています。前々回には私の予備の巣板を御買い上げ頂いたので、薄くて筋も有るとは言え戸前系の砥石のイメージを掴んで頂くには良いサンプルでしょうし、初めて見る方や未体験の方には原石の雰囲気も伝わるかと。

 

 

 

 

 

手持無沙汰で(最近の考察)

 

本日、日野浦さんからの包丁到着が凡そ確定しましたので受講生のK様(長らく御待たせ)、もう一人のK様(運良く短め)、砥石館常連様(三本中の一本、残り二本は次)には三徳包丁納品の目処が立ちました事を御報告いたします。

磨き・黒打ち(二本)が週明けには当方に到着予定です。柳を御待ちの方々には、もう少々我慢の程を御願い致します。これ等を待っている間、手が空いていたので最近気になった事柄を試していました。(柳の大半は私が研ぎを施してからの発送なので)

砥石館に置いてある、商品としての包丁や研ぎサンプルとしての包丁の直しをしている際に、現地の様々な砥石を使う訳ですが、大抵は御決まりの数種に成ります。其れは研ぎ体験希望者への最終仕上げ砥石としても使われ易い物で、中山産水浅葱・若狭産戸前・菖蒲産浅葱です。

個体として最も硬いのは菖蒲で以下、若狭・中山と並びますが右二つは大差有りません。しかし、明らかに研がれた刃物の切れが違います。(硬さは勿論、砥粒の目の立ち方・泥の出方の何れも各産地・各層に固有の特徴では無いので、此処では余り重視せずに願います)特に違いが顕著となるのは組織が粗い刃物と熱処理が不正確と思われる刃物(焼き入れ温度が低いか戻し損ない・加工時の焼き戻り?で硬度が低い・保持時間が長いか鍛造不足?で炭化物が大きい)

一般に、正しいとされている考え方に「硬くて細かい砥石を、返りが出ない範囲で刃先の左右(表裏)撫でてやれば、最先端の整列と細かい仕上がりになり、大抵は切れる刃先に成る」というのが有ります。私も基本的には同意ですが、それだけでは解決困難な事例もあります。砥石館では各人各様の刃物を持ち込まれますので、自分の手持ち以外の色んな状態やレベルの物に触れられました。それに比べれば上記の研ぎ直した二種は標準の範疇では有りますが、性能をフルに引き出すのが難しい部類だと感じました。普通~普通以下で良ければ簡単なのですが。

最初は炭素鋼とステンレスの違いも有るのに、揃ってAの砥石で切れず、Bの砥石では切れるのが不思議でした。しかし更に試すと、切れる砥石Bと他の切れる砥石Cの結果が同一では無い事にも気づきました。切れのレベルと其の持続の違いですが、砥石館に複数備えてある顕微鏡で逐一確認しつつ、試し切りをして傾向が見えて来たと考えます。

やはり、人造と天然の大きな違いである砥ぎ目の多寡と深浅は、天然砥石同士の比較に於いても厳然と影響する様です。殆どの場合、研磨が速い(つまり研磨力が大)砥石は刃物表面に研ぎ傷が付き易いです。しかし、研ぎ傷が(実用上・或いは理論上悪影響を与えない程に)小さい場合は、寧ろ対象物への掛かりが良い刃先として機能します。此れに対して、更に研ぎ傷が小さい・或いは殆ど無いと表現可能な刃先には、刃物の(鋼材由来の但し製造段階で千差万別の)組織その物の荒さが現れた状態に成っています。

上記、二つの状態は、初期切れには前者・永切れには後者が優れる可能性が高いです。何故なら、(高品質な砥石前提ですが)明確で均一な刃先の研ぎ傷の方が、金属組織由来のランダムなセレーション(波刃)よりも、安定して対象に接触し続ける事が出来ると考えられ、逆に(強引に研磨剤で消すのでなく)砥ぎ目が付かないレベルの控え目な研磨力で砥がれた刃先は、強度が高い構成物(炭化物など)の残存が耐摩耗性に有利だと考えるからです。余り砥ぎ目が明確だと、それが摩耗した時との差が大きいのも有りますね。

此処までは、以前から記載していた内容に準じる部分が多いです。しかし鋼材によって最適な粒度が違う等と言われて来たレベル以上の、相性の本質は、「組織の荒さ(山と谷の頂上)の先端に明確な砥ぎ目を付ける・或いは砥ぎ目を消す」のか、「砥ぎ目の先端に更に細かい砥ぎ目を付ける・或いは砥ぎ目を消す」も含まれるのでは無いか。前者は天然同士でも良いし、後者は人造から天然が適するでしょう。少なくとも、一筋縄では行かない難儀な刃物には効果的でした。飽くまでも、粒度の差が少ない仕上げ砥石同士が前提です。荒砥・中砥ベースでは永切れしませんので。あ、引き千切るのは出来るでしょう。(出来の良い刃物であれば、此処までの工夫は必要ない場合が大半です)

以上の事を踏まえると、砥石館に有った(個体差は有ります)最終仕上げに適した砥石三種は、①研磨が速くて形状を整えて掛かり良い砥ぎ目を付ける若狭戸前。②優しい当たりで傷を入れず寧ろ傷消しに働く中山水浅葱。③硬く滑らかな砥面で刃先の細かい整列を促す菖蒲浅葱。と言う、図らずも各々の特徴的な働きで仕上がりの差別化を齎(もたら)してくれていた訳です。しかし、ハマグリ刃なら刃先への異なる砥石でのアプローチも可能ですが、両面が平面の場合は困難ですね。精々、砥石の効果の上書きで二種のミックス狙いと言う所でしょうか。

結果的に、研ぎ直しは巣板仕上げからの最終、若狭(田村山戸前浅葱)で仕上げましたが、組織が粗く硬度も低い二丁の包丁をキッチリ切れる様にしてくれました。今回は、研磨力の強さと其れに伴う適度な砥ぎ目を利用して砥ぎましたが、平面の刃物ならば砥ぎ目は付き難いですし、泥を出してから・共名倉の使用など、幾つも仕上がりを変更可能(そもそも石毎に個性も有り)ですので、此れしか無い・こう使うしか無いとは受け取らないで欲しいです。寧ろ様々な知識を駆使して最大限、砥石の性能を発揮させ、然る後に刃物を活かす方向に繋げて行かれる事を願います。

 

 

以下は、例として手持ちの観察をした画像です。モバイル顕微鏡では、砥石館の光学の明るい奴には描写力で及びませんが、参考までに。

 

1521808381636

青紙の切り出し

 

1521808390671

炭素鋼のペティ

 

 

1521808315986

田村山の戸前

 

1521808401190

 

Still_2018-03-20_220113_60.0X_N0001.jpg若戸

 

 

1521808409843

 

Still_2018-03-20_220237_60.0X_N0002.jpg若戸

 

 

 

1521808338590

中山の並砥

 

1521808482920

 

Still_2018-03-20_220903_60.0X_N0003.jpg若浅葱

 

 

1521808495705

 

Still_2018-03-20_221023_60.0X_N0004.jpg若浅葱

 

 

 

 

1521808350985

中山の水浅葱

 

1521808504968

 

Still_2018-03-20_222041_60.0X_N0005.jpg中並砥

 

 

1521808528567

 

Still_2018-03-20_222144_60.0X_N0006.jpg中並

 

 

 

1521808361283

奥殿の天井巣板

 

1521808537029

 

Still_2018-03-20_222952_60.0X_N0008.jpg中水

 

 

1521808544733

 

Still_2018-03-20_224103_60.0X_N0009.jpg中水

 

 

普段、仕上げに使う事の多い砥石達で普段使いの刃物に試してみました。研ぎ目の大きさや付き方、光り方(仕上がりの細かさ)が其々に異なっています。従って、刃先の性状も其々です。

此の違いこそが刃物の個性を引き出す武器であり、好みの切れに調整する際も役に立ちます。鋭く掛かる刃先・滑らかに切れる刃先・耐摩耗性に優れる刃先等、使い方や組み合わせ方で、かなりの幅を持たせられます。全ての刃物に、自在に随意の刃を付けられれば良いのですが、簡単では無いですね。

 

 

 

 

 

奥殿産砥石

 

奥殿で採掘される砥石の種類の幾つか、そのサンプルを試してみました。勿論、これ等の反応が必ずしもその層の標準的な特徴を体現しているとか、性能を保証するものでは有りません。

しかし何れも小振りな砥石達ながら、まずまず納得の仕上がりを見せてくれたと思います。刃物は青紙と極軟鋼の切り出しです。

 

1517307387670

 

本巣板の白あたりになるでしょうか。蓮華も少し混ざっており、やや硬口です。

 

1517307409398

刃金は薄曇り~半鏡面、地金も明るめの曇りに仕上がります。

 

 

1517307418701

 

本巣板の黒蓮華ですが、かなり硬いです。

 

1517307450413

仕上がりは、刃・地共に曇り~薄曇りです。

 

 

1517307459431

本巣板の卵色がかる部分に紫も混じっています。此れもかなり硬口です。

 

1517307475758

 

やや明る目の曇り~薄曇りに仕上がります。此の石は斜行で層の境が砥面に出ているのですが、硬さと研磨力を感じる程度で違和感無く使えます。

 

 

1517307485165

天井巣板から八枚の層の砥石です。最大限の硬さを感じさせ、其れに相応しい粒度の細かさも併せ持っています。

テストに使った、ロックウェル硬度で60台後半の特殊鋼も難無く下ろし、硬くて細かい砥石における常識を聊か以上にグラつかせてくれました。

 

1517307495717

上画像は裏側で、皮の表情をみていると、採掘時に村上株などと言いながら作業していたのが思い出されます。

 

1517307510433

刃は薄曇り~半鏡面、地金は薄曇りで明るく仕上がります。

 

 

1517307554125

巣板で有名な奥殿ですが、浅黄も採れます。此れは砥粒の凝集の仕方が独特で、泡立ちとも称される質の石です。

分類的には硬口でも、上記の質に因る反応から地を引くことが少なく使い易い場合が多いとの事。

 

1517307561605

実際、研ぎ易くて仕上がりも良い結果となりました。

 

1517307567683

 

刃・地共に明るい仕上がりです。

 

 

幾つかのサンプルと販売用の砥石での試し研ぎを経て、少しずつ砥石の性格や相性も理解出来つつあります。しかし、まだまだ見ていない・触っていない層や質も在りますし、違う山ともなれば言わずもがな。僅かずつでも経験と知識を蓄積していければと思います。

 

 

 

 

赤ピンの続き

 

前回、赤ピンの間府から幾つかサンプルを採ってきました。それらは柔らか目・やや柔らかい・やや硬いと性質の異なるものでした。

以前に採れた石にも、硬い物や大きな物などバラエティが有ったとの事で、その資料が下画像です。

 

1516526880597

大型赤ピン

 

1516526987650

硬口赤ピン

 

15165270020611516527007451

研ぎあがり画像

 

 

 

そして、今回のサンプルですが

1516526886920

 

1516526895951

 

1516526912580

中央

1516526981619

右端

 

左から右へ行くほど硬めでした。それぞれ、刃金は結構細かく仕上がりますが、地金に対してはやや精粗の違いを見せます。基本的に、硬くなる程に細かい傾向にあります。

露天から間府に成って行くと硬さ・細かさが増し、赤ピンから、風化の進んでいない戸前層に近付くと此方も硬さ・細かさが上がる様です。

掘り進んで、層の中央部に近付けば同様の結果ともなり、天然の砥石層は興味をそそる要素が多くて飽きさせないですね。

 

 

 

 

採掘の準備

 

本日は午後から、中山の赤ピンが採れる間府の掃除をして来ました。随分前に一部が埋もれた所に進んで行き、途中の石や土を掻き出しては排除の繰り返しです。

1514971061128

 

 

暫く続けるとかんな感じに。

1514971069426

 

一度、捨てに行った後、更に続けると下画像の大きな石(長さ約60cm厚さ約15cm)が転がり落ちました。

1514971118993

 

その御陰で、突き当りの部分が広がり

1514971180035

 

上部の様子が見えました。

1514971154213

 

1514971134578

 

 

 

此処は赤ピンが多く採れる場所ですので、簡単に加工無しで仕上がる原石も出て来ます。その中の一つをサンプルにしてみました。

1514973804844

 

柔らか目で、泥も比例して多く出ます。邪魔になる事は無いのですが、結構砥粒の目が立っているので圧力や速度を一定に研がないと微妙な引け傷が入り易い性格ではあります。

とは言っても、刃金に対して悪さをする訳でもなく、極端に地金の仕上がりに拘らなければ問題ないレベルです。寧ろ、その柔らかさと泥の多さによる当たりの優しさ・滑走感の良さで、研ぎ易さが際立つ印象に成るでしょう。

1514973811562

 

石の性格を把握して、其れを生かす方向で研げれば全く問題ない場合が多いのでは。一定数、赤ピンに拘る向きがいらっしゃるのもむべなるかな、と言った所です。

1514973817392

 

この赤ピンの仕上がりは、刃金がやや明る目の薄曇りでした。戸前との境界付近の赤ピンや、そうで無くとも硬口の物も採れるとの事で、先々には様々な仕上がりの砥石達が期待出来そうです。

 

 

 

 

砥石の勉強の為に

 

この前、天井巣板に触れる事が出来た所へ再び出掛けて来ました。尚さんと一緒なのは変わりませんが、今回は採掘している山へ連れて行って貰い、現場を見ながら手伝いをしつつ、実地に教えて頂く機会に恵まれました。

 

1512719876158

 

1512719883892

本巣板の天井辺り?

 

1512719818857

 

1512719829183

大きな原石です。

 

1512719840882

此方は自分で割った所だったかと。

 

1512719849096

前回頂いて帰った、ピンク掛かった紫の入った物と同系統に見えますね。

 

1512719857857

 

 

 

主としては中腹と、山頂手前の辺りが手付かずと言うか新たに見つかった様な場所ですが、下画像の山頂手前の剥がれかけた層が露頭している部分などは見ていて分かり易いです。

1512719891267

この付近で並んで採掘していた折りに、私が採った妙に硬い小さ目の砥石が変わっているとの事で、村上株だな。などと話しながら作業する一コマも。

因みに、鉱脈の露頭している部分が株で、其れを掘り進めて行くと間府になるのだとか?

 

1512719898939

かなりの量の原石の採掘・鍛えを終えた所。天井巣板から八枚辺り?

 

 

御当地に産する砥石の特徴や、其れに付随する加工上の注意点、更には加工法その物も説明して貰えました。というのも、指導に当たって下さる方が古来より伝わる山本流の採掘・加工法を継承する方で、私の事は内弟子(通いですが)扱いしても良いと言って頂けたからです。

自分としては、砥石に関して採掘場所の周辺から原石の状態、更には加工の良し悪しによって如何なる違いが出るのかまで、興味のあった内容を網羅する勉強が出来る、願っても無い機会です。喜んで御願いして来ました。

喜んでいた為か、慣れない傾斜地での行動で疲れていたのか、当日に採れた肝心の石は置いて来てしまったのですが、今後もちょくちょく寄せて頂けるので、近々連れて帰れるでしょう。此の度の二日に渡る勉強に感謝すると共に、今後も御指導宜しくお願い致します。