玉鋼の小刀(こがたな)製作

 

 

少し前に、砥石館でのイベント準備として平日に亀岡に行って来ました。そのイベントでは、当初の計画であったスウェーデン鋼でなく、玉鋼を使用する事になりました。

場所は、何時も御世話になっている亀岡在住の刀匠の所で、此方は変更無しです。事前にサンプルを作って、当日の作業工程・時間配分割り出しと、告知用の画像に使う算段での作業でした。

 

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積み沸かしとか水減しとかでしたか?難易度の高い操作は事前に済ませた後、既に鍛錬した鋼材(玉鋼)を用意しておいて頂き

 

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形状を整えて

 

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館長との二人分、切り分けて貰いました。因みに、玉の炭素量というか硬度は、芯金と皮金の中間程度との事です。

 

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鞴(ふいご)で送った風で松炭を熱し、玉を温めます。

 

 

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私の画像は自分で撮れませんので、上野さんの作業工程をメインで。

 

 

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温め、鍛造(火造り)、修正して貰う、の繰り返しです。

 

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本焼きでもありますので、焼き刃土を準備して頂き、土置きです。当然、刃先は薄く、地金部分となる峰(棟)側は厚く。

 

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充分に乾燥すれば、焼き入れです。土を除いた部分は、模様も入れられるとの事で、テストしてみました。

 

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熱した鋼の色で判断する必要が有るので、焼き入れ時は暗過ぎて画像は取れていません。

 

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刀匠に粗削りまでして頂いた状態です。

 

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既に最初の鍛錬時による、縦の鍛え肌が出ています。

 

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ベルトサンダー、ダイヤ、人造の荒砥、中砥、巣板と順に掛けて行き、刃先は合砥。其の他は小割りした巣板・八枚・千枚で。

 

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刃紋らしき物も出て来ました。あと、匂いと称される様な物も見えます。

 

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裏は、ほぼ片刃だからでしょうか、少し大人しい柄です。模様を狙って土を除けた部分は、今の所は判別し辛いですね。

 

 

 

今回は、二月辺りに予定されている一泊二日のイベントでの作業内容を模して行いましたが、結構な難易度の工程が有り、参加者にとっては遣り甲斐とも成るのではないでしょうか。

現場でサポートや修正が入る部分で、幾らかは安心でしょうが其の難しい作業を体験する事こそ貴重だと捉えて頂ければと思います。

 

 

 

 

砥石の勉強の為に

 

この前、天井巣板に触れる事が出来た所へ再び出掛けて来ました。尚さんと一緒なのは変わりませんが、今回は採掘している山へ連れて行って貰い、現場を見ながら手伝いをしつつ、実地に教えて頂く機会に恵まれました。

 

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本巣板の天井辺り?

 

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大きな原石です。

 

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此方は自分で割った所だったかと。

 

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前回頂いて帰った、ピンク掛かった紫の入った物と同系統に見えますね。

 

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主としては中腹と、山頂手前の辺りが手付かずと言うか新たに見つかった様な場所ですが、下画像の山頂手前の剥がれかけた層が露頭している部分などは見ていて分かり易いです。

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この付近で並んで採掘していた折りに、私が採った妙に硬い小さ目の砥石が変わっているとの事で、村上株だな。などと話しながら作業する一コマも。

因みに、鉱脈の露頭している部分が株で、其れを掘り進めて行くと間府になるのだとか?

 

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かなりの量の原石の採掘・鍛えを終えた所。天井巣板から八枚辺り?

 

 

御当地に産する砥石の特徴や、其れに付随する加工上の注意点、更には加工法その物も説明して貰えました。というのも、指導に当たって下さる方が古来より伝わる山本流の採掘・加工法を継承する方で、私の事は内弟子(通いですが)扱いしても良いと言って頂けたからです。

自分としては、砥石に関して採掘場所の周辺から原石の状態、更には加工の良し悪しによって如何なる違いが出るのかまで、興味のあった内容を網羅する勉強が出来る、願っても無い機会です。喜んで御願いして来ました。

喜んでいた為か、慣れない傾斜地での行動で疲れていたのか、当日に採れた肝心の石は置いて来てしまったのですが、今後もちょくちょく寄せて頂けるので、近々連れて帰れるでしょう。此の度の二日に渡る勉強に感謝すると共に、今後も御指導宜しくお願い致します。

 

 

 

 

十二月三日の料理イベント

 

天然砥石館で、三日に行われたのは料理のイベントです。ぬのやさんには、手狭で水道設備なども最低限の中、仕込みを終えた料理や食材を持ち込んで腕を振るって頂きました。

 

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野菜から始まって蒲鉾や魚、宮崎牛のローストビーフや真鴨と合鴨のロースト、しんじょの椀や鯖の押し寿司まで出して頂きました。それぞれ違う砥石で砥いだ包丁、三本で切ってみて味比べをした訳ですが。(あ、イシガキ鯛を食べ忘れました)

庖丁は月山さんの特上の黒打ち菜切り。あらかた砥いで貰ったのを受け取って、私が人造の1000番と8000番、そして天然仕上げ砥石で砥ぎ分けました。

月山さんには、当日も参加頂き、先ずは包丁の柄入れと歪みのチェックをして貰いました。

 

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其の後、切って試したのですが、味や香りの差を比べるとやはり人造の低番手と高番手では、後者に軍配が上がりますね。勿論、切る際の難易度も違い、ぬのやさんも荒い刃付けでは難渋する場面が見られました。

そして天然仕上げ砥で砥ぎ上げた包丁は、如何なる場合も人造低番手に後れを取る事は有りませんでした。人造高番手も、低番手とは比べるべくも無い切れと味で、味に関しては天然にも比肩するかと見紛う場面も。ただ、刃の掛かりと永切れに関しては天然のリードが揺るがない様です。

味比べの無記名投票を集めた上野館長が、集計を出してくれるのが楽しみな感じも有り、従来からの自分の感覚を確認するのみの作業という感じでも在ります。

 

 

調理に当たって頂いた御三方や、イベントに参加下さった方々、そして主催側で準備などに当たって頂いた皆さんに感謝致します。有難う御座いました。