久し振りに砥石館

 

日曜は、砥石館でのイベントの手伝いでした。以前にも行われた内容と同じく刀匠監修の下、鍛造体験をして貰う物です。

参加者自身でローカーボンの丸棒から小刀を火造りし、焼き入れ・焼き戻しの後、研ぎをする際の手助けをと呼ばれました。

 

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私が到着時、準備中の所に見学希望の方が。

 

 

 

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砥石館の展示。他のジャンルの作品との兼ね合いで、以前と少し変更されています。例えば大工道具のブースが料理のブース左横に。

 

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奥の部屋は基本的に同様。一部展示品の入れ替わり位です。

 

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シンプルな装備が特徴の、体験コーナー入り口。此れだけ、妙に世慣れた感じですね。新たにモニターが追加されています。

 

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コパル(若い琥珀)の磨き体験用。充実して来た様ですね。

 

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ベルジャンブルーと言いましたか、ベルギーの天然砥石も販売用として並んでいます。

 

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館長御自慢の(旧型ですが)鉱物顕微鏡。時間が有ったので、試料を見せて貰いました。

 

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砂岩だという事ですが、確かに万華鏡的な美しさ。此れには色を強調するフィルターを被せて観察しています。

 

 

 

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体験が始まり暫く経過しましたが、準備中から一番乗りの見学の方がずっと。とても熱心で、興味の深さが窺い知れます。

 

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手動のブロワーである、右の鞴(ふいご)から送られた空気で中央の炉が加熱されます。

 

 

 

鍛造と熱処理を終えた小刀を持って研ぎ場へ。ダイヤモンド砥石や荒砥から砥いで行きます。人造中砥の後は巣板で仕上げです。

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途中、仕上がりの確認や思う様に切れない原因究明に、顕微鏡が活躍。理解して貰うのが早くて助かります。体験者の方にも好評でした。

 

 

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完成した右側。

 

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同じく左側。最後に柄に紐を巻いたり、桐箱を買ったりのオプションも有ります。

 

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最後の方には、別イベントに参加の大人数が続々とバスから。亀丸までお出迎えです。子供の受けも良い様ですね。

 

 

 

今回も、刀匠の中西さんには御世話になりました。御参加の皆様にも喜んで頂けて良かったです。今後はこう云ったイベントも難しく成るかも知れませんが、何らかの形で楽しめる催しは有るものと思われます。

他には、海外から現地での同様のイベント開催の要望も有ったとかで、本決まりに成るか成らないかも含めて自分としては楽しみでは有ります。

 

 

 

 

 

気分転換

 

前記時の最後、研ぎ直しの辺りでPCが動かなくなり、作業が停滞したりしました。その後は復調したので事無きを得ましたが、久し振りにベスパショップに持ち込む必要が?と慌てました。

まあ、そうで無くともリアタイヤを交換しないと和菓子店の主人夫妻と奈良ツーリングには行けませんので、顔を出すつもりでは居りましたが。 心配したのと、明日の砥石館イベントに備えて此方も久々にオアシスカフェに行って来ました。

寒い時期には頻繁に行っていたのですが、暑さ・辛い・熱いでは厳しいので。普通はランチに行く所、夕方に向かいました。ランチで選べるメニューは限られますが、夜はカレーだけでもマサラ・サグ・ヴィンダルーその他を選べます。

 

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画像はシンプルなダルバートですが、選択可能な一つにはチキンヴィンダルーを頼みました。此れが一番、好みですが辛さは普通や甘いを選択は不可です。

右は野菜カレーで左はダル。昔、ある持ち帰り専門店でダルカレーと言われて買っていたのと違うが?とオーナーだかマネージャーらしき人に聞いた所、黄色くて透明感が有って酸味と辛みで味付けをしてあるのはダルスープだと教えてくれました。食べたいなら前もって言ってくれれば作ると言われたので、其の内に頼んで見たいです。

具はチキン・マトン・キーマ・エビ?・野菜と選べますが、基本はチキンですね。同じカレーでもマトンは少しサッパリ・エビは辛みが際立つスパイスの配分な印象。

 

 

 

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最後はチャイ(シチュードティー)を頼みますが、此れも又熱々なので寒い時期が相応しいでしょうか。

 

 

 

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インド・ネパール料理という事に成っていますが、ネパール色が強い様な。キッチンで働くのもネパールの人っぽいですし、メニューもそうです。

何でも本店はカトマンズに在って、スパイスの流通にも関わっているとか。私は此処の本格的なスパイスが、ふんだんに使われている点も気に入っていたので郁子成るかなと云った所です。

 

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ククリ(グルカナイフ)を模した形の酒も有ります。高所の醸造所で作られるビールとかも。私は飲めないので余り関係は無いですが。これで、日曜の刀匠監修鍛造体験イベントの手伝いをして来る事が出来そうです。

 

 

 

 

 

福岡からの御依頼、一本目

 

京都のH様から御紹介を頂いた形でしょうか、福岡のG様より二本の包丁を御送り頂きました。

 

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先ずは一本目、有次の本焼き。研ぎ前全体画像です。

 

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研ぎ前、刃部アップ

 

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研ぎ前、刃先拡大画像

 

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同じく裏です。

 

 

 

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刃体の切っ先寄り三分の一が地金方向に寄っていたのを或る程度改善し、裏の面の狂いの改善を図ります。

平面の砥石を当てると、当たる面の未だ先に角度の付いている部分が有ります。刃先周辺を小割りの砥石で磨り、当たる面と角度の付いている部分の落差を減少。

 

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峰の部分は、其れに比して重要度は低いですが同様に。

 

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其の後、磨いて置きます。此の程度の軽い調整では、研削量も知れているので裏押しで再現映像みたいに映るのですが、徐々に修正しないと余分に減らす箇所が出易いです。

 

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狙い通り、峰に比べて刃先側の角度付き部分が減少。刃先の砥ぎ下ろしと裏の調整、前後から追い込んで行く事での改善です。

 

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白1000と3000で。

 

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表も白1000と3000で。

 

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巣板で傷消しと精度向上。

 

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裏も同様に。

 

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中山巣板、三枚で仕上げ研ぎ。

 

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刃先と裏は中山の水浅葱で。(裏は平面が出るまでは角度を付けて返り取りですね)

 

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研ぎ上がり

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どうも、刃元寄りの半分弱の傷が消え難いので、砥石を変えて研ぎ直し。

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最後には、まずまず傷も浅く成ってくれたので全体が整ったと判断して留めました。切っ先手前の鎬を僅かに上げて、カーブ手前の刃線の屈曲を緩和、切り刃中央寄りの厚みの残存を他部分とのバランス調整で掛かり・走り・抜けが改善しました。

あと一本も近日中に砥ぎ上げ、御返送をと考えて居ります。今少しの御待ちを宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

刃物祭りで自分に御土産

 

アピセで日野浦さんと話したり

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作品を見たりが主目的とは言え

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折角、関まで出かけたので先輩と孫六(鰻屋)の客待機リストに記名し、時間まで出店を見て回りました。この辺は既定路線で、御互いの興味のある商品を重点的に探します。

今回は何時もの店の他に、ヤクセルと言うのを見て来ました。以前からネットなどで名前は知っていましたが現物を見るのは初めてです。海外向けモデルの数種が御買い得価格で並んでおり、多過ぎたか返品だったかで激安?に。アメリカで買えば五倍とか。

特に安くなっていた(恐らくグリップがシンプル?)モデルを試しに購入。余り使う事は少ないと思われるサイズですが、11月に砥石館で研ぎと切れ味のイベントが有るとの事で、デモンストレーション用に必要かもと考えてです。

ブレードにBと入っていますが、B品の意味でしょうか。確かに切っ先側三分の一位が右側に反っていましたが、コジ棒で直しました。性質がバネっぽく無くて助かりました。

 

 

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流石にアメリカモデル、25cm少々の刃渡りです。長さで無く数字。つまり10インチという訳です。プロで無い限り、普通は24cmでも長めでしょう。自分でも洋包丁は最大が24、後は精々21と18です。使用頻度で言えば九割以上が18以下ですね。

使って見ると、購入時に感じた焼きの入り方と刃先の鋭利さに問題は無く、刃体(ブレード)の厚みの取り方も良い方です。箱出しでも結構使えました。中国製のサイズも見た目も立派な安い包丁も大量に出回っていますが、鋼材と熱処理・研削でどの程度張り合えるのかは興味が有ります。案外、差が小さければ一般の方は其れで満足するでしょうし、其れで良いのでしょう。しかし、拘りの使用者が満足する拘りの包丁も存続して欲しいですし、其れを製造するメーカーにも頑張って貰いたいと思います。

 

 

 

 

 

間に合った牛刀

 

昨日は刃物祭りでしたが、今年も出掛けて来ました。目的は何時も通り、日野浦さんと昔の職場の先輩に会う為です。

其れに加えて、今回はもう一つの理由が。少し前に頼んでおいた、カウリⅩダマスカス牛刀を受け取る為です。依頼時には納期は未定との事でしたが、此れは嬉しい誤算ですね。司作の柳で御待たせ中のT様には丁度、虫押さえとか虫養いとか言ったでしょうか、そんな存在に成ってくれるでしょう。

 

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本当はペティとの二本を依頼しましたが、之ほど短期間での制作に含めて貰ったのですから正に望外の幸せです。刃物祭り前日にメールと電話で知らせてくれましたが、驚きを隠せませんでしたね凄いサプライズ。24cmの牛刀ですがバランスが良く、持ち重りしません。

 

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白1000⇒白3000⇒黒蓮華⇒田村山巣板⇒田村山戸前浅葱(新型)

 

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カウリとしては扱い易いレベルに調整されているのですが、其の方向でも製品によって色々で。此れは砥ぎ易く、切れを出し易い性格の焼き加減でした。

少し困ったのは、切っ先カーブの一部に刃を立てにくい部分が。もしかすると、新品に良くある熱処理の影響が刃先に残っているのかも知れません。実際に直に現物を見て、御試用の上で御判断頂こうかなと考えて居りますが、一応は大丈夫との方向で御返答を頂けました。

 

 

 

T様、此方に関しては意図せず御待ち期間が最短コースとなり安堵して居ります。明日には本焼き共々、御返送の予定ですので、宜しく御願い致します。此の度も砥ぎの御依頼を有難う御座いました。

 

 

 

 

 

追加の切り付け

 

四本中の二本が完了した時点で、北海道のT様から追加を送ったとのメールが。玄海さんの若い頃の作では無いかとの事。

勿論、本焼きなのですが既に結構しっかりと研がれて有ります。一見して邪魔な厚みは見られません。ですが、紙束を切るテストでは予想と違って刃が進みません。刃先も鋭角なのに変ですね。

 

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研ぎ前、全体画像

 

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研ぎ前、刃部アップですが、切り刃は薄いし、刃先も鋭角。

 

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研ぎ前、裏側全体画像

 

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刃線中央の欠け部分

 

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切っ先カーブ寄りの欠け部分

 

 

元からかテストの所為か、目立つ欠け二つを落としながら切り刃を砥いで行きます。

 

 

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白1000番から砥いで行きます。詳しく触ったり砥石に当てると、切り刃は薄いながらも中央から切っ先カーブ途中までに最も厚みが残っています。その次に切っ先周辺、最後に刃元が一番薄いですね。当然、其の辺りを補正する意識で進めます。

 

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白3000番で細かく。

 

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キングハイパーで全体を均します。

 

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巣板で傷を細かくしつつ精度向上。

 

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仕上げを狙って中山の巣板。

 

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傷が消え難い箇所を白巣板蓮華で攻めます。

 

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其の上でもう一度、前工程に。刃先と裏押しは、奥殿の蓮華巣板です。

 

 

 

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研ぎ上がり、全体画像

 

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研ぎ後、刃先拡大画像

 

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切っ先の手前の厚みの不均一、

 

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鎬筋の中央付近の初期の研削痕、

 

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刃元周辺の厚みの不均一、此れらに消し切れていない部分が残りますが全体の厚みと傷消しが整ったので留めました。

刃先最先端は初期より二倍程度の鈍角にしました。其れにも関わらず、紙束でのテストで(僅かに切るのみに終わった)初期の状態より、三分の一位の労力で最後まで切れました。

捲れや欠けを出さない為に十分な刃先角度を得ながら、切る際の抵抗を受けず楽に切り進めるには切り刃の形状が合理的で無ければなりません。特に、刃先強度に不安が有る焼き加減の刃物には重要です。最終的に、何となく薄いだけで高性能が実現出来る事は稀でしょう。

 

 

 

あと、鞘の磨きもとの事で 、下画像は初期の状態。

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次にペーパーで磨き、

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最後に蜜蝋を少し。

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T様、画像での御確認の上、OKを頂きまして有難う御座います。此の個体の詳細はメールにて御知らせしました通りです。明日には御返送致しますので、現物が御手元に届いたら又、最終確認を御願い致します。特に、鞘は初めて行いましたので・・・。寧ろ本焼きよりも緊張したかも知れません(笑)

 

 

 

 

 

北海道からの四本目

 

此の三徳は石堂(輝秀)の手になる物だそうで、地金も独特ですね。其処を見込んで、黒打ちを磨きにして欲しいとの事。それ以外にも、様々な箇所に手を入れる必要が有りました。

前例の有る工程ではマチの磨きと峰の磨き、そして今まで経験の無い作業は黒打ちの磨き。しかし、難易度と言うか困難は伴うものの、工程は想像が付きます。

一番、心配だったのは朴柄に付いている水牛の部分。その欠損部分を何とかする事、更には柄に張られていたであろうシールの痕跡を目立たなく、との事でした。

 

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研ぎ前、右側全体

 

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研ぎ前、刃部アップ

 

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研ぎ前、左側全体

 

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同じく、峰

 

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込みの部分、左側には反対側に比して瘤状の膨隆が。

 

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マチの部分は随分、荒々しいですね。

 

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木部と接する水牛部の欠損

 

 

 

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先ずは、ダイヤモンド鑢で膨隆を削ります。

 

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その流れで、マチの凹凸を均します。その後ペーパーに移行し、段階的に砥ぎ目を細かく。

 

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次に、予て用意の荒い布ペーパーで黒打ちの下の状態を把握。

 

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同じく左側。

 

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120番と240番辺りで繰り返し。あと、GC240番の大きな小割り?も投入。

 

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同じく左側。

 

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平の磨きを進め、切り刃をキングハイパーの硬軟で整形。

 

 

 

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研ぎ上がり。作業開始直後に柄の揺れを感じ、抜けそうでしたので別々に作業しました。中子の錆も軽く落として有ります。

 

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中子の錆が進んで細くなったのでは無く、柄の方が乾燥で縮退したのでしょうか。一部ヒビが入っていますが、打ち込む時にも起こり得るので不明ですね。

 

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欠損部を削りながら周囲との兼ね合いを取りました。磨いた肌を均一にする為、最終的には全周囲に及びましたが。過去に朴+プラ製の柄では試した事が有りましたが、十分な仕上がりは得られませんでした。其の為、最後まで心配でしたが何とか問題無い範囲に纏りました。

水牛部は恐らく、研磨剤を塗布した羽布には適わないであろうとの想いは有りましたが、確かに艶は未だ控えめながら色調は本来の自然な色合いに。やや白みがかった部分や茶色がかった部分が出現。黒一色にも見えていた物に複雑な多様性が。

 

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研ぎ後、右側全体

 

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研ぎ後、刃元部分アップ

切り刃が薄いので、更に刃元を薄くするのは避けました。私の画像は粗が隠れない様に映しているので、特に今回は切り刃の表面に何段階かで砥ぎ目の残り方をしているのが分かると思います。

 

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研ぎ後、左側全体

 

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込みの左側と峰の状態

 

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マチの状態

 

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刃先拡大画像

 

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あ、巣板から千枚・八枚と来て最終は上の中山並砥です。相性がかなり良くて助かりました。

今回は作業内容も箇所も多様で、工程の画像を残す余裕に乏しかったです。しかし人造中砥までの砥ぎ感と試し切りでは、柔らかく粘り重視の焼き入れかと思われた刃金が、研ぎ進めると十分な硬さと切れを感じました。

之まで砥いだ刃物の中で、一番似通った印象を受けたのは玉鋼の包丁で、鼈甲飴を擦る様な感触と欠け難い仕様でした。そっくりそのまま、と迄は言えませんが近い性格なのは確かです。そう言えば、地金も錬鉄よりは和鉄地金に近い外観でしたね・・・。磨いた平にも、光の当て方で油膜状・層状に模様が見えます。

 

 

 

北海道のT様には、今回最初に御送り頂いた4本には画像上でOKを頂きましたので、明日にも御指定の内容で御返送したいと思います。急遽、追加で御送り下さった本焼きも間を置かず御届け出来ると思います ので、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

北海道からの三本目

 

T様からの三本目、洋出刃との事です。ハンドルが独特ですね。ブレードの厚みが付け根で6.5mm、中央で6mm位あります。

其れだけでは無く、切っ先カーブから中央部に掛けての切り刃が随分ふっくらした厚みが有ります。ほぼ剣鉈と遜色無いレベルです。見た目の切り刃とは異なる部分に実際の切り刃が存在するのも、其れを彷彿とさせますね。(武生の大量生産剣鉈あるあるです)

 

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研ぎ前、右側全体画像

 

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研ぎ前、刃先アップ

 

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研ぎ前、左側全体画像

 

 

 

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研承400で砥いで見ましたが前述の如く切り刃が極端に凸で。ピンポイントで減らす為に小割りを多用しました。後で、此れに大いに頼る事に成るとは。取り敢えずGC240番から。

 

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GC240番の結果

 

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同じくGC240番の結果

 

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次にシャプトン320番

 

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同じくシャプトン320番

 

 

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シャプトン1000番

 

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同じくシャプトン1000番

 

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キングハイパー

 

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同じくキングハイパー

 

此処までを何度か繰り返し、形状が整ったのを確認後、研承400で全体を厚み取り。やっと厚みが邪魔に成り難く成って来ました。

ただ、今回研承の緑1000・白1000・白3000は使えませんでした。一番の理由は地金との相性の悪さ。ワンストローク毎に1~2本、豪快に地を引きます。刃金も何だか繊細な扱いを求める様子で結局、人造中砥の角砥石はキングハイパー硬軟で延々と進めました。

しかし今度は、キングハイパーの砥面の変形の速さが仇に。刃金の繊細さと来たら過去に類例を見ない程。切っ先カーブは欠け易い傾向だなと認識していましたが、中央から刃元が別の難しさ。砥面の如何なる段差も拾って刃線が乱れます。正確には捲れまで行かない摩耗状態の部分が現れては消えます。それが続いて無く成りません。

単にハイパーだからと言う訳でも無く、中硬の巣板レベルでも同様です。2~3ストローク後の砥面では、もう危険水域です。万全を期すなら2ストローク毎の面直し推奨。そうも行かないので何とかブレない様に安定重視で砥ぎます。

 

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奥殿の巣板、やや硬いので仕上げます。刃金との相性は先ず先ずで、此処に来て初めて安心材料に。あ、地金部分は八枚仕上げです。

 

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同じく左側です。

 

 

 

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研ぎ上がり、右側全体画像

 

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研ぎ上がり、刃先アップ

 

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研ぎ上がり、左側全体画像

 

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切っ先カーブ、拡大画像

砥いでいても出かねないですが、紙の試し切りでも出易いです。

 

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中央、刃元寄り拡大画像

捲れと言うより、僅かな摩耗に見える部分が二か所ほど消え切りません。まあ、上手く光を当てねば確認も難しい位ですが。

 

 

 

T様への現状報告で、御返送後に実際の使用に於いて厚み取りが追加で必要ならば、送り返して頂き研ぎ直しをしますとメールしました。 御返答は、此れで良さそうだが欠けは何とか成らないかな、との事で、御返送時には妥当な線で整えて置きます。

見えない位の二か所も含めて、刃先の調整をしますので少し先に成りますが御手元で御確認下さい。四本目は又、方向性の違う猛者みたいなので気合を入れて取り組みます。