でっかい三徳と言うか、三徳っぽい菜切り(やや大)と言うべきか、多数派には含まれない感じの包丁です。全体に薄い赤錆・一部に深い錆(と黒っぽい錆)が有りましたが欲を出すと大事に成りそうですので、今回は軽い作業で落ちる赤錆びのみを狙って落としました。
研ぎ前の状態。
人造から研いで行きます。刃先の錆と欠け・摩耗をチェックしつつですが、当初は目立たなかった刃元の摩耗が予想外に厄介。
中砥で傷を消して刃先を揃えます
一旦、巣板まで仕上げたのですが試し切りにて、どうしても厚みが邪魔をするので(仕上げた刃先の後ろ側を)研いで行きます。特に切っ先寄りの三分の一が初期刃付けの段階からと思われますが抵抗に成っていました。
再度、中硬の奥殿天井巣板で。
相手を選ぶ傾向にある、奥殿敷巣板茶色際?で最終仕上げです。かなりの相性の良さを見せてくれました。
研ぎ上がりです。
刃先の拡大画像。側面からは摩耗や錆の痕跡が刃線に掛かっている様に見える部分も有りますが、切れに影響しない段階までは研ぎ進めました。
此れで、今回の五本は仕上がりましたので本日、御返送の運びと成りました。明日には到着との事でしたので、H様には御手元に到着の際に御確認の上、問題など有りましたら御知らせ頂きたいと思います。
此の度も研ぎの御依頼を頂きまして、有難う御座いました。今後も御役に立てる場合は宜しくお願い致します。