カテゴリー別アーカイブ: 砥石の選別

先週の砥石館イベント

 

先週末は、亀岡にある天然砥石館のイベントに参加していました。イベントは土曜と日曜に渡っていて、肥後守を刀剣風に仕上げる一日目、砥石の目利き講座とハマグリ研ぎ講習の二日目でしたが、その内容の全てに申し込まれている方も居られ、その熱意に驚かされました。

 

 

(館内には新し設えも増えていました。)

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一日目の肥後守の研ぎからですが、意外と研ぎ自体が初めてと言う方もいらっしゃったので適宜、説明や形状の修正も加えながら進んで行きました。

基本的には人造の400番あたりからのスタートで、次に1000番を経て青砥、中硬の巣板(相当の合砥)の順に移行します。

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青砥も個体ごとに個性が有る為、相応に使い勝手も異なり、幾分は手こずる場面も。硬さ・泥の出方・滑走の程度がマチマチで、目的に応じて選択出来たりを楽しめるとも言えますが。

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最後は巣板です。

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仕上げに、天井巣板(奥殿産)の小割りを用いて、化粧研ぎです。より、地金部分の曇りを強調したり、研ぎ目を細かく揃えて綺麗に。

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二日目の前半の砥石の目利き講座ですが、事前の打ち合わせで私の砥石選びに於ける、選別の基準となる見解を砥石館側と共有しました。イベント進行用の簡易な分類表を作る場面から、白熱した議論も交えつつ大枠での指標が完成。

 

現館長と前館長も熱が入る打ち合わせ時の画像

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当日は、田中館長の仕入れた砥石と、下画像の私が持ち込んだ砥石を三つの分類に分けて並べました。其々、イメージが伝わり易い様に簡略に、サラサラ・スベスベ・ツルツルと呼んでいます。

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私自身が普段使っている砥石から、三つの代表的な物を俎上に上げて研ぎ跡を観察し、確認して貰う手筈だったのですが。地金が過敏に反応して研ぎ斑が出易いタイプ・少し敏感なタイプ・敏感で無いタイプの切り出しを用意し、その過敏な切り出しと難渋しそうな砥石達との組み合わせで挑んだにも関わらず、何れも問題無く仕上がってしまいました(笑)。

砥石選別に影響する要素の一つに上げていた、「研ぎ手の技量」が悪い方?に作用した形でしたが、参加者のY様の砥石が登場したので御本人の刳り小刀を試し研ぎ。見事、砥ぎ難いと言われた当該砥石で問題無く仕上げられ、申し訳無いですが持ち主との研ぎ上がりの差で御理解いただけたと思います。

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面白かったのは、と言うより新たな気付きを与えて貰う出来事も有りました。上記のY様(地元の生産者の自家消費分っぽい物や、鰹節の部位別などの御土産も御持参でした)が、御自身のポータブル顕微鏡で砥面を覗くと、私が分類した三種に一定の差が見られると教えてくれました。

自分では、指先の感覚で相当にハッキリ触知できる事・過去に見た拡大画像(低倍率のルーペ・200倍相当のモバイル顕微鏡)では余り判然としなかった事から、選別時に目視を重視して来ませんでした。けれど、今回は100倍前後の倍率が最適だった様で、砥粒の集まりの密と粗・先端の尖り具合・高低差が、かなり明瞭に比較できました。

そのポータブル顕微鏡ですか?勿論、帰宅後にAmazonから購入しました(笑)。御本人は以前、とても格安で購入との事でしたが、当日に複数人が検索・購入したからか相当、価格が上がって居ましたが・・・其れでも安価でしたので予備を含めて二つ。

 

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本体にはLED内蔵ですが、スマホのカメラを通すと白く飛ぶ為、側面から別の光源を当てて撮影しました。肉眼では、内臓の光源との相性が良いのか観察し易くて便利です。

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二日目の後半、ハマグリ研ぎ講習でも、Y様の装備が活躍しました。元々、砥石館で用意されていた、XYZ軸からの角度変化の其々を、リアルタイムでパソコン画面上に表示出来る機材の後継機種の様でした。

他の方は、砥石館の物を使って御自身の手振れのチェックに挑まれたり。

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中には、プラスチック素材に鉋を掛ける作業をされて居る方も。切れと永切れの両立を図りたいとの事で御参加でした。

此方には、(切れ優先の本体のハマグリは措いて置き)刃先ハマグリとしての多段研ぎ、つまり最先端へ向かうに連れて急激に鈍角に、且つ面積を狭く研ぎ進める研ぎ方を試して頂きました。

研ぎ上げた鉋の刃先を拡大してみれば、正に言葉通りの仕上がりに成って居り、驚きました。言われて直ぐに実現可能な難易度では無いと思って居ましたので(笑)。しかし同時に、安定した研ぎが出来る方にとっては、理屈通りに操作すれば別段、不思議では無いだろうとも。

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流石に、普段に相手にしている素材は御持参では無かった為、代替として檜の肌を確認されると、過去に例の無い位に鈍角に研いだ差は気にも関わらず、マズマズの艶を保っていた様子で、効果を実感して頂けたと思われます。

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あと、各種包丁類で切れのテストには新聞の束や、其れを捩った物・サランラップの芯を用いて確認しました。

どんどん手強い対象を相手にして行くと、抜けの軽さが重要に成って来るので、刃先の処理だけでは足りず、刃体本体の仕立ても問われる事に成るのが分かって頂けたと思います。

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土・日の各イベントに御参加下さった皆様には、有難う御座いました。

あと、今回は参加されないと認識していたのですが、直前に御参加を決定されて当日に対面を果たしたM様には、別れ際に失礼しました。意識から若干、離れてしまって居たので「出来上がったら連絡を」との御言葉に対して咄嗟に「先輩からは四月中に完成の予定との文面が」と答え損なってしまいました。そんな訳で、もう暫しの御待ちを御願い致します。

 

 

 

 

 

名古屋のM様が、再度の研ぎ講習に

 

砥石館でのハマグリ研ぎイベントに御参加下さった後、私の自宅にて研ぎ講習を受けられたM様が、再び研ぎ講習に御出で下さいました。

事前のメールにて今回は、私が行なっている複合的なハマグリ研ぎの内、切れ優先のハマグリに御興味が有るとの由。そこで、先ずは切り刃自体に切れ優先を施した後、永切れ目的の鈍角化ハマグリを加える事無く、其の儘の性能を体験して頂きました。

とは言え、ほんの僅かに刃先の角度は起こして居ますが、初期刃付けの切り刃と大差ない状態から。明確に効果の判定をする為には、強靭さを持つ物が相応しいので今回は、サランラップの芯を選びました。鈍角化が殆ど為されていない刃先は、食い込む一瞬こそ確かに鋭く切り進むものの、其処から先は進行を阻むに充分な重さを感じられました。

これは刃先から切り刃の終わり迄、一定角度の(ほぼ)平面が続く為、刃が進む程に切り込んだ対象からの摩擦による側面抵抗が増すばかりと成るからです。其の上、刃先最先端は大き目の捲れが複数、発生していました。

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次に、刃先の角度を更に5度ほど鈍角に研ぎ直し、同様に試して貰いました。予想されていたよりも、刃先の切れが鈍る感触は少なく、逆に切り込む際の抵抗は僅かに軽減している事を実感された様子。刃先の捲れの程度も半減していました。

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更に、もう一段階だけ5度ほど鈍角化してみると、(浅く削るのでは無く)深く切り込もうとすれば、多少は意図的に刃体を起こす必要は有るものの、切れの重さは相当に軽減され、刃先の損耗は殆ど見られなく成りました。

下画像の切断面の艶が物語る様に、初期刃付けの角度から10度以上の鈍角化を施しても、充分な切れが得られて居ます。柔弱な対象では、刃体が受ける抵抗が小さく、刃先角度の違いに因る効果の差が判然としないので一見、ベタに研いだ鋭角な刃こそが最も抵抗が小さく、対象に負担を与えないかに見えるかも知れませんが、この結果から見ると何処まで其れが真実なのか疑問も感じます。切断する際に使用者の負担が少ないなら、切断されている側の負担も少ないのでは?と。

因みに、私が良くイメージを伝えるのに使うのは、大小の傘の組み合わせです。大きな傘(ベースの切り刃)を小さく開いて、その上に小さな傘をフルに開いて翳せば、大きな傘に雨が掛かるの(刃が切り進む際に対象から受ける抵抗)を大幅に低減してくれると言う物です。

切り刃に小刃を付ける場合でも、ベースの切り刃の角度より一定以上に大きな角度(私のテストでは1.5倍前後、つまり1.4~1.7倍の範囲内)で無ければ意味を成しません。其れ以下では明確な効果が薄れ、其れ以上では切れ自体が別物に成る傾向に在ります。

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御持参の包丁でも研ぎと試し切りをして頂きましたが概ね、ナイフでの実験結果を後押しする格好に成り、私が刃先にも鈍角化のハマグリを施す理由に納得して頂けた模様。

最終的には、薄物に仕立てられた牛刀(焼き入れも特別に硬い訳では無い)の刃先でも、切れと永切れの両立を狙った仕様の研ぎで、サランラップの芯に対応でき始めていたので良かったです。

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あと、下画像の砥石も御買い上げに。元々の御希望であった水浅葱は大判(60型2本分)しか無かったので、其れを分割して貰ってから御送りする予定にしました。色合い的には浅葱系統にも見える此の砥石なのですが、中硬~やや硬口の質でした。しかし御手持ちの中に少ない其の性質が、逆に御気に召したそうで。

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御土産も頂きましたので後日、有り難く食べたいと思います。多少は各地の御菓子も見聞きしている心算でしたが、まだまだ知らない品が有るんですね(笑)。

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数日後、田中砥石にて大判の水浅葱を3分割して貰って来ました。訪問前に依頼していた、相岩谷の在庫も見せて貰え、中硬メインで2つ、選別して来ました。

 

元々、底面が一定では無く厚みも差が有りましたので、出来上がりも若干ですが個体差が。現状、現れている砥面での比較に限れば、右端の物が僅かにキメ細かく均一かなと。減って来れば又、変わって来るでしょうから入れ替わりも出そうですが。ただ、何故か他より幅が狭いですね(笑)。

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相岩谷は、ほぼ同寸ですが色味が異なります。強いて言うなら、左の方が柔らか目で泥も出そうです。

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対馬の名倉も追加で。戯れに、手近に有った箱も付けてくれましたが何となく、判も相俟って焼き物っぽい印象に成りましたね。

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日本でも、凡そ十年後には量子コンピューター、十五年後には核融合炉が稼働しそうな情勢に成っているにも関わらず、鎌倉時代から珍重されて来た自然の石(中山を始めとする高雄の砥石)が未だに活躍の場が有るのが面白いですね。勿論、その他の仕上げ砥・中砥・荒砥の天然も含めて。

科学の力で、性能を再現して代替品を造るとなると、採算度外視にせざるを得ないので、コスト面から市場に出せないのが大きいのでしょうけど。

 

 

 

 

M様には此の度も、遠くからの研ぎ講習受講、有り難う御座いました。11時間の講習は最長記録タイでした。以前の13時間の方は、最後の2時間がマクドナルドでのインタビューと成りましたので、純粋に自宅での滞在時間としては、と言う意味で(笑)。

水浅葱に付きましては、厚目の物をとの御要望でしたので、最も薄い物を除いた何れかを御送りする事に成ると思いますので、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

最近の事(砥石館イベントの御知らせ)

 

来月の下旬、亀岡にある天然砥石館で、イベントが行われる予定です。二日間で三種類を楽しめる(一種類は二回)盛り沢山な内容で、聞いた時は私も驚きました(笑)。

過去にも開催された実績の有る、肥後守の研ぎとハマグリ研ぎ講習の他に、今回は砥石の目利き(選別の基準)に触れる講座も含まれます。

 

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また少し前に、田中砥石店へ出掛けて来ました。理由は二つで、上掲のイベント(砥石の目利き講座)に関連し、私の選別した砥石群を展示即売用に準備する為です。殆どがコッパになると考えて居ますが、砥石館の田中館長が用意する中には少し、立派な物も含まれるかも知れません。

もう一つの理由は、三月の上旬に個人的に当方で研ぎ講習を希望されているM様から、砥石に付いても御要望を承ったからです。仕事場で使える水浅葱と、他にも何か有ったら・・・との事で。

M様は以前に砥石館で行なわれた、第一回目のハマグリ研ぎ講習に参加された後、私の自宅での講習をも受けて頂いた経緯が有ります。そして昨年末に、再び研ぎ講習をとメールを頂いて居たのですが今年、内々に砥石館での第二回を打診された事を御伝えした所、やはり「多人数よりも個人的に」との御意向を尊重しました。余談ですが、従って今月末に掛けては普段サボり続けている、身の回りの整理整頓は避けられない見通しと成って居ます。

 

 

持ち帰った分ですが此方は、殆どが前々回までに取り置きして頂いて居た物です。水浅葱(二年くらい前に採掘の分を発見)から巣板っぽいの・戸前っぽいの迄、様々です。

この水浅葱は恐らく、当時に持ち帰る途中で買いたいと申し出が有って御買い上げに成った、砥石館の常連かつ手伝いに活躍中のY様の水浅葱の、片割れと思われます。面白いので今度、御会いした時にでも渡そうかと。殆ど全く、同一と言って良い天然砥石を持つ事は、中々に難しいので。

前回の選別前には、M様の要望に適う水浅葱の注文をしていたのですが其れは、また改めてと成ってしまいました。ですので、明日(もう今日ですが)の全別では、私の予備も含めて2~3個を持ち帰る事が出来ればと期待しています。

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此方は、一~二年前から自宅で保管していた(まさかの時用の?)販売予定の在庫の分です。

M様の御要望には少し薄いので、(ここ最近での選別分が充足するか如何ですが)北海道のS様に送る分に成るかも知れません。

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下画像は、最近に採掘の巣板層だそうですが、此処までハッキリと蓮華が出たのは初めてらしいです。此れは村上が持っていて欲しいと言う事で、他の物と一緒に。

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砥面を直し、試し研ぎした所、蓮華部分は結構なジャジャ馬で。もう少し減って来ると安定するかも知れませんが、筋など難の有る所も極端に邪魔には成らず、其れ以外の部分は相応に扱い易くて充分な性能でした。

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下画像も、二~三年くらいは取り置きボックスに入れっ放し立った物で、相岩谷の中硬・やや軟口です。

私は超硬口から軟口まで使うのですが、中硬から軟口の砥石は減りが速い為、多めに確保して置きたい種類と成って居ます。従って、立派な箱も探し出して付けて貰ったにも関わらず、販売用にした物かどうか悩み処では有りますね。今後も相当数の当該種類が頻出するなら話は別なのですが(笑)。

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おまけは、田中さんがサンプル的に製造した人造だそうで、天然砥石の粉末を混入した砥石です。特に左側は、黄板の粉が使われて居るそうです。此の先、何かの機会に試してみるのが楽しみです。

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あと、しばらく前に頼んでいた味方屋作の三層利器材(ステンレスで炭素鋼を挟んだ鋼材を鍛造した物)の三徳が届きました。

思い出したかの様に、偶に問い合わせを頂くのですが、司作だけでなく昨今は味方屋作の方も普段、注文してから長期間の待ち時間を要するので、最低限の在庫として用意しました。

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現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

先週の砥石館でのイベント

 

先週の土・日曜には、二種類のイベントが有りました。

画像は、最新の砥石館の内部。

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両日の午前中に行われたイベントの一つ目は、子供向けの講習(簡単な講義と実技指導)で、文化庁とのコラボ的な物。日本の職人文化や纏わる道具・技術に親しみ、将来の選択肢の一助と成れば・・・との御意向で開催との流れ。

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先ずは、私の手持ちの刃物を俎上に上げ、館長の用意してくれたモニターに移される画像と共に、日本の刃物の特徴と其の効果を説明しました。(特に、片刃と両刃での切り進む方向の差異)

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参加各位、御家庭で御使用の包丁を持参下さったので、現状の把握と対処法を共有し、研ぎを進める方向性を示唆した上で、研ぎ始めました。

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刃先の損耗や摩耗を取ればOKな物の他、刃線が乱れている物も有りましたので、其れ等は私の方で整えた後に仕上げて行って貰いました。

そして、充分な切れが出せたと判断した時点で試し切りを行ない、御本人に知識だけでなく体感を通して理解して頂けた様子でした。

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事前のイベントで既に、刀剣研磨師を招いての講習を受講済みの子供達でしたが、実際に刃物を研ぐ経験は殆ど無かった様子で。次に控えるイベントの、料理を体験する際には、今回の包丁類が活躍してくれる事。そして使い手にも楽しんでくれる事を願っています。三段階でセットのイベントは珍しいので、全てに参加できる人を募集する時点で間口が狭く感じましたが、其れなりの人数の希望者が手を挙げて頂けて、ただただ感謝です。

 

 

 

一方、大人向けの方はハマグリ研ぎに特化した内容の講座でした。

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モバイル顕微鏡は、通常通りに繋いだパソコン画面で見たり、更に特大のモニターに映し、全員への解説にも活用できました。

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中には、ブルートゥース?の角度計を装着し、研ぎの際の角度のブレを計測する勇者も。最初は6~7°のブレでしたが、段々と6°、5°前後に下がって行くのを見るに、やはり基準と成る目安を明確にして意識しながら練習する大切さを実感しました。

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更には、仕事で御使いの特殊な刃物を研ぎ、対象と成る素材も持ち込んで、実地に試される方も。

最初は、素材に対する切れと永切れに付いての追及から。次いで、紙の類の複数枚の切断にも不満が出ない様・・・との御意向でしたが、一つの刃物で二種類の用途に完璧を期するのは難しそう(研ぎ直せば可能でしょう)との結論に。勿論、砥石の選択と研ぎ方の工夫如何では、不可能とも言い切れませんが(笑)。

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仕上がりに関しては、私が切って見せたり御自身で試したりのテストで、ほぼ不満は解消された様子でした。

持ち込まれた刃物は基本的に和式が多く、しかも切り刃に大きな凹凸や、不自然な厚みの残存が少ない物が殆どで。従って、「切れ優先ハマグリ」と「永切れ優先ハマグリ(上手く研げば吃驚する程切れるけどね)」の内で、後者の説明と実践と成った講習でしたが、其れは其れで興味を持って取り組んで頂けたと思います。参加を頂いた皆さんには改めて感謝致します。

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途中、研ぎの説明と実践の補助として、私の普段使いの砥石も活躍してくれました。中山の水浅葱、研磨力重視タイプ・当たりがソフトで磨きに優れるタイプの二種です。

砥石館側で用意されている砥石の中では、数に限りが有る種類でも有りますので、最上級に細かい砥石での仕上がりに付いて例示したい時にと持参しました。

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子供向けイベントでは、他の砥石と組み合わせて打音検査による砥石毎の硬さの違いを示してみたりしましたが、大人向けでは同じ中山の水浅葱と言えど、僅かながら硬さが異なるのみならず、砥粒の目の立ち方・その積層の成り立ちの違いで個性が湧かれる事を、手指の感触でも確認して貰いました。

此れが契機と成った訳でも無いでしょうが、館長との今後のイベントの方向性を探る話し合いで、砥石の目利き講習もアリかなと纏りました。

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特に上画像の二つが役立った場面の一つは、ステンレスの包丁を御持ちの参加者の方との遣り取りで。(特に人造を想定しての事かも知れませんが)曰く、ステンレスに細かい砥石を当てる意義は有るのだろうか?との事。前述の文言は意訳ですが、確かに巷間、取り沙汰される問題?では有りますね。

私は自らの体験(調理)と実験(試し切り)から、ステンレスこそ細かい砥石を当てるべき、特に天然の優秀な超仕上げ砥石では。そして、滑るのは角度が安定していない事が殆ど。と答えました。刃先最先端の返りが取り易い点、刃先の研ぎ目が細かく成り、接地圧が分散され、より摩耗に耐え得る点などからの判断でしたが、お隣さんが挑戦した角度計の威力を間近で観察し、私が研いだ超仕上げ砥石仕上げの刃物をテストした相手ですので、通じると見て御話ししました。

その結果、水浅葱に関する御問い合わせを頂きましたので、販売用に少量ですが手持ちが有る事を御伝えした所、御買い上げの御意向を伺えました。二つの内の一つを選んで頂きましたので、其方を本日午後に発送しました。因みに左の大きい方です。御手元に届き御使用の後、御満足頂ける事を願っています。

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最後は、イベントにて展示・試し切りに使用した刃物の手入れです。本当にヘビーローテーションで普段使いしている一部を除き、基本的に一度でも使ったら研ぎ直しています(仕上げ砥・超仕上げ砥なので減りは僅少)。

 

司作の柳

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水野鍛錬所の廉価版の相出刃

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ファルクニーベンの牛刀と昔の三層利器材三徳

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味方屋作竹割鉈

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司作の三寸五分角鉈

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追伸ですが、間が空いてしまいましたので、もう事は済んでいるかも知れません。

イベントの数日前に砥石館を訪れた際、来館者の中の有る方と会話する機会が有りました。研ぎや砥石に付いての遣り取りを続ける内、砥石館側のスタッフの不手際で、御持参の砥石ケースが落下。薄目と成って居た砥石が割れました。

其れが気に成って居たのでイベント当日、代替として私の手持ちの中からサンプル程度のサイズですが天然砥石(梅ケ畑産の緑板)を館長に預けて置きました。館長の方から取り継いでくれる筈ですが、其れが無ければ御手数ですが御申し出を御願い致します。今回のイベントには仕事のスケジュール的に厳しかったと伺いましたので、又の機会を楽しみにして居ります。

 

 

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御依頼に沿って砥石の選別

 

先日は、前回の京都行きで空振りとなった、「以前より範囲が広がった採掘場所からの砥石を」との御要望に沿う為、再度の選別に出掛けました。

今回も前回に続いて、多忙な店主には御目に掛かる事は叶いませんでしたが、代わりに?留守居役の方には親切に対応して頂き、採掘場所や周辺の状態、取れる石の種類や傾向に関して詳しく伺えました。

前回よりは大き目の原石が混じって居たのですが、以前に採れていた種類と質に比べて、幾らかでも異なる砥石をと見て行く内に珍しく、扱い易そうなカラスを発見しました。硬くて神経を使う様な物は偶に見て来ましたが、難が少ない・又は実際には邪魔に成らない難だけの中硬のカラスは珍しいと思います。

 

 

二回り程、大きな原石から余分な所を切り落とし、形状を整えて貰いました。採掘時に相方と呼べる、もう一つの砥石と一緒に出たそうですが其方は、更にカラスが明瞭に見られたものの、難の性状が強面過ぎて敬遠しました。

全体に薄目で、其処の皮の一部が浮いていた為に、カシューで養生しました。多種・多様な筋などが見えますが、研いで見ると部分的に地金に対して影響する可能性が有るレベルに収まって居ます。

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試し研ぎは、刃金が青紙・地金が極軟鋼の切り出しです。刃・地共に鏡面に仕上がりました。砥面は研磨力を感じる「食い付き」と、滑走の良さを同時に伝えて来る不思議な印象。

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上記、砥面の性質から特殊鋼やステンレスに適していると判断し、VG10でもテストしました。結果は、極めて研ぎ易く研磨も速い・刃先の切れは充分以上でした。

硬く細かく滑る砥石では無く、泥が出過ぎて精細な刃先が形成し難い砥石でも無い、絶妙なバランスなのでしょう。御待たせしている方には、近日中に御送りして試して頂こうと思って居ます。

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参考までに過去、持ち帰った同じく薄目の巣板です。基質の色調や砥面の硬さは同様ながら研磨力は若干、控え目で切れは殆ど同等です。強いて使い分けるならば此方は神経質な刃金や地金の仕上げ・最終仕上げの手前に向いていると言えそうです。

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あと、少し早いですが(八月の下旬の事なので)イベントのお知らせです。と言っても、半分は参加に制限が有るのですが・・・主として子供(小学生高学年~高校生)を対象とし、全三日間に参加が可能な方と成って居ます。

当該イベントは一日当たり90分程度ですので、亀岡まで出かけて置いて残りの時間を如何にするか?と思わなくもなかった所、館長のアイデアで研ぎ講習の上級向けを設定しようと成りました。内容としてはハマグリ研ぎを俎上に載せた講義と実習を予定しています。どうやら、過去からも通常の一定角度の刃付けでは飽き足らない方々からの要望が有り、其れを受けての判断だそうで。

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上記とは別件ですが、パート先でも研ぎに興味のある方々を集めて講習をして欲しい旨を打診されたりもしましたので其々、コロナを挟んで御無沙汰に成って居た分、経験を思い出すに留まらず不断に重ねて来た修練をも反映させ、再構成した内容で挑みたいと考えて居ます。

 

 

 

 

 

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少し振りに、砥石の選別(御知らせと御願い)

 

先週末は、少し振りに田中砥石店へ出掛けて来ました。事前に聞いていた、採掘場所の範囲の拡張は堅実な程度に収まって居た様子で、面付け・加工中の原石群を観察してみると、天井巣板に見える種類が混じっているものの、その他は以前からの各種砥石のグラデーションと見受けられる、地続きの変化と言えそうな感じでした。

そして私が訪ねた当日のタイミングでは、サイズ・形状の面で狙っていた個体が少なかった事も有り、ブログを通じた知人へのサンプルを選んだ後、以前に取り置きをしていた中から、水浅葱を持ち帰る事に。

 

 

一つ目は超硬口で砥粒も細かい、カミソリ砥に相応しい砥石です。ただ、泥が出難い硬さに加えて砥面の食い付きも強力ですので、平面の刃物を研ぐには滑走の重さを御せるかどうかがカギと成ります。どうしてもと成れば、名倉の類の使用・ダイヤ砥石に因る泥出しの併用で改善は容易です。しかし素の状態でも使いこなせれば、砥石自体が研磨力に優れるだけに、刃の掛かり加減も砥石の性質を反映し、出色の出来と成ります。

砥面の色調は、やや白浅葱に寄っているかと思わせる、やや明るめ且つ(田中さんが言う所のデイダラボッチの色合い)紫と紺色が僅かに混じる物です。

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試し研ぎの結果です。刃・地共に鏡面です。鍛接線が明確に成り、刃金に接している地金の端が(炭素の移行を受けて)地金らしく無い光り方をしている事からも、光らせる性質が伺えます。

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二つ目は、戸前と合いさの中間に感じられる砥石。以前からの砥石と色柄的には近しい印象ですが、巣板の要素が少なくなりつつ硬さが微増、研ぎ感も巣板系統のサラサラよりスルスルと滑る手応えです。

実用品としては少々、(余り邪魔に成らない質とは言え)筋の多さは否めませんが、砥面以外の五面が皮付きで尚且つ其々が、自然な風合いを感じさせ乍、異なる表情を持っている点が喜ばれそうな気がしました。砥石の好みが実用一点張りに近い自分とは違い、其方の観点も重視される先方を意識しての選別です。

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試し研ぎの結果は、上掲の水浅葱よりも数段、研ぎ易い性質でした。硬さは殆ど同様ながら、若干の泥が出る事・砥面に多少の弾力が有る事が、扱いを容易にしてくれて居ます。仕上がりは、ほんの僅かに半鏡面寄りの鏡面です。

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過去からの加藤鉱山採掘の砥石を御持ち頂いて居て、新たな種類の砥石を御待ちの方々には又、今月末に選別の機会を持ちたいと考えて居ますので、その際に良い報告が出来ればと期待しています。

それ以降に関しましても随時、採掘の進捗を追って行きたいと思って居ますので、御希望の砥石の入手を企図される場合は宜しく御願い致します。

 

 

 

 

あと、御知らせと御願いなのですが・・・当ブログを、偶に御覧下さっていた様子のH様から、御指摘を頂きました。私のホームページの問い合わせフォーム等、一部(直接やり取り出来る分のみ?)が繋がらないとの事で。予想もしていなかった為、当該事象に気付くのが自力では相当程度、遅れて居た筈ですので驚きと共に感謝のメールを返信させて頂きました。

ホームページの製作を御願いした専門家の方は、年数が経過した事も有り住所や電話番号・メールアドレスが変更に成って居りますので、遠からず身近な協力者の方に相談してみる心算では有ります。

それで改善できない場合は、資金面の目処が立ったらとの条件付きですが(笑)、新たなホームページの製作も視野に入れる事も検討したいと考えて居ります。

付きましては当座、お問い合わせ等で御連絡をと御考えの皆さんには御面倒をお掛けしますが、togiyamurakami@gmail.com の方からメールを御送り頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

1対1での研ぎ方説明会

 

先週の土曜は急遽、田中砥石店まで出かけて来ました。此の二週間ほどの間に偶々、司作の包丁を断続的に注文して貰う事が続いたのですが、其の中に砥石の採掘を手伝っている方も含まれていました。

私の研ぎ方を含め色々と話す内、調理師学校で経験も御持ちとの事ですし、研ぎのバリエーションと其々の効果を理解して貰えれば、今後の御本人の役に立つばかりで無く、砥石の購入に来られた御客さんへの対応に活かす事で、顧客サービスにも繋がると考えました。

先ず準備として前日の金曜には、説明に使う小道具を入手する為に梅田まで買い出しに。元々の手持ちのナイフ類のみよりも、効率よく伝わるのを狙ってのサンプル追加です。

手持ちの№8カーボンに関しては、ブレード自体の厚みのムラ(刃線中央が薄い・カーブ周辺は厚い・刃元と切っ先は中庸)を削り、簡易的ながらテーパー化した上で刃先方向へもハマグリ化して有ります。

其の手持ちとの対比として、新入りの二本の内、カーボンの方は最低限の小刃を一定角度で付けます。ステンレスの方は幾分、広目の小刃を付けた上で、刃先へ向かって鈍角化ハマグリ+切っ先方向への鋭角化も。

 

 

 

オピネルの№8、カーボンとステンレスです。ステンレスの方は説明の最後にプレゼントするつもりの物で、カーボンの方は自分用の予備として。

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しかしステンレスモデルは購入時に店員の方が、入れる箱を間違えたんでしょう、紐付きのモデル用の箱に入って居ました。

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一目瞭然、現物は紐が付いていないタイプなので、余分な価格の上乗せを食らった事に成りましたが、急いで研ぎ、次の日には渡す予定でしたので置いて置きました(笑)。

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当然ですが鋼材が異なっても、基本的にブレードの形状は共通です。

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研ぎ前の状態、カーボンの方の刃部アップ。此の状態では、やはり刃先角度が不安定+荒い刃先なので研ぎ直しました。

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同じく、ステンレスの方。若干ですが、刃先の状態はマシな気がしました。試し切りでも僅かながら差が付きましたし。

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研ぎ始め、320番と1000番です。

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次に対馬砥です。

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八木の島の蓮華巣板、馬路の戸前で仕上げ研ぎ。

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最終仕上げは、中山の巣板(やや硬口)からの水浅葱です。

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研ぎ上がりです。

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カーボンの方、刃部のアップ。殆ど全て、オピネルのカーブ付近は右側面の方が厚みが勝っている様です。従って、小刃を同一角度で研いでも右側面にのみ小刃以外に砥面に接触する確率が高いと感じます。

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刃先拡大画像ですが、殆ど一定角度で単純な小刃付けとして居ます。

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同じく、ステンレスの方の刃部アップです。此方の方が幾らか、ブレード側面の厚みが不均等な研削だった様で、小刃の幅も不均等に成って居ます(或る程度は切っ先方向へ鋭角化したので徐々に広がって行くなら分かりますが)。

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刃先拡大画像です。此方は、小刃の幅の中で数段階を経て刃先に向かって鈍角化している等高線が見えます。

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そして、手持ちの№8です。ブレードは厚み調整後に鏡面化し、ハンドルはカシューで防水したりして有ります。

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刃部のアップ。刃先周辺の厚みは最も薄目ですが、より重要なのは刃元から切っ先方向に向かって、大まかにですがテーパー化して有る事です。此れに因り、引き切りの際に抵抗が軽減され、手応えは軽く成り、対象の切断面の乱れも減ります。

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刃先拡大画像です。上掲のステンレスの方と同様、刃先に向かって多段階の研ぎでハマグリ化が分かります。

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手伝いの方には店内で説明の後、此の三本による三種類の研ぎの違いを、実際に切り比べて体感して頂きました。新品に単純な小刃を付け直したのみでは、紙の数枚では苦にしない物の、量が多く成ったり捩って有ったりすると走りや抜けに抵抗が大きい。

小刃に漸次鋭角化・刃先に向けたハマグリ化の工夫がされていると、其の抵抗が少なくは成るが刃体(ブレード本体)自体の厚みの不均等による影響(切れ加減が一進一退)は残る。

刃体の形状から整えた上で、刃先の調整(漸次鋭角化・ハマグリ化)まで行なった物では、最も抵抗が少なく切れも良かったと、当然と言えば当然の結果に納得して頂きました。

 

 

 

序でに、もう少し広い切り刃状のベタ研ぎ・ハマグリ研ぎの差も実験すべく、モーラのナイフを用意したのですが、新品時から薄目の刃体+ベタ研ぎに近い刃付けですので、ハマグリ化の効果が感じ難かったですね。本来は多少なりとも、より広く取った切り刃の中で構造を変えるべきでしたが、新品時の幅を変えずに研いだので、切れ込んでからの僅かな進み具合の軽さを切っ先側の半分で実現した程度で。

此れは新聞の分厚い束を切り分けるなど、ハードな対象に限った結果でしたので、厳しい条件で無ければ違いも出ましたが、帰宅後に明確な差が出せるまで研ぎ直して置きました。

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ベタ気味+軽度の糸引き

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ハマグリ気味

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あと、最近に採掘された砥石の方も見て来ました。特段、カラス好きと迄は行かないのですが、硬さと細かさ・グレーの地肌に細身のカラスを気に入って購入。ただ、私よりもカラスに拘りの有る、ブログを通じた知人に送って見るのも良いかな?とも。

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下画像は、合いさとの事でしたが戸前・並砥の何方の特徴も含んでいる印象です。砥面の難は少なく形状も整って居り、砥石の御希望が有った場合に備えて置きましょうか。

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あと、不定形な小さ目を幾つかです。先ずは、完全に上掲の合いさと御仲間の細長五角形。どうも、此の形状はちょくちょく、出てくる気がしますね。

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多少、密と粗の組み合わせが目立つのと、砥面の硬さも程々かつ砥粒の細かさも中庸と感じさせながら、鏡面の仕上がりに。

刃先の緻密さと切れ加減は最上クラスと思われ、特筆すべきは裏押しへの適正です。水浅葱などの強情さを持つ浅葱系での裏押しと異なり、比べれば若干、刃物への追従性過多かと思われるも万全の仕上がりに。此れを知ると、上掲の砥石も自分用に・・・と云う気に成って来ます。

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本当に、手の平サイズの超硬口です。切っ先・刃先の部分調整用に持ち帰りました。

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同じ砥石から割られた相方と思しき方。

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少し薄い此方は、層割れの取っ掛かりが確認されましたので、小割りにするつもりで。超硬口の小割りは、そうで無い小割りより相性探しにシビアさが求められるので、機会を見付けて追加して行く必要が有ります。今後も合いさ・並砥・戸前の各系統のバラエティーも、追加して行きたい所です。

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そうそう、話の途中で田中さんとも合流でき、その際に以前から話が進んでいた砥石の日イベントのチラシを受け取れました。

イベントでは過去から、恒例の研ぎに関する講義を開催されて居ましたが、実技の方を分離して行なうに当たり、私に任が回って来た格好です。

去年は、田中さんの店のブースの手伝いをして居り、隣の研ぎ場で苦労している方へ簡単なアドバイスもしていた関係でしょうか。兎も角、流行らない研ぎ屋としましては砥石館イベントの合間にも、こうして御呼びが掛かるのは有難い事ですね。

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最近の砥石の確認へ

 

先週の後半、少し間が空きましたが田中砥石へ出掛けて来ました。途中まで、田中さんが所用で不在の中、採掘・加工を手伝っている方に御相手を願いました。

直近までは天候不順なども有り、採掘が断続的だった話を伺いつつ、加工途中の砥石を見せて貰ったり、御薦めの砥石を手に取ったり。そうこうしていると、田中さんも帰宅したので三人で近況報告に移行。幾つかの取り置きを選別した後、当日に持ち帰る事に成った二つの小振りな砥石を決めました。

 

 

其れが以下の砥石です。加藤鉱山にて田中さんが、之までに主として採掘された巣板層(近縁の層も含む)にも含まれては居たのですが、割合的に少なかった個性の砥石が増えて来たかも知れません。

私は産地や層の違いを超えて、砥石の個性としては大きく三つに分けられると感じています。石自体の硬さの影響も大きく受ける物の、其れだけでは語れない質や砥面の性状として、サラサラ・ツルツル・スベスベに。極論すれば其々の特徴として、研磨力はサラサラ、切れはツルツル、研ぎ易さはスベスベが優れます。

勿論、鋼材(炭素量・添加物の種類と多寡)と熱処理(組織の細大・硬軟、特に粘り)に由来する相性にも関わるので、組み合わせ次第で上記内容も入れ替わる可能性が有ります。加えて特に最近は、刃物の地金にも同様の傾向が有ると、強く認識する様に成りました。

砥石のスベスベには、他のサラサラ・ツルツルに対して、より弾力に優れる傾向も持ち合わせている印象ですが、地金に関しても近い印象を受けます。触って来た中では明確にツルツルの地金と云うのは少数派でしたが、サラサラな物とスベスベの物はステンレス地金を含めて案外、はっきり分かれました。

特筆すべきは砥石・刃物の相性として、切れ・下りの速さは一端置いておくならば、最も研ぎ易さに直結する組み合わせは双方がスベスベである場合です。そう言った特性への御理解の一助と成ればと、御希望者には私の選別砥石へオリジナルの押印をしていた事も有ります。

 

 

つまり、少数派であったスベスベタイプが二つ、同時に手元に来た訳です。此れを嚆矢として、地金の特性が異なる切り出し二本で試し研ぎを通し、相性の検証をしてみます。

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二本の切り出しですが先ずは、下地を揃える目的で丸尾山の千枚(中硬)による下研ぎを行ないます。

鋼は青紙2号で極軟鋼地金。この段階の研ぎ目の細かさで、既に艶が出て居り刃・地共に、かなり光り易い傾向が伺えます。

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鋼は青紙1号で地金は極軟鋼かと思われますが・・・鍛造の加減と熱処理に因るものか、サクサクと下りが速い。もしかすると、極軟鋼では有っても製造年代や製造方法、成分に違いが有る可能性も。上の切り出しの地金に比べると、硬さ的に削れ易いのと粘りが少ない(此れも下りの速さに貢献)ので、曇り易さに繋がります。恐らくは硬さが上がれば、下りの遅さに繋がるでしょうが、光り易い方向に近付くでしょう。

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持ち帰った内の、やや硬さで優る薄い方から試します。

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青2の方は千枚の後に、順当に光り方が向上しました。刃・地共に砥粒の目の細かさを素直に反映しています。

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一方の青1の方は、刃金の仕上がりに比べて幾分、地金は控え目な仕上がりに。砥粒の形状や均一性、力加減への依存が強めで、かすれ気味な研ぎ肌に成りがちです。

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もう一つの、やや弾力に勝る方の厚い砥石。

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研ぎ易さは、更に優位では有りますが・・・硬さが少し控え目だけあり、光り方も其れに倣っています。弾力に加えて、泥も出るタイプですので研ぎ手には親切な性格では有ります。

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控え目な硬さと泥に因り、光り方が若干ながら弱く成って居ますが、或る意味で神経質な地金を相手にしても、相当に気が楽ですね。従って地金の仕上がりも、僅かに光り方の低減と引き換えに、相応の均一さを得やすいです。

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比較用に、もう少し硬くて砥粒の目が立って居る手持ちの砥石(以前、手伝っている方からサンプルに頂いた物)でも研いでみます。殆ど原石に近い状態でしたので、表裏に渡って削り出しました。

砥石の質としては、多少の難を抱える物です。砥面の層は斜めに合流して来ている部分も有りますし、其れ以外にも流れの向きが不均等だったり、酷くは当たらないものの数本の筋が入って居たりします。

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青1の光り方は、今回の持ち帰った二つを超える仕上がりです。前述の通り、難点も有りますが其れ等を避けたり、より状態の良い部分を選んだりすれば充分に満足すべき結果を得られます。

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青2の方も、光り方は向上しました。但し、砥石の研ぐ部分選びや研ぐ際の力加減・水加減・速度加減に留意を要します。

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やはり、此の地金を真に光らせるには超硬口の浅葱クラスによる研ぎが必要な様です。当然ですが、浅葱にも三つの個性の分布が有りますので、研ぎ目(擦過痕)の付き方・消し方は様々です。

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もう一つ、私の手持ちの切り出しでは神経質な地金を持つ物を挙げて見ます。

青紙の2号だったと思われる刃金に極軟鋼地金ですが、此方は組織が細かそうな割りに、地を引き易い印象です。硬さはヤワ目だと感じますが、やや粘りが強い様です。ですので、上掲の貰い物の砥石(最も良い部分使用)では鏡面まで今一歩、しかし目の立って居る砥粒の浅葱では地を引く厄介さです。

そこで下掲の、やや硬口~硬口の巣板で試すと、妥当な仕上がりと成ります。巣板ならではの滑走に加え、或る程度の泥も助けてくれて有り難いです。

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画像では判別不可能ですが、軟鉄部分は金属組織の模様が現れて居ます。砥面の硬さ・砥粒の細かさ・泥の出方・研磨力(摩擦力の働き方の種類にも因る、消しゴム的・鑢的・クレンザー的な違い)の影響で変化が。

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砥石本体のまま研ぐ場合は言うに及ばず、小割りにしても付き纏う相性問題ですので、今後も新たな砥石との出会い・その相性探しは永遠に終わる事が無さそうです。従来の鋼材でも、作り手と作り方で千差万別な上に、今後も様々な鋼材が出て来るでしょうから。

 

 

 

 

 

手持ちの本焼き包丁に合いそうな砥石のテスト

 

珍しく暫くの間、研ぎの御依頼が続いていたのが落ち着いて来た事も有り、手持ちの包丁と砥石の相性を確かめる機会だと考えました。手持ちの包丁と言っても、たかが知れているのですが年間を通して、余り使用する機会が無い包丁類は、結構な数に上ります。いや寧ろ、主として使っている包丁は殆ど決まっているのが現状です。

その使っていない代表が本焼きの二本なのですが、少し前、相性的に好適と思われる砥石を入手しましたので、試してみる事にしました。しかし、幾ら全体が鋼で出来ている(熱処理的にマルテンサイト未満のパーライト部分も有りますが)とは言え、無駄に刃金を減らすのは気が引ける部分も有りました。

そこで、料理(鳥牛蒡)の途中に試し切りを兼ねて使用してみる事に。御蔭で、目的には少々そぐわない形状にしてしまった部分も有りますが、まあ食べるのは自分なので問題無しです(笑)。

 

 

 

尺の柳と五寸五分の鎌型薄刃の二本、共に白紙の本焼きが今回、俎上に上げる包丁です。因みに過去の研ぎで仕上げに使った砥石は、神戸の削ろう会を見学した際に購入の奥殿産巣板、硬口~超硬口です。

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薄刃の方、研ぎ前の状態、全体画像です。

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同じく刃部のアップ。

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裏です。

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牛蒡の端切れを輪切りで薄く。

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千切りも少し。

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柳の方、研ぎ前の状態、全体画像です。

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同じく、刃部のアップ。

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裏です。

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人参での千切り。

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今年の山椒も出回り出したので?冷凍していた去年の分の山椒の実を解凍し、スライスに。

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途中で空腹を覚えたので、フランスパンとチーズを食べる序でにトマトも用意しました。折角なので、試しに此方は賽の目に。

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切るテストの最後は、氷を削って見ました。季節的には少々、早いですが・・・過去最大量を試すと驚く位、かき氷でした。

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硬さと意外な弾力に加え、金属にとっては低温脆性も関わって来ますので、対象としては結構、ハードな氷ですが刃先に損耗は無し。私の通常仕様である、切れと永切れの両立を目指した研ぎ方ですので、狙い通りの結果が確認出来ました。

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今回、最終仕上げに使って見た砥石。中山の合いさと見られる物、硬口です。

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薄刃の方から、丸尾山の本焼きの中継ぎに向く巣板各種の後、上画像の砥石で。

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研ぎ上がりです。

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同じく柳も。

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研ぎ上がりです。

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今回の砥石は、以前からの「本焼き用の最終仕上げ砥石」に比べ、やや硬口でしたので、複雑な面構成の研ぎ方をするには、薄い研ぎ斑が出易かったり、傷を消すのに時間が掛かったりしました。

ただ、時間を掛ければ傷が消えるに留まらず、より輝く研ぎ肌と鋭利な刃先が得られるのが分かりましたので、従前の砥石の代替よりも、使い分けで活躍して貰う事にしました。

 

 

 

形状の最終仕上げ・傷消し・研ぎ肌の均し・切れの各要素を兼ね備え、最も重宝して来たのは下画像の中山です。これ等の後継と言うか代替に成る砥石も、おいおいに追加したいと思っては居るのですが・・・殆ど同じ性格の物を見付けるのは、中々に難しい様ですね。

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他にも既に期待出来そうな物は、有るには有るんですが何となく、使い易そうなのは「もっと難儀な局面で使おうかな」との思いが拭い切れず(笑)。ついつい取って置きたくなったりで。

従って現在、本焼き用の主力として居る砥石達が、大幅に擦り減る迄に相応の砥石を追加できることを目指し、引き続き選別に出掛けねばとの思いは持ち越しですね。

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一週間前の砥石選別、その他

 

事前に、Y様の御都合を伺った所では出張中との事でしたので、久し振りに?単独で出かけて来ました。とは言え、御薦めが有れば取り置きを・・・との事でしたので、その点も念頭に選別して来ました。

引き続き中山の加藤鉱山主体での採掘品から、今回は薄目とは言え砥面の広い、大き目レーザー型を含めた様なサイズを入手する事が出来ました。何時もながら、親切に対応して頂き感謝です。

 

 

一つ目は、中硬~やや硬口の大型レーザー型ですが、質的に炭素鋼に向いている印象です(巣板と戸前の中間?)。層の境界の一端が、極一部に現れてはいますが余り邪魔になる程では無かったです。

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二つ目は、やや硬口のレーザー型の巣板です。質的には炭素鋼・ステンレスの両方に使えそうで、此方はY様に試して貰っても良いかも知れません。現在の手持ちの包丁はステンレスの牛刀であったと思われますので。

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三つ目は、上画像の二つ目が少し砥面の不均一さを増した感じの巣板です。サイズは大き目のレーザー型で同じく、やや硬口で研磨力・滑走に不足は無く、普通に使える物です。性格としては、特にステンレスに好適でしょうか。

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四つ目は、薄目ながらも使い勝手の良さそうな巣板、薄っすらカラス混じりです。カラス巣板で難が無く、性能も良い物は少数派(尚且つ砥ぎ易い物は更に希少)ですので、以前にカラスに関して御興味を御持ちかと御見受けした、直近のナイフ類を御返送したM様へ同梱してみました。

何回か前の記事に成りますが、私の手持ちの超硬口のカラス巣板よりも、扱い易い硬さと細かくて均一な砥粒で、容易に仕上がり良く研げます。

先々で、改めてカラスを探される事に成るかも知れませんが、其の前に予備知識として参考にして貰えればと。勿論、一番は試し研ぎ自体を楽しんで頂けるのが何よりですが。

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此方は、幅は狭いものの厚みは充分で、包丁・ナイフ用として扱い易そうな合いさっぽい物。側面・砥面上に幾らか、難が有りましたので自分用にしようかと。砥面の難は部分的に避けたり、研ぐ方向を合わせるなど出来れば、普通に使えるレベルでは有ります。寧ろ相性的に良さそうな、本焼き包丁を研ぐ際には抜きん出て活躍してくれるでしょう。

まあ其れだけでは勿体無いので、積極的に相性探しの場面では試して行きたい位には、扱い易いサイズで有り難いですね。

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以下は小振りなコッパの二つです。浅葱と戸前の中間的な感触で、未だ皮から減らして行く内に硬さも向上して行く途上ですが、粒度の細かさと合わせて、確り感と滑走も適度に備えた研ぎ易さが特徴です。

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カラス巣板の出る層からの物と思われ、明らかなカラスは確認出来ませんが砥面の模様・砥粒の密粗が入り混じる(均等に分布していて問題無く研げる)様子から、同質の石と思われます。

やや確りした筋・弱い筋は有りますが、研磨力に優れ研ぎ易い性質で、此方と上画像の二つで小さい刃物であれば何れか一方・或いは合わせ技で仕上がりそうです。将来的に選別できる可能性の有る砥石の御依頼も頂いている、ブログを通じた知人向けにサンプルとして送って見る事にしました。

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他にも、人造の320・1000・1500・2000・3000番を一つずつ。特に興味が有ったのは、2000と1500です。2000は黒幕を持っていましたが、1500は之までに触れて来ませんでしたので、如何な物かなと。聞く所に由れば、木工関連で重宝されるとの事でしたが、事前に購入の6000が引け傷の入り難い特性でしたので、其れを引き継いでくれている事を期待しつつ、間を飛ばさず仕上げて行く使い方との相乗効果で、良い結果が得られればとの狙いです。

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最後は、田中さんの所で一緒に採掘に携わっている方から、やや大き目のコッパを頂きました。質は良いと思うので、自分で面を付けて試して見て欲しいとの事で。

有り難く、ボチボチ加工して使えるように仕上がったら自分用に使わせて頂きます。戸前層の近辺の、薄っすら緑色の並砥よりかと予想しています。

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オマケは、砥石選別の前に立ち寄った店舗で購入の、御菓子です。十年以上前に一度、買いに行ったきりでしたが珍しく、何とか場所は覚えていた様です(笑)。

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籠に入っていた物は、近場の知人向けに。「

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此方はイベント時に御世話に成っている、砥石館の常連さん向けに。

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一応、自分用に。別に、特に祈願する物も無いのですが、苺とバニラの組み合わせに惹かれて。

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他には、自宅から比較的ですが近い場所に鯛焼きの店が有る事を知り、出掛けてみました。偶々、コラボ商品も有る期間で時節柄、文字通り桜鯛?という事に成りますね。

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現代風のカスタード以外を購入。天然鯛焼きの意味は、鉄の型が一匹ずつ作られているとの意味なんですね。確かに、大分前に成りますが一度、聞いた事が有った様な。

自分では、きんつば・餃子・パン類でも、皮が薄くて具が多いタイプを敢えて好む方では無いのですが、此方の薄皮仕上げには違和感が少なかったです。ただ、薄く成って居る尻尾の先まで餡が入って居たので、此処くらいは生地の味だけでも良かった気がします(笑)。

良く焼けた皮の風味が強いからか、くどくない中身に負けないからでしょうか。特に、鳴門金時の餡は外側の焦げと相俟って、焼き芋感が強かったです。桜餡は、桜の葉の塩漬けを利かせた白餡な感じかと。しかし、東京観光大使の一人に就任したエリートさんには恐縮ながら、一番のお気に入りは小豆でした。

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最後は御近所の和菓子店で、この時期に数回は買いに行ってしまう此れです(今年二回目)。草餅とは異なる、草団子もそうなのですが、桜餅は季節の内に・・・な意識が強くて。少なくとも、あと一回は買ってしまいそうです。

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