再び四国から御依頼

 

以前に甲伏せの剣鉈を送って頂いた、香川県のK様から新たな二本が届きました。

積層地金の小刀?と両刃の副え鉈ですが、両刃の方はかなり御自身で試行錯誤された結果、私に託されました。

 

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ほぼ新品で刃先と裏押しのみ、触ったとの事です。

 

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研ぎ前の刃先拡大画像

 

 

 

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これ以上は困難だった、との事ですが形状的には良い所まで揃って来ています。

 

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画像では分かり難いですが、凹凸の斑以外は、人造のまずまず高番手ならではの光り気味で研ぎ上がっています。

 

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研ぎ前の刃先拡大画像

 

 

 

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人造は、研承の新型の1000番と従来の1000番から。時々、状態確認と傷消しを兼ねて新型3000番も併用。

 

 

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白巣板・敷き内曇りからの千枚。小割りした3000番・巣板・八枚・千枚で均し研ぎで切り刃を仕上げます。

 

 

 

研ぎ上がり

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同じく、研ぎ上がり

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鋼材は、小刀が青紙スーパーで副え鉈が白紙との事でした。確かに、砥いでいて青紙スーパーの砥ぎ肌に近いなと思った反面、副え鉈は白にしては光り難く減り難いとも感じました。鋼材毎の傾向が顕著だったりそうで無かったりして興味深い所ですが、其処にメーカーや作者の見識や力量が現れて飽きさせませんね。

今回はベタ(平面研ぎ)に糸引きとの御依頼により、余り薄く成らない内に研ぎを留めたので少し傷消しが控え目ですが、砥ぎ目が消え難い要因の一つには、上記の鋼材の仕上がりの関与も以前から感じています。

私が形状を整えた後で、御自身により研ぎ進めて行かれるとの御意向ですので、同時に御注文の下記砥石により刃物との対話を存分に楽しんで頂きたく思います。

 

 

表に押された印が消えるのを惜しまれていたので、裏面を面直しの後、再度砥取家で押して貰って来ました。

 

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最後に、御希望に沿って裏面の方と側面を石ちゃんで養生の上、明日にも刃物と共にお送り致します。

K様、此の度も研ぎの御依頼並びに砥石の御注文を頂き有難う御座いました。今後も私で用が足りる場合は、宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

新潟からの御依頼

 

三条鍛冶道場・初級コースで自作された小出刃と、ほぼ未使用(研ぎ)の柳を送って頂きました。

 

研ぎ前の小出刃です。銘が入っていたので部分画像です。

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かなり追い込んだ研ぎが施してあり、切れ味も十分以上。其の上、良くある強度完全無視の弱い刃先形状では無く永切れも期待できる。切り刃全体も抜けに際して大きな問題点は無し。

ある意味、完璧とも思える状態で少なくとも、過去に送られて来た中では最上の仕上がり。普通、此れが送られて来たら嫌がらせか挑戦状と受け取られるでしょうね。

研ぎ前の刃先拡大画像

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此方は、対照的に御自身では手を付けられていない柳。切り刃の地金・刃金部分の初期刃付けに於いて不均等な箇所、特に削り過ぎた(抉れて研削痕大きい)部分が気に成ります。

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さて、研ぎの手順ですが今回は、余り厚み取りの必要性は無いかもと人造の3000番からスタートし、その後も小割りした3000番で均し研ぎ。

其処からは天然で、白と敷き内曇り主体の巣板からスタート。勿論、小割りした巣板も併用。

次に、千枚での切り刃研ぎ・裏押しを経て小割りの八枚(硬・軟)と千枚で切り刃の均し研ぎ。小出刃の切り刃は元来、整っていましたので、殆ど化粧研ぎと言って良いレベルです。

 

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小出刃と巣板

 

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小出刃と千枚

 

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柳と巣板

 

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柳と千枚

 

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仕上げは中山の浅葱を二種(裏用と表用)

 

 

 

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研ぎ後全体画像

 

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研ぎ後刃部アップ

 

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研ぎ後刃先拡大画像。切れは充分に出ましたが。

 

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刃線上に三か所、刃線と平行気味に剥離する感じで欠けが出る部分が有ります。一度目の研ぎで気付いて研ぎ直したのですが、再び同様の症状が出ます。一旦は此の状態を付則として完了メールを送信し、了承を得られたのですが・・・。

 

 

 

小出刃は、刃元の薄さをカバーするのみの目的で研ぎに出され、完成度は初期から段違いとは言え。

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此のままでは柳が気の毒なので、もう少し粘ってみる事に。人造から巣板、千枚と来て今度は御廟山のいきむらさきで裏表を仕上げました。中山浅葱だと、少し砥石への食い付きが強過ぎた気が。剥離への対処に有効かもと。

刃先が剥離する症状は、刃先形状として耐えられる角度の模索が奏功したか、或いは研ぎ進めた結果安定した部分に近付いた為か少し、改善しました。

切り刃形状も更に整い、刃金部分の研削痕も改善。(研ぐ度に完成形に近付くのは当然として)剥離も此の先、収束してくれれば良いのですが。

 

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新潟のO様、私の自己満足の為に御返送が一日延びる結果となり申し訳無かったです。しかし、其れを快諾して頂けたので結果的には、包丁とO様にも喜んで頂けるのではと考えております。

此の度は思い入れの詰まった大事な小出刃と、初期から形状を整える意識を持って柳を御任せ下さり、有難う御座いました。御期待に沿える仕上がりであれば幸いです。

 

 

 

 

 

最近の事柄

 

最近は研ぎと砥石関連の、少し枠外に広がる活動が増えています。天然砥石館で料理関連のイベントが企画された事に対してアイデアを出したり、鍛造体験に関して御協力したり。

二つ先のイベントまでに、もう何軒か(特に伝統的な所に成りそうですが)料理店にも顔を出さねばと話し合ってもいます。

 

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この前、鍛造して焼き入れ・焼き戻しまで行っていた小刀に、簡易な刃を付けてみました。

本格的な炭素鋼では無く、確りと焼きが入る鋼材では無かったものの、鍛造効果ゆえか意外と切れが出ていて驚きました。

 

 

 

 

また先日は注目していた山で、地元の方に伴われ嘗ての採掘跡を見学する機会を得ましたが、此方は館長の先々の展望を踏まえての確認も兼ねていました。所有者の方や地元集落の方の御理解・御協力次第では、共に発展の道を模索出来るかも知れません。

 

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それ以外には、過去に研ぎ依頼を頂いた方からの要望にお応えして、敷内曇りを選別もしました。

 

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恐らくは、予算・大きさ・性能の点で御満足頂けるのではと思います。

 

 

 

 

最後は、届いたばかりの顕微鏡で館長が砥石中からコノドントを見付けていたので画像を。

 

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戸前系統には見られるも、巣板からは発見出来なかったとの事。砥石の層の成りたちに関係しているのかも知れませんね。

 

 

 

 

 

カステラ包丁とペティの御依頼

 

大阪府下のN様より、カステラ包丁とペティの研ぎ依頼でした。どちらも、御任せの研ぎ方では有りましたが御希望は、シフォンやパウンドのスライス時、中のナッツなどが切れなくて生地が崩れない様にとの事。

以前にも柳の御依頼の方で、鮪の脂身の中の筋を切る目的を御持ちの方が有りましたが、其れに通じる難易度と思われますね。

 

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研ぎ前の全体画像

 

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研ぎ前の刃部アップ

 

カステラ包丁は初めてでしたので、基本的には元の状態を踏襲しようと考えてチェックすると刃線が直線で無い。刃元側5cmほどの刃幅を残して其処から先が研ぎ減りしている?でも先端寄りは機械研ぎの痕跡が残っている?

 

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手で砥がれた痕跡

 

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機械研ぎの痕跡が残存

 

 

 

先ずは刃線を整えつつ刃先の形成です。

 

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人造の400番と1000番、そして3000番で基本の形を作ります。

 

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天然の大物用の巣板二種。白と敷内ですが、どちらも6~7cmの厚みと一辺が14cmほど有ります。重量的な安定性と、フレキシブルに当て方を変えられるので重宝します。

 

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偶々、近くに出していたことも有り、新入りの中山浅葱で仕上げました。相性に問題無く、通常の私の両刃研ぎ角度よりも鋭角に仕上げた事と相俟って、正に剃刀的な切れです。

 

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研ぎ後の全体画像

 

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研ぎ後の刃部アップ

 

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研ぎ後の刃先拡大画像

 

 

 

ペティの方は通常の研ぎ方で仕上げました。

 

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研ぎ前の全体画像

 

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研ぎ前の刃部アップ

 

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研ぎ前の刃先拡大画像

 

 

人造までは、上記と同一です。

 

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天然は、黒蓮華(共名倉に軟質一本松)の後で千枚(共名倉に硬質千枚)。

撮り忘れましたが、最終仕上げは新入りの中山並砥(共名倉に軟質一本松)です。此方も期待通りの性能と反応でした。

 

 

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研ぎ後の全体画像

 

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研ぎ後の刃部アップ

 

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研ぎ後の刃先拡大画像

 

 

今回は普通の両刃の洋包丁に近い研ぎを施したカステラ包丁ですが、もしも使用時に更なる切れ味を要求される場合は、広範囲の厚み取りが必要に成るでしょう。

しかし、其処まで手を入れるとなると和包丁的な手間暇が掛かって来ますので、時間や料金の上で御負担に成る可能性が出て来ます。出来ればこの状態で役目を果たしてくれればと思います。

N様、此の度は研ぎの御依頼、有難う御座いました。今後も御役に立てましたら幸いです。

 

 

 

 

 

平日ですが亀岡に

 

本日は、亀岡に唯一の刀匠の方の所に伺って来ました。天然砥石館の上野館長の発案による、小刀作りイベントに向けた準備の一環としてです。

 

私が到着した時には、鍛造に用いる火床の作成中でした。

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次に、実際に参加者が作る小刀の見本と言うかサンプルを作って頂きました。

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赤めた丸棒を鍛造し、和風のデザインにて小刀の形に造形。既定の長さに切断後、焼き入れと焼き戻しを経て完成です。

 

 

 

 

すると、私も別にもう一本を作る事に。一応、聞いていた手順と注意事項を思い返しつつ作業の再現を試みました。

 

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幾度か、修正して頂きつつも何とか近い物が出来ました。

 

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その状態では、刃部の厚みが過ぎるのでベルトサンダーにて厚み取りと形状の微調整。

 

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削り終えた状態。

 

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焼き入れの瞬間。

 

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この状態は、ゴマはぜと言われたと思いますが、焼き入れに付いては偶然にも良い仕上がりだった様子。

 

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何か一文字をとの事でしたので、名前の一字を鏨で切って貰いました。後は砥石で刃先を整えれば完成です。

 

 

 

 

改めてイベントでの指導役を御願いして辞去した後、館長が最近把握した、近傍に在住である業界の纏め役さんへ御挨拶に。色々と話す中で、今後は出来れば協力を仰ぎたいとの旨を御伝えしました。

更には砥石を見せて頂いた上に、少しばかり分けて貰って来ました。

 

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奥の二つは館長選別。私は手持ちの物の予備を追加、といった風情の選別ですが、やはり天然は一点物なので活躍の場面は少しづつ違いが出そうです。

因みに、中央の中山の浅葱は平面の刃物向きでした。左の並砥は予想通りで、ほぼ同質。奥殿は、やや錆が出易い?のが予想外。最後は使ってみないと分からないのが、難しくも有り面白くも有りです。

 

 

 

 

 

自主研究(取材向け・イベント向け兼用)

 

此の所、天然砥石館の上野館長の顕微鏡熱が鰻登りです。少し前から程度の良い物を探しており、発注していましたが先方の不手際に痺れを切らして(地球環境子供村?から)モバイル顕微鏡を借り出したり、もう一つ別に生物顕微鏡を購入したり。

最新のコースとして、若年の琥珀を天然砥石で磨く体験を新たに導入する予定も有り、以前からの刃先の拡大・切られた素材の性状の比較と共に、研究を充実させて行く方針によるものです。

加えて、TVの取材でもその辺りが取り上げられるとあっては弥が上にも熱が入ろうと言うもの。実際、スタッフの操作へのアドバイスや習熟過程でも協力していました。

 

 

 

以下は其の際の画像の一部です。

 

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館長が生物顕微鏡で鉋の削り屑(檜)を覗いていたので、スマホを接眼に直接当てて無理やり。1000倍くらいだと思いましたが、細胞の中で動きが見られたような?削ろう会でも此処まで拡大して比べる事に成ったら面倒だろうなと思いました。

 

 

 

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撮影前日に、スタッフと旅館で三人、事前準備で顕微鏡の試験運用をしました。私は主として切る係。

 

 

 

撮影当日です。物撮りからみたいです。

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砥取家の加工場と丸尾山の採掘場所は何時も通りとして、今回は天然砥石館でもロケが行われました。これで、砥石館を御存じない方々にも知って貰えればと思います。

放送は結構、先に成りそうですが今回は朝方の放送との事。多分、私も少し出ている筈です。丁寧に作られた包丁の価値は勿論ですが今回は局側の方針に沿って、(簡略な包丁を題材に)天然砥石と研ぎに付いて実演(切り)と簡単な説明をして来ました。

他にも、切られた食材の味の違いに付いて比較して貰えました。予想と違う結果に驚かれたので良かったです。その合間を縫って、和包丁の画像も使われる事を狙い、さり気なく置いておきましたので上手く行けば一瞬出ているかも知れません。

 

 

 

 

先々には、上記の味の違いに焦点を当てた料理に関するイベントが企画されてもいます。その際に御協力を仰ぐ方々には、御話しをさせて頂きつつあります。以前から御世話になっている布谷さんを筆頭に、その他の方面からも御助力願える可能性が出て来ました。

そうなると気になるのが受け入れ側の経験と知識です。もう少し補強をするべく、無理をしてでも経験値稼ぎを期待して料理の勉強です。

 

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館長も新たな体験が含まれていたとの事で、此の度の訪問には手応えを感じた様子。私は生まれも育ちも関西でしたので、比べてみれば馴染みの印象が多目だったでしょうか。それでも、得た物は大きかったと思います。

 

 

 

 

 

御知らせ

 

当方での研ぎ作業の対応は、基本的にメールでの御問い合わせや御依頼を経た上で、現物を郵送・配達して頂いています。稀に、余りに御近所であったり、どうしても直接渡すぞと言う方には御持参頂いたりした事は有ります。

単に自宅にて作業をしているだけですので、来客の想定もしていない室内は居住性も悪く、お構いやお待ち頂くのにも適さない為に(待ってる間に研げるとも思えません)、そうしております。

作業は夜間に集中して行なう場合が多く、従って日中に睡眠や雑用・道具などの買い出しで留守も多くなります。畢竟、電話に出る事も難しい訳です。

頼りはメールになりますが、此れが少々厄介で着かなかったり文字化けしたり。私はパソコンはお手上げですので、仕様を変えたり何だのは自力では不可能です。そもそも此方に着かないのは知りようも無いですが、相手先に着いたかどうかも返答を待つしか有りません。

しかし、(特に断りの)返答が返って来るのは滅多にありません。HPや偶にブログでも、料金的な目安は記載していたりしますが其れを見ずに問い合わせ、返答内容に折り合いが付かずに辞めて置かれるのでしょうが、それ以外との区別が付きません。

先方の迷惑メールフォルダに入っていたり、届いていない事もある様です。過去には当方から(珍しくも)電話やメールで2~3度問い合わせ、その結果、私からの返答が無いと判断して刃物を手放したとの報告も。私が砥いでいれば、手放す結果に違いが生じたとは限りませんが、少なくとも影響は有ったかも知れません。

以上の事柄も踏まえて御伝えしたいことは一つです。私の所に届いたメール(御依頼・御問い合わせ)は、確認後に三日以上放置する事はまず有りません。大阪を離れていたり特殊な状況を除いて、1日か二日の内に返信しています。1週間や10日経っても返信が無いのは私に届かなかったか、返信を御自身が受け取れなかった可能性が高いです。

当方に着いた、御依頼主からのメールを知りつつも返信しなかった事は一切無く、その点は改めて強調しておきたいと思いますので宜しくお願い致します。

 

 

例え受注に至らなかった場合でも、「依頼は止めた」の一言でも返して頂けましたら、双方の行き違いも激減すると考えての記載でした。

 

 

 

 

 

三種の砥石選別が完了

 

御待たせして居りましたが、K様の御依頼通りの石が集まったと思います。

先ず千枚は目ぼしい物が手持ちに有りましたし、大谷山は適切な物が(偶々ですが一つ)次男氏から提供して貰えました。そして水浅葱は、近辺の種類と思しい一つが出て来たのですが。

 

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此方だと、自分の期待する反応や仕上がりと違い、引いてはK様の望み通りとは行かない可能性が有ります。

 

 

 

そこで改めて選別に努めました所、初期の希望通りの石に当たりました。以下の画像が其れですが、下は持ち帰ったままの状態。

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裏です。

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研いでみました。

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仕上がりは正に狙い通りで、刃金は半鏡面で地金も明るく成ります。研磨力も強めですが、その割に傷が入り難い。

サイズは一枚目の画像の砥石と同じで(前回記載しました)、厚みのみ1.7cmとやや薄さがマシに。

K様には改めて、各砥石の価格も含めてメールにて御知らせ致しますので、御判断頂きたいと思います。

 

 

 

其れとは別に一つの情報としてですが、呼称の問題で気になるサンプル有ったので、次男氏の御厚意で借り出して来ました。

之まで中山の浅葱には、幾通りかの種類が有るのは知っていましたし、其の中から適切と思われる呼び名を(現物の砥石同士数種の兼ね合いを見分けて)使っていました。

しかし、遥か前に使われていた呼び名とは若干祖語が有る可能性を示唆するサンプルが現れました。

 

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大本の販売元で使われていた名称を押印されたレーザー型です。此れを水と呼び習わしていたのならば、私が呼んでいたのは黒に近い事に成るのかも知れません。

色々見て来た印章そのままに表現すれば、それらの中では可成り白に近いんですが、伝統と歴史を尊重するべきでしょうね。

でも呼び方を変えるにしても、何時も頼りにしているグレーと言うか紺色みたいなのは何と呼べば良いのか。仮に青浅葱とでも呼ぶしか無いのかも。

 

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因みに、上画像は同時に借り出した同等品と見られる砥石。色や柄は瓜二つです。

 

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研ぎ上がりです。水浅葱と呼んでいた(ややこしいですね)、より青っぽいのよりも或る意味、光って来ますが切れの出方がやや鋼材によって変化する印象です。特殊鋼向きかも知れません。

今回の内容は名称について一つの基準を知る事が出来たのも収穫ですが、砥ぎ感や仕上がりの違いを確認出来たのが有り難かったです。

其の上で、やはり自分が最終仕上げの際に重用する種類の一つとして、中山の浅葱系では手持ちの石達を今後も変わらず頼りにしたいと思いましたし、性能面から適切に選別出来ていた事も確認する結果となりました。

K様の御依頼に端を発し、選別していく過程で砥取家次男氏の御高配を賜り、貴重な経験と成りました事を感謝致します。

 

 

 

 

 

砥石選別その他

 

砥石館で上級者コースを受講して頂いたK様の御依頼に応えるべく、三種の砥石を選別し終えました。但し、一つは未だ保留としたい気持ちが有ります。

 

以下の画像が其の三つで、何れも硬目・細か目の種類です。

先ずは千枚で、特に平面の刃物に向いていると思われる物。サイズは14cm×8.5cm×3.5cmです。

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次に大谷山戸前浅葱。変形ですが質とサイズは充分かと。16.5cm×10cm(広い部分)×3.5cmです。

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最後に中山の浅葱と思われる物。水との御希望でしたが、やや白っぽいか?しかし裏は水っぽい。サイズは20.5cm×7.5cm×1.3cmで、やや薄いですね。

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しかし気になるのは、砥ぎ感と仕上がり。浅葱シリーズにしては少しく柔らかい印象。研ぎ上がりも、刃金は先ず先ず明るく仕上がるものの地金は曇りがち。

使用目的としては、もう一声硬さのレベルが欲しいのではと感じましたので、再度選別の交渉をと考えております。ですので、最終報告は次回に持ち越しとなります事を御許し願いたいと思います。

 

 

 

 

あと、先日は別のテレビのプロデューサー氏とミーティングを持つ事が出来、土橋さん・上野館長と私で取材を受けると言うか、撮影に臨む次第と成りそうです。対象は、砥取家の作業場と丸尾山の採掘現場はいつも通りですが、研ぎと砥石の違いや鋼材の違いによる味の変化まで言及する事に成りそうです。

その際、味の確認の為に野菜などをカットする場所として、天然砥石館が選定されると良いのですが、どうなるかは未定です。砥石館のコンセプトや認知度合い向上の面からは望ましいのですが。

包丁の違い・砥石の違いによる味の変化に付いての着眼や研究は、月山さんの「月の会」(現・日本包丁研ぎ協会)が先行して進めていた内容です。従って、其処に触れるのが筋なので、限られた時間内ですが捻じ込んでやるつもりでした。しかし月山さんからは柔軟に対応して良しとの返答を得ましたので、現場の流れを見て動こうと思います。

トマト・人参・胡瓜・パプリカ・カンパチ等の、切りの実演(予行演習)に使用した包丁達も研ぎ直しておきました。当日はミソノの牛刀(同一モデルの鋼・ステンレス)が主体となる予定。

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そして本日の夜は、北新地うの和さんの御主人に或る御願いをする為、土橋さんと館長と共に出掛けました。

 

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新しくなった店舗に伺うのは私は初めてです。

 

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砥石と原石が。

 

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普段は余り、料理の写真を撮ったりするタイプでは無いのですが一枚だけ。鰹の叩きは藁で炙られた物です。使用する藁に付いて、産地や日照時間などで性能や値段に違いが出るなど、勉強になります。

 

仕込みの最中から早々お邪魔し、その他にも様々尋ねまくって御迷惑をお掛けしましたが、この先の少し特殊な料理イベントへの御協力を快諾して頂きました。之までも一方ならぬ御助力を賜り、感謝しきれない所に重ねての御願いで恐縮です。

是非とも、その御厚情に恥じない体制で臨むべく、準備万端怠りなく進めて参りたいと思います。

 

 

 

 

最近の天然砥石館

 

最近の天然砥石館は、ある程度の興味を持ち、来館の機会を窺っていた層の方々の入りは落ち着いて来ていました。対して、二週間前に付近の道路脇に立てられた大き目の看板の効果か、ふらりと立ち寄る方々が増えて来ました。

そんな中、本日はイベント的に木材を自ら削ってマイ箸を作る機会を提供されている方々に活躍頂きました。各種大工道具類、作業台など自前で準備・設営をこなす御三方です。

 

トップバッターとなった、主婦の御二人の手元を画像に。

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そうこうして居ると、砥ぎ体験に御越しの御夫婦が其々、一本づつ研ぎ始められたので適宜アドバイスらしきコメントをしつつ、仕上がりのチェックを。

差し向かいで、仲睦まじい御様子。

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それとは別に、何かと御世話になっている刀剣研磨師の方が御子息と御来場。なんでも、夏休みの自由研究を兼ねて有る場所で手に入れた砥石を御持参との事。

上野館長が早速切ったり割ったりして吟味。其れなりの性能を持つ巣板らしいとの見解を得ました。私も同様の感想を持ちましたが、産する山とは認識されていない場所でも、砥石型珪質頁岩は出るのだなと思い知らされました。

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途中から最後の方まで賑わしてくれたのは、近隣住民のお孫さんと見られるトリオ。小学校低学年と、もっと低学年。そして入学前あたりとの事。

上に行くほど暴れん坊、いや元気一杯なのは個性なのか成長過程の相場なのか?それでも、砥石の面付け作業は各自それなりに楽しい様子です。

中でも一番下の子は一心不乱です。丁度の高さが無かったからかも知れませんが、椅子にも座らず没頭していました。他二人は合間に走ったり騒いだり。

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才能の片鱗を感じさせます

 

興味深かったのは、一人を除いて加工した当の砥石には余り興味が無く、持って帰ろうとしない所です。その一人も、最後に成ってやっと持ち帰ると。途中経過そのものが面白かったのでしょうか。

自分の子供の頃と比較しての違いは、時代によるのか男女差か、はたまた地域性か。周囲に豊かな自然が身近にあれば、価値の軽重・興味の有無・使い方など知識の多寡にも因るでしょうが、所謂都会の子供とは見ている物や受け取り方は一様では無いのでしょう。

ともあれ、本日は最近に無く濃い一日を過ごさせて頂きました。箸作り体験で御足労願った御三方を始め、来場下さった皆さんに感謝致します。有難う御座いました。此の後も砥石館をお楽しみの場として活用頂けましたら幸いです。

 

 

 

あ、以前に記載しました、砥取家その他を取材していたクルーに研ぎと切りの実演をした事に関連する情報です。8月18日放送の中で一瞬、私の砥いでいる所か切っている所かの手元が映るかもとの事。

使用したのは自分が半分程の工程を担当して作って来た菜切りです。もしそうなれば、新潟の日野浦刃物工房で迷惑を掛けたり世話になったりした埋め合わせの一部には成るかと喜んでいます。

丁寧に作られた包丁の価値や、入念に砥ぎ上げた切れの違いに付いて、日頃から説明時には使っていますのでクルーに披露した際には其れだけでも、義理を果たせたかと思っていましたが。

映像を使われるとしても、手付きや包丁のみらしいので願い通りです。技術や刃物が重要であり、私個人に付いての情報は大して意味を成さないと考えています。と言うか、そもそも恥ずかしいので丁度その位が望ましいです。