包丁の御注文

 

少し前に、司作三徳の御注文を頂いて居ました。基本的に、当方では滅多に在庫が無いので取り寄せに成る訳ですが・・・偶々、磨きかけの物が有るとの事で短期間?(日野浦さんにしては)での到着に。

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其れに前後して、砥石館の常連様からも(知人の方の分でしょう)味方屋作の三徳の御注文が。日野浦さんに連絡した所、司作を送って貰うギリギリのタイミングでしたので、同梱を御願いしました。

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序でに、此方も入っていました。頼んでたのかな?まあ、来るなら何でも有難いので良しです。黒打ちの三徳はサンプルが一つあるだけなので、何なら自分用にしても・・・。

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司作の方は、簡易な初期研ぎも併せて御依頼でしたので刃先の調整を。奥殿の硬口天井巣板と、中山の中硬赤ピン・緑板で反応を見ながら。

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ほんの少し、満足いく相性で無かったので、仕上げに(超)硬口の奥殿本巣板。

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研ぎ前ですが、十分な仕上がり。ただ、一般の方が普通に使うには鋭角かなと。

 

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研ぎ後。角度は鈍角気味・一定角の小刃では無く、刃先ハマグリ・切っ先へ向かって片側40度⇒20度の可変に。あとは地金の傷を浅くする過程で、刃先へ向かって厚みを減らす方向で。

 

 

 

味方屋作の方は、更に鋭角(薄い)でしたので結構な鈍角に。特に、刃元と中央の一部が薄かったのですが・・・天然(仕上げ砥)だけでは厳しいので、人造の1000番から。

其の後は偶然?同様の組み合わせの仕上げ砥で相性問題も無く。

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研ぎ前ですが、全体的に纏っていると思います。薄い部分も、硬さと粘りのバランスが良く、しなりを見せる位で強度的不安は少なかったです。

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研ぎ後。司作の研ぎ方と大体、同じですが薄さが際立つので切り刃と刃先の角度差が大きくなり、明確な小刃みたいな外観に。

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司作はメールでお知らせしたので、其れに対する御連絡を待って御送りする事に成るでしょう。味方屋作の方は御互いに都合が付きましたので、久々に砥石館に出向いて手渡ししてみようかと考えています。

 

 

 

 

 

昨日の研ぎ講習 西洋剃刀

 

数か月前に、西洋剃刀の研ぎを御依頼頂いたK様が研ぎ講習に来られました。研ぎ依頼の際に、剃刀は普段から依頼で研ぐ事は少なく、得意とまでは言えませんが・・・と返答した上での御依頼でした。しかし、御試用の結果は悪くなかったとの事。

今回も又そういう意味では同様で、御伝え出来るのは研ぎ其の物に関わる項目が大半となり、剃刀特有のポイント?(多分あるでしょう)などは何処まで追求できているか不明ですよと御断りした上での講習でした。切れ其の物が安定して良くならない(一度は上手く出来たそうですが)点と、先端が思う様に砥ぎ難いのを改善する目的でスタート。

 

 

 

初めに刃を確認した際に、刃線が軽くアールを描いている感じと両端が後退している印象を受けました。レーザーとしてみれば、その形状は一つの方向性として有るでしょうし、特に先端は直線よりもカーブしている方が都合が良いとしている専門家も知っています。

 

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研ぎ前の画像

 

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一応、先ずはツライチと云うか平面に研いで全体が砥面に当たるのを狙って砥いで行きます。やはり、両面共に中央や其の周辺から当たる部分が広がります。

 

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人造の1000と3000をメインに交互に研いで行きます。荒い1000の傷を消しつつ、形状を整えます。

 

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先端は(顎も同様)厚みも少なく後退しているので、ベタ研ぎで当たる迄に減らすと大幅な無駄が予想されます。従って、此処からは現物合わせの研ぎに変更。

最初は、先端付近を狙って峰側を浮かし、振り子の動きで(本来は放物線でしたが難易度低減の為)研いで下さいと。しかし此れも不安定に成るので、いっそのこと先端二点は浮かさずにハンドル側を持ち上げて砥いで貰いました。此れで幾分かは安定して狙った部分へアプローチ可能に。

 

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巣板で仕上げ研ぎも。砥石に対して水平に押し出す・斜めに押し出す・カーブを描いて押し出すなどの研ぎ方も試しつつ。

 

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同じ砥石で研いでも、砥面への接触・圧力やスピードの安定加減で砥ぎ目や返りの出方が違う事も確認。

 

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最終仕上げは、奥殿の浅葱の二種で調子を見ながら。

 

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K様には、自宅まで来て頂き有難う御座いました。私が説明出来るのは当日の内容程度ですので、どれ程の御役に立てるかは分かりませんが今後の剃刀達の手入れと活躍に資する所が有りましたら幸いです。今後も、私で御役に立てる事が有りましたら宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

昨日の研ぎ講習 出刃包丁

 

昨日は、小坊主様が研ぎ講習に来られました。三重への御出掛けの帰りに立ち寄って頂き、久し振りに御会い出来ました。

御持参の包丁は出刃でしたが、近隣の方から預かってボランティアで研いでいる包丁も持ち込み、研ぎの方向性に付いて尋ねるなど、以前にもまして熱心さを感じました。

 

 

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研ぎ前の状態。先ず、出刃に有り勝ちな厚みの残り方や薄くなり過ぎる傾向にある箇所を指摘して置き、実際に砥いで行く事で違いが出るかどうかを観察して貰いました。

刃元が薄く、切り刃中央から切っ先カーブの鎬側に厚みが有るとの予測でしたが、大まかにはその傾向通りで。但し、刃先の切れもまずまずで其れを酷くスポイルしない程度の状態でした。

 

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研承の400番で切り刃全体を。柔らかいので、包丁の形状に馴染んで全体的に当たってくれている様に見えます。

 

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しかし硬目と成る1000番では、当たっている部分とそうで無い部分の違いが明らかに。

其の後、傷の浅い1000番・3000番で余分な厚みを取りつつ、角度変化を狙い通りに近付けて行く研ぎを施します。各工程をクリアする度に、切れの変化を体験して貰いつつ。

 

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小割りの人造砥石で、更に切り刃を均し研ぎ。

 

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もう一段、細かい物でも同様に。

 

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天然に移行し、説明通りの当て方・研ぎ方が出来るか試して貰います。

 

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形状・切れに問題が無く成って来たので、この後は戸前や赤ピンなどで糸引き・裏押しの練習を。切れに違いが出る事も良く理解して頂けた事と思います。最終は、巣板の小割りで切り刃を仕上げて浅葱で刃先と裏押しで仕上げました。

 

 

 

今回は、大変長く様々な会話をしました。物事の概念や、抽象的な事象の捉え方などに付いての質問に答える形が多かったと思います。研ぎに直接関連する内容から、少し離れた部分・思想信条など色々ですが此処では詳細は伏せます。

しかし、突っ込んで聞いてくれた部分には、頭を整理させられたと言うか伝え方が舌足らずだったと気付かされた部分も。下画像は、私がハマグリに付いて説明する時に言いたかった事を略図にした物です。鎬筋から先の、切り刃(両刃)と考えて下さい。

一般に、ハマグリ刃と云うと鈍角で刃先が厚い・切れないと捉えている層が存在しますが、それは①の研ぎ方しか念頭に無いからでしょう。つまり、BとB´からAに向かって砥ぎ減らしながら刃先へ向かって角度を起こしつつ(カーブを描いた点線の形状を目指して)砥いで行く。

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しかし②の様に、逆にAを起点としてB・B´へ向けて厚みを抜いていく事でハマグリにする事も可能です。其の場合は、元の角度・厚みよりも薄く鋭角に仕上がるので、「ハマグリが切れない」との言説が如何にあやふやか分かろうと云う物です。

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私が良く言う、「耐久性重視のハマグリ」が①であり、「切れ味優先のハマグリ」が②である訳ですが、自分で研いでいるのは複合的な形状です。

個体其々で違って来ますので、一辺倒に語れませんが基本的には切り刃全体を②の(緩い)ハマグリで研ぎ、刃先の3mm前後で①のハマグリで仕上げます。その際、切り刃も刃先も顎から切っ先に向けて鈍角から鋭角に変化を付けています。切り刃・刃先の双方に其々、最適な変化を付け分けて効果を最大限(しかし研ぎ減らす量は最小限)に狙います。

模式的には、②の上に①が載っているイメージでしょうか。切れと永切れを両立させるためにはと、研いで使って考えた結果が此の形状に成りました。汎用性の高さは抜群だと思っています。

 

 

 

小坊主様には、興味深い御話しの中で各分野に亘って頭の整理や内面の見直し?も出来ましたので、受講頂いた事と併せて感謝致します。少々、遠方からに成りますので度々は難しいと思いますが、御説明しました今回の内容を周辺でのボランティア研ぎに活かして頂けましたら幸いです。有難う御座いました。

 

 

 

 

 

御近所の繫がりで御依頼

 

半月ほど前でしたか、日頃から通っている和菓子店で聞いていたのですが、買い物に来られた中に研ぎを希望する方が現れたと。店内には私の名刺や関係した本を置いてくれているので、来客時に目に留まり興味を持たれたとの事。

三日前の帰宅時、自転車で追尾して来たのが御当人で、その場で依頼されて包丁を受け取りました。一般の方は、予備の包丁が少ない場合も有りますので、急いで返却した方が良いのかと翌日に間に合わせたので簡単に御紹介です。あ、記事への記載は確認していませんでしたが、和菓子好きの近所のよしみと云う事で。

 

 

研ぎ前、全体画像。研がれた形跡は有りますが、現状では切れなくなっていました。側面の傷は気に成りますね、その効果も余り無さそうですし。

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研ぎ前、刃部アップ

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研ぎ前、刃先拡大画像

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研ぎ前、左側面

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人造の400⇒1000⇒3000番から、中硬の黒蓮華⇒赤ピン⇒中山並砥です。やはり、この系統のステンレス(質と硬さ)には並砥の相性が際立ちます。

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研ぎ後、全体画像。特に御要望が有った訳では無いのですが、大きな傷くらいは目立たなくしようかと。

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研ぎ後、刃部アップ

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研ぎ後、刃先拡大画像

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研ぎ後、左側面

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御依頼主は、結構な包丁好きとの事で、キッチリ研いでくれる所が良いとの事でしたが、届けた際には此の位の外観の変化でも綺麗に成ったと。使って見た結果、切れと永切れでも今回の研ぎに満足して頂ければ幸いです。そして、間を取り持って頂いた和菓子店の旦那にも感謝です。有難う御座いました。

 

 

 

 

 

司作出刃、流水飛紋

 

北海道のS様を介しての御依頼は、司作の出刃に私の研ぎを施す事でした。日野浦さんに問い合わせた所、偶然にも御希望のサイズに近い出刃が。

ただ、地金の種類としては最高額となる流水飛紋でしたので、少々気に成ったのですが問題無いという事で取り寄せました。

 

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研ぎ前、全体画像

 

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研ぎ前、刃部アップ

 

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研ぎ前、刃先拡大画像

 

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同じく裏

 

 

 

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人造の400⇒1000⇒3000番

 

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人造の小割りで地金部分の均し研ぎ

 

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成の1000番で全体を

 

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中硬の巣板の後、中硬の中山赤ピン

 

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地金部分を巣板各種で

 

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刃金部分を硬口の奥殿巣板(天上・本)の後、中山の戸前

 

 

 

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研ぎ上がり、全体画像

 

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研ぎ上がり、刃部アップ

 

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研ぎ上がり、刃先拡大画像

 

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同じく、裏

 

 

元から可成り整えられた切り刃でしたが、中央とカーブの鎬筋側の厚みが気に成り、角度変化と共に調整しました。あと、刃先最先端まで薄目に成っていたので、刃金部分全体に鈍角に研ぎ直して更に最先端は刃元60度強⇒切っ先30度強。

刃体その物が薄目でしたので、刃先角度も其れに合わせて極端には強度優先にはしませんでした。それでも通常使用では十分な刃持ちだと思われます。上手く扱えば髪の毛に押し付けるだけで切れる程度には鋭利ですが。

本日中には、クロネコから御送りできると思いますので、現物が届きましたら御確認を御願いしたいと思います。お気に召して頂けましたら幸いです。此の度は有難う御座いました。

 

 

 

 

 

昨日の研ぎ講習 出刃包丁

 

二か月ほど前でしたか、柳を御持参で受講して頂いたA様が、今回は出刃を研ぐために講習にいらっしゃいました。

 

研ぎ前の状態。刃元寄りの切り刃の厚みが減らし過ぎ・逆に刃金部分は少々、効果が薄い段刃なっていました。他には、切っ先カーブの後ろ側の鎬筋付近にも厚みが残存。

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先ずは、私が問題点を改善する為に400⇒1000⇒3000と、番手を上げつつ研いで行きます。研ぐ前に解説し、途中で角度変化・部分研ぎの痕跡を敢えて残した研ぎ目で確認、逐一その効果を試し切りで体感もして貰います。

通常は、その後で天然に移行して、御本人にも問題改善に必要な研ぎ工程を作業して頂くのですが・・・研承の成シリーズに興味が有るとの事で試し研ぎも。

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一段落した所で、より実務的な部分研ぎも披露。前段の研ぎによって其の頃には半減して来ていた厚みの残存箇所を、更に人造の小割りでピンポイントに狙います。

効果的な均し研ぎには不可欠な工程であり、また傷消しも兼ねてシャプトンの1000番で荒仕上げの後、柔らかい1000番でも。最後は、奥殿の天井巣板内曇り。

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切り刃自体が整いましたので、次は各種の天然砥石の違いに因る、刃先性能の差を体験して頂きました。糸引きと裏押しですね。

私が例を示した上で、御自身でも。研ぐ人間による違い・巣板同士の仕上がりの違い・赤ピン同士の仕上がりの違いを実感し、予想以上の差に驚かれた様子。

下画像は、奥殿の天井巣板カラスを試している場面です。私が直接、砥石達が山裾までズリ落ちて来ていた辺りで採掘した一つ。山頂の超硬よりは一~二段階、柔らかいですが研ぎ上がった刃先の滑らか且つ掛かりの良さは、流石に同系統と思わされます。

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各種、工程を経て形状・性能・外観ともに向上した出刃。

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帰り際には、奥殿の天井巣板カラスのサンプルをプレゼント。因みに、此方も前出の画像の砥石と同日に採掘して来ました。

前回の赤ピンに付いても質問を受けましたが、天然にも御興味を持たれている様子。先々、真剣に向き合おうと成れば、御参考にして頂けましたら幸いです。

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A様には、此の度も研ぎ講習に御出で下さり、有難う御座いました。次回は、更に大きな出刃に関して御予約を頂きましたので、楽しみにして居ります。

 

 

 

 

 

次の研ぎを前に

 

数年前に一度、研ぎ依頼を頂いた事がある方から御連絡が有り、二度目の送付を御待ちしている間に・・・。

 

 

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北海道のS様に御依頼を頂いていた、VG10の無垢で出来たペティが届きました。服部に居た頃の先輩に頼んでいた物ですが、序でに自分用にも一本、余分に作って貰いました。(画像下側)

仕様は、1050度焼き入れ(硬度62)・160度焼き戻し120分・数か所の計測で硬度61±0.5です。

 

 

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此方は、数年前に譲って貰った同様のペティ。ブログでも度々、例として取り上げて来ました。仕様も殆ど同じはずですが、ブレードもグリップも仕上げの磨きが違うので、かなり印象が違いますね。ステンレスでは普段から一番、使っていますが切れと永切れに不満は無く、扱い易いです。天然砥石で追い込もうとすると、幾分は砥石に好き嫌いを言いますが其処も面白いと感じます。

 

 

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此方は購入依頼を頂いた際に、運良く日野浦さんの元に在った出刃です。私の研ぎが入っているのが条件との事で、後は研ぐばかりと成っています。

次の送付を頂く時期次第では、ボチボチ砥ぎ始めていても良いかも知れませんね。何れにしても、出刃の御届けもゴールが見えて来ましたので、もう少しだけ御待ち頂ければと思います。

 

 

 

 

 

刃物店から直接届きました

 

結構、前から届いていた北海道のT様の柳。刃物店から直接、当方へ御届けで・・・此れは、「御世話に成っているベスパのディーラー方式」と同様ですね。

色々と兼ね合いが有りましたが、他の御依頼が一段落したので取り掛かれました。通常の研ぎに加えて、裏の鏡面も御希望との事でした。

 

 

研ぎ前、全体画像

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刃部アップ

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400番から砥ぎますが、結構なホロー気味・凹み有りの切り刃ですね。その割には、均一・浅目では有りましたが。ただ、刃金に関しては面の精度が地金よりも高く、初期切れに貢献していると思われます。

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1000番

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3000番

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其の後、キングハイパーで均してから人造小割り220番で。

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1000番の小割り

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布のペーパー3種と紙の方、4種で

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軟口の巣板

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中硬の中山戸前では、普通の切れでしたので硬口の奥殿本巣板黄色で。完璧に近い相性で、場合によってはそっけない反応にも感じる此の砥石が、下りと仕上がりに於いて文句無しでした。

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研ぎ後、全体画像

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刃部アップ(平は布ペーパーの荒目で軽く磨き済み・地金は奥殿天井巣板内曇り仕上げ)

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刃先拡大画像

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裏の全体

 

 

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一部アップ

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今回の白木作の柳ですが刃金の質は、適度な硬さに加えて粘りに留意した傾向に感じました。組織の細かさも可成りな物で、各要素を総合した切れ自体は超一級品。ザクザク感よりは滑らかさに寄せた切れ感で、刃持ちも十分に期待できます。

依頼文からは値段的に手頃で有った様子が伺えますが、研削や刃先性能、裏梳きの精度・反りや捻じれの少なさから見ると、購入時の仕立ての素性の良さは充分でしょう。T様におかれては、更に上級の仕立てを盛り込み完成度の向上を狙われたと思われますが、御期待に沿えていましたら幸いです。今後も宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

本焼きの鰻裂き

 

東北に御住まいのS様から、本焼きの江戸裂き(東京型の鰻裂き)の御依頼を頂きました。私としては触った事が無いタイプでしたし、ましてや使って見た事も無かったので如何なものかと考え、率直に伝えた上で専門家や販売店への御依頼を提案してみました。

しかし、送って頂けるとの事で可能な限り御意向に沿いつつ、確認した現物の状態から逆算して仕上げようと考えました。具体的には、切り刃の面精度を上げつつ厚みの不均衡を正し、正確な段刃(御希望では50度位)に仕上げる。

 

 

研ぎ前の状態

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刃付けされた段刃の上から、刃先寄りを中心に研ぎ直されている状態に見えます。

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切り刃は、ホローグラインド的な刃付けで、且つ刃元寄りは刃先側が薄い・逆は鎬筋寄りが薄い。厚みは横手筋と言いましたか、其の辺りに掛けて残存傾向。

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裏は割合、整っているのですが切っ先から5mm・1cm・4cm辺りに欠けが有ります。

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人造の400番から砥いで行きます。少しでもホローの軽減を狙いつつ、切り刃から。

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1000番です。直線部分の段刃の両端が、弧を描いています。それを修正しつつ研ぎ減らしながら、角度も御希望に寄せて行きます。

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しかし、50度近辺を狙って砥いで行くと、大きく返りが出易い為か刃先が荒れ気味に。特に、切っ先寄りの三か所の欠けが何度か再現される程で。そこで若干、鋭角目(45度強)で砥いでから、刃先を起こして指定角度の近辺へ。

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中硬の巣板の後で、硬口・超硬口の巣板で仕上げました。

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研ぎ後、全体画像。

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刃部アップ

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刃先拡大画像

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裏ですね。軽く磨いて錆予防。

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今回、研いで見て分かりましたが、通常の包丁に大きく段刃を付けるのとは些か異なる認識が必要です。段刃が極めて明瞭な為に切り刃の面と対等な、端的に言えば多面体の立体を仕上げる感覚を要すると。

その主要な要因は、横手筋が有る為です。其れを挟んで隣り合う、切り刃面同士・段刃面同士にズレが生じない状態を維持しつつ研ぎ進めなければ成りません。厚みにしても角度にしても大差が付くと面倒に成りますし、刃先の減り方が違って来ると目も当てられませんね。

ですので、余りバランスを崩さない範囲内で調整するに留めました。切っ先寄りは、欠けが無くなって角度が狙い通りに成る段階で・直線部分は、両端のアール部分が減り、刃先最先端と裏押しが何とか繋がった段階で。

ある方から伝え聞いたのですが、江戸裂きの研ぎは専門家に委ねるのが相場で代金も2.5倍近くなると。成る程、他の包丁とは違うアプローチが必要とあっては無理も無いと感じました。

 

 

 

S様には、貴重な機会を頂きまして有難う御座いました。御返送後には仕上がりに問題無いとのメールを頂きましたが、初期の御要望から余り離れていなければ幸いです。今後も御役に立てる様でしたら、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

業務連絡です

 

偶に記載している内容ですが、やはり此方のパソコンに着信しないメールが有るみたいです。常連様から、御知り合いがメールしているが跳ね返って来ると連絡を頂き把握できました。

そこで、ホームページに載っているアドレスで上手く行かない場合は、カートなどに使っているGメールの方へ御連絡を御願いしたく思います。下記に成りますので宜しくお願い致します。

 

togiyamurakami@gmail.com

 

 

常連様、御連絡を頂き有難う御座いました。

 

 

 

 

 

研いだ包丁のビフォーアフターなどを載せていきます。