御知らせ(御願い)など

 

後述の方が、当ブログを閲覧下さっている事を祈りつつ。

本日、二度に渡って留守電にメッセージを入れて頂いたO様、出られずに申し訳有りませんでした。しかし、折角の研ぎの御依頼の内容でしたが当方の留守電、余りに古く先方の電話番号の表示機能などが有りません。

番号を吹き込んで頂けていれば、折り返しの電話をさせて頂けるのですが之までには殆ど、そう言ったメッセージが無いのが現状です。先々週にも鋏に関する問い合わせが有りましたが、同じく折り返し出来ませず。

ホームページには当方の電話番号を掲載していますが、此れは架空の住所や設定では無い証明がてら載せている意味合いが強く、基本的にはメールでの対応と送付(返送)での遣り取りを行なって居ます。出来ましたら、以下のメールアドレスから御連絡を頂きたく思いますし、万が一、電話で御連絡を頂く場合は御当人の番号を入れて頂けますでしょうか。宜しく御願い致します。

 

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

手伝い先では仕事の一部として、偶に豚肉の塊(10㎏程度)を切り分ける作業も有ります。モモ肉と呼んでいますが恐らくは、ランプ周辺と言うべきと思われる其れは、ちょっとした枕位は有りますので、通常の家庭料理では試せない包丁の性能を確認出来ます。

先ずは下掲の二本。24cm牛刀と21cm筋引き(パンスライサー改)です。刃渡りと厚み、何より刃幅の狭さの差が大きいので、完全両刃(左右均等)と片刃寄りの両刃(右側に大き目切り刃風)による違いは出るのか興味が有りました。

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画像上の左右側面が対称な牛刀に比べ、画像下はパンスライサーとしての適正からなのか、裏は梳いてあるかと思われる程にフラットです。小刃の幅を1~2cm程度に広げれば、ほぼ完全な片刃に成りそうな勢いで。

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予想としては、両刃と片刃の違いは有れど、刃先最先端の角度は若干の差(やや筋引き鋭角)のみですので、やや刃厚が薄く刃幅も狭い筋引きが有利と考えて居ました。所が、出自がパンスライサーな事も有るのか、切っ先カーブから先に相当の厚みが残されており、引き切りの最後の抜けで抵抗を感じました。

其れ以外の部分は結構、良い勝負でしたが此れは、牛刀の方が手作業で切っ先方向へのテーパー化・ほぼ峰から刃先まで浅いハマグリにしていた事が奏功したものと思われます。通常は側面の仕様が同等でしょうから、長さと広さに比例した摩擦抵抗を受ける筈なので、逆の結果に成るのでは無いでしょうか。

結果として此の比較では、「抵抗の少ない仕様の長い刃」を持つ牛刀の方がストローク数が少なくて済むので、筋引き(パンスライサー改)よりも優れていると感じました。逆に、肉の塊を端から薄切りにして行く場合は、反対の結果に成る可能性も有りそうですね。

 

 

 

次は、側面片方に平・鎬的な角度分けを設けた方式では無い、牛刀を薄く狭くした方式の筋引きです。全くの別物感は薄いながら、此れは此れで柳に対する河豚引き的な利便性を好まれるタイプです。

刃体全体が切っ先に向けてテーパー化されていると迄は行かないものの、刃厚自体が元来、24cmの刃渡り全域で薄手に仕立てられていますので抜けや走りが期待出来ました。

新品時よりも、やや右側の小刃を広げ気味・鋭角化すると同時に、左側の小刃を鈍角化(小刃の広さを半分程度に)。実際に使用してみると、切れは充分乍ら存外、抜けが重く感じました。其処で、右側の小刃のみ切っ先方向へ鋭角化してみると改善。更に左側の小刃も切っ先方向へ鋭角化すると更なる改善が見られました。

小刃のアレンジ以前から、切っ先カーブ周辺の抜けに関しては(刃厚・刃先角度から見て)妥当で、前述の筋引き(パンスライサー改)に比べて優位でしたが、切っ先方向へ鋭角化アレンジ済みの其れと比べれば直線的な刃線の部分の抜けは大差がない状態で。しかし小刃のアレンジを経てからは同等以上に。ただ、刃先最先端の切れに依存する傾向が強いのが気にはなりました。刃体形状的に、余り切り開く性格では無いからでしょうか。そして、端から薄切りする場合の優劣は此方も未知です。

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最後は、一番の新入りです。かなり広い小刃を付けられていますので、鋭角過ぎるキライも有り、刃先角度を2~3割り程ですが鈍角化しつつ切っ先方向へ鋭角化しておきました。此の仕様での試し切りでは、筋引き(パンスライサー改)に近い切れ感で、まさか21cmの刃渡りが同一故にか?とも思い難く、考えられるとすれば次の二点。刃幅が広く抵抗を受けるデザインの牛刀ながら、両側面に広目の小刃を持つ為に刃先周辺の抵抗は少ない。対してパンスライサー改では、右側面の切り刃的な幅広小刃はアレンジの範囲が広く抵抗をいなすのに有利ながら、左側面の小刃は極端に狭いのでアレンジ幅が狭く抵抗を受けやすい状態。極端に言えば、左右の小刃の広さを合計して二で割ると恐らく、同程度に成ると思われますので、合計の抵抗も近いのではと。

まあ、あらゆる厚さと刃幅・刃先角度・刃線のカーブの度合いをグラデーション的に取り揃えて詳しく比較検討する訳にも行かないので、飽くまでも実用の結果からの推測でしか有りませんが、事前の予想より少し意外な結果・狙い通りの効果など、入り混じって楽しい実験と成りました。

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総評としては、刃体の形状の最適化(此の場合は抵抗の少なさ)が、どれだけ全般に及んでいるか次第に依ると言えそうです。例え、刃厚が薄い・刃幅が狭い・刃先角度が鋭角であったとしても、側面がフラット過ぎたり小刃が単純な一定であったりすれば、切れ込む際の抵抗(摩擦含む)は軽減するにも限界が有るので、刃厚たっぷり・刃幅広い・刃渡り長い鈍重なデザインの包丁(刃体・刃先アレンジ済み)に敵わない結果と成りました。

 

 

 

 

 

先週の砥石館でのイベント

 

先週の土・日曜には、二種類のイベントが有りました。

画像は、最新の砥石館の内部。

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両日の午前中に行われたイベントの一つ目は、子供向けの講習(簡単な講義と実技指導)で、文化庁とのコラボ的な物。日本の職人文化や纏わる道具・技術に親しみ、将来の選択肢の一助と成れば・・・との御意向で開催との流れ。

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先ずは、私の手持ちの刃物を俎上に上げ、館長の用意してくれたモニターに移される画像と共に、日本の刃物の特徴と其の効果を説明しました。(特に、片刃と両刃での切り進む方向の差異)

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参加各位、御家庭で御使用の包丁を持参下さったので、現状の把握と対処法を共有し、研ぎを進める方向性を示唆した上で、研ぎ始めました。

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刃先の損耗や摩耗を取ればOKな物の他、刃線が乱れている物も有りましたので、其れ等は私の方で整えた後に仕上げて行って貰いました。

そして、充分な切れが出せたと判断した時点で試し切りを行ない、御本人に知識だけでなく体感を通して理解して頂けた様子でした。

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事前のイベントで既に、刀剣研磨師を招いての講習を受講済みの子供達でしたが、実際に刃物を研ぐ経験は殆ど無かった様子で。次に控えるイベントの、料理を体験する際には、今回の包丁類が活躍してくれる事。そして使い手にも楽しんでくれる事を願っています。三段階でセットのイベントは珍しいので、全てに参加できる人を募集する時点で間口が狭く感じましたが、其れなりの人数の希望者が手を挙げて頂けて、ただただ感謝です。

 

 

 

一方、大人向けの方はハマグリ研ぎに特化した内容の講座でした。

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モバイル顕微鏡は、通常通りに繋いだパソコン画面で見たり、更に特大のモニターに映し、全員への解説にも活用できました。

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中には、ブルートゥース?の角度計を装着し、研ぎの際の角度のブレを計測する勇者も。最初は6~7°のブレでしたが、段々と6°、5°前後に下がって行くのを見るに、やはり基準と成る目安を明確にして意識しながら練習する大切さを実感しました。

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更には、仕事で御使いの特殊な刃物を研ぎ、対象と成る素材も持ち込んで、実地に試される方も。

最初は、素材に対する切れと永切れに付いての追及から。次いで、紙の類の複数枚の切断にも不満が出ない様・・・との御意向でしたが、一つの刃物で二種類の用途に完璧を期するのは難しそう(研ぎ直せば可能でしょう)との結論に。勿論、砥石の選択と研ぎ方の工夫如何では、不可能とも言い切れませんが(笑)。

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仕上がりに関しては、私が切って見せたり御自身で試したりのテストで、ほぼ不満は解消された様子でした。

持ち込まれた刃物は基本的に和式が多く、しかも切り刃に大きな凹凸や、不自然な厚みの残存が少ない物が殆どで。従って、「切れ優先ハマグリ」と「永切れ優先ハマグリ(上手く研げば吃驚する程切れるけどね)」の内で、後者の説明と実践と成った講習でしたが、其れは其れで興味を持って取り組んで頂けたと思います。参加を頂いた皆さんには改めて感謝致します。

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途中、研ぎの説明と実践の補助として、私の普段使いの砥石も活躍してくれました。中山の水浅葱、研磨力重視タイプ・当たりがソフトで磨きに優れるタイプの二種です。

砥石館側で用意されている砥石の中では、数に限りが有る種類でも有りますので、最上級に細かい砥石での仕上がりに付いて例示したい時にと持参しました。

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子供向けイベントでは、他の砥石と組み合わせて打音検査による砥石毎の硬さの違いを示してみたりしましたが、大人向けでは同じ中山の水浅葱と言えど、僅かながら硬さが異なるのみならず、砥粒の目の立ち方・その積層の成り立ちの違いで個性が湧かれる事を、手指の感触でも確認して貰いました。

此れが契機と成った訳でも無いでしょうが、館長との今後のイベントの方向性を探る話し合いで、砥石の目利き講習もアリかなと纏りました。

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特に上画像の二つが役立った場面の一つは、ステンレスの包丁を御持ちの参加者の方との遣り取りで。(特に人造を想定しての事かも知れませんが)曰く、ステンレスに細かい砥石を当てる意義は有るのだろうか?との事。前述の文言は意訳ですが、確かに巷間、取り沙汰される問題?では有りますね。

私は自らの体験(調理)と実験(試し切り)から、ステンレスこそ細かい砥石を当てるべき、特に天然の優秀な超仕上げ砥石では。そして、滑るのは角度が安定していない事が殆ど。と答えました。刃先最先端の返りが取り易い点、刃先の研ぎ目が細かく成り、接地圧が分散され、より摩耗に耐え得る点などからの判断でしたが、お隣さんが挑戦した角度計の威力を間近で観察し、私が研いだ超仕上げ砥石仕上げの刃物をテストした相手ですので、通じると見て御話ししました。

その結果、水浅葱に関する御問い合わせを頂きましたので、販売用に少量ですが手持ちが有る事を御伝えした所、御買い上げの御意向を伺えました。二つの内の一つを選んで頂きましたので、其方を本日午後に発送しました。因みに左の大きい方です。御手元に届き御使用の後、御満足頂ける事を願っています。

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最後は、イベントにて展示・試し切りに使用した刃物の手入れです。本当にヘビーローテーションで普段使いしている一部を除き、基本的に一度でも使ったら研ぎ直しています(仕上げ砥・超仕上げ砥なので減りは僅少)。

 

司作の柳

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水野鍛錬所の廉価版の相出刃

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ファルクニーベンの牛刀と昔の三層利器材三徳

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味方屋作竹割鉈

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司作の三寸五分角鉈

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追伸ですが、間が空いてしまいましたので、もう事は済んでいるかも知れません。

イベントの数日前に砥石館を訪れた際、来館者の中の有る方と会話する機会が有りました。研ぎや砥石に付いての遣り取りを続ける内、砥石館側のスタッフの不手際で、御持参の砥石ケースが落下。薄目と成って居た砥石が割れました。

其れが気に成って居たのでイベント当日、代替として私の手持ちの中からサンプル程度のサイズですが天然砥石(梅ケ畑産の緑板)を館長に預けて置きました。館長の方から取り継いでくれる筈ですが、其れが無ければ御手数ですが御申し出を御願い致します。今回のイベントには仕事のスケジュール的に厳しかったと伺いましたので、又の機会を楽しみにして居ります。

 

 

現在ホームページ不調に付き、御面倒を御掛けしております。申し訳有りませんが、御問い合わせ等は下掲のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

イベント前の打ち合わせ

 

先週の木曜日に、砥石館まで出かけて来ました。月末に行われる、イベントに向けての最終的な打ち合わせの為です。

最終的と言っても其処は、通常の開館日かつ結構な来場者数でも有った為に、人出が落ち着いて館長の手が空くのを待つ必要が有りました。おまけに、海外からのツアー客が閉館前に来るとの事で、隙間時間で簡略に必要事項を最低限のみ遣り取りしました。当日の細かいテーブル・モニター等の配置や、参加者に私が持参するサンプル(各種刃物)を見て貰うタイミングに関しては、ぶっつけ本番に近い事に成りそうです(笑)。

2日間に亘る期間の内、子供向けの内容が午前中×2回の予定でしたが、午後からの時間で大人向け(ハマグリ研ぎ講習)が2回、追加と成りましたので丸々2日間のイベント(二種類)と成りました。

 

 

多くの来館者へ対応する館長の手が空くのを待つ間、試し研ぎ中の方の数名と言葉を交わしたりも。其の内の御一人は、料理関係の方と御見受けしましたが、以前から私の研ぎ方に興味を持って頂いて居る御様子で。そして今まさに研いで居る最中の、御持参の包丁を題材にして研ぎ方の説明や、ちょっとしたアドバイス等の会話をしていると、館長から急かされて打ち合わせに。ただ、先刻の御当人はイベント(大人向け)に意欲を見せられ、可能なら参加したい旨の御申し出を頂けたのが、少し驚きつつも嬉しい出来事でした。

 

 

直近の砥石館の様子。展示物が増強され、販売品の種類も豊富に成って居ました。中には、前館長である上野さんからの寄贈品も有り、地元に持ち帰るには多過ぎるコレクション故、むべ成るかなと(笑)。

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最後の画像は、御買い上げの包丁の柄に名前を彫る為の機械だそうです。レーザーで彫刻できるとの事ですが、そんなサービスまで始めている事に感心し、予想以上に簡易な装置で可能な事にも驚きでした。

 

 

また館長には、来館者が「刃先のみの研ぎ・刃体全体を整えた上での研ぎ」の対比を体感して貰える様に、私が用意したオピネルのナイフ二本を渡して置きました。紙の一枚程度では大きな差が出難い筈ですが、数枚以上の厚さに成ると違いが顕著ですので、その場で試し切りをした館長にも、違いを感じて貰えました。

此の違いは和式で言う所の、刃先(小刃)のみをハマグリに研いだ事に対して、切り刃全体をハマグリに研いだ結果に相当する対比とも成ります。

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おまけで、手伝い先の共用にする目的で、最近に取り寄せた包丁の研ぎです。先行の筋引き(二つ前の記事)が、刃体の薄さと刃幅の狭さで突出していた為、特殊な用途の専用品にしようかと。

研ぎ前の状態。かなり広めの小刃は、やや荒い研削痕ながら磨き段階で光らせて有りましたが、最先端は少々ですが荒れがちで。ただ価格面から考えれば妥当な気もします。自分で購入した中では、最高クラスに御手頃でしたので。

デザイン的には、珍しい程にハンドルの辺りが後ろ反りで特徴的ですので、実用の際にどんな使い勝手か気に成って居ました。実際には、引き切りに特化している印象乍ら、慣れで如何様にも成るだろうと結論付けました。

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研ぎ始めですが、小刃の仕様を大きく変更する必要も無く、研削痕を完全に消すまでも無いので、(砥石への給水時間的な面からも)手軽に済ませようと何時ものビトリファイド以外で。

600番と1000番で、刃線上の厚みの残存している箇所は多目に研ぎつつ、若干ですが顎から切っ先方向へ鋭角化。そして小刃が広目(つまり刃先は鋭角目)ですので刃先最先端に向けては逆に、明確な鈍角化としました。とは言え、刃先も顎から切っ先方向へ向けては、鋭角化として居ます。

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天然に移行し、対馬です。此の段階で、所期の研削痕の粗さを確認出来ました。同時に、対馬で容易に取れて行かない面から、特別に柔らかい熱処理の塩梅では無い事も。

僅かな差では有りますが、試し切りの結果も含め、前回に追加した筋引きよりも硬い気がします。代わりに?組織の細かさと均一さでは彼方に一歩、譲る気も。何方にしても、気にする人の方が少数派だと予想されますが(笑)。

その筋引きに付いては組織の細かさと均一さ、そして研ぎ易さを勘案しての(他には欠けるより捲れを狙ってか)柔らか目の設定としては、昔に購入したマサヒロのMVSでしたか、オールステンレスモデルを想起させます(緻密な切れ加減)。そして今回の、ややザックリとした掛かりの切れ方は、ヌメッとしていたりガサガサした切れ加減に成りがちなステンレス刃物の中では双方、自分の好みに合う性格の物で良かったと思います。

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丸尾山と馬路で仕上げ研ぎ。

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中山の巣板(硬口)と、あいさ(やや硬口)で最終仕上げです。研ぎ易く、適応範囲の広いと目される筈の、やや硬口程度且つ砥粒の目が立ち過ぎていない「あいさ」よりも、研ぎ手には特に優しくない硬さの巣板の方が相性的に良かったのは意外でした。

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研ぎ上がりです。やや柔らか目では有りますが(返りは丁寧に角度を合わせて散る必要あり)、ステンレスとしては相当に掛かりの良い刃が付くタイプだと感じました。

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オピネルの新入りの研ぎ

 

様々なカラーリングのハンドルを持つオピネルは、以前から目にしていたのですが・・・ハンドル材自体のバリエーションを知ったのは結構、最近に成ってからでした。

中でも、オーク材とオリーブ材のハンドルには興味が有ったので、必要な分(カーボンとステンレスの其々№8と№9)は持って居ながら、追加で入手してみました。

因みに、何れもステンレスモデルの仕様しか無さそうでしたが(日本国内向け或いはAmazonの設定による?)、目的はハンドルの方でしたので、問題は無しです。

 

 

先ずはオーク材の方。確かウイスキーの熟成で使われる、アメリカンホワイトオークや、ヨーロッパで輸送に使われたとか聞く、スパニッシュオークなどの仲間に成るのでしょうか。日本で言う所の、樫よりも楢に近いとも聞き及んでいます。

緻密さは少ない様ですが、適度な硬さと滑らか過ぎない手触りだと感じました。使用される方向性的に、その割に水分には強そうですね。木目や色調的に、余り大き目のサイズよりは小振りな方が締まって見えそうなので、此方を№8にしました。

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オリーブ材は、先々には俎板としても視野に入れていた事も有り、楽しみにしていました。

だからと言う訳では無いですが、二本を購入しました。理由は後述しますが、材としてはオークよりも目が詰んでいて、硬さは僅かに柔らかいかなと。

面白い事に(予想はしていましたが)、微かにオリーブオイルの香りがしますね。本当に油分が多いかは不明ながら、此方も俎板に使われる位ですから、水分には強いでしょう。

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オリーブ材ハンドルの一本と、通常モデルの一本です。今回は、前者の刃体自体を厚みのムラ無く削り直し、刃先のみの研ぎで済ませた後者との比較用のペアとして、天然砥石館へのプレゼントとするつもりです。

同じステンレス鋼材、同じ刃先の処理(研ぎ方)で在っても、刃体自体に手を入れた物と新品のままでは、切れ込み・抜けに違いが有る事を体験できる、丁度良いサンプルに成ると考えての事です。

和包丁を二本用意して、其々の刃先の研ぎを同一にした上で、片方だけ切り刃を整えるのは、相当に面倒だろうとの御節介です(笑)。しかし、或る程度の幅と厚みを持つ刃物で、或る程度の厚みと抵抗を持つ対象を切り分けたりする場合には、付いて回る問題ですので。

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鋼材の硬度の設定が低目ですので、荒いペーパー(180番程度)から数段階(240・320・400番)を掛けて、1000・1500番まで進めました。

其の際、ネイルマーク周辺と其処から切っ先に向かう辺りが厚みの残存ポイントですので、集中して削り落とします。この際、ストレート部の刃先を薄くし過ぎがちなので要注意です。

オピネルの製品の厚みの不均等は、体感で上・中・下のバラツキが有るとの認識ですが、今回は中から上・上という二本でしたので差が少なかったです。

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前段階の完了で、殆ど目的は済んだ様な物ですが、刃先も手は抜けません。320番から丁寧に研いで行きますが、先ずは片側30°ずつの均等な小刃です。

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研磨力と平面維持に優れる1000番と、研磨痕が浅く平面維持に優れる1000番で、刃先に角度変化を。刃元は片側、30°で切っ先側は片側、25°に。

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3000番で更に正確且つ傷を浅く。刃元は片側35°で切っ先側は片側30°に。

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対馬で上記内容を踏襲。

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仕上げは中山の戸前、中硬で。

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最終仕上げは、水浅葱です。

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研ぎ上がりです。外観としては遠目には、大雑把に磨いてみた手抜き鏡面と完全なオリジナル初期状態にしか見えませんね。ただ、紙の束などに切り込んで見れば、切り進む際の軽さ・顎から切っ先までの手応えの変化の無さが際立ちます。刃先最先端の切れの良さに限れば、遜色ないのですが。

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最近購入してみた洋包丁と手持ちの分

 

手伝い先で使おうと、二本の洋包丁を追加で購入しました。

作業場に用意されている主として野菜を対象とした包丁類は、ほぼ私が最低限、手の平サイズの砥石を持ち込んで研いで居る為、ホルモン類を対象として居る隣の部署からも借りに来る人が居る状況で。加えて、私の直ぐ後から入った方が隣に手伝いに行く際は、此方の包丁を持って行く事を勘案し、(一応は自分でも使う予定ですが)肉類対象の包丁を共有的に置いて置こうかと。

 

 

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先ずは一本目。購入前のネットでの説明には刃体に関してホローとの表示が有りましたが、現物が届いてみると言う程では無く。逆に頭の何処かで少し、ホローグラインドの洋包丁には興味が有ったりしたのですが(笑)。

其れよりも気に成ったのは所謂、筋引きとして扱われる内で如何なる刃体構造の物なのか?でした。恐らく、片刃の和包丁的に裏梳きが有る物は極少数だろうとは思って居ましたので、問題は「刃体の片側に一定の平・切り刃の境界が有る物」と、「刃体も小刃も両面均等に研削された実質は刃幅の狭い牛刀」の何方か?でした。

結果的には後者でしたが、製品自体の重量バランスや柔らか目ながら良く切れる刃の仕上がり、手頃な価格故に此れは此れで目的に適うと考え納得できます。24cmのオールステンレスとしては軽量な点も、女性の長時間の使用の想定からも安心です。

ただテールの筋を引く等の面では、明確な片刃寄りのほうが重宝するでしょうし、極端に柔らかくて脆い素材(茹でた肺とか)を薄切りにする際にも同様と思われますが、其の場合は先に用意したパンスライサー改筋引きっぽい包丁が役立つ事でしょう。(下画像下側、おまけに裏は若干ながらホロー状で裏梳きに近似)

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充分に薄く研削された刃体であり、小刃のみの調整で済む為、研ぎ始めは320番です。

小刃自体の角度は鋭角で広目にしたものの、ほぼ一定角度の割には幅に斑が出るのは、刃体自体の研削の際(出荷時の初期状態)に均等に成って居なかった箇所の反映でしょう。此れは新品時(研ぎ前の刃部のアップの画像参照)から見られましたが、幅を広く取る程に余計に目立つ傾向は已む無しです。右側の小刃は元々の約二倍、左側の小刃は元々の幅の半分程度の研ぎ方にしています。行く行くは、6:4から7:3に近い刃先の配分を予定しての事です。刃先の最先端は切っ先方向に向かって漸次、僅かに鋭角化しています。

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研磨力と滑走に優れる1000番と、平面維持と研削痕の浅いのが特徴の1000番で精度を上げつつ研ぎ目を消して行きます。

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天然に移行し、対馬砥石です。

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相性的に良さそうだと感じて、奥殿の天井巣板です。掛かりの良い切れ加減と、鋭利な刃先としては充分でしたが・・・思ったよりも組織が細かそうな鋼材と熱処理のバランスを考慮し、更に試します。

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中山の巣板層近辺(褶曲等で並びが複雑)の並砥から戸前っぽい物(中硬)で。より安定した刃先性能に仕上がりに成りましたが、尖った個性を求める向きには、優等生過ぎるかも知れません。

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研ぎ上がりです。何時も通り、小刃のみの研ぎは外観の変化に乏しいので、見た目が地味ですね。

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二本目は、本当に保険と云うか万が一の為で。半分は三徳との仕立ての違いを確認したかった面が大きいです。

作業場で準備されているステンレス三徳と、小振りな牛刀が相応しい業務(胡瓜とゼンマイの処理)が増えたので、誰かが使用中だったり特に大量のを急いで済ませる必要が生じた際、使う目的で購入しました(刃持ちが一段階上)。

トージローと藤寅は、実質的には同等で銘の違いだけらしいので、後者を選びました。因みに刃渡りは18cmの物です。

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下画像は、かなり前(十数年前)から使用中の17cm三徳で、刃幅の3~4割りの範囲で厚みを抜いて切っ先方向へのテーパー化が施してあります。

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二本を並べると、数値通りに牛刀の方が少々、長い事が分かります。

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しかし、顎の付近から刃体の厚みを比較すると、右側の牛刀の方が薄いですね。

此れは恐らく、牛刀の建前は肉切り・その他で問題無く使える事を目的として居り、料理人の使用(使い方を理解している)を想定している為でしょうか。対して三徳は、文字通り肉・魚・野菜を対象として広範に用いられ、使用者も一般人(無茶もしかねない?)を想定して居るので強度的に猶予を持たせているのかと思われます。

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上記内容が間違いで、たまたま厚みの取り方に誤差が有ったのでは無いと考える理由の一つは、下掲の比較結果です。

下画像は、同封されていた礼状によると2011年に送って貰った三徳です。刃渡りは16.5cmだったと思います。

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そして此方は、4~5年前に送って貰った牛刀、21cmです。

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長さでは牛刀(右側)が勝って居ながら、又しても左の三徳が厚いですね。やはり、モデル毎に厚みの仕様は考えられていて必要な分が研削されていると見るべきなのでしょう。勿論、同型モデルで長さが異なれば(牛刀同士のサイズ違い等)、長い程に刃元が厚く成る傾向は間違い無さそうですが。

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その意味で、積層モデル(下画像)と三層モデルで多少の違いが有る程度は、驚くに値しないかも知れません。そもそも、前者の方が薄目に感じたとしても購入時期が十年以上前であり、三層の方は不明(オークション品)ですので、製作時期の違いでは無いと言い切れない点も考慮する必要が有ります。

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画像下の上側が三層の牛刀

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こうして見て来ると先々には、藤寅の24cm筋引き等も如何なる構造か見て見た上で実用に供し、その個性や性能を確認してみたいですね(完全に趣味の世界)。画像や説明文からは21cmのカービングに比べ、より筋引きらしい形状の様に拝察出来ますので。

 

 

 

 

現在ホームページ不調に付き、御面倒を御掛けしております。申し訳有りませんが、御問い合わせ等は下掲のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

御依頼に沿って砥石の選別

 

先日は、前回の京都行きで空振りとなった、「以前より範囲が広がった採掘場所からの砥石を」との御要望に沿う為、再度の選別に出掛けました。

今回も前回に続いて、多忙な店主には御目に掛かる事は叶いませんでしたが、代わりに?留守居役の方には親切に対応して頂き、採掘場所や周辺の状態、取れる石の種類や傾向に関して詳しく伺えました。

前回よりは大き目の原石が混じって居たのですが、以前に採れていた種類と質に比べて、幾らかでも異なる砥石をと見て行く内に珍しく、扱い易そうなカラスを発見しました。硬くて神経を使う様な物は偶に見て来ましたが、難が少ない・又は実際には邪魔に成らない難だけの中硬のカラスは珍しいと思います。

 

 

二回り程、大きな原石から余分な所を切り落とし、形状を整えて貰いました。採掘時に相方と呼べる、もう一つの砥石と一緒に出たそうですが其方は、更にカラスが明瞭に見られたものの、難の性状が強面過ぎて敬遠しました。

全体に薄目で、其処の皮の一部が浮いていた為に、カシューで養生しました。多種・多様な筋などが見えますが、研いで見ると部分的に地金に対して影響する可能性が有るレベルに収まって居ます。

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試し研ぎは、刃金が青紙・地金が極軟鋼の切り出しです。刃・地共に鏡面に仕上がりました。砥面は研磨力を感じる「食い付き」と、滑走の良さを同時に伝えて来る不思議な印象。

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上記、砥面の性質から特殊鋼やステンレスに適していると判断し、VG10でもテストしました。結果は、極めて研ぎ易く研磨も速い・刃先の切れは充分以上でした。

硬く細かく滑る砥石では無く、泥が出過ぎて精細な刃先が形成し難い砥石でも無い、絶妙なバランスなのでしょう。御待たせしている方には、近日中に御送りして試して頂こうと思って居ます。

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参考までに過去、持ち帰った同じく薄目の巣板です。基質の色調や砥面の硬さは同様ながら研磨力は若干、控え目で切れは殆ど同等です。強いて使い分けるならば此方は神経質な刃金や地金の仕上げ・最終仕上げの手前に向いていると言えそうです。

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あと、少し早いですが(八月の下旬の事なので)イベントのお知らせです。と言っても、半分は参加に制限が有るのですが・・・主として子供(小学生高学年~高校生)を対象とし、全三日間に参加が可能な方と成って居ます。

当該イベントは一日当たり90分程度ですので、亀岡まで出かけて置いて残りの時間を如何にするか?と思わなくもなかった所、館長のアイデアで研ぎ講習の上級向けを設定しようと成りました。内容としてはハマグリ研ぎを俎上に載せた講義と実習を予定しています。どうやら、過去からも通常の一定角度の刃付けでは飽き足らない方々からの要望が有り、其れを受けての判断だそうで。

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上記とは別件ですが、パート先でも研ぎに興味のある方々を集めて講習をして欲しい旨を打診されたりもしましたので其々、コロナを挟んで御無沙汰に成って居た分、経験を思い出すに留まらず不断に重ねて来た修練をも反映させ、再構成した内容で挑みたいと考えて居ます。

 

 

 

 

 

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自分用の其の後と、御依頼の包丁

 

前々回に取り上げた、オールステンレスの二本なのですが・・・其の内のパンスライサー改の筋引きは、本職の方から二日間の試用の後で改善点(と言うか使用上の好み)を伝えて貰えました。

➀刃の切れは充分乍ら、より抜けが軽いと更に良い。➁切っ先の鋭さが向上すると自分の使い方に合致する、との事。自宅に持ち帰り、小刃を広げて切り刃状にした範囲を更に広げ、丸みを帯びていた峰から切っ先に掛けては、直線的に削り落として鋭利さを増しました。

最終テストでは不満点も解消し、御自身の筋引きを同じ方向性で砥いで欲しいとの依頼を頂きました。

 

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牛刀の方は完全に自分の作業様でしたが、柔らかく崩れ易い対象を引き切りする際、側面の厚みがテーパー状に抜けていない点が気に成って居た為、側面の殆ど全てに小割りの砥石・耐水ペーパーを当てました。画像は、その途中で刃先周辺の厚みを集中的に作業している場面です。

余談ですが側面とは言え、此処まで複数回に亘って全体的に削って行くと、手にした時の重量感が違って来ますね。厳密には重量自体の減少加減と言うより、フロントヘビーだった重量配分が改善されたのだと思われます。

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対馬砥石で中仕上げ。

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中山の合いさで仕上げ研ぎ。

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研ぎ上がりです

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そして下画像が、御依頼品の筋引きです。初期状態では、刃線がW状(波)に成って居り、切っ先周辺は鶴首に成りそうな状態。

従って、刃線を整えるにはWの谷間の部分まで研ぎ減らさねばならず、然る後に御希望どおり、小刃を切り刃的に広く研ぎ下ろす事に。

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先ずは、ダイヤモンド砥石からです。刃線を整える為、鈍角目の当て方で谷間迄を削ります。

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刃線が整ったら、小刃を広げて行きます。此の段階で、切っ先手前の幅が狭過ぎ・切っ先が鋭利過ぎる程に成りましたので、通常は峰側から数ミリを削る所なのですが、其の状態が御好みと言う事で、其の儘に。

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180番の荒砥でダイヤの研ぎ目を消しつつ、形状を正確に。

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320番で、より正確な角度変化を付けます。刃元側が30度弱・切っ先側が25度程に。

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裏は、御使用方法からは20度でも問題は無さそうでしたが、鋼材が幾分は柔らか目でしたので念の為に。

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1000番の中砥で、ほぼ完成形にまで整えます。

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3000番で、研ぎ目を細かく。

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対馬砥石で中仕上げ。

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丸尾山の巣板、中硬で仕上げ研ぎ。

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中山の合いさ・カラスで最終仕上げです。

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と思ったのですが一応、もう一段上を目指して水浅葱で。此れは、鋼材(熱処理の結果の性格)の繊細さから来る刃先の追い込み難易度が高い事も理由です。

少しでも左右(表裏)からの角度が揺らぐと(砥石の上で1~2ストロークさせただけの摩耗でも影響される)、刃先に最上の切れが出せない(拘り過ぎのレベルです)タイプの刃物は、まま見られますので驚くには値しないのですが(笑)。

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研ぎ上がりです。

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刃部のアップ

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刃先拡大画像

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裏ですが、小刃が見え難いですね

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光の当たる角度を変えました

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此の度は研ぎの御依頼、有り難う御座いました。今回は私のの包丁を見本にした上での研ぎ作業でしたので、実際の仕上がりも予想し易く安心して頂けたのではと思います。

 

 

 

 

 

ホームページが不調ですので、御問い合わせ・御依頼をと御考えの方は、togiyamurakami@gmail.com の方からメールを御送り頂けましたら幸いです。

 

少し振りに、砥石の選別(御知らせと御願い)

 

先週末は、少し振りに田中砥石店へ出掛けて来ました。事前に聞いていた、採掘場所の範囲の拡張は堅実な程度に収まって居た様子で、面付け・加工中の原石群を観察してみると、天井巣板に見える種類が混じっているものの、その他は以前からの各種砥石のグラデーションと見受けられる、地続きの変化と言えそうな感じでした。

そして私が訪ねた当日のタイミングでは、サイズ・形状の面で狙っていた個体が少なかった事も有り、ブログを通じた知人へのサンプルを選んだ後、以前に取り置きをしていた中から、水浅葱を持ち帰る事に。

 

 

一つ目は超硬口で砥粒も細かい、カミソリ砥に相応しい砥石です。ただ、泥が出難い硬さに加えて砥面の食い付きも強力ですので、平面の刃物を研ぐには滑走の重さを御せるかどうかがカギと成ります。どうしてもと成れば、名倉の類の使用・ダイヤ砥石に因る泥出しの併用で改善は容易です。しかし素の状態でも使いこなせれば、砥石自体が研磨力に優れるだけに、刃の掛かり加減も砥石の性質を反映し、出色の出来と成ります。

砥面の色調は、やや白浅葱に寄っているかと思わせる、やや明るめ且つ(田中さんが言う所のデイダラボッチの色合い)紫と紺色が僅かに混じる物です。

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試し研ぎの結果です。刃・地共に鏡面です。鍛接線が明確に成り、刃金に接している地金の端が(炭素の移行を受けて)地金らしく無い光り方をしている事からも、光らせる性質が伺えます。

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二つ目は、戸前と合いさの中間に感じられる砥石。以前からの砥石と色柄的には近しい印象ですが、巣板の要素が少なくなりつつ硬さが微増、研ぎ感も巣板系統のサラサラよりスルスルと滑る手応えです。

実用品としては少々、(余り邪魔に成らない質とは言え)筋の多さは否めませんが、砥面以外の五面が皮付きで尚且つ其々が、自然な風合いを感じさせ乍、異なる表情を持っている点が喜ばれそうな気がしました。砥石の好みが実用一点張りに近い自分とは違い、其方の観点も重視される先方を意識しての選別です。

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試し研ぎの結果は、上掲の水浅葱よりも数段、研ぎ易い性質でした。硬さは殆ど同様ながら、若干の泥が出る事・砥面に多少の弾力が有る事が、扱いを容易にしてくれて居ます。仕上がりは、ほんの僅かに半鏡面寄りの鏡面です。

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過去からの加藤鉱山採掘の砥石を御持ち頂いて居て、新たな種類の砥石を御待ちの方々には又、今月末に選別の機会を持ちたいと考えて居ますので、その際に良い報告が出来ればと期待しています。

それ以降に関しましても随時、採掘の進捗を追って行きたいと思って居ますので、御希望の砥石の入手を企図される場合は宜しく御願い致します。

 

 

 

 

あと、御知らせと御願いなのですが・・・当ブログを、偶に御覧下さっていた様子のH様から、御指摘を頂きました。私のホームページの問い合わせフォーム等、一部(直接やり取り出来る分のみ?)が繋がらないとの事で。予想もしていなかった為、当該事象に気付くのが自力では相当程度、遅れて居た筈ですので驚きと共に感謝のメールを返信させて頂きました。

ホームページの製作を御願いした専門家の方は、年数が経過した事も有り住所や電話番号・メールアドレスが変更に成って居りますので、遠からず身近な協力者の方に相談してみる心算では有ります。

それで改善できない場合は、資金面の目処が立ったらとの条件付きですが(笑)、新たなホームページの製作も視野に入れる事も検討したいと考えて居ります。

付きましては当座、お問い合わせ等で御連絡をと御考えの皆さんには御面倒をお掛けしますが、togiyamurakami@gmail.com の方からメールを御送り頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

最近の事

 

流行らない研ぎ屋は相変わらずなのですが・・・ここ三ヶ月程は、何度も有った閑散期に匹敵するレベルでしたので、以前にも増して副業に重点を置かざるを得ない状況でした。つまりは仕事先を変更すると共に、掛ける時間も延長する事に。まあ、近場で短時間で手伝いに行ける場所と言う条件は共通ですが。

業務内容的に、店置きの道具で問題は無い範囲だとは思ったのですが、より自分の扱い易い物をと考えて、新たに入手したのが下画像です。

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初めから使い易い形状にして置きたいとの意向も有り、寧ろ新品では無い方が良いかと、自分としては極めて珍しく(初めてかも)ヤフオクで。御蔭で?価格的にも負担が少なくて済みました(笑)。

或る程度は研ぎ減って居るであろう事と、刃幅が少々、刃元より切っ先側が狭く成って居るのかな程度の状態で、大きな問題は無さそうでした。

 

 

研ぎ始めは刃線をチェックしつつ、180番の荒砥により厚みの不均等を均して置きます。顎から切っ先に向け、刃幅の三分の一~二分の一位の予定でテーパー化。結果的としては刃線中央付近を多めに、次いで切っ先カーブから先の厚みを重点的に減らす事に。特に切っ先寄りは、峰の部分に掛かる程(刃幅全体)に砥石を当てました。

左側面に対して、より厚みを持っていた右側面は余分に薄くしましたが、初期からの小刃の強さの違いによって、右側だけは刃先最先端まで砥石が当たって居ない状態です。

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320番で、より正確な形状にして行きます。刃元から切っ先に掛けて鋭角化+刃元寄りの刃線を直線気味にしつつ、刃幅を減らしました。

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ペーパーの200番前後を用いて、更に面を均しつつ研ぎ目を消して行きます。その後は400番まで。

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同じく、1000番・1500番で。

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実用上は充分でしたが、2000番まで進めて置きました。

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人造の1000番・3000番を経て、対馬砥石で。

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中硬の巣板で仕上げ研ぎ、そして中山の合いさで最終仕上げ。

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もう一本、テールの筋を引いたり切り分けたりに向いている物を、と言う訳で此方も。レギュラー品の筋引きは240cmの様でしたので、もう少し短めで且つ片刃仕様(三層利器材では無い)であるパンスライサーが目に付きました。

ほぼ新品であり、綺麗なセレーションでしたので勿体無く感じましたが、筋引き的に改造させて貰いました。21cmながら上掲の24cm牛刀よりも厚い背厚と、三層では無いので刃金が刃先まで出るかどうかの心配が要らない点が適しているとの判断でした。

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ベルトサンダーで大まかにセレーションを削り落とした後は、ほぼ牛刀と同じ工程でした。ただ、牛刀は側面の厚み調整を広い範囲で行ないましたが、改造筋引きでは或る程度、広目の明確な切り刃を付けましたので、厚み調整(角度の研ぎ分け)は其の部分の中で済ませました。従って、平に当たる部分は手付かずです。

もしも実用に際して、走りや抜けの面で問題が生じれば、改めて必要に応じて手を加えるつもりです。前身が前身なので、途中で若干のカーブを持たせる様、研ぎ進めた程度の未だ直線的過ぎる刃線ですが、デザイン上は柄に対して刃体が後ろ反りである事を踏まえて当座は経過観察でと。

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此方も人造は、3000番まで。

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対馬で天然に繋ぎます。

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最終も同じく、中山の合いさです。

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研ぎ上がりです。元々、オールステンレスの系統ではオーソドックスなデザインのトージローが好みでしたので、(手持ちには三層の三徳・多積層地金の牛刀有り)同じシリーズで揃えられて結構、嬉しかったりします(笑)。

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以前は、研ぎの御依頼を頂いた場合、到着した当日に作業を完了し、翌日には発送・御希望により日程を双方で調整して持ち込みを頂く、等も場合によっては可能でした。しかし、今後は相当に難しく成りそうです。同じく、私の自宅へ御出で頂いての研ぎ講習も。

ブログに関しましても、従来ほどには更新が出来なく成るとは思いますが、研ぎ・砥石の御依頼を頂いた方への報告・参考にして頂いて居る数少ない方々への情報発信として、トピックが有ればポツポツとアップして行きたいとは思って居ます。

取り敢えず次回は、遠からず砥石の選別に関する内容に成りそうです。御待ち頂いて居る御二方には、良品を御用意出来る様、努めますので宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

先月末の事

 

少々の期間が空いてしまいましたが、先月末の土曜日の事です。亀岡の天然砥石館に於いて、前館長である上野さんの送別会が有りました。

しかし当日、到着した所では上野さんの姿は無く、後ほどに合流するとの事。元々送別会は閉館後の予定でしたので、その時点では通常の開館日の様相を呈して居り、最近の相場通り、結構な人出が見られました。仕方なく展示の変化した点の確認など・・・と見て回って居たのですが、新館長たる田中さんから研ぎ指導の手伝いの要請が。主婦と御見受けした御二方の包丁研ぎに、アドバイスと簡単な手本の提示に努めました。

 

 

双方、複数の包丁を御持参でしたので、大き目の包丁で練習した後、小さい方は御自身のみで研いで貰おうかなとの狙いで進めました。

初めに刃線の修正と簡単な解説をして、実際に研がれた結果を拡大して確認して頂く事を繰り返しました。

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小刃の研ぎは安定して行くものの、刃先最先端の欠けが取れないのは、未だ其処まで砥石が当たって居ない様子です。

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切っ先やカーブ部分には、また直線的な部分とは異なる難しさが有りますので、苦労されていました。

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私の手直しも交えつつ、徐々に研ぎ上がって行く過程を体験して頂けたのではと思います。究極的には、研ぎの手順と確認方法が確立できれば、精度や角度の適格性は自力で向上して行く事が可能と成ります。

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改めて、展示物を見ていると英字新聞でしょうか、見慣れない媒体にも記事が上がって居ました。

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其れ以外にも、ももクロさんのイベント情報が。何でも事前に一度、メンバーの二名ほどとスタッフが砥石館に訪れた経緯があるそうで。

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その際に、青砥に注目されたりしただけで無く、(恐らくリーダー?)刀で試し切りもされたそうで。もう一方の方はストップが掛かったとの事で、向き不向きも有るでしょうね(笑)。

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あと、ももクロさんは13日・14日の両日がイベントだそうですが・・・もののふ諸氏の要望も有ってか、通常は休館日となる月曜も開館日とする様に聞き及んでいますので。来館を希望される方はホームページ等で御確認の上、御来場を頂ければ幸いです。

 

 

 

 

さて肝心?の送別会ですが、先ずは参加メンバーの其々が、手料理や菓子類を持ち寄っての細やかな食事会と成りました。

イベントの助手も務める常連のYさんや、此の後に及んで私は初対面と成った上野さんの奥方の力作が並びます。

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私は、往路の途中で立ち寄った行きつけのパン屋で購入のバゲットを、その場で切り分けました。序でに手伝いの若い衆の一人と、新館長にも体験して貰い、カリカリのバゲットを牛刀でワンストロークにて切断する困難さが伝わった様です。

其の上に、カマンベールチーズと生ハムを載せて完成です。

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いよいよ上野さんが地元に帰ると成ると、同志と言うより遊び相手の一人が居なくなった様な気がして、予想以上に寂しい物だなと感じます。そこで、久々に気分転換で行きつけの料理店で食事をしてみたり。

だと言うのに昨日は又、砥石館に顔を出していたそうです。何やら、故郷の家の片付けと並行して、亀岡で住んでいた自宅の掃除が終わって居ないとか。この分では先々、偶に顔を合わせる機会も皆無では無さそうかなと。

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研いだ包丁のビフォーアフターなどを載せていきます。