少し振りに、砥石の選別(御知らせと御願い)

 

先週末は、少し振りに田中砥石店へ出掛けて来ました。事前に聞いていた、採掘場所の範囲の拡張は堅実な程度に収まって居た様子で、面付け・加工中の原石群を観察してみると、天井巣板に見える種類が混じっているものの、その他は以前からの各種砥石のグラデーションと見受けられる、地続きの変化と言えそうな感じでした。

そして私が訪ねた当日のタイミングでは、サイズ・形状の面で狙っていた個体が少なかった事も有り、ブログを通じた知人へのサンプルを選んだ後、以前に取り置きをしていた中から、水浅葱を持ち帰る事に。

 

 

一つ目は超硬口で砥粒も細かい、カミソリ砥に相応しい砥石です。ただ、泥が出難い硬さに加えて砥面の食い付きも強力ですので、平面の刃物を研ぐには滑走の重さを御せるかどうかがカギと成ります。どうしてもと成れば、名倉の類の使用・ダイヤ砥石に因る泥出しの併用で改善は容易です。しかし素の状態でも使いこなせれば、砥石自体が研磨力に優れるだけに、刃の掛かり加減も砥石の性質を反映し、出色の出来と成ります。

砥面の色調は、やや白浅葱に寄っているかと思わせる、やや明るめ且つ(田中さんが言う所のデイダラボッチの色合い)紫と紺色が僅かに混じる物です。

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試し研ぎの結果です。刃・地共に鏡面です。鍛接線が明確に成り、刃金に接している地金の端が(炭素の移行を受けて)地金らしく無い光り方をしている事からも、光らせる性質が伺えます。

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二つ目は、戸前と合いさの中間に感じられる砥石。以前からの砥石と色柄的には近しい印象ですが、巣板の要素が少なくなりつつ硬さが微増、研ぎ感も巣板系統のサラサラよりスルスルと滑る手応えです。

実用品としては少々、(余り邪魔に成らない質とは言え)筋の多さは否めませんが、砥面以外の五面が皮付きで尚且つ其々が、自然な風合いを感じさせ乍、異なる表情を持っている点が喜ばれそうな気がしました。砥石の好みが実用一点張りに近い自分とは違い、其方の観点も重視される先方を意識しての選別です。

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試し研ぎの結果は、上掲の水浅葱よりも数段、研ぎ易い性質でした。硬さは殆ど同様ながら、若干の泥が出る事・砥面に多少の弾力が有る事が、扱いを容易にしてくれて居ます。仕上がりは、ほんの僅かに半鏡面寄りの鏡面です。

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過去からの加藤鉱山採掘の砥石を御持ち頂いて居て、新たな種類の砥石を御待ちの方々には又、今月末に選別の機会を持ちたいと考えて居ますので、その際に良い報告が出来ればと期待しています。

それ以降に関しましても随時、採掘の進捗を追って行きたいと思って居ますので、御希望の砥石の入手を企図される場合は宜しく御願い致します。

 

 

 

 

あと、御知らせと御願いなのですが・・・当ブログを、偶に御覧下さっていた様子のH様から、御指摘を頂きました。私のホームページの問い合わせフォーム等、一部(直接やり取り出来る分のみ?)が繋がらないとの事で。予想もしていなかった為、当該事象に気付くのが自力では相当程度、遅れて居た筈ですので驚きと共に感謝のメールを返信させて頂きました。

ホームページの製作を御願いした専門家の方は、年数が経過した事も有り住所や電話番号・メールアドレスが変更に成って居りますので、遠からず身近な協力者の方に相談してみる心算では有ります。

それで改善できない場合は、資金面の目処が立ったらとの条件付きですが(笑)、新たなホームページの製作も視野に入れる事も検討したいと考えて居ります。

付きましては当座、お問い合わせ等で御連絡をと御考えの皆さんには御面倒をお掛けしますが、togiyamurakami@gmail.com の方からメールを御送り頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

最近の事

 

流行らない研ぎ屋は相変わらずなのですが・・・ここ三ヶ月程は、何度も有った閑散期に匹敵するレベルでしたので、以前にも増して副業に重点を置かざるを得ない状況でした。つまりは仕事先を変更すると共に、掛ける時間も延長する事に。まあ、近場で短時間で手伝いに行ける場所と言う条件は共通ですが。

業務内容的に、店置きの道具で問題は無い範囲だとは思ったのですが、より自分の扱い易い物をと考えて、新たに入手したのが下画像です。

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初めから使い易い形状にして置きたいとの意向も有り、寧ろ新品では無い方が良いかと、自分としては極めて珍しく(初めてかも)ヤフオクで。御蔭で?価格的にも負担が少なくて済みました(笑)。

或る程度は研ぎ減って居るであろう事と、刃幅が少々、刃元より切っ先側が狭く成って居るのかな程度の状態で、大きな問題は無さそうでした。

 

 

研ぎ始めは刃線をチェックしつつ、180番の荒砥により厚みの不均等を均して置きます。顎から切っ先に向け、刃幅の三分の一~二分の一位の予定でテーパー化。結果的としては刃線中央付近を多めに、次いで切っ先カーブから先の厚みを重点的に減らす事に。特に切っ先寄りは、峰の部分に掛かる程(刃幅全体)に砥石を当てました。

左側面に対して、より厚みを持っていた右側面は余分に薄くしましたが、初期からの小刃の強さの違いによって、右側だけは刃先最先端まで砥石が当たって居ない状態です。

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320番で、より正確な形状にして行きます。刃元から切っ先に掛けて鋭角化+刃元寄りの刃線を直線気味にしつつ、刃幅を減らしました。

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ペーパーの200番前後を用いて、更に面を均しつつ研ぎ目を消して行きます。その後は400番まで。

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同じく、1000番・1500番で。

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実用上は充分でしたが、2000番まで進めて置きました。

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人造の1000番・3000番を経て、対馬砥石で。

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中硬の巣板で仕上げ研ぎ、そして中山の合いさで最終仕上げ。

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もう一本、テールの筋を引いたり切り分けたりに向いている物を、と言う訳で此方も。レギュラー品の筋引きは240cmの様でしたので、もう少し短めで且つ片刃仕様(三層利器材では無い)であるパンスライサーが目に付きました。

ほぼ新品であり、綺麗なセレーションでしたので勿体無く感じましたが、筋引き的に改造させて貰いました。21cmながら上掲の24cm牛刀よりも厚い背厚と、三層では無いので刃金が刃先まで出るかどうかの心配が要らない点が適しているとの判断でした。

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ベルトサンダーで大まかにセレーションを削り落とした後は、ほぼ牛刀と同じ工程でした。ただ、牛刀は側面の厚み調整を広い範囲で行ないましたが、改造筋引きでは或る程度、広目の明確な切り刃を付けましたので、厚み調整(角度の研ぎ分け)は其の部分の中で済ませました。従って、平に当たる部分は手付かずです。

もしも実用に際して、走りや抜けの面で問題が生じれば、改めて必要に応じて手を加えるつもりです。前身が前身なので、途中で若干のカーブを持たせる様、研ぎ進めた程度の未だ直線的過ぎる刃線ですが、デザイン上は柄に対して刃体が後ろ反りである事を踏まえて当座は経過観察でと。

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此方も人造は、3000番まで。

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対馬で天然に繋ぎます。

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最終も同じく、中山の合いさです。

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研ぎ上がりです。元々、オールステンレスの系統ではオーソドックスなデザインのトージローが好みでしたので、(手持ちには三層の三徳・多積層地金の牛刀有り)同じシリーズで揃えられて結構、嬉しかったりします(笑)。

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以前は、研ぎの御依頼を頂いた場合、到着した当日に作業を完了し、翌日には発送・御希望により日程を双方で調整して持ち込みを頂く、等も場合によっては可能でした。しかし、今後は相当に難しく成りそうです。同じく、私の自宅へ御出で頂いての研ぎ講習も。

ブログに関しましても、従来ほどには更新が出来なく成るとは思いますが、研ぎ・砥石の御依頼を頂いた方への報告・参考にして頂いて居る数少ない方々への情報発信として、トピックが有ればポツポツとアップして行きたいとは思って居ます。

取り敢えず次回は、遠からず砥石の選別に関する内容に成りそうです。御待ち頂いて居る御二方には、良品を御用意出来る様、努めますので宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

先月末の事

 

少々の期間が空いてしまいましたが、先月末の土曜日の事です。亀岡の天然砥石館に於いて、前館長である上野さんの送別会が有りました。

しかし当日、到着した所では上野さんの姿は無く、後ほどに合流するとの事。元々送別会は閉館後の予定でしたので、その時点では通常の開館日の様相を呈して居り、最近の相場通り、結構な人出が見られました。仕方なく展示の変化した点の確認など・・・と見て回って居たのですが、新館長たる田中さんから研ぎ指導の手伝いの要請が。主婦と御見受けした御二方の包丁研ぎに、アドバイスと簡単な手本の提示に努めました。

 

 

双方、複数の包丁を御持参でしたので、大き目の包丁で練習した後、小さい方は御自身のみで研いで貰おうかなとの狙いで進めました。

初めに刃線の修正と簡単な解説をして、実際に研がれた結果を拡大して確認して頂く事を繰り返しました。

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小刃の研ぎは安定して行くものの、刃先最先端の欠けが取れないのは、未だ其処まで砥石が当たって居ない様子です。

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切っ先やカーブ部分には、また直線的な部分とは異なる難しさが有りますので、苦労されていました。

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私の手直しも交えつつ、徐々に研ぎ上がって行く過程を体験して頂けたのではと思います。究極的には、研ぎの手順と確認方法が確立できれば、精度や角度の適格性は自力で向上して行く事が可能と成ります。

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改めて、展示物を見ていると英字新聞でしょうか、見慣れない媒体にも記事が上がって居ました。

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其れ以外にも、ももクロさんのイベント情報が。何でも事前に一度、メンバーの二名ほどとスタッフが砥石館に訪れた経緯があるそうで。

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その際に、青砥に注目されたりしただけで無く、(恐らくリーダー?)刀で試し切りもされたそうで。もう一方の方はストップが掛かったとの事で、向き不向きも有るでしょうね(笑)。

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あと、ももクロさんは13日・14日の両日がイベントだそうですが・・・もののふ諸氏の要望も有ってか、通常は休館日となる月曜も開館日とする様に聞き及んでいますので。来館を希望される方はホームページ等で御確認の上、御来場を頂ければ幸いです。

 

 

 

 

さて肝心?の送別会ですが、先ずは参加メンバーの其々が、手料理や菓子類を持ち寄っての細やかな食事会と成りました。

イベントの助手も務める常連のYさんや、此の後に及んで私は初対面と成った上野さんの奥方の力作が並びます。

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私は、往路の途中で立ち寄った行きつけのパン屋で購入のバゲットを、その場で切り分けました。序でに手伝いの若い衆の一人と、新館長にも体験して貰い、カリカリのバゲットを牛刀でワンストロークにて切断する困難さが伝わった様です。

其の上に、カマンベールチーズと生ハムを載せて完成です。

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いよいよ上野さんが地元に帰ると成ると、同志と言うより遊び相手の一人が居なくなった様な気がして、予想以上に寂しい物だなと感じます。そこで、久々に気分転換で行きつけの料理店で食事をしてみたり。

だと言うのに昨日は又、砥石館に顔を出していたそうです。何やら、故郷の家の片付けと並行して、亀岡で住んでいた自宅の掃除が終わって居ないとか。この分では先々、偶に顔を合わせる機会も皆無では無さそうかなと。

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上野前館長の引退に向けて

 

前回の記事で触れましたが先週の後半に、上野さんへの選別を持参した結果(続き?)です。

当日は、最近の砥石館の例に漏れず、平日でもマズマズの人出でした。上野さんが対応していた訪問者の方は、九州からキャンピングカーにて一泊二日の予定で来られたとの事でした。

そのYさんは、かなりの研ぎ・砥石フリークらしく、研ぎ場での研ぎにも熱心に見受けられ、お気に入りの砥石も見付けられた様子。その後は上野さんから紹介され、研ぎ・刃物に付いての四方山話に移行しました。

途中、件の銘無し司作の三徳を渡した所、上野さんからは砥石館所蔵の小振りなカミソリ砥(菖蒲)を頂きました。砥石館を始める事前準備として、集め始めた時点の物だと聞いていた筈ですが、手持ちに無い種類でも有り、思い出の品に成りそうです。

 

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ただ三徳は、その場に居た前述のYさんと上野さんのみならず、現館長の田中さんも巻き込んで研ぎ肌の違いと仕上げ方、研ぎ方の違いと切れ加減の差異(試し切り有り)のサンプルとして、俎上に上がる事に。序でに、同じく厄介な地金の例として持参した私の三層利器材の三徳と合わせて、簡易研ぎ講習の様相を呈して来ました。

 

刃先の角度変化の痕跡たる、研ぎ目の確認中

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最終的に、司作の三徳は他人に持たせたり、何かを切ったりする事なく、郷里に持ち帰ると(笑)。其れではと、帰りがけに砥石館所蔵の包丁を何か研いで来るので、切れ味テストのサンプルにしようかと水を向けると、薄刃を研いで欲しいと。よりによって難易度の高い薄刃とは・・・相変わらず遠慮が無いですね。其の上、綺麗に研げたら切る用途には供さないとも。

何だそれは?と思ったので、適当な包丁を選んで此方は、完璧に切る役割り用にと持ち帰った包丁と合わせ、二本の研ぎを進めました。

 

持ち帰った二本。帰り道に買い出しした奴も映って居ます。

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上掲画像の下側、両刃の三徳は元々、大らかな造形ですので細かいチェックは省きますが、流石に薄刃は確認しました。切っ先の欠けより初期の研削痕より、刃線の乱れ(W状)が気に成りますね。

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研ぎ始め、人造の320番

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人造の1000番

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同じく1000番ですが、研ぎ目が浅く柔らか目

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対馬砥石

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中硬~やや軟口の巣板

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各種合砥

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水浅葱

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研ぎ上がりです

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刃線のWは高低差が数分の一に減少。その代わり、一部の裏押しが途切れ気味に成りました。刃金の部分・地金の部分の双方、所期の研削痕(深く削られ過ぎ部分)は、大まかに全体が揃った時点で追い込むのを留めました。元々が天然砥石に因る、研ぎ肌のサンプルの心算ですし先々、現館長や手伝いの若者たちが練習で研ぎ減らす際、削りシロを残す意味でも。

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もう一方の三徳は、平の部分が大らか過ぎるので或る程度、正確な切り刃を研ぎ進めても均一には目視し辛いきらいは有ります。ただ、切り刃・刃先共に切っ先方向へ向けて鋭角化。刃先最先端は漸次、鈍角化の状態に成って居ますので、切れ込み・抜け共に改善されて居ます。従って、切れのテストは此方でという事ですね。

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帰りがけの最後、次の送別会の本番にはベイカーズを持って来る予定だと伝えた所、上野さんからはハーパーの15年が欲しいと。検索してみれば既に現物が希少な上、高価且つプレミアが付いているらしく、10万とか12万・15万などの数字が目に入りました。

関係者の中でも、他の追随を許さない程の貧乏な人間に、そんな無茶振りをする様な悪い子には御褒美は無しとの結論に達しましたので、バーボン的な傾向の香味かつ手頃な値段で気に入って居る、キリンの陸でも渡し、大手のブランドや年数表記に惑わされない選別に目覚めて貰う予定です(笑)。

 

 

 

 

あと、参考までに・・・御注文の味方屋作の三徳で、まさかの長期の御待ちを頂く事に成ったK様には、その間の気を紛らわせて貰う為に?砥石の試し研ぎを勧めてみました。

 

下画像は、かなり上物の品質と形状である事から、特選品レベルの物です。

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此方は、厚みが薄くて砥面も若干、柔らか目ですが高品質です。何方も、いざと成れば仕事用として使うのに、何の不足も無いどころか楽しみでさえ有ります。

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上掲の二つとは異なり、形状の面や筋や欠けなど、難が有ったり更に小振りな実用品レベルの物も少量、持ち帰って居ましたので其方を御送りしてみました。御本人からも、砥面を満遍なく使うのは難しく、面積が広いと余計に気を使うとのコメントも勘案しての事です。

 

やや筋の数が多いのですが、其れ程には邪魔に成らずに適度な硬さと研磨力で、良い刃が付きました。

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上の砥石よりも柔らか目で、かつ難の少ない砥面により扱い易さでは此方に軍配が上がります。

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試すにしては幾分、近い性質の二つですが、逆に殆ど同じ採掘場所から採れたとしても、必ずしも同じでは無いとの確証を得られる資料とも言え、その点も含め楽しんで頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

業務連絡(何時もの?御願い)その他

 

少し前にも記載をしたと思いますが、御問い合わせや研ぎの御依頼に関しては基本的に、ホームページの「御問い合わせフォーム」などから御願いして居ります。

もしも留守電に伝言を入れて頂いたとしても、機会が余りに古いので自動的には相手方の電話番号が表示されません(私の操作が駄目な可能性は有りますが)。従って、御自身の電話番号と御都合の良い日時を提示して頂けた場合は(さらに私が可能な場合)例外的に折り返しの電話が出来るかも知れません。

普段、電話に出られないのは不規則な時間帯で研いで居たり(珍しく依頼が有った場合)、他に掛け持ちで働きに出て居たりする為ですので、御理解いただけましたら幸いです。直近の、A様からの留守電に掛け直せないのも同様ですが、有難い事に私のホームページやブログを御覧に成って居るそうですので、ナイフの研ぎの記事と並んで、今回の記載内容にも目を通して頂ける事を願って居ります。

(A様からは、この記事を書き込み中に、以前の記事のコメント欄へコメントを頂けました。ホームページのフォーム、又は次のアドレスまで御願い致します。togiyamurakami@gmail.com コメント欄に承認済みとして、御本人のコメントを載せると本名である点を懸念しています。イニシャルに書き換えて載せたものかどうか・・・)

 

 

 

他にも、K様からの御注文にて発覚したのですが、私のホームページに記載の販売用包丁(大抵は品切れ)の価格、此方が製造元の価格改定前の儘に成って居ます。済みませんが御注意の程、宜しく御願い致します。

 

 

 

あとは私事、でも無いですが・・・亀岡の天然砥石館の前館長こと上野氏が、新館長(田中氏)に完全にバトンタッチした上で三月一杯にて郷里に戻られる、と聞き及びました。

砥石館設立以来、色々と御世話に成りましたし、或る意味では苦楽を共にした場面も有りました。そんな上野さんには、之までも私の最推しの包丁(司作)を何とか贈れないかと考えた機会が有ったのですが、如何せん資金力に難の有り過ぎる生活に変化は無く、断念せざるを得ませんでした。

流石に、今回ばかりは何か・・・と思いめぐらし一計を案じた結果?苦肉の策を思い付きました。数年前に、日野浦さんから「買い取るから戻せ」と言われていた共柄黒剣鉈八寸と、交換に入手した四本の包丁の内の一本を餞別に贈ろうと。

既にミニサイズの柳は、サンプル兼モニター(かの地で試して頂きたい方々が居られた為)として北海道のS様に御贈りしていましたが、黒打ちの菜切りや三徳が御好みと御見受けした上野さんには、黒打ち(おまけに槌目入り)三徳が相応しそうです。更に、特別なルート?で入手した事により、銘が入って居ないモデルは私以外は殆ど(皆無かも)持っていない筈ですので、「村上と苦労した記念」には寧ろ最適な気もします(笑)。

(因みに以前、常連様から伺った話では、「焼きムラが有る司作の包丁」との触れ込みで廉価に販売している業者が居たとかで。其れを日野浦さんに話した所、「焼き入れミスの製品は出さないので、怪しいな。無銘の包丁に偽の銘切では無いか」との返事。「(村上の)ブログで注意喚起しても良さそうだな」とも言われて居たのを思い出しました)

 

 

やや鋭利気味に研いであったので、耐久と切れを五分五分に狙った刃先に研ぎ直しです。相性的に良かった水浅葱の一つを選択。

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研ぎ上がりですが、この(時期以降の)モデルは、それ以前の地金よりも研ぎ目細かく仕上げるのは難易度が上がって居ます。

先々、上野さんが使用しつつ研ぎ直す際は、相当に歯応えの有る対象として楽しんで頂ける筈です

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地金の仕上がりの難しさと言う点では、ステンレスも引けを取らないのですが、ステンレスも様々ある中で下掲はマシな方と判明しましたし、上掲の軟鉄(極軟鋼)地金は別方向の難しさ乍ら更に一枚、上手(うわて)と言う他は有りません。

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何はともあれ、交換で手元に来た銘の無い司作の内、(下画像の)上から一本目に続き二本目も離れる事に成り、残すは中央の二本です。

日野浦さんの引退までに、銘有りの司作を三本(出刃・柳・三徳か牛刀)は追加したいと希望していますが、叶うかどうか。日野浦さんからは一応、まだまだ現役で製作すると聞かされていますので、諦めずに機会を待ちたいと思います。

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上掲の一本目、飛紋の磨きです。これ等は、偶々に所有していた柄を自分で仕込んだ物ですから、余り確りとは出来ていないのが恐縮です。しかし刃体の方は特に問題が無い筈なので、相応に活躍してくれているのでは無いでしょうか。

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残りの一本、雲竜の黒打ち。自分用に柳を発注するとすれば、雲竜の磨きに成る筈ですので、黒が入手できたのは望外の僥倖でした。

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残った二本目は、鍛え地の黒打ちから磨きに移行している最中の物でしたので、引き続いて自分で最後まで仕上げました。黒打ちだった名残りとして、マチの部分は磨かずに置いて居ます。作業は予想以上に大変でしたが、今となっては良い思い出です。

他の三本と同様、仕立て直し途中で在ったこのモデルは、柳としては切り刃が狭かった為、願わくは将来、牛刀か長目の三徳(鍛え地)を手に入れる迄の万能包丁の位置づけと成って居ます。片刃ですが鈍角気味な分、強度の高さを活かした恰好です。

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砥石館には近々に、三徳を持参する予定ですが・・・月末(上野さんの完全引退間際)には再度、酒でも持って伺おうかなと考えて居ます。

昔(アイリッシュを渡した際)バーボンが好きとの事でしたので、次にフォアローゼスのシングルバレルをプレゼントした記憶は有ります。今度はベイカーズか、ノブクリークのシングルバレルでもと。ブラントンは、フォアローゼスを万人向け且つ上品にした感じでしたので、ベイカーズの方が良さそうでしょうか(パワフル且つ複雑なので。比べるとノブクリークは端麗辛口過ぎるかも)。ブッカーズは流石に、希少且つ高価に成って居ますので、手が出ないのは高級包丁と同様で悲しい所です。

 

 

 

 

 

常連様から二本の包丁の御依頼

 

何時も御世話に成って居る、ベスパのディーラの方から、御馴染みの包丁の研ぎ依頼を頂きました。二本共に炭素鋼ですから、(黒打ちの方は黒皮部分以外)錆も程々に出て居ます。

其れなりに使われている証拠と言えますが、その割に刃先の損耗は少なく、俎板の材質の選定・使い手の扱い方が、包丁の負担に成らない運用なのだと想像できます。

 

 

研ぎ前の状態です。青紙スーパーを芯材とした物だったと思いますが、独特のシェイプと薄い作りが特徴的ですね。

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刃部のアップ

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左側面

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人造の320番からです。刃先を整える事で、僅かに減った切り刃の幅を維持する程度に鎬筋を上げつつ研ぎます。やや硬目・平面維持に優れた砥石の特性を活かして、カーブ周辺の厚みの残存を特に狙って減らします。

後は、何時も通りに切り刃幅を切っ先方向へ、少しずつ広げながら鋭角化させて行きます。

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人造の1000番、研磨力と滑走に優れるタイプで刃先近辺に、最先端に向かって鈍角化・切っ先方向に向かって漸次、鋭角化するハマグリにします。

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人造の1000番、やや柔らか目で研ぎ目が浅く、複雑な面にも追従性の高いタイプで全体を均します。

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天然に移行し、相性の良い対馬で傷を浅くしつつ中仕上げです。

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丸尾山の中硬の巣板で仕上げ研ぎ。

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中山の合いさっぽい石(三色混じり)で、最終仕上げです。

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研ぎ上がりです。

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二本目の牛刀、研ぎ前の状態です。

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人造の320番からのスタートは変わらず。少し、刃先が厚く成り掛けて居ましたので、小刃を広目に研ぎます。僅かに切っ先方向へ鋭角化しつつ進めます。

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1000番、滑走の良いタイプで小刃の上側との段差を均し、より広げます。

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耐水ペーパーを用いて側面の錆を落とすと同時に、刃先近辺の厚みの低減を狙います。

其の上で人造の1000番.3000番の研ぎ目の細かいタイプにより、刃先最先端へ向かって漸次、鈍角化させて行きます。

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相性の良い対馬を選んで、中仕上げです。

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梅ケ畑の研磨力重視タイプで仕上げ研ぎ。

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最終仕上げは、中山の合いさっぽい石(薄い墨流し?)で。

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研ぎ上がりです。

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T様には、此の度も研ぎの御依頼を頂きまして有り難う御座います。結構な確率で、整備や修理のタイミングに合わせて御依頼を頂けるので、流行らない研ぎ屋としましては常々、御気遣いに感謝して居ります(笑)。

本日は休業の様でしたので(予定を確認しとけと)、改めて一週間後に又、御届けをと考えて居ります。宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

最近の事

 

先ずは、ちょっとした御知らせと云うか御願いです。少し前の事なのですが、留守電に問い合わせを頂きました。御丁寧に、最後には折り返しにと、御自身の電話番号も御伝え下さっていました。

大阪を離れていた期間と、気付かなかった期間も有りましたので、2~3日後に電話をしてみた所、余所で間に合ったので其方に頼んだとの事で。

上記に関しては御本人の用が足りたので、其れで良かったのですが、その後にも再びの留守電が。しかし、今回は電話番号の件が無いままに終えられていました。更に以前から何回か、同様の経緯が有りましたので、最近は番号を伝えない風潮が?と感じてはいたのですが。

幾人かの知人に聞いてみた所・・・どうやら世間では、家電にも着信した電話番号が表示される様ですね(笑)。当方の電話は、かなり古い物ですので相手の番号表示はされず勿論、後から其れを見返す機能も有りませんので、電話にてお問い合わせの場合は、折り返せる様に番号まで録音して頂けましたら幸いです。

しかし可能でしたら本来、想定して居ります通りホームページの研ぎの御依頼または問い合わせフォームから宜しく御願い致します。

 

 

 

 

後は偶々、最近の購入品はスパゲッティが多かったのですが、注文する際に確りと確認しなかった所為で、同じ種類の大袋をもう一つ取り寄せてしまいました。

改めて見ると、同じバリラの5番ながらも異なる仕様に見えますね・・・とは言え5番は5番な訳で、直近まで良く食べていた3番の追加とは行きませんでした。

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便利かつ気に入りの味なので、ヘビーローテーションしていた下画像には、バリラの3番が良く合い、過熱時間も短めで重宝していました。

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其処で、下画像の如く払底しつつあった3番を補充しようかと。アマゾンの「過去に御買い上げの商品」に則り、再度の購入を選んだにも関わらず、前回購入の3番が表示されてはいなかった模様で。どうやら此れは、在庫整理を企図したアマゾンにやられたかも?の疑念が払拭できません(笑)。

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幾ら、御気に入りのバリラでも10キロを在庫したのは初めてです(3と5を各5㎏なら有り)ので、早速に消費を開始です。何故なら、出番は限られますが使用目的別に他商品も用意して有ったので、流石に置き場所を圧迫し始めて居ます。

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久々の5番なので、過熱時間が長目と成る為、元から簡単な用意が更に余裕を持って進められます。一番、簡単な範疇と思われますが自分では相当に好みである、玉葱と大蒜のスパゲッティです。

調味料も、オリーブオイルと塩・黒胡椒のみです。但し、塩加減(湯に対する割合と仕上げ段階の2か所)と湯で加減だけは出来上がりに影響が大です。

余り物の玉葱と、冷凍の大蒜が有れば咄嗟に作れるので便利ですし、小麦の味が良く解るので御薦めでも有ります。久々過ぎて量の把握が甘く、今回は少々、皿から溢れ気味に。

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追加で、グラタンの残りを貰った物を再度、仕立て直しです。大きな声では言えませんが、コンベクションで焼かれたまま、クッキングシートごと丸めて持ち帰りました。

主として表層の、チーズ等を搭載していた部分を提供し、余分と成った底の辺りです。

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家に有ったグラタン皿(ほぼ40年振りに登場)に盛り、

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とろけるチーズ・パプリカ・白胡椒を載せ、

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高さ調節した魚焼きグリルで焼き目を付けました。乾燥パセリが無かった為、タラゴンとマジョラムを振り掛けましたが、此方は多少、加熱された状態でないと良さが出難い様ですね。

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亀岡で、イベントの度に泊めて貰うYさんには、私の実家の食堂時代の名残りを含めて「使いもしない食器が多過ぎる」と言われますが、こんな風に登場する事も皆無では無いと力説しておきましょう(笑)。

 

 

 

全粒粉の方も、在庫が少なく・古く成って来ていたので、此方は地元の店舗で買い足し。此れに押し出される形の消費期限が迫る方は、路面の凍結が無くなった頃にYさんの家で消費するとしましょうか。

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前回のイベント時、御宅で使わせて貰った味方屋作の3層利器材の包丁(下画像の大きい方と同型)は、徐々に研ぎ込まれて切れ良く仕上がって居た物の、切り刃は部分毎の繫がりに不均等な所が見られたので次回、Yさん宅へ伺った折に修正してみたいと思って居ます。

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その際には、精々が上画像の状態に近く(切り刃は曇り仕上げ)とし、下画像の様に半鏡面までは難しいかなと。

双方、炭素鋼を芯材に持ち、ステンレスで両側面を挟んだ構造は同一なのですが、ステンレス自体の性質(特に地を引き易いか否か・組織は均一で細かいか)と砥石の相性にも依ります。

そして此処まで斑無く仕上げようとするなら、凹凸や下地の研削痕を相当、入念に除去する事が不可避なので、略式では中々に難しいです。ただ実現できれば、錆び・変色を抑えられるのでメンテナンスが容易になり、食材の風味への悪影響の軽減にも繋がる効用が有るのですが。

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御近所からの御依頼

 

少し前に成りますが、近くだから持ち込みで依頼したいとの御連絡を頂きました。そして日程を擦り合わせ、数日後に御持参下さいました。

其の場で軽く説明した際、形状は両刃の和式ながら、未だ切り刃は弄らず刃先のみの研ぎで良さそうだと纏りました。

 

 

初期状態を確認すると、余り酷くは傷んでいない刃先・未だ其れ程には厚みが増していない切り刃だと感じました。

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ただ、汚れ主体の変色・粗い研ぎ傷は気に成りました。

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反対側も、ほぼ同様の印象。強いて挙げれば、刃元の厚みの薄過ぎが左側により顕著だった事。

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研ぎ始めは人造の320番からで、刃先の損耗を研ぎ落とし、付けられていた小刃の角度を若干、鋭角に。其の上で刃先最先端は角度を僅かに鈍角化。しかし、事前に汚れ落としの心算で切り刃を磨いた所、予想以上に厚みのムラ(片側に三か所ずつ凸の部分有り)と研削痕が気に成り、小割りの砥石を用いて手を入れてしまいました。此れに因り、刃先周辺の厚みも軽減。

刃先のみとの前提でしたので、極端には手を入れずに程々のレベルに留めましたが。もしも、軽めながらも切り刃の調整を行なった今回の作業に効果を見出して頂けたなら、先々に研ぎを継続して頂けるかも知れません。其の場合は、少しずつ改善を重ねて段階的に、完成されたレベルに近付くと思われます。

どうしても、一遍に切り刃を弄ると聊か高額な研ぎ代金に成りますし、更に両刃ですので片刃の二倍に成って来ますので、自分としても多少は気が引ける部分も有ります(笑)。

とは言え、此れが新品の状態であったとすると、其れは其れで異なった意味で触り辛いのも心情では有ります。(手作業で整えてくれとか)何も言われていない段階で、一定以上の水準で無い仕上げ方を、それも段階的に進めて行く前提で留めるのは、勝手が過ぎると言われても仕方が無いでしょうから。

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人造の1000番で形状を整えます。

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同じ1000番乍ら傷の細かい物・3000番で中仕上げです。

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対馬砥石で、より研ぎ傷を細かく。

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梅ケ畑の軟口で傷消しと、刃先の形状の仕上げ。

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中山の合いさ中硬の二種類を試し、相性的に優れていた方で最終仕上げです。

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研ぎ上がりです。

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所期の研削痕の多寡が有り、反射の仕方が部分的に異なるのが、手を入れた割合に違いが有った事を反映しています。傷が浅い・少なく成っている箇所は凸部だった為に、削られた量が多かった訳です。

序でと言うか癖の様な物で、ついつい切り刃の厚みをテーパー状に近付けてしまいますので、刃先寄り・切っ先寄りに小割りを当てる度合いが多く成ります。結果として、鎬筋近辺には深い研削痕が目立ちますね。

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御聞きすれば、想像していたよりも距離の有る中、御持参下さったとの事で恐縮です。御使用に於いて不都合など有りましたら、微調整も承りますので御気軽に御連絡を御願い致します。此の度は研ぎの御依頼、有難う御座いました。

 

 

 

 

 

今年最後の砥石館イベント

 

もう、二週間ほど前に成るでしょうか、今年最後の砥石館でのイベントに参加して来ました。当日の前半は、参加者の希望する枠に空きが出来た事も有り、時折り砥石館から応援を頼まれていると云う近隣の工芸関連の学生さんの御二方、その自主練にも付き合って来ました。

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勿論、後半は当日のメインである鏡作りでしたが。

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メインに先行して学生の御二方には、以前に作られた玉鋼製と工具鋼製の小刀を用いて研ぎの練習を。鋼材が異なるばかりでなく、切り刃の厚みが違って居たりして、一様に研ぎ進められる訳では無かったのですが(笑)。

人造粗砥から中砥、そして天然の巣板系統の後は、如何なる小割りの砥石によって刃紋が出るかの確認も兼ねていました。

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どう云う訳か、玉鋼製の方が波紋を出し難くて苦労しました。後に、田中館長が知人の刀剣研磨師の方に意見を聞いた上でしたか、拭いの手法を駆使して効果が上がったとの事でした。

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鏡作りは砂型の作業からスタートです。先ずは鏡の裏側と成る面の模様を選んで貰い、その後は型用の砂をザル等で篩いつつ詰めて行きます。下掲一つ目は、珍しくペンギンが選ばれた所です。

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亜鉛合金を溶かして、完成した砂型(表裏二つセット)へ流し込みます。結構、御自身で挑まれる方が多かったものの、概ね上手に熟されていました。

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或る程度、冷えた時点で型枠から出します。

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鏡本体から余分な所を切り落とし、各所の面取りの後に鏡面と成る部分をベルトサンダーで削ります。

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其の後は、只管に手作業で研磨して行きます。人造の粗砥と中砥、更に中仕上げの後は青砥に移行します。

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最後は研磨剤(番手違いで6種ほど)を撒いた布の上で磨きます。更に必要であれば、ダイヤモンドペーストを用いて仕上げます。

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今回の鏡製作体験も、参加者の方々には楽しみつつ作業をして頂けた様子で、嬉しく思います。現物の仕上がりも大きな瑕疵が無く安心しました。今後も砥石館でのイベントに関心を持って頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

(おまけ)何時も通り前日から現地に入っていたのに加え、有志の方宅へ泊めて貰う際に、何らかの料理を要求された事も変わらずで(笑)。

オムライスとのリクエストでしたので、鶏胸肉・エビ・玉葱・人参などを炒め、簡易的ながら固形のコンソメとジュース・荒濾しのトマトで米を炊きチキンライスに。

当初の目論見では柔らかオムレツに切り込みを入れ、ライスの上で広げる心算でしたが、鋳鉄の広いフライパン・慣れないIHの組み合わせに手間取り、薄焼き卵で包みました。其れでも厚くて歪に成ってしまったのが悔やまれますね。

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後は前回の会話中、黄色いズッキーニを知らないとの事でしたので、持参して切り込みを入れた上で塩を。出て来た水分を拭き取りオリーブオイルでソテーし、塩+黒胡椒した有り合わせのブナシメジにクローブ・シナモン・コリアンダー・千鳥酢でソースっぽい物に。

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亀岡へ向かう途中に有るので、時折り立ち寄る秋鹿の濁り酒を一本、進呈しておきました。

過去にオムライスは、ケチャップライスの物しか記憶に無い為かピンと来ていない様子でしたが、ズッキーニと濁り酒は分かり易かったのか評判は上々でした。まあ、基本的に酒なら大抵の物は嫌がらない気もしますが・・・。

残りの秋鹿は全て、親への御土産です。自分用(主として料理用)は大阪の量販店で「千秋」・専門店で「秋鹿」等の何れかを買えますので。対して、この種の季節ものは、出荷時期に手間を取らせてしまって恐縮ながら、入手のチャンスかつ現地で買うのが楽しくも有り。

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未だ来年以降の砥石館イベントに、私が呼ばれる予定も聞いていない内から「次に作って貰う料理を考えて置く」と言われても、そんな機会が有るのかどうかも不明だし、特別に料理が得意でも無ければ、作れるレパートリーが多い訳でも無いぞと釘を刺しておくのを忘れなかったのは、良かったと思います。

 

 

 

 

 

砥石館で肥後守の研ぎ体験イベント

 

先週末は、亀岡の天然砥石館でイベントの御手伝いでした。肥後守の切り刃を極力、ベタに研いで行き、最終は天然の仕上げ砥による刃金と地金の違いをも際立てせ、コントラストが引き立つ完成を目指しました。

 

 

砥石館は、二代目館長の田中さんに変わってからも、変わらず(以前にも増して?)意欲的に新しい分野や過去の方針の拡充に余念が無い様です。

下画像は新製品の小割りの砥石と、其れを納めるホルダーです。

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今回の主役となる、肥後守も勿論ですがサイズ別に揃っています。

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此れは、過去の直近に行われたドングリを模したアクセサリーです。実物を使って砂型を作り、熱した亜鉛合金を注いで製作する体験だったそうです。

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直接の関係は無いのですが、前館長の上野さんの趣味?を活かしたオブジェと言うべきでしょうか(笑)。昭和の時代のラジオをレストアし、放送を聞けるだけでは無く、ブルートゥースでCD音源を鳴らせるとの事。

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当日の主題である肥後守の研ぎイベント、そのチラシも有りました。

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用意された現物色々、サイズによりハンドルの材質にも違いが。

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下の開いて居る方は、確か田中さんが研ぎ上げた物だったかと。

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各種、天然仕上げ・中砥石の小割りも用意されていました。主として使われたのは、青砥・三河・内曇りの三種。

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始めは、メーカー問わず400番相当の人造砥石からです。肥後守は両刃ですので、両方の切り刃(左右の側面)をベタに成るのを目指して研ぎ下ろします。

過去に触れた事が有る肥後守は、大抵が凸の切り刃と成って居たのですが、最近の物はホローグラインドに成っている様ですね。形状の精度は向上していますし、取り敢えず切れる刃を付けるなら適した形状だと思いますが、切り刃全体を整えるにはホローの溝を消すまで終われない気に成ってしまいますね。もしも凸なら凸なりに仕上げれば、見た目的には砥石に当たらない部分と云うのが出ませんので。

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大まかにベタ迄に進めば、次は1000番相当の人造で傷を浅くして行きます。

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傷の低減と切れの向上が得られたら、天然砥石の中砥である青砥に移行します。

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全体が青砥の研ぎ肌に成れば(念の為に青砥の小割りを挟んでいますが)、今回のハイライトとも言える仕上げ砥の小割りです。

青砥、或いはダイヤモンド砥石で擂り、軽く泥を出してから作業に当たります。

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最終仕上げに使った小割りの砥石目が、切り刃の全面に揃った所で完成です。

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切れに関しては、部分的に私が研ぎを手伝ったりしましたが、自力で研ぎ上げる方も。そして、刃先を拡大してのチェックにも余念が有りません。

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実際に紙を切っての確認も。やはり、研ぎや刃物に興味を御持ちの方々ですので、切れの軽さや切り進む際の音の大きさに拘りを見せる場面も。

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ハンドルエンドにソングホールが有りますので、上野さんが切ったのでしたか?革紐を通して完成です。

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聞けば、早々に申し込みが満員御礼に成った、その参加者の方々ですので熱心にかつ楽しんで作業に当たって頂けました。拙い説明にも関わらず、清聴を頂き有難う御座いました。

御家庭でも様々な研ぎをなさる時に、今回の内容が幾らかでも御参考に成りましたら幸いです。更に高度な研ぎなどに付きましては、新館長が計画されそうですので、今後も砥石館の情報発信に御注目を頂けたらと思います。

あと、次回のイベントは砂型鋳造に依る鏡作りですが、一部の枠が埋まって居ないとかで、其の部分は今回同様の肥後守の天然仕上げに取り組む枠として用意されるそうです。何故なら、今回のイベントに漏れた方が複数名、居られた為に代替の枠としたいとの事で。もしも、日程に余裕の有る方は再度の御申し込みを検討されてみては如何でしょうか。

 

 

 

 

 

研いだ包丁のビフォーアフターなどを載せていきます。