剃刀用の砥石の御依頼・その他

 

少し前に、剃刀に使える砥石の御依頼が有りました。当然、硬くて細かい物が前提と成りますので、其れを踏まえて選別に。

 

 

中山の赤ピン、硬口~超硬口。模様に反して、かなり均一な研ぎ感と鏡面的な仕上がり。

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中山の水浅葱、硬口で水間府の産との事ですが、少し奥殿の泡立ちに似た感触で研げます。

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同じくです。

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長四郎(長四郎挽きでは無く長四郎山)の硬口。研磨力と平面維持に優れながら、仕上がりも細かいですね。

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何とか、奥殿の本巣板天井で仕上がった此方の刃物の御依頼主との遣り取りに際して、ラインでとの意向を受けて久々に公開して繋げようとしたのですが、何故か失敗で。結局はSMSでと成りました(笑)。画像は送れず仕舞いでしたので、現物を送付しての確認と成ったのですが、問題無かった様子で安心しました。

其れとは別に(しかし期を一にして)、去年にH様と訪れて御世話に成った店主の方からラインを通じて(此方は普通に友達申請が届きました)、最近の商品画像と共に見に来いとの御誘いが。

 

 

そこで、店舗に伺って相談すると、手頃な原石を提案してくれました。小振りなサイズで切り分けて貰い、前述の砥石達と共に御依頼主に選んで貰う候補の一群としてメールに画像を添付し、送信しました。

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後日、切り分けて貰った原石の残りは取って置くとの事でしたので、自分用と北海道のS様の分を購入したいと連絡し、再度の訪問と成りました。

目立つ筋は殆ど邪魔に成らず、砥粒も均一で細かい仕上がりです。硬さは超硬口と言っても良いレベル乍ら、圧力を掛けても地を引く事は有りませんでした。

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私の分ですが、他の部分を切り分ける際に切り込んだ跡が。自分で希望した切り分け方でしたし、まあ所謂コラテラルダメージという奴ですので。使う際に、わざわざ切り込みに突っ込む訳も無く普通に使えます。因みに、使い勝手は上画像の石より手応えは少し重いですが、仕上がりは切れ・永切れと共に優秀でした。

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下の二つは、S様の物と私の物を足して割った感触で研げますが、仕上がりの良さは殆ど変わりません。未だ砥面は浅葱色ばかりとは成って居ませんが、1mm~2mm減って来ると浅葱が大勢を占めるでしょう。使って見た所、問題無かったので(寧ろ既に高性能)このまま使うべきかと・・・貧乏性かも知れませんね。

特大のレーザー型とも言うべきサイズの物。

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変形ですが、マズマズのサイズですので、大抵の刃物を研ぐのに苦労はしないでしょう。

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最後に、切り落としでも此の仕上がりです。全く問題無いですね(笑)。

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御送りするに際しては、目安の表示もしておきましょうか。上の切り落とし画像と共に送信した所、喜ばれたので良かったです。

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業務連絡です

 

二日ほど前に、ホームページの問い合わせフォームで御連絡を頂いたK様、済みませんが返信を使用とした所で文面が消えてしまいました。

御覧頂けるか分かりませんが、代わりに此方で御返信させて頂きます。筋引きに鎬を付ける、との内容だったかと思われます。其れに付いては現物の状態次第には成りますが、可能だと考えています。裏の仕立てをどうするのか等は又、御意向によって様々でしょう。殆ど平面・糸引き程度、等々。

ただ、現在は何件かの御依頼を抱えておりますので、或る程度は御待ち頂かねば成らない状況です。もしも御依頼をされる意向が固まって居られましたら、上記内容を御勘案の上で御送り下さる時期も含めて、御判断を頂けましたら幸いです(御手元に不在の期間が長いですから)。宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

赤ピンを幾つか選別

 

少し前に中山の赤ピンで、硬口や超硬口が狙える部分が見つかったのですが・・・昨日も其れを狙って選別をして来ました。

明確な御依頼は一つで、高雄のレーザー型(出来れば中山の戸前の黄板とか)。しかし赤ピンの層からは、風化の進み具合に応じて黄色・緑の系統も混じって出て来ます(流石に赤や朱色がメインとは成ります)。

そもそも所謂、赤ピンとは言っても荒くて脆い場合が多い他山で見られる層とは別の並びですので、その性能も一線を画し、戸前と隣接している為に性能も近しい物と成っており、戸前浅葱の硬口と遜色ないレベルの硬さを持つ物も産します。性格は(平滑・緻密・微細が特徴と成る)浅葱と反対と迄は行きませんが、やはり研磨力に優れる傾向が強いです。

砥粒の目の立ち方・積層の仕組み・模様からも分かる通り複雑な砥面の並びが影響するのだと思われますが、結果的に軟鉄の地金を斑無く仕上げるのに工夫を要したり、刃先の最終仕上げに方向性が関わったりするジャジャ馬的な側面を見せる場合も。見方を変えれば、刃先の処理に際して幾通りかの研ぎ方を試せるとも言えますが。癖の強い鋼材・個性的な熱処理を経た刃物の仕上げに苦慮した時の駆け込み寺にも成り得たり。

自分用も含めて、バリエーションが整って来ましたが・・・幾つか手持ちに有れば心強いタイプと言えますね(今回も自分用に小さいのを追加)。

 

 

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結構、大きくて厚い物。硬口~超硬口と言えますが、研ぎ易さを併せ持つ性質で扱いに困りません。ほぼ、原石成りの姿ですが、表層から行き成り面を付けても傷や難が有る場合が多いので、適切な部分で開かれています。

 

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以前に御伝えしていた通り、硬口の赤ピンに興味を御持ちの先方に送って見ても良さそうな石でしたので・・・つい持ち帰ってしまいました(笑)。

 

 

 

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此方がレーザー型。採掘されている現場でサイズ・質を見て選別後、挽いて面付けして貰いました。やや硬口~硬口ですが、減ると更に硬く成るかも知れません。御希望から外れて居れば、自分用にと思って居ます。

 

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此方は自分用、やや硬口の物です。上方・下方で風化の進み方が違うので、赤・緑・黄色系統の色調や硬さが異なり、面白い使い方が出来ます。

 

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現在は上画像の様な作業の途中でしたが、砥石の選別も御依頼頂いて居ましたので選別に出掛けた結果でした。少し、傷を消すのに工夫を要する鋼・熱処理と見え、最終仕上げに使う砥石に苦慮しているのですが・・・決して現実逃避では有りません(笑)。