11月17日の砥石館

 

昨日は、亀岡で色と技に関するイベントが有りました。天然砥石館でも其れに対応した内容が。手伝いに呼ばれたので行って来ました。

 

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開始前には玄関ホールも準備中。

 

 

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その間に、持参した薄いコッパに台を付けさせて貰ったり打ち合わせを。

 

 

 

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此方も手伝いに来てくれていた常連さん向けに。

 

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おからを準備して来たので御渡し。いつも差し入れを頂いて居る御礼です。

 

 

 

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予定では無かった、市長が御出ましで開会式的な流れに。久し振りに挨拶しましたが、意外と忘れられていないもんですね。

 

 

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いつものDIY砥石の箱は人気ですが

 

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今回、一番の待ちが出たのはコパル磨き。琥珀の若い物の研磨です。チェーンを付けてネックレスにも出来ます。

 

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玄関前には、幾つかの出店が。

 

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中の一つはステーキ販売

 

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買って帰って見た所、二階のチョロギレストランの差し入れ?も頂きました。

 

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自分の担当は、砥石や研ぎに付いての説明と簡単な実演。計四回行いました。

研ぎ方の違いや砥石の粒度・人造と天然の特徴などを説明しながら、新聞紙や野菜を切ったり氷を削ったり。

 

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合間には、居ついてしまった子供の野菜嫌いが直らないか試みたり。胡瓜以外は嫌いだとかで。まあ、遊んで貰っていた様なものですね。

 

 

 

 

 

内曇りの採掘場所へ

 

内曇りの採掘場所を自分の目で確認したく、再度高雄へ行って来ました。事前に聞いていた場所に到着した所、採掘者の方と古来より採掘に従事されて来た一族の末裔の方が作業をしていましたので、自分もその横で少し採らせて貰いました。

 

台風で倒れた木の辺りから見つかったとの事で。

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私は此の辺りで探してみました。

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紫がかった、カラス混じりの墨流しの内曇りの塊が出たので、砕いた所です。あと、通常の天井巣板その他も見えます。

 

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カラス+墨流しと、通常の天井巣板・内曇りの境界みたいな物。

 

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白の硬いのも混じっていました。研磨剤を感じさせる程の目が立った砥粒、シャリシャリした砥ぎ感の割りに滑らか。泥を出せば一気に研磨力アップと、個性的です。右端は内曇りですがカラスが少々。

 

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左はおまけの中山赤ピン層の硬口。右は天井では無い奥殿の巣板。

 

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内曇りですね。適度な抵抗と滑らかさ、刃金の傷を消してくれます。

 

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上画像よりも粒度が細かく、当たりは柔らかいです。

 

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内曇りよりも滑らかで地金も揃って来ます。

 

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やや硬さを感じますが、奥行きのある手応え。通常の天井巣板が硬質ゴムの感触とすれば、硬い木の様な感触でしょうか。刃金も地金も明るめ。

 

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傷が入りそうな感触ながら綺麗な仕上がり。シャリシャリの砥粒でもトロトロとサラサラの間の泥で砥ぎ易い。

 

 

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内曇りよりも、ややネットリした感触。当たりは柔らかく、傷も少ない。カラスは裏面には少なく色も水色なので、表側から使って行くと途中で印象が変わるかも知れません。

 

 

 

 

此方は当日に選んだ中の石ですが、購入の際に参考にしたいので寸法などが知りたいと御問い合わせが有った物です。

 

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左から、12.5×9×2.2:609g  中 14×7.5×1.7:394g  右 13×7.3×1.2:254g  です。

 

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天井巣板のグイグイでも無く、シャリシャリでも無い少し反応させにくいタイプ。硬い割に当たりは柔らかいのですが。泥を出してやれば滑らかさ・研磨力共に向上します。其のままでは繊細な研ぎ方を必要とされる印章。

 

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此方は中央の石ですが、右も同様で。グイグイ食い付くよりは、シャリシャリに寄っている感じですね。或る意味、分かり易くて研ぎに迷わずに済みます。研磨力も十分です。

 

 

 

 

オマケの赤ピン層の硬目。赤と緑が薄っすら混じって居り、硬過ぎず柔らか過ぎずの良いバランス。泥を出さなければ明るめの仕上がり。出せば滑らかな砥ぎ感と曇り仕上げに成ります。

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紫がかったカラス+墨流しの小割りに面を付けてみました。或る程度、天井巣板に共通の紫が強く出た泥が印象的ですね。自分では此の色が入っている石が好みに成って来ました。今後も勉強がてら、時々は探しに行かせて貰えればと思います。

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初めての篆刻刀

 

北海道のT様から篆刻刀を四本、送って頂きました。黒打ちの物は、白鷹さんの作だとか。元来、彫刻刀の類は得意な方では無いのですが、三角や丸で無ないので出来るだけで良ければと御受けしました。しかし、結果的には何時もよりも長く御待たせしてしまいました。

 

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研ぎ前の四本。

 

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細い方、二本。

 

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黒打ちの二本。巻いて有る物に合わせて砥いで欲しいとの事でしたが、中々簡単では無いですね。慣れない道具で且つ柄が複雑な形状で。

 

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電着ダイヤからです。

 

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大体、狙い通りに成ったので人造砥石で揃えて行きます。

 

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巣板で仕上げ研ぎ。

 

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更に硬口の巣板。ですが角度や面の精度を上げる為に研ぎ直し。

 

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白巣板の蓮華入り。

 

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フライングで少し前に再度高雄で持ち帰った物。(詳細は次の記事で)

 

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奥殿産の内曇りで。

 

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研ぎ上がり

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あと、小割りの石を御所望でしたので前回の内曇り薄片に面を付けた物。今回採って来た原石の物を同梱して本日、御返送致しました。

此方の内曇りは、奥殿の天井巣板にしばしば見られる紫やカラス+墨流しが良く現れているので、大きな塊を砕いた際に柔らかすぎるかなと思ったのですが持ち帰りました。(クロネコから帰宅後、面を付けた所では良い感じでした。柔いのと、筋を避ける必要が有る点を除けば選んで正解、当分使える量を確保出来て安心しました。)

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濡らした状態。

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T様には今回、特に長く御預かりをしてしまい申し訳無く思います。仕上がりも其々、完全とは行かない部分も有るとは思いますが、使う分には初期よりも改善されているかと考えて居ります。先ずは御試しの程を御願い致します。今回も御依頼、有難う御座いました。

 

 

 

 

 

奥殿内曇りの試し研ぎ

 

この前、持ち帰った内曇りを本焼きで試してみました。

 

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現在は余り使っていない、五寸五分の薄刃です。大まかには面が揃っているものの、一部は研削痕・初期の面ダレが残存しています。

 

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以前の研ぎ済みの表

 

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同じく、裏

 

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今回の砥石で砥いだ状態

 

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部分的に残っている研削痕を狙って、小割りも当ててみました。周囲への余計な傷も入らず、残存箇所を減らしてくれます。

また、同じ水野鍛錬所の本焼き柳よりも刃紋が出難い此の包丁ですが、過去の何れの砥石よりも少しハッキリした様です。完全に面が揃っていれば更に見え易く成った筈ですが、無駄に減らさず使う度に整えて行く方針に変わりは有りません。

 

 

研ぎ上がりです

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本焼き用として、やや軟・中硬・硬と使っていますが、今回の内曇りで軟も揃った事に成ります。今後は相性探しや、工程の適正で活躍の場面が期待されます。

もう少し詳しく知る為に、採掘場所や出て来た様子などを実際に見に行きたい気持ちになって来ますね。前回の天井巣板の採掘場所と合わせて、印象深い場所に成ると思います。

 

 

 

 

 

奥殿の追加

 

昨日は久し振りに、高雄へ行って来ました。数日前に包丁向きと思われる、新しい砥石が出たとの知らせが入ったからです。前回、採掘で御一緒させて貰った山肌とは違った場所らしいのですが、少し前の台風で崩れた際に現れたとか。

層としては天井巣板層で、種類的には内曇りに当たるとの事。通常の奥殿とは格段に硬さが違うので、使用目的や効果の違う砥石に成りそうです。

 

 

 

幾つか原石のまま、袋に入っていた中から選んでみました。

 

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此れは形状的に其のまま使えそうでしたので、自分で面付けをさせて貰いました。

 

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此方は、大きな三角形でしたのでカットを御願いしました。もう自分で切れよと言われますが、まだまだ失敗が気に成りますので。

 

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最後のは、薄くて広い物。厚みもバラバラ、従って角度もマチマチに成りますが全体的に面を付けました。持ち帰って小割りにするので、其の状態で問題無いです。

 

 

 

試し研ぎ

 

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最初の筋が目立つ石ですが、あからさまな筋は乗っかる感じがしますね。ただ、刃金にダメージが出る程では無く案外、普通に研げます。地金に傷を入れずに仕上げるには工夫を要するものの、刃・地共に深い傷を浅くする能力や刃金を曇らせる働きには有効です。

 

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裏の状態、刃金のみの部分ですね。刃物と砥石、双方の面を安定させて砥げば結構、均一な砥ぎ目に成って来ます。

 

 

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炭素鋼のペティ、刃先を研ぎました。切れは、巣板仕上げとして妥当な物。掛かりの良さと手応えの軽さが印象的。後述の小割りした砥石で軽く側面も撫でて有ります。

 

 

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此れは筋の数や質が幾分、控え目なので更に使い勝手や仕上がりが良いですね。

 

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裏の状態も同上。

 

 

 

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小割りした分です

 

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未だ大き目のも有ります。広い面積用に、残して置いても良さそうです。

 

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参考画像です。小割りした中には、三段階くらい硬さや層成りの違いが有った様です。基本的に、層が素直に出ている部分は当たりの滑らかさ・砥ぎ目の均一さに優れ、やや(練り物との表現も有るらしいですが、其れに近いのか)複雑な成り立ちと思われる部分では当たりがキツク、砥ぎ目もバラツク感じですね。まあ、役割分担で中継ぎと仕上げに振り分ければ良いと思います。

画像は、余り素直でない部分の小割りを地金部分に当ててみました。割った方も、そうでない方も適度な弾力が有り、奥殿の天井巣板の特徴を示しています。此の層に産する石は、どんなに硬くても一定の弾力を伴って扱い易さに繋がっています。

 

 

 

おまけです

 

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北海道のT様から、メールの遣り取りを通して剃刀関係の文面を頂いて居ました。其れに適するかどうかは現物と合わせてみないと分かりませんが、必要とあれば用意しておこうかなと考えていました。期せずして、今回の作業中に目に付いた物を(本当は探して居たり)無理を言って持って帰って来ました。

奥殿産の浅葱、泡立ちとも称される砥ぎ易いタイプ。しかし彼方に通っていた時期を通して、此処まで硬さ・細かさ・均一性で匹敵するのは在ったかと思わされるレベルですので、砥ぎ易さは少し難易度アップかと。

もしも試して頂いて、扱い難いとの結果であれば自分用にする気満々で選びました。彼方でも、御目が高いとの言葉を頂戴しましたので間違い無い物なのは確かですね。

 

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おまけのおまけ

 

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序でに、辺りに転がっていたのも持ち帰りました。超硬の緑板が採れたとの会話中に、此の辺も・・・との説明が有りましたので同等品かなと思われます。(あやふやな書き方でしたね。此方は、正確には中山です。其の坑道付近での会話中)

 

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薄い部分のコバはハンマーで丸めたり、大きな凸部はハツったりして面を付けました。左の上、原石の面が残る部分と右側面下方の二か所に油膜の様なホログラムの様な異質な反射をする部分が有ります。

特有の成り立ちに由来するのでしょうか、奥殿の山で薄暗くなって来ると原石の状態でも若干の蛍光色を思わせる色の違いが有るのを思い出させます。でも中山の方はもっと局所的で、代わりに強い反射を見せます。生まれか育ち故か、外観にも特徴が現れます。

 

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砥ぎ感は、(超?)硬口の砥石と中硬の砥石の間位で、仕上がりも其れに準じます。

 

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今回の砥石達は、新たな役割を果たしてくれそうなので有難いですね。特に、私は基本的に本焼きに付いては小割りの砥石を使わずに研いで来ましたので、其処に使える様であれば助かります。

軟鉄の地金にも難しさは在るのですが、本焼きの全面鋼(硬度差は有りますが)で面の連続性を保って一律の砥ぎ肌に仕上げるには、角砥石のみで勝負するしか無かったからです。

そうで無くとも、軟鉄部分の均し研ぎに使えるのは確認済みですので、今後活躍してくれる事は間違い無いでしょう。此の度は有難う御座いました。

 

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追加で本日、もう一つの方も仕上げました。

 

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元から薄かったので、流石に此の儘では使い難いですね。鉋や切り出しと違って、包丁では致命的です。17日には砥石館でのイベントに呼ばれているので、現地で板に張り付けて来ようかなと考えています。

その後には神戸のS様が、当方にて砥石や包丁の動画を撮られるとか。共に研ぎや天然砥石に付いて情報発信をと誘われていますので、研ぎや切り・食材の味の違いに付いても表現出来ればと思います。上記の薄い砥石は、板に貼った後にデモンストレーション用に持っておいて貰おうかなと考えています。前々回には私の予備の巣板を御買い上げ頂いたので、薄くて筋も有るとは言え戸前系の砥石のイメージを掴んで頂くには良いサンプルでしょうし、初めて見る方や未体験の方には原石の雰囲気も伝わるかと。