高雄産砥石の傾向

 

此の所、一年くらいの間(頻度は疎ら)で高雄に通った結果、東物の砥石に付いて幾分は判って来た内容を簡単に纏めてみます。

全体的に硬い石が多いからか、(圧縮された故の)薄い層のみの石や断面の平行四辺形通りにしか採れない傾向が有ります。地下に在った際の重力や、プレートの動きによる荷重の所為か良く締まっているのとトレードオフなのでしょう。従って、厚物や大判が作り難い様です。

勿論、採掘場所や採り方によっては大きな原石として採れますが、後述の理由で其の儘で砥石として仕立てる事が出来ない場合が多いです。(物が良ければ大半使用可)逆に言えば、その理由を無視・或いは重要視しなければ大判や厚物に仕立てられる訳ですね。

 

① 東物の原石に現れる特徴は、皮と皮に挟まれた砥石の層の中央部あたりで、最も硬さ・細かさ・雑味の無さが発揮される部分が見られると云う事です。つまり、皮の付いた両端面は柔らか過ぎたり荒目だったり針気が有ったりで、難が有ります。其処から使い始めて最良の部分に達するのを待てるなら、端から使える事に成りますね。此れは砥石になった時の質の問題。以下は参考画像です。

 

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此方を例に挙げますが(実際には既に使える砥面が出して有ります)

 

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断面を見ると中央に紫の層が在ります

 

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其処を狙って裁断すると、こんな感じで(石は違います)一面、紫の砥面に成ります。必ずしも紫であれば良い訳でも無く、それ以外の部分で裁断するべき石もあるとは思います。

 

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此れも紫が勝っていますが、裏はもっと白が強くて柔らかいです。砥面としては裏の方が広く安定しているのですが、柔らか目なのと気泡の様な点々が気に成って紫側を使っています。

 

 

 

② 圧縮が強くて、層の一つ一つが大きく肥え難い・重なって行っても層同士で何処までも結合が強固な訳では無い(ハンマーで鍛えると分離する箇所が出る)ので剥離する所を落として行けば、其の分は薄く成ります。筋の入っていない砥石が難しい理由にも成りますね。此れは整形段階の問題。以下は参考画像です。

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大分、砥面が安定して来た小さな天井巣板(硬口)

 

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側面中央には、層の境界が。鏨を当てて叩けば此処から容易に分断出来ます。此れが何層にも亘って連なっていれば、厚い原石として採れる訳ですが層の何処かでは浮き易い接合面も出て来ます。

しかしながら、層の並びが此の面に平行に走っている確率が高いのも、高雄産の砥石の特徴ではあります。ですので、割れるにしても整然と平行に割れて行きます。小割りにする際もメリットになります。産地によっては平行で無かったり、其々複雑に入り組んだ走行を見せる石も在ります。(酷い場合は牙目)

逆に、層の平行を意識した砥面作りをしなければ(斜行)、研ぐ際に安定して本来の性能を発揮させられなかったりします。柔らかければ誤魔化し得るかも知れませんが、硬口の石故に其の影響も強く出ます。砥石層からの剥離・切断・面付けを通して適当に仕上げる訳には行かない理由が此処に在ります。

 

 

 

 

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前回、常連であるベスパのディーラーの方へフォールディングナイフを届けた際に、入れ替わりで渡されたナイフです。

 

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新品の状態では、刃付けの角度が鈍角だったり砥ぎ目が粗かったりで切れに不満が出易いです。

 

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人造1000番の後、黒蓮華と上画像の奥殿産天井巣板(硬口)で仕上げました。初めの研ぎから大幅に研ぎ減らすのは避けたいので、初期刃付けでの減らし過ぎ部分は程々にしてあります。

浅葱系統とは違った、ややザックリした切れ方(強いて比べればですが)に仕上がるので、短い刃長のポケットナイフ等には向いているかも知れません。使い方が繊細で無くても、掛かりや切れ込みが感じ取り易い気はしますので。少なくとも、硬度が低かったり組織が粗かったりする刃物には、欠点をカバーしてくれるでしょう。そういった刃物に、鋭利且つ永切れに満足いく刃を付けるのは簡単では無いので。

 

 

 

 

最後に、高雄産の砥石達の展示施設が出来ましたので、その画像を。試し研ぎや、購入も可能です。事前に打ち合わせ程度は必要でしょうが、場合によっては場所の前身である鮮魚店の関係で、試し切り(魚の調理)も出来るとか。

上から二つ目の画像、中段下部には私が購入した本巣板の茶色梨地も見えます。最後から三つ目には白の蓮華混じりもかな?

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最近、手に入れた砥石達(奥殿産)

 

ここ最近までに入手した砥石の内、最新の物です。

 

先ずは、少し大きめの巣板二種です。

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此方は、もう一方よりも少し硬いですね。

 

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適度な硬さと研磨力が有り、使い易いです。

 

 

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中硬か、やや柔らかい砥ぎ感ですが研磨力はまずまず。

 

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しっとり研げて、結果も綺麗な曇り仕上げです。

 

 

 

一番新しく入手した二つが下画像です。

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側面から見ても卵色と言うか黄土色で均一、加えて全域に梨地が確認出来ます。

 

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奥殿の本巣板(茶色系統)には硬さと食い付きで大きく二種類ある印象です。此れは食い付きと滑走感のバランスが良く、抵抗感少なく研げます。天井巣板(硬口)の、ガチガチでありながら食い付きが良いのは大変好みであり、仕上がりも鏡面近くで良いですが普通は此の石の方が万人受けするでしょう。

因みに茶色系統のガチガチ・食い付き強いタイプも、天井巣板(硬口)に近い性格と仕上がりです。

 

 

 

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上画像も本巣板ですが、少し珍しい石です。上半分弱は白に蓮華混じり、下側は茶色系統で間に薄い巣の層が有ります。外観からのイメージでは、ベルギーのコティキュールを想起させます。

此処まで来ると二層で使用感や仕上がりは全く変わるでしょうけれど、白が無くなる迄は本焼き用に活躍してくれるのではと期待しています。まあ、本焼きの仕上げには白の蓮華が自分にとって使い易いだけですので、先々茶色が予想外に良かったりするかも知れません。ある部分、研ぎ手次第でもありますので。

 

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やや硬いだけに?刃・地共に明るめに仕上がります。僅かにシャリシャリタイプの白の感触が混ざる印象も。

 

 

 

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最後はおまけで水浅葱の近辺らしき、硬口の石です。色柄からは不均一な砥ぎ感と仕上がりが懸念されますが此れ又、食い付きと滑りがバランス良く砥ぎ易さと仕上がりに問題無いです。

 

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かなり、刃・地共に鏡面寄りです。薄目の砥石でも此処まで硬いと研ぎ減りによる変形も少なく、従って砥面修正の頻度も低いので長期に渡って使えます。と言うか減る気がしないですね。

 

 

 

之までも自然と、最終仕上げの砥石は中山の水浅葱や並砥・奥殿の巣板が務める事が多くなっていました。切れと永切れ、切れの軽さで満足し得る結果が多かったからですが、奥殿産の砥石達が揃って来た事により相性探しの不安も解消されて来ました。

基本的には、上記の条件を満たそうとすれば硬口~超硬口の仕上げ砥石に頼る事に成るのですが、飽くまでも相性次第な部分は無視出来ず、対応する為にバラエティの広がりは有難い訳です。ですので、東の砥石~西の砥石・更には若狭の砥石の其々で硬い石が揃って来た現在は、最も安堵しています。とは言え奥殿産の砥石は、もう少し追加したい気持ちも有りますので、今後も注目して行きたいと思います。

 

 

 

 

 

今月の講習その他

 

今月も神戸からS様が受講に御出ででしたが、その際に(インスタにアップするとの)画像や動画を撮られました。私が試し切りする際の様子や幾つかの砥石がメインでしたが、素材の異なる刃物による食材カット後の風味の変化を実感する場面も含まれていました。

 

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先ずは、私が用意していたオーストラリア産モモ肉のタタキとステーキです。炭素鋼とステンレスのペティで切り分け、それぞれ塩胡椒と柚子醤油で味の確認。

私は味の中にエグ味と言うか苦味が混じるか否か、甘みと旨味の量で違いを感じましたが、この後でテストしたトマトや人参・パプリカとは違って差を感じるのは難しかった様です。ただ、パプリカが旨いと知って貰えたのは良かったです。

 

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其の後は、御持参頂いたフグを捌いて頂きました。

 

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此れに付いては、上記のペティ二種に加えて炭素鋼の片刃和包丁(イカ割き)を使用。同じ炭素鋼でも、形状の違いに因る風味の差は有るのかが焦点と成ります。

此処でも、炭素鋼:ステンレスの違いは明瞭に感じ取れた様子でしたが、ペティとイカ割き(両刃と片刃)の差は難しかったとの事。私としては、炭素鋼ペティでも十分に旨いのですがイカ割きでは更に雑味が除かれた味わいに感じました。

 

 

 

続いて、髪の毛の切断や紙の束の試し切りの画像・動画を撮影。SNSでアップされるとの事でした。

 

 

 

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勿論、出刃の研ぎと

 

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柳の研ぎを練習して頂き

 

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ほぼ、明らかな問題点は解消されて来ました。

 

 

 

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この二つは、予定通り御渡ししておきました。初見の人への天然砥石の紹介や、御自身での研究にも使えるかと。中山の緑っぽい戸前・奥殿の浅葱ですから、砥ぎ感や切れの効果の違いを体験できる筈です。

 

 

 

講習で研ぎの向上を目指すのみならず、刃物の素材と研ぎ方による食材の風味の変化を実験・切れ味の情報発信と、積極的な姿勢に感銘を受けました。之からも、協力しながら互いに切磋琢磨し、価値ある内容を発信して行ければと思います。此の度もS様には、色々と有難う御座いました。

 

 

 

フグの残りを頂いたので、鍋と雑炊にしました。久し振りでも有り、美味しく頂きました。

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11月17日の砥石館

 

昨日は、亀岡で色と技に関するイベントが有りました。天然砥石館でも其れに対応した内容が。手伝いに呼ばれたので行って来ました。

 

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開始前には玄関ホールも準備中。

 

 

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その間に、持参した薄いコッパに台を付けさせて貰ったり打ち合わせを。

 

 

 

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此方も手伝いに来てくれていた常連さん向けに。

 

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おからを準備して来たので御渡し。いつも差し入れを頂いて居る御礼です。

 

 

 

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予定では無かった、市長が御出ましで開会式的な流れに。久し振りに挨拶しましたが、意外と忘れられていないもんですね。

 

 

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いつものDIY砥石の箱は人気ですが

 

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今回、一番の待ちが出たのはコパル磨き。琥珀の若い物の研磨です。チェーンを付けてネックレスにも出来ます。

 

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玄関前には、幾つかの出店が。

 

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中の一つはステーキ販売

 

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買って帰って見た所、二階のチョロギレストランの差し入れ?も頂きました。

 

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自分の担当は、砥石や研ぎに付いての説明と簡単な実演。計四回行いました。

研ぎ方の違いや砥石の粒度・人造と天然の特徴などを説明しながら、新聞紙や野菜を切ったり氷を削ったり。

 

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合間には、居ついてしまった子供の野菜嫌いが直らないか試みたり。胡瓜以外は嫌いだとかで。まあ、遊んで貰っていた様なものですね。

 

 

 

 

 

内曇りの採掘場所へ

 

内曇りの採掘場所を自分の目で確認したく、再度高雄へ行って来ました。事前に聞いていた場所に到着した所、採掘者の方と古来より採掘に従事されて来た一族の末裔の方が作業をしていましたので、自分もその横で少し採らせて貰いました。

 

台風で倒れた木の辺りから見つかったとの事で。

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私は此の辺りで探してみました。

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紫がかった、カラス混じりの墨流しの内曇りの塊が出たので、砕いた所です。あと、通常の天井巣板その他も見えます。

 

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カラス+墨流しと、通常の天井巣板・内曇りの境界みたいな物。

 

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白の硬いのも混じっていました。研磨剤を感じさせる程の目が立った砥粒、シャリシャリした砥ぎ感の割りに滑らか。泥を出せば一気に研磨力アップと、個性的です。右端は内曇りですがカラスが少々。

 

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左はおまけの中山赤ピン層の硬口。右は天井では無い奥殿の巣板。

 

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内曇りですね。適度な抵抗と滑らかさ、刃金の傷を消してくれます。

 

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上画像よりも粒度が細かく、当たりは柔らかいです。

 

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内曇りよりも滑らかで地金も揃って来ます。

 

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やや硬さを感じますが、奥行きのある手応え。通常の天井巣板が硬質ゴムの感触とすれば、硬い木の様な感触でしょうか。刃金も地金も明るめ。

 

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傷が入りそうな感触ながら綺麗な仕上がり。シャリシャリの砥粒でもトロトロとサラサラの間の泥で砥ぎ易い。

 

 

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内曇りよりも、ややネットリした感触。当たりは柔らかく、傷も少ない。カラスは裏面には少なく色も水色なので、表側から使って行くと途中で印象が変わるかも知れません。

 

 

 

 

此方は当日に選んだ中の石ですが、購入の際に参考にしたいので寸法などが知りたいと御問い合わせが有った物です。

 

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左から、12.5×9×2.2:609g  中 14×7.5×1.7:394g  右 13×7.3×1.2:254g  です。

 

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天井巣板のグイグイでも無く、シャリシャリでも無い少し反応させにくいタイプ。硬い割に当たりは柔らかいのですが。泥を出してやれば滑らかさ・研磨力共に向上します。其のままでは繊細な研ぎ方を必要とされる印章。

 

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此方は中央の石ですが、右も同様で。グイグイ食い付くよりは、シャリシャリに寄っている感じですね。或る意味、分かり易くて研ぎに迷わずに済みます。研磨力も十分です。

 

 

 

 

オマケの赤ピン層の硬目。赤と緑が薄っすら混じって居り、硬過ぎず柔らか過ぎずの良いバランス。泥を出さなければ明るめの仕上がり。出せば滑らかな砥ぎ感と曇り仕上げに成ります。

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紫がかったカラス+墨流しの小割りに面を付けてみました。或る程度、天井巣板に共通の紫が強く出た泥が印象的ですね。自分では此の色が入っている石が好みに成って来ました。今後も勉強がてら、時々は探しに行かせて貰えればと思います。

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初めての篆刻刀

 

北海道のT様から篆刻刀を四本、送って頂きました。黒打ちの物は、白鷹さんの作だとか。元来、彫刻刀の類は得意な方では無いのですが、三角や丸で無ないので出来るだけで良ければと御受けしました。しかし、結果的には何時もよりも長く御待たせしてしまいました。

 

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研ぎ前の四本。

 

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細い方、二本。

 

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黒打ちの二本。巻いて有る物に合わせて砥いで欲しいとの事でしたが、中々簡単では無いですね。慣れない道具で且つ柄が複雑な形状で。

 

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電着ダイヤからです。

 

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大体、狙い通りに成ったので人造砥石で揃えて行きます。

 

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巣板で仕上げ研ぎ。

 

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更に硬口の巣板。ですが角度や面の精度を上げる為に研ぎ直し。

 

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白巣板の蓮華入り。

 

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フライングで少し前に再度高雄で持ち帰った物。(詳細は次の記事で)

 

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奥殿産の内曇りで。

 

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研ぎ上がり

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あと、小割りの石を御所望でしたので前回の内曇り薄片に面を付けた物。今回採って来た原石の物を同梱して本日、御返送致しました。

此方の内曇りは、奥殿の天井巣板にしばしば見られる紫やカラス+墨流しが良く現れているので、大きな塊を砕いた際に柔らかすぎるかなと思ったのですが持ち帰りました。(クロネコから帰宅後、面を付けた所では良い感じでした。柔いのと、筋を避ける必要が有る点を除けば選んで正解、当分使える量を確保出来て安心しました。)

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濡らした状態。

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T様には今回、特に長く御預かりをしてしまい申し訳無く思います。仕上がりも其々、完全とは行かない部分も有るとは思いますが、使う分には初期よりも改善されているかと考えて居ります。先ずは御試しの程を御願い致します。今回も御依頼、有難う御座いました。

 

 

 

 

 

奥殿内曇りの試し研ぎ

 

この前、持ち帰った内曇りを本焼きで試してみました。

 

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現在は余り使っていない、五寸五分の薄刃です。大まかには面が揃っているものの、一部は研削痕・初期の面ダレが残存しています。

 

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以前の研ぎ済みの表

 

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同じく、裏

 

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今回の砥石で砥いだ状態

 

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部分的に残っている研削痕を狙って、小割りも当ててみました。周囲への余計な傷も入らず、残存箇所を減らしてくれます。

また、同じ水野鍛錬所の本焼き柳よりも刃紋が出難い此の包丁ですが、過去の何れの砥石よりも少しハッキリした様です。完全に面が揃っていれば更に見え易く成った筈ですが、無駄に減らさず使う度に整えて行く方針に変わりは有りません。

 

 

研ぎ上がりです

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本焼き用として、やや軟・中硬・硬と使っていますが、今回の内曇りで軟も揃った事に成ります。今後は相性探しや、工程の適正で活躍の場面が期待されます。

もう少し詳しく知る為に、採掘場所や出て来た様子などを実際に見に行きたい気持ちになって来ますね。前回の天井巣板の採掘場所と合わせて、印象深い場所に成ると思います。

 

 

 

 

 

奥殿の追加

 

昨日は久し振りに、高雄へ行って来ました。数日前に包丁向きと思われる、新しい砥石が出たとの知らせが入ったからです。前回、採掘で御一緒させて貰った山肌とは違った場所らしいのですが、少し前の台風で崩れた際に現れたとか。

層としては天井巣板層で、種類的には内曇りに当たるとの事。通常の奥殿とは格段に硬さが違うので、使用目的や効果の違う砥石に成りそうです。

 

 

 

幾つか原石のまま、袋に入っていた中から選んでみました。

 

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此れは形状的に其のまま使えそうでしたので、自分で面付けをさせて貰いました。

 

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此方は、大きな三角形でしたのでカットを御願いしました。もう自分で切れよと言われますが、まだまだ失敗が気に成りますので。

 

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最後のは、薄くて広い物。厚みもバラバラ、従って角度もマチマチに成りますが全体的に面を付けました。持ち帰って小割りにするので、其の状態で問題無いです。

 

 

 

試し研ぎ

 

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最初の筋が目立つ石ですが、あからさまな筋は乗っかる感じがしますね。ただ、刃金にダメージが出る程では無く案外、普通に研げます。地金に傷を入れずに仕上げるには工夫を要するものの、刃・地共に深い傷を浅くする能力や刃金を曇らせる働きには有効です。

 

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裏の状態、刃金のみの部分ですね。刃物と砥石、双方の面を安定させて砥げば結構、均一な砥ぎ目に成って来ます。

 

 

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炭素鋼のペティ、刃先を研ぎました。切れは、巣板仕上げとして妥当な物。掛かりの良さと手応えの軽さが印象的。後述の小割りした砥石で軽く側面も撫でて有ります。

 

 

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此れは筋の数や質が幾分、控え目なので更に使い勝手や仕上がりが良いですね。

 

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裏の状態も同上。

 

 

 

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小割りした分です

 

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未だ大き目のも有ります。広い面積用に、残して置いても良さそうです。

 

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参考画像です。小割りした中には、三段階くらい硬さや層成りの違いが有った様です。基本的に、層が素直に出ている部分は当たりの滑らかさ・砥ぎ目の均一さに優れ、やや(練り物との表現も有るらしいですが、其れに近いのか)複雑な成り立ちと思われる部分では当たりがキツク、砥ぎ目もバラツク感じですね。まあ、役割分担で中継ぎと仕上げに振り分ければ良いと思います。

画像は、余り素直でない部分の小割りを地金部分に当ててみました。割った方も、そうでない方も適度な弾力が有り、奥殿の天井巣板の特徴を示しています。此の層に産する石は、どんなに硬くても一定の弾力を伴って扱い易さに繋がっています。

 

 

 

おまけです

 

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北海道のT様から、メールの遣り取りを通して剃刀関係の文面を頂いて居ました。其れに適するかどうかは現物と合わせてみないと分かりませんが、必要とあれば用意しておこうかなと考えていました。期せずして、今回の作業中に目に付いた物を(本当は探して居たり)無理を言って持って帰って来ました。

奥殿産の浅葱、泡立ちとも称される砥ぎ易いタイプ。しかし彼方に通っていた時期を通して、此処まで硬さ・細かさ・均一性で匹敵するのは在ったかと思わされるレベルですので、砥ぎ易さは少し難易度アップかと。

もしも試して頂いて、扱い難いとの結果であれば自分用にする気満々で選びました。彼方でも、御目が高いとの言葉を頂戴しましたので間違い無い物なのは確かですね。

 

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おまけのおまけ

 

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序でに、辺りに転がっていたのも持ち帰りました。超硬の緑板が採れたとの会話中に、此の辺も・・・との説明が有りましたので同等品かなと思われます。(あやふやな書き方でしたね。此方は、正確には中山です。其の坑道付近での会話中)

 

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薄い部分のコバはハンマーで丸めたり、大きな凸部はハツったりして面を付けました。左の上、原石の面が残る部分と右側面下方の二か所に油膜の様なホログラムの様な異質な反射をする部分が有ります。

特有の成り立ちに由来するのでしょうか、奥殿の山で薄暗くなって来ると原石の状態でも若干の蛍光色を思わせる色の違いが有るのを思い出させます。でも中山の方はもっと局所的で、代わりに強い反射を見せます。生まれか育ち故か、外観にも特徴が現れます。

 

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砥ぎ感は、(超?)硬口の砥石と中硬の砥石の間位で、仕上がりも其れに準じます。

 

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今回の砥石達は、新たな役割を果たしてくれそうなので有難いですね。特に、私は基本的に本焼きに付いては小割りの砥石を使わずに研いで来ましたので、其処に使える様であれば助かります。

軟鉄の地金にも難しさは在るのですが、本焼きの全面鋼(硬度差は有りますが)で面の連続性を保って一律の砥ぎ肌に仕上げるには、角砥石のみで勝負するしか無かったからです。

そうで無くとも、軟鉄部分の均し研ぎに使えるのは確認済みですので、今後活躍してくれる事は間違い無いでしょう。此の度は有難う御座いました。

 

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追加で本日、もう一つの方も仕上げました。

 

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元から薄かったので、流石に此の儘では使い難いですね。鉋や切り出しと違って、包丁では致命的です。17日には砥石館でのイベントに呼ばれているので、現地で板に張り付けて来ようかなと考えています。

その後には神戸のS様が、当方にて砥石や包丁の動画を撮られるとか。共に研ぎや天然砥石に付いて情報発信をと誘われていますので、研ぎや切り・食材の味の違いに付いても表現出来ればと思います。上記の薄い砥石は、板に貼った後にデモンストレーション用に持っておいて貰おうかなと考えています。前々回には私の予備の巣板を御買い上げ頂いたので、薄くて筋も有るとは言え戸前系の砥石のイメージを掴んで頂くには良いサンプルでしょうし、初めて見る方や未体験の方には原石の雰囲気も伝わるかと。