滋賀県のT様からの研ぎの御依頼(洋包丁編)

 

結構、時間が経過してしまいましたが、滋賀県のT様から六本の包丁を送って頂いて居ました。内訳は、ミソノのUX10の牛刀・三徳・ペティと、和包丁の本焼き柳(尺一)・柳(七寸)・出刃(六寸五分)です。

御手持ちの20年物のグローバルから発展させる方向で模索されたそうですが、御自身でのUX10の研ぎで御不満が有ったり、包丁は新品時が最良で、徐々に切れなく成ると思って居たが違うかもと御考えになったそうです。(因みに和包丁の方は購入時の儘とか)

 

 

研ぎ前の状態。切っ先が欠けて居たり、刃線の乱れが有るものの、研ぎ減りは少な目です。

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牛刀の刃線は、切っ先カーブの辺りから切っ先まで、やや直線的でしょうか。

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小刃は、角度的には鈍角目かつ研ぎの不安定性も見られますね。

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三徳も、大まかに言えば近い傾向の刃に成って居ます。

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或る意味では、ペティの変形が一番、軽そうです。ただ、様々なメーカーの包丁に共通すると考えて居ますが、此のサイズの包丁(料理用ナイフ)は、その当該シリーズの他の大型モデルより、刃先周辺の厚みが上回って居たりします。刃幅の狭さ(=ミニサイズ)から来る、製造時のオーバーヒート対策?又は製品完成時の刃体強度の確保?自動研磨機械の性能の問題?焼き入れ時の割れと変形防止と、変形した際の修正許容範囲の確保?色々と予想出来ますが、ともあれ刃先周辺の厚みが邪魔に成らない程度には、調整する必要が有る場合が多いです。

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研ぎ始めは、人造の320番で、その後は1000番と3000番に。三本ともですが、先ず必要な切っ先の形状を整形し、刃線の修正を行ないます。極端に言えば、刃線上に存在する凹凸の、凸部分を優先して減らしつつ全体の小刃の角度を、最低限よりも少し鋭角に研ぎます。

その広目の小刃でも、切っ先方向へ向かって鋭角化し、更に小刃の幅の中の刃先側半分または三分の一の範囲で、刃先へ向けて漸次鈍角化します。勿論、鈍角化した刃先最先端周辺も、切っ先方向へ向かって鈍角化しています。

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三徳も同様に。

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前述の理由によりペティの小刃は、やや広目の程度が強く成って居ます。

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天然に移行し、対馬です。小刃の研ぎ傷を浅く、より形状の精度を上げます。

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三徳も同様に。

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ペティも同様です。

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仕上げとして、奥殿の天井巣板の中硬です。

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最終仕上げとして、中山の巣板と合いさ、中硬~やや硬目です。

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研ぎ上がりです。相変わらず、遠目には小刃だけの違いは判然としませんね(笑)。刃体側面に傷が在った部分は、気持ちだけ薄くしてみました。

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刃先拡大画像です。其々、牛刀・三徳・ペティ。

 

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今回は、かなり長めに作業期間を頂いてしまいましたが、御蔭様で体調と相談の上で焦る事無く、じっくりと取り組めました。特に、次回の記事にアップします和包丁の三本は、ただでも手間暇が掛かるタイプでしたので、有り難かったです。研ぎの御依頼と合わせ御配慮に感謝致します。

 

 

 

 

 

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