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前回の砥石館イベント

 

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この前の土曜・日曜は、天然砥石館のイベントとして集大成の様相を呈していました。土曜の内に、亀岡在住の刀匠の下で玉鋼を使用した鍛造・焼き入れ・焼き戻し・整形まで行なった小刀を、翌日曜に砥石館にて研磨を体験して貰うという内容です。

 

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ベルトサンダーで荒く仕上げた状態と、上野館長が内曇りまで仕上げた状態との比較。

 

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ダイヤから荒砥、中砥と進んで行く途中

 

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館長の完成品が此方。完成予想図ですね。刃紋も結構、様になっています。

 

 

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人造の中砥の後は巣板。最後には予て用意の水木原産の内曇りです。

 

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刃紋を表現するのは中々、難しいですね。

 

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少し手順を早めて段階を踏み、仕上がりの加減を様子見です。やはり形状の完成度や傷消しに付いては再度、調整が必要な様です。もう一度、或いは二度程は研ぎ直してからの完成と成るでしょう。

単一鋼材(三枚その他の複合で無い)とは言え、素材は玉鋼で土置きによる本焼きですので、やろうと思えば美術刀剣の登録も取れるレベルの物が出来る体験です。鍛錬場で刀匠が付きっ切りの指導でもあり、刃物好きには堪えられない二日間だった筈です。

参加下さった方々、刀匠の将大様には感謝致します。有難う御座いました。研ぎには予備日が必要と成りそうですが、引き続き奮励を期待し、晴れて完成の日を迎える事を祈っております。

 

 

 

 

 

嬉しい再開と、新しい出会い

 

この連休には、砥石館で嬉しい再開が有りました。砥取家で六年前に出会った方が御家族と御来館、手持ちの包丁の研ぎ上がりと手作りした切り出し(自宅の庭で作ったとか)を見せて頂きました。

何でも、砥石の御気場所に不自由しない自宅の離れ?には、専用の研ぎ場も備えるなど、刃物趣味者には夢の様な恵まれた環境。拝見した見事な研ぎが施された包丁は、一度ならず月山刃物へ出掛けて手に入れた物だとか。趣味への傾倒を病気に例えるのは如何な物かと思いますが、これは重篤・・・予後不良ですね。

 

 

 

もう御一方は数か月前に御来館頂いた、割と私の御近所の方。以前は通常の酒屋を営んでいた店舗で、近頃は料理も出しつつ総菜の持ち帰りや御節の注文も受ける様に成っていらっしゃいます。

数週間前には、その総菜を幾つか購入に立ち寄って蛸と大根の炊いたの等を味わいました。その際に話した事が切っ掛けとなったのか、再度の御来訪。

仕事使いの小さな柳を御持ちになり、もう一つの包丁に比べて刃持ちや強度への不満を解消したいと。今回も研ぎ講習を受けて下さり、結果的には切り刃の整え方と刃先に必要な強度を得る角度分け、現状の形状に合わせた裏押しに付いて説明させて頂きました。

 

 

 

新しい出会いとしましては、美術関係の方がお見えでした。今回に先立って一度来られており、その際には切り落としの若狭砥石その他を御購入だったとか。

上野館長からは再度の御来館に合わせて、私の手持ちの田村山を参考にする為に持参する様、連絡を受けていました。結果的に、砥石館にある三つと私の二つを試し研ぎ。改めて正規のサイズの若狭が欲しいと気持ちが定まったとの事で、砥石の選別を御依頼頂きました。

 

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あと、尚さんに小西さんのレーザー型の加工を御願いした際、頂いた切り落としがいたくお気に召した様子にて御所望で。しかし、貰った物を売るのは(進呈するのも)筋が通らないので普通は御断りして来た流れです。

同僚各位にも教えてやりたいとの御意向を聞き、斯界のメリットにも成るのならとの思いから、御購入の他の砥石と一緒に御持ち返り頂きました。

 

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これの左側ですね。現在の砥面は結構狭いです。

 

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扱い易くて高性能な砥石だったのですが包丁メインの私よりも、小さな刃物も多く扱う方の下の方が、活躍出来るだろうと思います。新たな着任先で、持てる性能を遺憾無く発揮してくれる事を願います。

細かい御要望と共に注文を受けた砥石に付いては、春に成り雪と氷が収まったら舞鶴に出掛けてみないとかな、と考えております。

 

 

 

 

 

天然砥石館に付いて

 

本日は、常連の方御二人の他にも数組の御家族連れ、職人風の男性が数人と、広島の料理人の方が御出ででした。

料理人の方は、大阪への用事の後で興味が有った砥石館へお立ち寄り下さったとの事。道案内を要する御二人を上野館長が送り届けている最中でもあったので、切歯扼腕では無いですが、私が対応させて頂きました。

天然砥石に興味が出たのに加え、先輩から指導され続けて来た研ぎを改めて見直したいと、簡易研ぎ講習も御所望で。打ち物などに使用すると、切れを優先した研ぎでは刃先の永切れを期待出来ないのが問題点だと。

 

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基本的には、調理の現場にて御自身で砥いで来られた経験者ですので大きな問題点など有ろう筈も無く、結構な仕上がりの牛刀を更に向上すべく砥いで貰いました。

人造の中砥三段階の後、巣板から戸前に繋いで、片刃風の洋包丁研ぎの右側に、少し糸引きを入れて強度と抜けを両立する仕上げを提案しました。

結果的に、刃の付け方に因る切れと永切れの両立、其れに天然砥石の掛かりの良さと更に上乗せされる永切れ性能に満足頂けた様子。その証拠と言う訳では無いですが、帰り際には岡花の硬口青砥と東物の白浅葱の砥石を購入されました。

 

 

今回も御役に立てて何よりでしたが、亀岡の天然砥石館は来年度から少々、体制が変更される公算が大きくなって来ました。現状、私も土曜・日曜・祝日は基本的に詰めていますが、それも今年度中までになりそうです。

対応する陣容・展示物・開館日など、変更箇所に付いては先々に広報される筈ですので、御来館をと御考えの皆様におかれましては御気を付けて頂きたいと思います。その為にも関係各位による会議が遅滞なく進み、その結果をHPにリアルタイムで反映される事を望みます。

 

 

 

 

 

玉鋼の小刀(こがたな)製作

 

 

少し前に、砥石館でのイベント準備として平日に亀岡に行って来ました。そのイベントでは、当初の計画であったスウェーデン鋼でなく、玉鋼を使用する事になりました。

場所は、何時も御世話になっている亀岡在住の刀匠の所で、此方は変更無しです。事前にサンプルを作って、当日の作業工程・時間配分割り出しと、告知用の画像に使う算段での作業でした。

 

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積み沸かしとか水減しとかでしたか?難易度の高い操作は事前に済ませた後、既に鍛錬した鋼材(玉鋼)を用意しておいて頂き

 

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形状を整えて

 

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館長との二人分、切り分けて貰いました。因みに、玉の炭素量というか硬度は、芯金と皮金の中間程度との事です。

 

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鞴(ふいご)で送った風で松炭を熱し、玉を温めます。

 

 

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私の画像は自分で撮れませんので、上野さんの作業工程をメインで。

 

 

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温め、鍛造(火造り)、修正して貰う、の繰り返しです。

 

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本焼きでもありますので、焼き刃土を準備して頂き、土置きです。当然、刃先は薄く、地金部分となる峰(棟)側は厚く。

 

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充分に乾燥すれば、焼き入れです。土を除いた部分は、模様も入れられるとの事で、テストしてみました。

 

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熱した鋼の色で判断する必要が有るので、焼き入れ時は暗過ぎて画像は取れていません。

 

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刀匠に粗削りまでして頂いた状態です。

 

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既に最初の鍛錬時による、縦の鍛え肌が出ています。

 

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ベルトサンダー、ダイヤ、人造の荒砥、中砥、巣板と順に掛けて行き、刃先は合砥。其の他は小割りした巣板・八枚・千枚で。

 

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刃紋らしき物も出て来ました。あと、匂いと称される様な物も見えます。

 

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裏は、ほぼ片刃だからでしょうか、少し大人しい柄です。模様を狙って土を除けた部分は、今の所は判別し辛いですね。

 

 

 

今回は、二月辺りに予定されている一泊二日のイベントでの作業内容を模して行いましたが、結構な難易度の工程が有り、参加者にとっては遣り甲斐とも成るのではないでしょうか。

現場でサポートや修正が入る部分で、幾らかは安心でしょうが其の難しい作業を体験する事こそ貴重だと捉えて頂ければと思います。

 

 

 

 

十二月三日の料理イベント

 

天然砥石館で、三日に行われたのは料理のイベントです。ぬのやさんには、手狭で水道設備なども最低限の中、仕込みを終えた料理や食材を持ち込んで腕を振るって頂きました。

 

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野菜から始まって蒲鉾や魚、宮崎牛のローストビーフや真鴨と合鴨のロースト、しんじょの椀や鯖の押し寿司まで出して頂きました。それぞれ違う砥石で砥いだ包丁、三本で切ってみて味比べをした訳ですが。(あ、イシガキ鯛を食べ忘れました)

庖丁は月山さんの特上の黒打ち菜切り。あらかた砥いで貰ったのを受け取って、私が人造の1000番と8000番、そして天然仕上げ砥石で砥ぎ分けました。

月山さんには、当日も参加頂き、先ずは包丁の柄入れと歪みのチェックをして貰いました。

 

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其の後、切って試したのですが、味や香りの差を比べるとやはり人造の低番手と高番手では、後者に軍配が上がりますね。勿論、切る際の難易度も違い、ぬのやさんも荒い刃付けでは難渋する場面が見られました。

そして天然仕上げ砥で砥ぎ上げた包丁は、如何なる場合も人造低番手に後れを取る事は有りませんでした。人造高番手も、低番手とは比べるべくも無い切れと味で、味に関しては天然にも比肩するかと見紛う場面も。ただ、刃の掛かりと永切れに関しては天然のリードが揺るがない様です。

味比べの無記名投票を集めた上野館長が、集計を出してくれるのが楽しみな感じも有り、従来からの自分の感覚を確認するのみの作業という感じでも在ります。

 

 

調理に当たって頂いた御三方や、イベントに参加下さった方々、そして主催側で準備などに当たって頂いた皆さんに感謝致します。有難う御座いました。

 

 

 

 

以前の切り出しに続き

 

平治作の小刀が送られて来ました。柄や地金の選択を含め、全体に風情のある仕上がりですね。兵庫県のH様からの研ぎ依頼は、前回の切り出しに続いて二度目です。

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研ぎ前、刃先拡大画像

 

 

余りご存知無いかも知れませんが、この様に偶には、研ぎの仕事もしています。切っ先の直しと、和鉄地金の表情が良く現れる様にとの御希望です。形状は悪く無いので、人造中砥からです。

 

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白1000と白3000で切っ先の欠けを取り、切り刃を更にベタに近付けつつ整えます。

 

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緑3000で傷を消しながら、砥石との当たりを確認。其れを元に小割りした砥石で面の修正。

 

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巣板や戸前・並砥など、数種の天然砥石で(傷や砥ぎ肌の)様子を見ながら相性を探ります。 刃金は光り気味、地金の明暗は兎も角も積層様の模様がハッキリを目指して。光らせ過ぎは見え難いので注意ですが。

 

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田村山の戸前で切り刃の基本を砥ぎ上げました。部分的な均し研ぎは、千枚その他で。

 

 

 

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研ぎ上がりです。

 

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右側

 

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左側

 

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研ぎ後、刃先拡大画像

 

 

 

砥ぎ上げた時点で、刃元の凹みや切り刃中央の研削痕は完全には消えていませんでした。その他の部分が整ってしまったので、消すには余分に減らさざるを得ないからです。

画像を御送りした所、それで良いとの御返答でしたが少し追い込んでみました。田村山の切り落としで刃金部分を重点的に当てた後、それをダイヤで擦った泥を使って磨く事で幾らか改善したかと思います。

 

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H様、此の度も研ぎの御依頼を頂きまして有難う御座いました。ただ、私は飽くまでも実用研ぎの一環として砥いでいますので、コレクション用や観賞用途での研ぎとしては充分では無い部分も有ると弁えております。

もしも要求を満たしているなら幸いですが、そう云った御要望に接する度、常に心胆寒からしむる プレッシャーの中、作業に臨んでいます。到着後、不備が有りましたら御遠慮なく御申し出くだされば研ぎ直しも致します。

今後も、私で御役に立てる事が有りましたら幸甚に存じます。

 

 

 

 

 

第二回、小刀造り体験

 

前回の体験では、募集に漏れた方が出ましたので急遽、二回目を募集したところ其方も短期間で埋まりました。その第二回目が昨日に行われたのですが、御参加中の女子率が段違いに高かった様です。

勿論、親子連れ(御兄弟の御子息含む)や御息女を伴っての御参加も有りましたが、過半数が女性陣でした。関の刃物祭りでも顕著であった、刀剣女子の影響か?とも思ったり。

 

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一回目に比べ、刃体の厚みを減らしての造形で焼き入れとなった様子にて、焼きの入りも仕上がった断面形状の点からも切れ味は向上し、参加者の満足度も上がったと御見受けしました。

刀匠には、工夫を頂きましたが形状修正や、薄いだけに頻出する曲がりの修正まで手間が増えてしまった筈で、恐縮でした。

他にも、一番の常連の方には御自身も体験に参加されるだけで無く、(何時もですが)対応や作業の裏方仕事もして頂き感謝致します。御蔭で、御参加の皆さんへの対応や研ぎの御手伝いに専念できました。

 

今後も同様の企画が可能かは、上野館長の判断待ちに成ると思われますが、確度の高い線としてはスウェーデン鋼に土置きしての本焼き刃物作りの企画が進められていますので、本格的な刃物を自ら作りたい方は御見逃しなく・・・でしょうか。

 

 

 

 

 

砥石館での講習後

 

天然砥石館では、砥ぎ体験・試し研ぎの他にも「初心者向け研ぎ指導」もあります。それとは別に、特に熱心な方には少し難易度の高い研ぎ指導も別日に私が直接受けています。

昨日はその二回目でしたが、受講頂いたのは一回目と同じ方。包丁の研ぎに拘って、同種でも複数本の包丁を御持参です。次回以降では、更に別種の刃物をと益々積極的でした。

刀匠による小刀製作体験にも御家族で参加下さる程、マニア気質の血筋であると御見受けするK様に、今後も満足頂ける様に努力したいと思います。今回は、二階の工事中で時折り喧しい中、有難う御座いました。

 

 

 

その講習前日の事ですが、土橋さんから電話連絡が。なんでも、NHKの番組の一部で流れる予定の撮影が有るとの事。付いては切るシーンが必要で手を貸して貰えないかと。

丁度平日ですが砥石館で講習が有るので、終わってからなら顔を出せますと返事をしました。しかし砥取家に着いても撮影が押しているのか、大分待ってかのロケ班の到着となりました。

砥取家での撮影開始時は未だ、少し寒い位でしたが遅れ遅れで進んだ撮影の後半に手がかかじかんで、切り難い事夥しい状態に成ったのには閉口しました。

 

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撮影を横目に頼まれたのは又、100均包丁な訳で。新品と研ぎ後の切れ味の対比を出したいと。切れの差を見たいとなると、何故か此の流れに収斂して行きますね。他の案も出すのですが・・。

 

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カメラのアップで研ぎ前後の刃先画像が出ましたが違いに驚いてくれました。本当は、現場でのお急ぎ研ぎなので傷消し等は充分では無かったのですが。

一番困ったのは十数年振りに胡瓜のスライス速切りで、三分の一か半分かと、終了指示が出るのを窺いながらでしたが一本全部切るまで続きました。しかし逆に、余り勢い込んで怪我をしなくて良かったです。

 

切る場面ではアボカド(種ごと)からカボチャ、トマト輪切りや食パン切り分け等も行い、包丁の向き不向きは有れど何とか熟せました。一応、比較対象として自作菜切りも使いましたが、どれが何処まで反映されるか分からないのがTV番組ですからね。

ただ、最近では100均包丁を研ぐ奴とのイメージに成っていないか心配です。それ程、顔や名前が出ていないし、今回も恐らく食材と私の手元しか映っていないので杞憂だとは思いますが。

 

 

 

 

帰宅後、使用した菜切りを研ぎ直す前に料理を一つ、やっつけておきます。残っていた材料的に、豚汁でした。

 

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促成熟成の折浜を水から

 

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反応が速く、火にかける前から1~2分でエキスが滲出(上部左側)

 

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人参とジャガイモを先行

 

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温度が上がった所で玉葱を追加

 

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沸騰した所で豚肉と酒・塩を投入

 

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味噌は、器(供する容器)で混ぜます。白・黄色の味噌をベースに、赤色系統を追加しました(中央左)。混合済みでも混ぜながらでも良いですが、アクセントは白胡椒が安定でしょうか。

 

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使用後は切れの回復と、錆・変色を落とす為に御手入れを

 

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講習や100均包丁研ぎと活躍してくれた砥石も面直し。その途中で菜切りも砥ぎ上げておきました。

因みに、前記時で記載漏れだった以前からの手持ち田村山は上の浅葱。硬さ・細かさ・砥ぎ易さで、一つ前の白巣板と共に砥石館に「講習用砥石群」として独自に準備してあります。

時折り、体験用には飽き足りない重病の方が来られるので、其の時には参考にと出したりしています。中山・大谷山・御廟山なども有るのですが、立派なサイズ・形状で無くても良ければと云う感じですね。

 

 

 

 

味の幅と砥石の幅

 

丁度一週間前でしたか、近所の「居酒屋」へお邪魔して来た訳ですが、其処で興味深い物を見せて頂きました。百倍出しと言うものでしたが、気になって数日後、土居さんに見に行きました。

本当は其方はおまけで、主目的は川汲浜産(買いたて)と折り浜産(買いたて)の、促成熟成比較をするべくの買い足しでした。百倍は未だ、試作品で各料理人がテスト段階であるので、販売はしていないとの事でしたが、若旦那(現当主ですね)に前記の店内での経緯を伝えると特別に分けて頂きました。

砥石館で、館長や居合わせた常連さん・試し研ぎに御来館の方を対象に、促成熟成の昆布と百倍出しの二種類を試して貰ったり、自宅で取り急ぎ簡単な料理に使ってみました。うどんつゆと出汁巻きもどきに使用した所、十倍出汁よりも戻す際の加減の判断が求められるものの、把握してしまえば必要な水の量に最適な元を提供できます。塩や醤油(薄・濃)で整える必要性は同様。

出汁巻きもどきでは、通常出汁の分だけ玉子(固まり易い)が薄まり焼き方が下手だと焦げ(アミノ酸・塩分由来)や凝固不足に繋がりますが、解きほぐした玉子に直接振り入れる事により回避可能です。

 

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手渡された時点で、上記の利便性と保存性は容易に想像できましたので、是非とも販売をと希望しておきました。数年前、前当主の御主人からも、何周年記念か海外への普及時かで、昆布と鰹の配合を数種類ずつテスト用に作ったサンプルだがと、頂いたのを思い出したり。

 

 

そして、先程から記載している促成熟成ですが、以前に番組で見た方法(アレンジですが)を施して、昆布を長時間掛けて熟成した(寝かせた)効果を狙うものです。

端的には、アミノカルボニル反応(糖とタンパク質の結び付き)を図る為にゆっくり時間を置くのでなく、必要な成分を添加し加熱する事により反応を促進する訳です。

具体的には、昆布に酒を塗ってオーブンなどで加熱すると云うものです。純米酒を使い、ダッチオーブンでやるのが御勧めです。

 

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昆布は購入時に余り寝ていないと、半年から一年経過するまで少し青臭い傾向が有ります。望ましいのは一年以上、二年~三年は寝かしたいのですが。それもあって、私が昆布を買う時は1キロ入りの業務用にしています。

半分を消費する頃には最低限の時間が経過しているのを見越してですが待ちきれない場合や、湯・水から出汁を引く時間短縮を狙う場合は促成熟性を施します。ただ、此れをやると出し殻になった昆布には味・香りが殆ど残存しなくなるので再利用は難しいです。

未だ多くの料理で試してはいませんが、自分の好みでは折浜の方が合う場面も多々ありそうです。但し、上品さやクリアな後味では、どう使っても川汲に軍配が上がるでしょう。

 

 

 

 

そして、昨日は天然砥石館の上野館長と舞鶴まで出かけて来ました。若狭で砥石を採掘・加工している天然砥石尚さんの所です。以前から砥石を分けて頂いたり、色々と御話しをさせて頂き御世話になっていましたが、御当地へ伺ったのは今回が初めてです。

亀岡まで自走し、其処からは館長の車で。尚さんにはインターまで迎えに来て頂き、そのまま御自宅脇の作業場まで御案内を。

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上野さんが興味を持った工具では実際に台打ちの工程を実演。

 

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砥石館での体験用に選んだ砥石を、尚さん自ら確認の図。其々の相手に間違いの無い砥石を届けようとする拘りを感じます。

結果的に、砥石館では中級者向けと少し上級者向け、二本の田村山産砥石が置かれる事になりました。因みに、戸前と戸前浅葱だったかと。之までは、出所不明の若狭が一本だけでしたので、かの地の砥石が充実して来ましたね。

 

 

 

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其の後は、小西さんから頼まれていた砥石の選別です。舞鶴に行くと伝えた折りに、それならばと。上画像は、田村山の標準的な感じの中から大きさ・形状・お買い得価格の三点で選びました。

 

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もう一つは、やや贅沢な選び方に。元来、田村山ではレーザー型が少ないので、加工場に移動した序でに態々切って頂きました。もっと大き目の砥石に出来る所、注文に合わせて貰ったので恐縮ですが、作業を目の前で見学出来て有難かったです。

 

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で、切り落とした方も当然の如く良さそうでしたので

 

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貰って来ました。

此の二本は御依頼で選びましたが、もしも御気に召さなくても手持ちに加えたい位ですので気が楽ですね。兄弟分の切り落としも傍に在りますし。

 

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以前の加工時に切り落としたとの奥殿もおまけで。

 

 

 

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最後は、自分の仕事用(楽しみ用?)です。数年前に分けて頂いた戸前と浅葱の予備をと考えていましたが、バラエティに振ってしまいました。

少々、性質の違う二本です。今回の浅葱は弾力が少なめで、砥粒の目が立った研磨力の有るタイプ。

 

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田村山の巣板は一つ欲しいと思っていましたが、やや贅沢な質とサイズですね。御当地の巣板は硬口が多く、カミソリ砥レベルの物も有るそうですが、此れは中庸でソフトな感触。

それでも鋼の仕上がりは細かく光り気味です。弾力のある合砥とは、また異なる砥ぎ易さの砥石で面白さを感じると共に、活躍に期待が持てます。

 

 

 

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試し研ぎですが

 

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切り落としの結果です。

 

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戸前浅葱の結果。

 

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巣板の結果。

 

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巣板の別角度。

 

 

 

因みに、数年前に分けて貰った砥石。

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戸前

 

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戸前浅葱

 

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神戸の削ろう会で頂戴した天上巣板

 

常々、戸前と浅葱の予備・巣板を追加したいけれど、今度は御当地でと考えていました。昨日は積年の希望が叶って直接現場で見聞きし、選別の機会を得ました。普段使うには勿体ないレベルの砥石を融通して頂き、感謝致します。

これで、今まで使い惜しみし過ぎた嫌いがある田村山も、気兼ねなく使って行けそうです。従来、高硬度の粉末冶金鋼や特殊鋼・鉋刃に向けた役割に特化させてきた砥石達ですが、相性探しの範疇にもっと参加して貰う予定です。

 

 

 

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また、帰りには此方も持たせて下さり、有難う御座いました。一昨日に柿が切れたので(変な言い回しですね)丁度良く、久々のあんぽ柿?で嬉しかったです。

ビタミンCも案外入っていたと思いますが、同時にベータカロチンがビタミンA効力を発揮するんだったかと記憶します。緑黄色野菜代わりに、冬近くで野菜が少ない時には重宝する果実の一つですね。

 

 

 

 

近所の名店

 

数年来、知ってはいても中々に行く機会が無かった店が有りました。御主人は、度々砥取家に来られていたそうですが、少し前に天然砥石館にも御身内と共に御来館。丁度直近の、久々に何処か大阪で食事がしたいね、の土橋さんの言葉に乗っかって予約を御願いして貰いました。

当日は土橋さんと上野館長の亀岡チームは電車とタクシーで。上野さんと出掛ける時は運転手をする場合が多かったのですが二人で飲みたいとか。土橋さん的に先方の店への親しさでしょうか。私は自宅からベスパで直行です(15分以内)。

 

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ジャンルとしては居酒屋という括りになっている様です。入り口は小ぢんまりですが落ち着いて上品な佇まい。

 

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料理は和・洋様々ですが、味付けの種類や濃淡が幅広い品揃え。途中、御主人と出汁の昆布に付いてや購入先など少し詳しい会話も出来て幸せでした。館長と考えていた出汁に使われた昆布ですが、川汲浜産でした。最近は京都でも真昆布が・・・だそうで?

天然砥石館が有るのは京都府なので、料理と研ぎ・砥石の関連に言及するならば京料理の味付けを知るのは必須です。しかし、其れがどう云った内容・座標に在るのかは、近い対象・遠い対象との比較によってしか測れません。

その意味で大阪料理は格好の素材の一つであり、御世話になっている方々にも近しい業界であったりなので、少なくとも大阪でも数件は当たってみようと考えていた矢先の事で、幸甚でした。

 

 

 

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帰宅後、解凍していた肉を使うべく調理開始。前日から冷蔵庫に入れていた鍋を火に掛けます。中身は真昆布(以前の残りの折浜産)と浄水器を通した水。

水が気になる時には、ベスパのディーラーでもある常連様から頂いたブリタも併用しますが大丈夫みたいでした。大阪の水は結構、季節によって違いますね。

 

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熱くなれば、大分前に父から貰っていた鰹節大パック(未開封冷蔵)を投入です。

 

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此方も、以前に母から貰っていた(解凍したのは此れ)伊賀肉。脂肪が少ない部位なら湯引きや冷しゃぶでヒロタのポン酢(或いは御気に入り醤油+柑橘果汁)と行きますが、逆なら炒め物や肉じゃがです。

特にスライス肉が顕著ですが、解凍時のドリップが少なく便利なので伊賀肉は気に入っています。味も勿論良いですが。

基本的に、昔から殆どの鍋は勿論すき焼きでも赤身メインが好きです。焼肉でさえ、それに変わり有りません。御蔭で少し安くつきますね。

 

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かなり強く焼き色と香りが出るほど炒めた肉を(醤油と酒で下味を付け)取り出し、野菜を投入。

此の際、前段の油脂や調味料・肉からの汁が飛ばない(肉に吸収されない)内に入れると外周に味と油脂のコーティングが出来て良い様です。

 

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鰹と昆布で引いた出汁の一番(半分)と二番で肉と野菜を煮ます。酒を足して置き、沸いて暫くした所で灰汁を取り、塩と醤油で加減を見ます。

 

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火が通った所で味を見て決定。甘いのが好きなら味醂程度は有りかも。砂糖は家に有りません。味醂使用も年に数回でしょうか。

 

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一番出汁の半分は、残り物のブナシメジと。

 

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使用後の昆布は切り分けて塩・醤油・千鳥酢辺りを加えてレンジへ。味も未だ出し切っていませんし、ミネラルや食物繊維(水溶性・不溶性)も摂れます。

食事から帰宅して直ぐに料理はキツイので、本当は一仕事(下記)してからの話しでした。肉じゃがは翌日の分なので味見程度。ブナシメジは半分食べてしまいましたが、残りは味噌を溶き入れても良さそうな薄味にしておきました。

 

 

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以前に柳を研がせて頂いた、御世話になっている方が木の俎板を御持ちで無いとの事で、使って貰おうと鉋で削り続けていました。

数か月前に美杉村の道の駅で数枚、購入後に自宅へ持ち帰った時点で酷く反ってしまい、数回かけて削っていましたが最低限は使えるかなと思います。先々、傷む度に修正もするでしょうし。

 

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裏は更に難易度が高かったので御容赦願いたいと思います。

 

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使用後、研ぎ直して油で拭いておきました。手持ちの刃物では鉋が唯一、保管時に油を使いますがタイホーコーザイの食品加工用の機械に使える、安心な物です。