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服部刃物のカウリダマスカス包丁の御依頼

 

一つ前の記事にて触れましたが、珍しく関の刃物祭りの一日目に出掛けた為、掘り出し物?に出会えました。

もう何年もの間、北海道のT様からは何とか、カウリ✕のダマスカスの製品が入手できないかと問い合わせを頂いて居ました。其れを受けて私も、服部刃物時代の先輩に「何処かのタイミングで炉を温めて、柄入れと焼き入れをする機会は無いのか」と度々、話題に出して居ました。

そんな期間を経て、偶々でしょうが刃物祭り用に(会社に保管されて居た余剰分?を)仕立て直した物が並んでいるのを発見しました。咄嗟にT様の事が思い浮かんだ私は、売約済みで無い分が有るなら購入するかもと申し入れ、メールにて御伺いの流れに。

並んでいた半分は、既に売約済みでしたが残りの四本分の代金をT様が振り込む事で、私が持ち帰る事が出来ました。後は北海道へ送るだけだと一旦はホッとしていたのですが、メールでの遣り取りで、何時も通りに研ぎを入れてから送って欲しいとの流れに。言われてみれば、そうでしたねと思い出したのでした(笑)。

 

 

全て、桐箱に入った状態で受け取りました。

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筋引き

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牛刀

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ペティ(長い方)

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ペティ(短い方)

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新品かつ刃先まで充分な薄さで仕上げられていますので、研ぎ始めは人造の1000番からです。極小の糸引きが付いていて一般的には切れる刃先最先端でしたが、ほんの僅かに糸引きの幅を広げて(小さ目の小刃くらいでしょうか)大きくは三段階の研ぎ分け。

糸引きの三段階は、上から一つ目:25度、二つ目:30度強、三つ目:40度弱で、此れを刃元の角度として切っ先方向に向かって(三つの角度の其々に減じますが)刃先最先端は中央:マイナス10度、切っ先:マイナス15度強です。

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続いて、同じく3000番です。研ぎ目を細かく、より精度を高くして行きます。

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天然に移行し、対馬です。更に研ぎ目を細かくしつつ、研ぎ分けた段階をなだらかに繋ぎます。(一応、一段目は狭い研ぎ幅・二段目は広目の研ぎ幅・三段階目は最も狭い研ぎ幅です)

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丸尾山の軟口の合いさっぽい物で一旦、ほぼ研ぎ傷を消します。カウリⅩは、最高硬度を意図した熱処理では無くとも(服部の製品は実用硬度の範囲を逸脱しない仕立て)、砥石を割り合いに選ぶ印象でしたので、中硬・硬口に当てる前に研ぎ肌を均して置いた訳です。

もしも微妙に荒れていると、余分な引け傷を誘引しますし、況してや形状が不安定なままでは、更に砥面との乖離によって傷だらけも有り得ます。これは、刃物の形状もですが研ぐ際の角度が不安定でも同様です。

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愛称を探りながらの研ぎと成りますが、丸尾山の八枚。

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若狭の巣板・浅葱。若狭の中の幾つかは、奥殿系の天井巣板と並んで、過去に相性的に良かった物が有った記憶が有りました。幾つか様子を見ながら研いで行きます。

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若狭の浅葱。此方もマズマズの仕上がりとしては問題が無いのですが。

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大突の浅葱。明らかな仕上がりの違いは見られず。

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中山の水浅葱。嘗ては余り相性が良かった訳では無いとの印象乍ら、今回は充分な仕上がりを見せてくれました。今回のカウリの特性(焼き入れ・焼き戻しの加減)か、砥石の砥面の変化(殆ど無さそう)か、私の技術的な進歩(笑)かは不明です。

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研ぎ上がりの刃先、拡大画像です。筋引きに限ってですが、刃先の際に直線状の筋が見えました。まるで罫書き線の様でも有りますが、鋼材の製造段階に由来する物かは不明です。取り敢えず、使用に問題は無さそうでしたので、御使用を通じてチェックして頂き、何らかの問題が有れば対応したいと考えて居ます。

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此れ迄、御要望の強かったシリーズの一角を、偶然ながら御届けする機会に恵まれ、望外の幸せと成った刃物祭りでした。T様には、いつも御依頼と共に御気遣いも頂きまして、感謝して居ります。

今後も、発注を頂いて居る包丁類を確実に御届け出来る様、努めて参りたいと考えて居ますし、研ぎの御依頼に於いては御満足を頂ける様、微力を尽くす所存です。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

関の刃物祭りにて

 

服部刃物時代の先輩と、日野浦さんに会う為に関まで出掛けて来ました。先輩には、知人と名古屋のM様からの依頼品、そして私から発注した包丁を作って貰って居たので、其れ等を受け取る為に。日野浦さんとは、以前の電話で話が有るとの事で。

 

今回も、前回と同様?先ずは昼に到着して早速、アピセ関で服部のブースに詰めていた先輩と落ち合って食事に向かいました。鰻屋は幾つか有る様ですが、その昔、商店街の中程を曲がった場所に位置していた頃から通い慣れた孫六が、今でも定番の店です。

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その後は店を出た交差点の対角に在る、「せきてらす」に移動し、展示されている品々を見たり、関牛乳使用のコーヒー牛乳を飲んだりしていました。

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勿論、アピセ関に数多くある、カスタムナイフや刃物メーカーのブース群も見て回りましたが、今回は珍しく(土・日の両日開催の)土曜に出掛けていましたので掘り出し物にも出会えました。

カウリXのダマスカス包丁が並んでおり、半分は売約済みと成って居ました。何でも、VIPカードを付けた外国の方が先行して回って居たそうで。近年は?滅多に出て来ない希少品を見た瞬間、北海道のT様が浮かんだので早速、画像を添付したメールで御知らせした所、是非にと。持ち帰り、私の方で刃先の研ぎを施してから御送りする手筈と成りました。

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あと、今年からなんでしょうか、服部の中堅・若手の職人の方々の個人製作のナイフ類も並んでいました。

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当然ですが、其処には先輩の作品も。

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本来であれば例年通り、最後に本町の通りに並ぶ出店を見て回る所なのですが、日野浦さんから到着したとの連絡が有り、合流する為に移動。しかし結局は、アピセ関の友人・知人と挨拶するのに回る日野浦さんに付いて、三度目の周回に。

関での定宿であるホテルにチェックインし、部屋で話そうとの意向を受けて御聞きした内容は、(直近で私が気に掛けていた事では無く幸い?)村上への心配で。地元から勉学・語学に優れる方が欧州で研ぎを主体に活躍しているが、御前は大丈夫かと(笑)。

もう、長年に亘り助言や懸念を頂いて居ますが、改めて気にして頂いた事に感謝しましたが、やはり自分の方向性を変えるのは本人的にも環境的にも難しい事を説明しました。日野浦さんも、大阪で過ごした時期が有るだけに、肯ずる部分も有る様で。

 

 

其れとは別に、先輩に見せる為に持参の包丁も見て貰いました。下掲の画像に移って居る、16cm×3.5mm骨スキ改ブラックマイカルタハンドルです。

日野浦さんからは、少し前に料理人の方から相談されて居た作業に適した形状かも、との評価を頂き、実用性の高さが伝わったのかなと。

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当然ですが、司作の此方も、画像ですが見て貰いました。水牛の両口輪・エンジュの木製ハンドルですが、自宅での使用に於いては食洗器使用・消毒に付いて、殊更に要求される事も無いので愛用していますと伝えました。鍛造は当然として、その後に続く、空冷放置・油焼き入れを超えた常識外れの焼き入れには、性能面から意見の一致は変わらずです。

更に、切って並べられた断面を見たら、食べたくなる人も居そうだなと(笑)。

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はま寿司でしたか、回転ずしだと思って一緒に入った寿司店では、注文の品がレーンに流れて来るだけに成って居て驚きました。スシローは嘗て、何度か利用しましたが最近では、出掛ける機会が無かったので(全部では無いかも知れませんが)世の中の移り変わりを感じました。

別に、奢って貰ったからでは無いですが?久し振りにじっくりと話せた上に、先輩からの納品+服部の掘り出し物を無事に積み込んで、雨中の帰路ながら心穏やかに運転出来ました。

 

 

 

先輩から受け取った四本です。依頼品は八寸牛刀と九寸筋引きで、刃幅や厚さなど、御要望に合わせて背作されて居ます。何れもVG10でスペック通りの熱処理+サブゼロ済です。

柄は、シャム柿+黒スペーサー+ニッケルシルバー×ステンレスかしめ、黒檀+白スペーサー+ニッケルシルバー×ステンレスかしめと成って居ます。

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私の依頼した二本です。7.5寸の切り付け風と、八寸の柳風でハンドルは其々、ブラックマイカルタ+赤スペーサー+ステンレスかしめ、黒檀+ニッケルシルバー×ステンレスかしめ+ニッケルシルバー鍔付きです。

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切り付け風は此れ迄、自分の使い道に適する部分が少なそうで手を出さずに来たのですが、各種ホルモンを一定以上の幅に渡り、細かいピッチで均一且つ深過ぎない切り込みを入れるのに向いて居そうだと判断しました。当然ですが、その他の素材の切り分けや剝き物にも対応してくれるでしょう。

因みに、裏は鏡面の指定でしたが、切り刃と平の部分は追々に自分で磨いて行けば良いかなと、バフ仕上げと成って居ます。

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取り敢えず、刃先の調整だけはと対馬から当ててみます。

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刃先最先端が実用に足る粘りと細かさで仕上がって居る感触でしたので其の儘、仕上げに移りました。

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念の為に水浅葱でも試すと、問題無い様子。其の儘で暫く使って見る事にしました。

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切れと永切れに不満は出ませんでしたが、切り刃と平は(鏡面では無い割りに表面処理が細かかったらしく)水捌けはマズマズながら、脂肪の拭き取りに難が有ると感じました(贅沢)。

其処で、此れ迄の骨スキ改と同様、初っ端からですが磨いてしまおうと決意。流石に下掲の如く、裏に匹敵するミラーフィニッシュとは行きませんが。

とは言え、敢えてバフ目を残したサテンフィニッシュ的な準ミラーは、かなり好みだったりします。(スポンジ研磨シート含め)余り頻繁に磨くと、どんどんミラーに成って行くので難しい所では有りますね。高番手のダイヤモンドペーストのみを使用していれば、現状維持は可能な様です。

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表の切り刃・平を不足が無い程度に磨き上げました。此れで、手伝い先では殆どの作業に対応が可能であろう、頼れる二本が揃いました。まあ、念の為にオークションで落とした24cm牛刀を仕立て直した物も置いて有るのですが。

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此方は、紫檀ハンドルの二本。刃渡りは2cm程の違い乍ら、厚みは二倍で刃付けも異なるので、使い分けがハッキリしています。自宅での主力メンバーの一角を占めるペアと成って居ます。

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磨きの段階を上げて行きながら、試し切りを兼ねて各種食材を用いて料理をしてみると、裏梳きの無い(洋式に近い)片刃の包丁程、裏を磨いて置く効果を実感します。

アキレス腱をボイルして、尚且つ水分が減少気味、等の条件では別ですが(寧ろ此の場合は擦過傷レベルの研磨痕が、張り付き防止に成る場合も)、充分に水分の有る野菜など(玉葱のヘタを落とす・壬生菜の漬物を束ごと切り分ける等)に対しては、抵抗を減らしてくれるなと。

汚れや油脂の拭き取り・荒い終わりの水捌け・錆予防は念頭に在りましたが、側面抵抗の減少は、特に裏梳きの無い刃体形状には有用な発見でした。

刃体形状が完全な和式(裏漉き有り)では無いモデル故、つまり幾分かは洋式寄りなので、洋柄を付けるにも心理的抵抗が無いのも良いです(妙な拘り)。どうしても、和式の刃物には和式の柄を付けねばと言う意識が強いもので(笑)。

しかし、裏が殆ど完全なフラットで、右側面には平と明確な切り刃を備えたタイプは、当初の予想を超えて使い勝手が良くて驚いて居ます。当然、完全に左右均等な両刃の洋式・和式とは異なりますし、左右に差を付けた片刃寄りとも違う、裏漉き有りの和式に準じた使い方が可能です。

当初は、何処まで行っても和式には成り切れない、中途半端な部分が付き纏うイメージでしたが、此れは此れで良い特性を生かせば活躍してくれるなと。只どうしても、両面をベタ研ぎに近い仕様にするほど、汎用性が狭まるので工夫は必要ですが。最終的には、厚みの有るタイプでも研ぎ方と切り方で、余り野菜が割れない方向へ寄せられる気付きも有り、勉強に成りました。その際にも、表面の磨きが予想以上に効果的であった事も含めて。

 

 

 

 

 

大阪市内の飲食店の方から御依頼

 

大阪市で、肉関係の店舗のS様から、筋引きを送って頂きました。御要望としては、形状の修正がメインとの事でしたので、刃線を整える事と並行して、刃体の厚みのチェックも行なう事に。

何故なら今回、刃線の修正の為には、相当に刃先の厚みが増すのが予想されるので、どうせなら(要望に含まれて居なくても)軽く厚みの調整も行なっておこうかと。

ただ届いた状態では、ハンドルのサイズと重量感に対して、刃体の(長さは兎も角)先寄りの刃幅が少ない印象でしたので、使用期間が数か月にしては減りが速い気がしました。御本人が新品時から研ぎ進めたのだとしたら、かなり熱心に手入れをされ、試行錯誤もされたのだろう事が伺えます。

 

 

 

研ぎ前の状態です。片刃(裏梳きは無し)の洋包丁として、切り刃的な研ぎが施されて居ます。刃線間際の薄さは、可成りな物ですので、切れに拘って研がれて居るのが拝察されます。

刃線の繫がりに関しては、御気にされて居る通り、緩いWの状態に近い形状に凹凸が見られます。

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刃体の幅の半分程度まで、切り刃状に研がれて居ますが、もしも此れが完全に平面に近い角度で為されている場合、そして刃先角度まで一定角で仕上げられて居れば、刃先の強度・耐摩耗性は最低限に成りそうです。

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裏(左側面)に付いては、ベタ研ぎ+角度を付けて研がれて居たそうですが、其処まで刃先に別角度が施された感は薄かったです。

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研ぎ始めは、ダイヤからです。刃線上の凸部を意識的に減らしながら凹部迄、揃えて行きます。右側面からのみ研ぎ進めると、左側に厚くて長い返りが延々と繋がって出て来るので、時々は角度を変えて返りを落としたり、左側面から砥石を当てたりします。

加えて、切っ先カーブ手前の側面の厚みが少々、気に成りましたので(右側面の傷消しをしつつ)切っ先へ向けて軽くテーパー化しておきます。

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刃線際の厚みが増した部分を、小型のベルトサンダーで軽く撫でてから(執拗に追い込むと焼きが戻ったり、厚みの減り過ぎ・不均等が出て後々に問題に)、人造の荒砥で切り刃的に研いで行きます。左側は、返りを落とす程度に留めます。

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320番で切り刃を正確に研ぎ進め、切っ先へ向けて僅かに鋭角化させます。

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1000番で、より精度の高い切り刃とし、研磨痕を細かく。

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3000番で、切り刃の開始地点を僅かになだらかに。刃先最先端は僅かに鈍角化。中間部分は、ほぼ平面に近いですが鋭角化。そして、此処で裏(左側面)もベタで軽く砥面にベタで当てて確認しつつ、形状を調整します。

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天然に移行し、対馬を経て奥殿系統(天井巣板)で仕上げてみます。下りも早く、切れと外観も悪く無かったのですが、鋼材的に更に細かい砥石で仕上げる方が、より性能を引き出せそうでしたので。

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中山の硬口の巣板で仕上げ研ぎです。

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念の為、水浅葱で最終仕上げとしましたが、予想通りに付いて来てくれたので良かったです(笑)。

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研ぎ上がりです。初期状態よりも、切り刃幅は狭く成って居ますが、幅の中で切っ先方向へのテーパー化と、刃先から刃先最先端へ向けての鈍角化により、抵抗の低減と刃先強度の向上を企図しての形状です。

刃線の修正の前後も関わるものの、研ぎの前後で試し切り(紙の束やナイロン)を行なっての結果も確認済みです。

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とは言え、切り刃であった部分の全域(銘の手前まで)で、傷消し序でに厚みも少し減らしてある為、見た目ほどには大幅に変わって居ません。

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刃先拡大画像です。

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裏(左側面)は殆どベタ研ぎですので、御自身で刃先最先端に糸引きが必要との御判断に成れば、相応しい仕様に変更を御願いします。

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S様には此の度、研ぎの御依頼を頂きまして有り難う御座いました。もしも御使用で問題など有りましたら、刃先に調整等の対応も可能ですので、御知らせ下さい。維持管理に関するご質問なども、メールやコメント欄まで御寄せ頂ければと思いますので、宜しく御願い致します。

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

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大阪府下(南寄り)から研ぎの御依頼

 

大阪の南の方から、研ぎの御依頼を頂きました。文面ではペティナイフとの事でしたが届いてみれば、何方かと言うとハンティングナイフ寄りのアウトドアナイフ、但し調理にも適正が有るタイプとの印象でした。

研ぎ前の状態です。カスタムナイフ、乃至は手作りの部分が多目の丁寧な作りと拝察します。

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遠目にはフラットグラインドに見える方も有るかも知れませんが、関で御世話に成った事も有る、尾上さんの言葉を借りるならば「研ぎ切り仕上げ」となるでしょうか。切れ優先のハマグリと酷似しているとも言えますが、届いた段階の刃先は赤味肉を捌く位は出来そうながら、新聞の束に切り込むのは難しい状態。

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研ぎ始めは320番からですが、刃先が相当な薄さを保っていた(新品でしょうか)為、ほんの少しの研磨で済ませたい所。折角の刃先の薄さをスポイルしたく無いですから。そこで極小の小刃を、先ずは25度で付けてから35度くらいで二段階に付けます。

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次に1000番と3000番で研ぎ目を細かくしつつ、研ぎ分けた角度を繋げます。ベースの25度の面から峰側に急激に繋げ、25度と35度の間は緩斜面に。

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天然に移行し、対馬で研ぎ目を細かく。刃先角度は切っ先方向へ向かって、5度内外の範囲で鋭角化。

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仕上げ砥石で相性を探りつつ・・・と思ったのですが、予想以上に難航しました(笑)。鋼材と熱処理の加減で、カリカリ(粘り不足)・ネバネバ(硬度不足・焼き戻し過多)の傾向が有ったりしますが、其れに加えて組織の密粗・均一さの違いで下りの良さ・引け傷の入り易さにも影響します。

今回のナイフも大いに砥石を選ぶタイプだった様で、梅ケ畑の赤ピン系統・中山の各種・奥殿の天井巣板系統など、総力戦に近い様相を呈する事に。

下画像は、奥殿系の戸前っぽい(やや硬口)のと梅ケ畑の赤ピン(硬口)でしたが、上手く仕上がらず。(中硬の赤ピンでは辛うじて普通程度の仕上がりに)

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中山の巣板層の合いさ寄り・戸前寄りの硬口も御気に召さない様子。

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中山の巣板層、天井っぽい中硬~やや硬口では、僅かにマシかなレベル。この後、幾つかの水浅葱でも試したのですが同様で。

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奥殿系の天井巣板、紫とカラス(其々中硬)では、やや改善。

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奥殿系、超硬口の天井巣板では、ほぼ問題が無い仕上がりに。

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もう一段階上の性能を引き出す為、同じく奥殿系の天井巣板、超硬口の無地で最終仕上げです。

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研ぎ上がりです。刃先の小さ目の小刃(切っ先へ向かって鋭角化+刃先方向へ漸次鈍角化)と、刃体側面のハマグリ+直線部分の少ない刃線により、紙の束にも充分に切り込める、本来あるべき状態です。

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此の度は、M様には研ぎの御依頼を頂き頂きまして、有り難う御座いました。御使いの上、何か問題など有りましたら御知らせ下さい。刃先角度の調整その他、再調整も可能です。

今後も、私で御役に立てる場合は、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

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最近の事

 

少し前から、手伝い先の若手の方から天然砥石の御要望も頂く事が続いて居ました。基本的には、小さ目・薄目の中山を御手頃価格で探して来て(田中砥石で採掘中の物)の御提案と成って居たのですが、中砥石にも興味が出たとかで、又それの為に京都まで往復する事に成ったり(笑)。

当然乍ら或る程度は、数を持ち帰らないと採算が合わないのですが、私が貧乏なのと選別基準が少々、厳しいのとの二重苦で精々、数個ずつが限度なのが厄介です。本当は自分用にも欲しい気持ちを抑えつつ、手頃なサイズ(幅は狭めでも充分な長さ)の天草(若干硬目・細か目)と資料用の中山コッパを買い求めて帰阪しました。

其の後、先方にとっての天然砥石一つ目であった中山に続き、天草は普通に御渡し出来たのですが、更に中山と天草の間を埋めるに相応しい砥石の追加も打診されました。おや、とうとう砥石沼に片足を突っ込んでしまうのかなと心配しつつも、御用命は有り難く。実は数か月前、有り金はたいて(当社比なので一般的には些少です)田中砥石で揃えた砥石群が、送ったまま返送された経緯が有りまして。期せずして、其れが活きて来る運びに成りました。

序でに、他の御一人からも同様のセットの御希望が有りました(借りて見て気に入った様子)ので、私が過去に入手の手持ちの中からも候補を挙げて、選んで貰おうかと。とは言え、流石に販売用の天草は無いので、再度の仕入れの為に遠からず京都まで出掛けるつもりです。勿論、今回は自分用にも購入する決意と共に。

 

取り敢えず御一人目に、天草から中山に研ぎ進める際に踏むべき、幾つかのステップとして提案したのが対馬(四分一)と相岩谷(レーザー型)でした。飽くまでも、ヘビーユーザー向けでは無く、天然砥石の御試し用~実用的には問題が無いレベルでサイズ・価格の面から妥当と思われるラインナップとしました。

 

御渡しした分の相岩谷の画像は無いのですが、対馬としては次の画像と同等品です。

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相岩谷は現在、私が最初期に買い求めた近所の道具店由来の三つ以外にも幾つか有り、其の内の一つを販売しました。系統としては中硬の緑色タイプで、下画像の大き目レーザー型のサイズ違いでした。

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下画像は、通常サイズレーザーですが左は難が無く、右は厚みが二倍ほどの物であり、対して販売用に選んだ緑色は普通サイズ・裏が一部欠け・側面に層の境界が有って割安に出来ました。

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側面を見ると、朱色の梨地とも言える模様が見えます。

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因みに、下掲の三つが天然砥石を集め始めた最初期の物です。左は超硬口に近い硬さと細かさで、嘗ては中山のマルカと強弁されて流通したとの噂?も強ち、有り得ないとも言えないレベルの高さです。

中央の浅葱色の砥石は、硬口で一部に当たる(鋼への影響は軽微)筋も有りますが、特に切り出し等の平面刃物への適正が高いです。

右側は中硬~やや硬口で、砥面が所期と比べて別物の質に成って居ますが、其れでも汎用性の高さは健在です。昔は、鎌型薄刃の切り刃を前面に当て、一気に刃金・地金を仕上げられる便利さに感動した物です。

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地金が敏感で、切り刃が広い切り出し(仕上げ難い)で試し研ぎです。上掲三つの内の右側の砥石は、泥が出過ぎない割りに滑走も適度に有り、研磨力に優れる(しかし平面の崩れは控え目)砥石です。

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左の砥石は、基本的に刃金は鏡面に近付きます。何年も前に有識者(清人さん)に鑑定を頼んだ際、欲しくなる位の石だと言われたり。地金に対しては少し気を遣う面も有りますが優等生で安定して居ます。

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真ん中の砥石は、泥が少なく鏡面系の石なのですが、筋が多いのが難点です。とは言え、当たる加減は様々で鋼材や形状で異なります。影響が少ない鋼材・形状の刃物を、問題個所を避けて研げばよい仕上がりも狙えます。ただ、今回の切り出しは難易度が高めですので地金に斑が出ています。

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中硬~やや硬口の、しかもヒビだらけでも、鏡面系かつ斑も出難い反則みたいな砥石も有りますね。

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もう少し、刃も地も明るくしたいならば、より硬く細かい砥石が必要に成りますが、泥は少なく滑走も減りがちなので、せめて弾力が多少は有るタイプが有り難いです。逆にカチカチ・シャリシャリは、綺麗な仕上がりには鬼門な事が多いです。

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あと、研ぎ依頼を頂いた方から、磨きはどうしているのかと御質問が有りました。私が御返送した分は、鏡面の御要望が無かった為に(通常、御受けするのは鏡面と言うより程々の傷消し止まりですが)、1500番か2000番位での磨きでした。

普通にホームセンターで手に入る、耐水ペーパーですが案外、メーカーと言うか研磨剤の種類により鋼材と熱処理のバランス毎に相性も有りますので、厳密には御持ちの刃物とテストする必要が有ります。

ただ、使用時には工夫した当て木(木材・硬質ゴム・フェルト)の併用が望ましいでしょう。参考までに下画像は、電動工具用のビットの棚から見繕った物で、左下は円盤を四分割して居ます。

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其の後、もっと傷を浅くしたいなら、下掲の二種類の選択肢が有ると考えて居ます。模型用と思しきベースが布の物と、スポンジベースの物です。

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どうしても手作業で限界に近付きたい場合は、最後にダイヤモンドペーストを使う事に成るでしょうか。

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細か目のバフ仕上げ(研磨剤の付き布羽布)等のヘアライン的な仕上がりの側面に対し、完全な傷消しでは無く中位のミラーフィニッシュ(途中経過)ですが、上記内容を実践して到達した現状も結構、気に入って居ます。

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最後に、数か月前に送って貰った司作の銀三筋引きを実際に使って見ました。フランスの有名料理人の弟子用とかの経緯で作った残りですが、確か鍛造と水焼き入れの仕様で作られた逸品。自分用に選んだのは七寸で、柄はエンジュに水牛の両口輪です。

平と切り刃を持つ、両刃の形状ですが適切な熱処理+サブゼロ+加工時のオーバーヒート無しの加工を経たVG10に、優るとも劣らない性能でした。刃体の厚みと刃幅、切り刃のベース角から予想される切れ加減を上回った結果に加え、掛かりの良さでは凌駕するかもと思わせる使い心地で、また大人買いして来たココロ(牛心臓)を快適に捌けました。

エンジュの柄は初めてでしたが、軽い割に確りしており、水分等でも滑らず良かったです。朴とは違う木目と色調で、其の面でも興味深いですね。

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多過ぎる部分の脂肪を除き、薄い膜も剥がして切り分けた状態です。刺身包丁(柳など)に近い作業性でしたので、極限の薄さでも目指さない限りは、筋引き・膜剥がし・切り分け・薄切りを不満無く熟してくれるでしょう。

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日野浦さんとは、例年通り?十月の初旬に関で御会い出来る予定ですが、前回の電話口では珍しく、食事でもしながら話そうとの事でしたので、内容は分からない乍ら(久々に会える事を楽しみつつも)聞き手の役割を果たしたいと思って居ます。

 

 

 

 

 

神奈川県からの研ぎの御依頼

 

神奈川県から、ヴォストフのスライサーを御送り頂きました。ローストビーフやスモークサーモン等に御使用だそうで、硬い物には使わない為に切れ優先でとの事でした。加えて、中央から切っ先までの間で刃線が乱れて居るのを修正して欲しいと。

現物を拝見すると、かなり鋭い刃先ですが確かに刃線はS字状に見える部分が有ります。そして、必ずしも研ぎ斑(ムラ)に因る物だけで無く、刃体の側面の凹凸・切っ先方向へのテーパーの不足が確認出来ました。

 

 

研ぎ前の状態。中砥石ではマズマズの仕上がりに成れど、仕上げ砥石では乱れが目に付くとの事ですが、遠目には分かり難い人も有りそうです。

研ぎ跡の付いている側面が必ずしも薄く成っている訳では無いので、元来の製造段階で結構、凹凸も存在していたのではと。勿論、抜け・走りに関して最も避けたい「切っ先カーブの辺りに残存している厚み」も合わせて調整したい所です。

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刃先最先端は充分な薄さですが、刃先の先端部の側面が平面で摩擦が大きい為、(押し引き共に)側面抵抗を受け易い状態です。単に厚みを抜く・薄い刃先の組み合わせでは、前述のデメリットが付いて回ると認識しています。

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下画像は、刃先を上側にした左側面です。偶々ですが、光が当たって居る二か所が刃線の凹んでいる部分です。

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先ずはダイヤ砥石にて、刃線の修正(或る程度は直線的に刃先を削り落とす)です。左右の側面共に削りますが、右側に厚みが多い様子。当然ですが、削った分だけ刃先の厚みが増しますので、次の工程で厚み抜きが必要に成ります。

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粗い番手の耐水ペーパーを用いて、刃体自体の側面の凹凸(狭小範囲)・厚みの残存(一定の範囲)を優先的に減らして行き、更に切っ先方向へテーパー化もしつつ、増えた刃先周辺の厚みも(前述の加工に則った方向で)減らします。

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人造の320番で、小刃(其処まで明確では無い)の研ぎ直し。

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1000番と3000番で、精度を上げつつ研ぎ目を細かく。

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小刃(仮)を付けるだけでも、僅かとは言え再び厚みが増すので、ペーパーで軽く削り直しです。

此の段階まで来ると、洋包丁の側面の仕上げとは言え、和包丁の切り刃の調整に匹敵する作業内容に成って来ますね。まあ、砥石(就中、硬口の砥石での面修正は格段の精度に成りますので一概に同列には論じられませんが)で正確に研ぎ上げた物は一線を画しますが。

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一つ前の段階で、既に刃先周辺の厚みは(普段の私の標準より)薄目かつ刃先は鋭角目ですので、天然の仕上げ砥石に直接乗せても充分な刃が付きます。其れだけ、最後は目の細かい耐水ペーパーで刃先最先端ギリギリまで、厚み抜きをして有ります。

因みに、画像は梅ケ畑の中硬の赤ピン各種です。通常ならば、此れで充分とされる事も多いですが。

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もう少し、硬目・細か目の赤ピンで小刃の精度を上げます。

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奥殿の紫入り、黄色の巣板(硬口~超硬口)で最終仕上げです。

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所が、研ぎ後の画像・刃先拡大画像なども撮影後、刃先の仕上がりの(重箱の隅レベル)気に成る箇所が目に入ったり、柔らか目ながら組織の細かい製品の可能性を探りたくなり、最後に水浅葱で一撫でしました。偶に蛇足(自己満足?)と思わない事も無いのですが(笑)、今回は明らかに奏功したと感じました。

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研ぎ上がりです。

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刃部のアップ

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刃先拡大画像

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此の度は、N様には研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。現場での御使用に於いて、此のスライサーが問題無く働いてくれる事を願って居ります。

今後も、私で御役に立てる場合は、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

御近所の方からの御依頼

 

一週間ほど前に、御近所のK様から三本の包丁を送って頂きました。何れもステンレスですが、一本は少し珍しい波刃のパン切り包丁で。珍しいと言うのは通常、波刃であれば凹部が多いのが常道ですが幾分か、凸部が占める割合が多いなと。

他の二本は、片刃と両刃の違いは有れど形状的には和式(平+切り刃の構造)でしたが、①余り研ぎ減っておらず刃先周辺の厚みが邪魔に成らない➁刃先の損耗も軽いので研ぎ減らす部分が少なくて済む(此れも刃先の厚さ増大に繋がり難い)との判断により、切り刃自体の研ぎは行わず刃先主体の研ぎのみとしました。

 

 

先ずは出刃ですが此方は、切り刃の捻りは控え目、尚且つ刃体の厚みのテーパーも大幅とは感じない物の、外観的には整っている印象です。ただ、裏梳きと言う程には凹面に成って居らず、現状でも裏からの小刃で仕立ててある為、其れを踏襲する方向で研ぎ進めます。因みに、刃先の損耗は三徳よりも軽微です。

新聞の束を用いての試し切りでは、切っ先へ向かっての厚み・刃先角度の減少が何れも控え目の為、小刃の最先端が少し切り込める程度。従って、小刃の研ぎ直しに際して(最先端の充分な切れ・必要な強度を両立させた上で)限られた幅の中でも、切っ先方向へのテーパーをも盛り込む必要が有ります。

僅かとは言え、切っ先へ向かって鋭角化して行けば、小刃の幅が徐々に広がりつつ切っ先へ到達する筈ですが、其処まで広がって見えないのは切っ先カーブから先の刃体の厚みが減少している為でしょう。

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研ぎ始めは、人造の320番です。ほんの少しの刃先の荒れを削り落とし、裏は返りを落とす程度に砥石に当てます。

私の経験上、裏梳きの無い裏(ほぼ平面)の刃先には、二段階の角度で小刃的な仕立てにすると抜けが改善し易いです。一例として、20度+25度あるいは25度+30度の二段階が汎用性に優れる様です。ただ、荒砥石に分類される段階では未だ一段階で軽めに。

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1000番と3000番で、研ぎ目を細かくしつつ小刃内の角度の研ぎ分けと、裏の精度を高めつつ二段階化。表の小刃は、最終刃先角度が刃元:60~70度、中央:50度、切っ先:30度強ですが、ベース角度は其々からマイナス30度・20度・10度です。

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天然に移行し、対馬砥石で。上記内容を踏襲して、より研ぎ目を細かくします。

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中硬・やや硬口の中山の巣板層・合いさっぽいカラス混じりで仕上げ研ぎ。

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更に、相性的に良さそうと感じた水浅葱で最終仕上げです。

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研ぎ上がりです。此の研ぎも、外観では研ぎ前との違いを判別するのは困難でしょうね(笑)。しかし、試し切りでは刃先の切れ・走り・抜けの何れもで改善が見られました。

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カメラ(モバイル顕微鏡)の走査線?と思って居た人も居た様ですが、小刃の中に見える平行線(此の場合は等高線と言うべきか)は、角度の研ぎ分けの結果です。しかも、刃線に平行に研いでの物では無く、更に峰側へのストロークでは無く刃先へ向かってのストロークです。

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二本目、和式の両刃の三徳です。此方は、上掲の出刃よりも刃先の損耗が幾分、進んでいましたが何よりの違いは切っ先の欠けでしょうか。まあ、其れを含めても新品時から大きく摩耗していると迄は言えない位では有ります。ですので切り刃を研ぐ必要に迫られるのは、刃先の厚みが邪魔に成ってからと言う事に成りますね。

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取り敢えず、掛けた切っ先をダイヤ砥石で削り直します。

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其の後、320番で刃先の欠け等(若干の錆も)を削り落とし、刃線を整えます。

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1000番と3000番で研ぎ目を細かくしつつ、刃元40度・中央35度・切っ先30度(何れも片側ですので両側を合わせた角度が刃先角度)に。因みに、小刃のベースは其々、マイナス10度くらいに成って居ます。

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天然に移行して対馬砥石。研ぎ目を細かくしつつ、小刃の角度の研ぎ分けの繋がりを均します。

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中硬の相岩で仕上げ研ぎ。

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そう一段階の切れの上乗せを狙って、超硬口の中山の戸前系で。

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研ぎ上がりです。

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小刃の中で峰側半分は緩い角度変化、刃先側は最先端へ近付く程に急激な角度変化である事が見て取れます。(平行線の間隔が狭まる)

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最後のパン切りは、未だ最適な仕様・研ぎ方を確立出来ているとは言えない為、研ぎ代金は今の所、大抵の場合で頂戴して居ません。

特に今回は、波刃の凸部のみ少し切れが落ちている様子ですが、凹部は殆ど変わらないのでは?との印象で。止むを得ず、耐水ペーパーを適切な形状の物に当てて、刃先最先端(特に凸部)の切れが向上する程度には仕上げて置きました。

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此れこそ、全く判別不可能とは思いますが、切れのテストでは改善が見られましたので、試して頂ければと。何せ、自分では如何なる硬いパンでも(逆に柔らかいパンでも)牛刀で済ませていますので、パン切り包丁の研究が中々に進みませんで(笑)。

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此の度はK様には、研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。出刃と三徳に関しましては、初期状態よりは使い勝手が向上していると思いますが、御使用上で不都合などが有りましたら御知らせ下さい。また今後も私で御役に立てる場合は、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

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ランボーナイフ2種

 

以前に一度、ランボー3のモデルを商品化したナイフを研がせて頂いた御近所さんから再度、研ぎの御依頼を頂きました。

前回は電話にて、当日持ち込みの当日返却を御希望で。普段は中々、電話に出るタイミングも難しかったり、研ぎ上げる時間的な兼ね合いも有って、御断りせざるを得ない内容だったのですが偶々、昼から夕方までの猶予も有り、御受けしました。

商品の性格上、デザイン優先だからと言うだけでは無いと思われますが、ナイフの一般的な刃付けの中でも大らかな初期状態であったと記憶しています。1~2日後に、キャンプ若しくはアウトドア御飯の予定だとの御都合も加味し、強度と切れの両立を図った仕上がりを目指して研いだのですが、結果としては御不満も無かったとの事。

 

其れが下掲の画像で、少しの使用による切れの低下を回復する程度の研ぎをと。

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全長46cm、刃渡り30cmの中の一部には、確かに少々の損耗が見られました。

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もう一つは今回が初めてとなる、購入し立てのランボー2のモデルです。

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上掲のランボー3の初期状態よりは、整っては居るものの、荒く削ったり叩き付けたりするには困らないか?レベルの刃付けです。

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或る意味では、安定した小刃の付け方では有るのですが・・・刃先最先端の部分的な潰れが目立ち、そもそもの刃先の鋭さが不足している状態。(例え如何に鈍角であっても必要な精度は不変)

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研ぎ始めは「2」の方からダイヤモンド砥石で。刃先に返りが発生する程度まで研ぎ下ろす事に加え、初期状態の小刃の幅を僅かに広げながら、切っ先方向へ向かって鋭角化して行きます。

「3」とはメーカーが異なるそうなのですが、此方の「2」も刃元の角度が他の部分と齟齬が見られましたので、削りシロを余分に増やす事を避けつつ、バランスが取れる範囲で収めました。

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320番の人造で、上記内容の精度を高めつつ、研ぎ目を細かくして行きます。

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1000番と3000番に繋いで、更に研ぎ目を細かく。

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天然に移行し、対馬です。此の段階から、限られた小刃の範囲の中で角度の研ぎ分けの準備に入ります。

最終的な微調整は仕上げ砥石に譲りますが、土台の小刃は初期の小刃に比して僅かに鋭角化。然る後、小刃のスタート部分へ向けて漸次、鈍角化します。

仕上げ砥石に移ってからは、逆に刃先最先端へ向かって刃先を漸次、鈍角化しますのでベースの部分に対して両端を鈍角化している事に成りますね。

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中山の中硬~やや軟口の、恐らくは合いさで仕上げ研ぎ。

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最終仕上げは、中山の天井巣板らしきカラス混じりの巣板、やや硬口で。

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研ぎ上がり、全体画像です。

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刃部アップ。「3」と違ってホローグラインドの部分が狭いので、小刃の部分の厚みは「2」が勝ります。従って、余り刃先最先端を鈍角化せずとも強度が担保される為、刃先の角度変化は少な目です。(角度変化は少なく段階数も少ない)

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刃先拡大画像です。上記内容を示す様に、小刃の始まりと最先端以外には角度差を現わす等高線が三本前後のみ、確認出来ます。

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「3」の方も大まかには同じ工程ですが、損耗が少なかったので天然砥石のみでの研ぎです。

対馬に始まり、

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中山の合いさ、

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戸前に近い質感の硬口巣板、カラス混じりです。

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研ぎ上がりです。

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此方は、ホローグラインドの部分が広いので相対的に刃先の厚みが薄目です。従って、強度を保つには最先端へ向かって急激に鈍角化する必要が有ります。

上記内容は下掲の画像に現れている通り、最先端へ近付く程、等高線の間隔が狭まって居ます。

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御依頼主のH様は、ナイフ好きかつアウトドア好きらしいので、私が関の先輩へ発注している刃物の話しもさせて頂いた所、興味を持たれました。(骨スキ改の発案者の方の筋引き・名古屋の方向けの牛刀・自分用の切り付け包丁風と柳葉風)

下掲の手持ちを例示して、御好みの形状・刃長・刃厚・ハンドル材を選択可能だと御伝えしました。すると御手持ちのユーティリティタイプの発展形を想定し、御依頼を示唆されて居ました。

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H様には此の度も研ぎの御依頼、有り難う御座いました。またナイフの発注の方も、御心が決まりましたらデザイン画或いは現物の画像を添付の上、メールにて御知らせ頂ければと思いますので、宜しく御願い致します。

 

 

 

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作業場に置いている包丁の手入れ

 

久々に、手伝い先の作業場に置いている包丁の二本を持ち帰り、手入れをする事にしました。一本は16cm×3.5mmの骨スキ改(手持ちには4.5mmバージョンも有り)、もう一本は24cmの牛刀ですが、前者(初期から相当にベタに仕上げて有りました)は切り刃の形状を抜け・走りを意識した仕様への研ぎ直し。後者は、刃先周辺の厚みが若干ながら増して来ていたので、少し広範囲に厚みを抜く事にしました。

 

 

先ずは、作業内容的に大掛かりと成る、牛刀の方からです。

現在の状態は、刃先だけの軽い研ぎを何度か繰り返す事により、主変部を含めて幾分、厚みが出て来ています。切る対象に因っては別段、不自由を感じる程では全く無いのですが、私の好みの状態に戻すだけで無く、より切り込み・カット仕事の仕上がり向上を目指す為です。

つまりは切れの回復に留まらず、徐々に完成度を高めるつもりで先延ばしして来た形状の不適切さの完全な解消を狙って、刃体の厚さ・角度変化の仕上げもしようかと。

因みに今回は、洋式の両刃構造を維持した厚み抜きを選択しましたが、刃体側面の全体と言わずとも大部分を削る作業は中々に大変ですので、もっと狭い範囲を切り刃的に削って和式に近い両刃にしたり、(芯材が中央に存在する三層利器材の類では不可能ですが)聞き手側の側面にのみ切り刃的な刃を付ける等の方が効率が良いと思われます。ただ片側のみの切り刃だと、切り進む時に逆側へ刃先が流れる傾向は付いて回りますが。

 

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峰側の四分の一を残して、残りの部分を刃先方向へ向けて荒目(120~180番)の耐水ペーパーを用いて厚みを抜いて行きます。中央部分は緩斜面、刃先へ向けては急斜面とのイメージです。勿論、切っ先方向へも厚みを抜きますが、此れ迄に残存していた切っ先手前の頑固な部分を念入りに減らしました。

逆に、刃先最先端に近い部分は不必要に薄く成るのを避ける為、1.5mmから2mm程の幅で、削らない様に留意しました。

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次いで、中目(240~400番)の耐水ペーパーで傷を浅くしつつ、全体を均して行きます。

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1000~1500番と順次、細かい耐水ペーパーで進めて行った後は、砥石で。此処までで刃先以外はフラット気味の薄い状態に成って居る上に元々、刃先の損耗は皆無に近く、またペーパー掛けでも不用意に接触しなかったので対馬砥石からです。精々が、狭めの小刃と言った範囲ですので研ぐ面積は小さいのですが、逆に数段階に及ぶ角度の研ぎ分けは其の分、より明確かつ精緻に行なう必要性が有ります。

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梅ケ畑の並砥~戸前と思しき中硬で、研ぎ目を細かくしつつ刃先最先端へ向けて漸次、鈍角化と刃先方向への鋭角化を進めます。

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やや硬口の中山の巣板・並砥で最終仕上げです。鋼材と熱処理の加減次第では有りますが、組織が細かくて硬さ・粘りのバランスに問題が無ければ、細かい砥粒・硬い砥面の砥石で仕上げる方が切れ・刃持ちに有利です。

刃先の条痕(研磨痕)が大きな場合は、刃線に並ぶ頂点を形成する山の数が少ない、つまり接地圧が高く摩耗が速い。逆に研磨痕が微細な程、山は小さいながら数が多く成るので接地圧が低く、摩耗が遅く成ります。当然ですが、切り込む対象が(意図的に固定された場合を除き)柔弱で不安定である程、緻密な刃先が求められます。大きな条痕を残したままでは接触する面・点の切れ込みで、より長いストロークを要したり、大きな山の頂点を食い込ませる必要から、より強く対象に押し付ける必要が有る為です。

まあ、硬い対象に付いても、荒い刃先では刃先の摩耗が速いのは変わりませんが、(周辺に引っかかる摩擦が強い為)刃筋を通す際の乱れが許容されたり、(細かな欠けに等しいレベルで荒いならば)切断面の状態を問わない限り相応に永く切れると言えなくも無いかも知れません。

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研ぎ上がりです。

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次は骨スキ改を320番からです。ほぼ完全にフラットな切り刃なので、使い手の好み次第で如何様にもアレンジが容易です。私の標準的な研ぎ方として鎬筋付近は、なだらかな角度変化。中央部分は急激に厚みを抜いて行き、刃先手前は更にフラットに。其の上で全ての範囲を切っ先に向けて鋭角化としました。

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次は1000番と3000番で、傷を浅く。

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天然に移行し、対馬ですが・・・想像以上に相性に優れ、切り刃全体の仕上げは対馬で丁寧に進める事で、完了としても良さそうです。

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最終仕上げは、梅ケ畑や中山の水浅葱の系統が良さそうで、逆説的に先輩が製作するVG10の組織が細かい(かつ硬さと粘りのバランスも良好)事の証明にも成りますね。荒い組織の刃物では、却って一段階・二段階ですが落とした粒度の砥石の適正が高い印象ですので。

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研ぎ上がりです。

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これで又、当分は軽いメンテナンスのみで維持が可能に成り、更に基本性能は、此れ迄以上の物を見せてくれるでしょう。

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骨スキ改を実戦投入しての感想は、正に期待通りでした。従来と同様、プラスチック真名板による刃先の損耗は問題に成らない事を確認。

上ミノの切り込み・カットは正直、初期段階の切り刃に小刃研ぎ(角度の研ぎ分け済み)だけでも充分に快適でしたが今回の研ぎによって向上、そしてアカセン・テッチャンの切り込み・カットは別物に成りました。

特にテッチャン(盲腸を含む)の、性状の異なる、しかも双方共に難易度の高い両面の表層のみに、浅く均一に切り込みを入れるのには貢献度が大でした。コリコリ(大動脈)の繊維質の薄膜も切り残しが出難く、柔らかく成りつつあるマルチョウの切り込みも、苦労が無くなり効果覿面でした。

 

 

 

 

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直近で到着した包丁の研ぎ、後半

 

次の研ぎですが、実際に触るのは私も二回目、研いで見るのは今回が初めてになると思われる、司作の菜切りです。

類似の経験としては、数年前に一泊二日で日野浦さんの所で御世話に成り、鍛冶体験として菜切りを作らせて貰った際の物だけです。

其れが下掲の参考画像です。

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今回に送られて来た菜切り、研ぎ前の状態、右側面。

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同じく、刃部のアップ。画像手前の左寄りに、小さな捲れが数ヶ所、確認できます。

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左側面

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研ぎ始めは、成の中砥の粒度別の二種類です。司作の切り刃は相当にフラットかつ薄目ですので、特に初期からは出来るだけ厚みを減らしたくない点、そして研ぎ目は細かく仕上がって居るので何段階も(荒い方に)戻って研ぎ直す必要を感じない為です。

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下画像は、少し前に田中砥石で薦めて貰った試作品的な砥石です。天然砥石の粉末を豊富に含んだ砥石ですので、当たりがソフトで仕上がりも相応に細かい印象です。

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其れを用いて更に、不必要に減らす事なく、研ぎ目を消しつつ切り刃の構造を調整して行きます。鎬筋から刃先周辺までは、殆どベタに近い形状を活かしつつ、切っ先方向へテーパー化(初期の切っ先側の数cmは、やや厚みが残存)。

刃先数ミリの範囲では、最先端に向けて漸次、鈍角化かつ切っ先方向に向かって鋭角化します。

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天然に移行し、対馬です。切り刃構造全体の精度向上、加えて研ぎ目を小さく。

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丸尾山の蓮華巣板で仕上げ研ぎ。

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中山の戸前・巣板の中硬で最終仕上げ・・・と思いましたが、もう一段の切れ向上を見込めると判断。

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やや硬口の中山の巣板、戸前っぽい物で仕上げました。

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研ぎ上がり、右側面です。

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同じく刃部のアップ。

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左側面です。

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T様には、此の度も包丁の発注・研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。私の手持ちから同時に御送りしました、六寸の三徳は今回の菜切りとは地金・刃金ともに異なりますので、切れ・永切れ以外にも研ぎ肌の違いとして現れると思われます。其の辺りも楽しんで頂ける方だと感じていますので、何方の包丁も可愛がって頂けましたら幸いです。

 

 

 

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