包丁以外のお気に入りの刃物

 

司作 山小刀・黒打ち・鎚目

IMG_0059  司作 山小刀IMG_0060 司作 山小刀

 

IMG_0077  司作 山小刀

 

IMG_0063 司作  山小刀

 

 

司作  副え鉈・鍛え地・磨き

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司作 角鉈・黒打ち

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司作 角鉈・鍛え地・雲龍・黒打ち

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その一番好きな鋼の状態になっている刃物達です。ありとあらゆる製品を試した訳ではありませんので、万人に最適だとか、全ての中で最高だとかは勿論分かりません。しかしこれまで巡り会ったものの中で、硬さ・粘り・切れ味・研ぎ肌・研ぎ易さの総合で最も納得いったのは間違い有りません。

こちらで通常、使用される刃物鋼は白紙2号Aなので、素材的に理屈の上では白紙1号やスエーデン鋼等の方が組織が細かい、或いは玉鋼の方が高性能などと云われそうですが、実際に刃付けによっては自作のカウリXナイフ(ロックウエルのCで67以上)に近い刃先剛性と耐摩耗性、そしてそれを上回る切れ味と研ぎ易さ・綺麗な研ぎ肌を経験し、粉末冶金法熱から冷ましてくれました。白紙という鋼材が、本来持っている性能を充分に発揮させる事さえ出来れば、錆びに対する用心以外では、ほぼ満足すべき鋼材がずいぶん昔から有った事に気づかせてくれた刃物達です。

 

自作切り出し

 

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刃部 アップ

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表 刃先拡大画像 200倍

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裏 刃先拡大画像 200倍

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三重県松阪の月山さんと共に、新潟県三条の日野浦さんの所に鍛冶体験で切り出しを作りに行った時のものです。

かなり以前から作品を買いに、ほぼ毎年の様に刃物祭りに行っていましたが、工房まで行く事はなかなか無いだろうと思っていました。しかし、鋼の仕上がりでは最も自分の好みの刃物を作っているところで、直接指導を受けながら体験させて貰えたのはとても有り難い経験でした。

実際の製造工程と、逐一同じとは行かないまでも、かなり正確な手順と諸注意を守って進めたので、出来上がった切り出しは製品レベルに近い仕上がりでした。僅かに焼き戻しでもたついたからか硬度はやや甘いかなと言う印象ながらも、切れ味と粘り・研ぎ肌の精細な仕上がりは充分実用に耐えうる以上のものでした。

少し以前の研ぎの約200倍の拡大画像でも、まずまず均質な研ぎ肌と刃先で、研ぎ進んだ最近は更に安定しているようです。これなら司作に準じる出来と言っても過言ではないなと喜んでいます。

 

切り出しの本刃付け

 

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画像は数年前に注文し、砥取家の土橋さんにプレゼントした切り出しで、携帯で撮ったので鮮明ではありません。

初めは切り刃と裏を除いて、がさがさした焼き肌で、それを落とす所から出発しました。ペーパーや研磨剤で磨いていき、ガンブルーで染め、更に軽く磨きました。又、裏梳きも研ぎ目を消し、磨いてあります。(主に研ぎ最中と保管中の錆対策です)

粗砥(電着ダイヤ400/1000と240番)から人造中砥、天然中砥、巣板・合砥・カミソリ砥で仕上げました。研ぎ肌の見本も兼ねて、完成時より、やや鋭角に研いであります。

最後の2枚は、数ヶ月前に錆や刃毀れが酷かったので、ほぼ取れるまで修正の研ぎを加えた時の物です。

新品から、いきなり完全平面の鏡面仕上げを求めると、刃先が出てからも更に研ぎ下ろしていかないと均一な面が出ないので、勿体ない事になります。普通は、使いながら研ぎ直す度に平面度を上げていくのが望ましいでしょう。それまでは霞仕上げで追い込んでおいて、いよいよ整ってからは勇躍次の段階へ。と言う具合です。純然たる観賞用で無い限りは、研ぎ費用の面からも、刃物の寿命からも、その方がお勧めです。

 

初期刃付けと本刃付け

 

購入時の状態

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人造 中研

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人造 中仕上げ

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人造 中仕上げ(細かめ)

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人造 仕上げ

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天然 巣板

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天然 巣板(細かめ)

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天然 合砥

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天然 カミソリ砥

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初めから面が出ている刃物は少ないものです。多くは、切り刃(勿論、刃先も含めて)を任意の形に再構築する必要があります。

今回は、ホームセンターで手に入れた普及品の切り出しを大まかに面が出るまでの経過を撮ってみました。砥石は、電着ダイヤや240番からキングデラックス・キングハイパー、過去の天然砥石配合人造砥石の対馬名倉バージョン・巣板バージョン、巣板・合砥、カミソリ砥と、12種類を使い、6時間ほど掛かりました。

実質1000円程の切り出しでしたが、案外組織は細かく、錆びも出にくい、切れ味の良い製品で、特に長切れを異常に求めなければ、研ぎ肌の美しさも含めて、十分な仕上がりでした。

問題は、値段からは想像出来ない程の、研ぎに対しての応えてくれ具合では無く、その本体価格を遙かに上回る事になる研ぎの費用をどう捉えるかでしょう。確かに吊しの状態とは比較にならない面精度、美しさと錆びにくさを併せ持つ切り刃、より繊細な刃先がもたらす滑らかな切れ味は意味のあるものです。

その価値を認め、その違いを求める人には納得して頂けると思います。しかし、普通は高価な刃物には拘りの研ぎが相応しく、そうで無いものには研ぎもそれなりになるのでしょう。とは言え、一人の道具好き、特に刃物好きとしては、どんな物でもより綺麗に、より性能を引き出してやりたくなってしまいます。

この、確か梅鉢龍馬といった切り出しも、一本は研ぎの見本とプレゼントを兼ねて知人の元に贈り、もう一本は自分の雑用にと購入しましたが、予想以上に研ぎに応えてくれるのが分かると、やはり手荒くは扱えなくなりそうです。