纏めて五本の御依頼、二本分

 

さて東京のH様からの御依頼品です。先行して洋包丁の方が二本、研ぎ上がっていましたので其方から。

和包丁(柳・出刃)に関しては、初期の状態で充分な切れが確認出来ましたので、若干の心配が有る刃先の研ぎだけでも良いか?の質問をしました。併せて、上記二本の画像を添付し状態確認をしてほしい旨、メールしました。結果、和包丁は刃先のみで良いと。洋包丁の仕上がりに言及は無かったので、まあ大丈夫だったのかなと判断しました。

 

 

 

研ぎ前の状態。三徳っぽい牛刀と言うか。

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刃部のアップ。刃先に少し、厚みが出始めています。或る程度の摩耗と、そこそこの欠けも。

 

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人造から研いで行きます。刃先の2mm程度の幅から、3mm程の幅に変更して鋭角目に研ぎます。切っ先10°~刃元15°弱と云った所でしょうか、或る程度は刃先周辺が薄くなった段階で、(1mm前後幅で)先へ行く程に角度を鈍角に。

最終刃先角度は刃元⇒中間⇒切っ先へ、40°⇒30°⇒20°の変化付き。小刃の幅が左右で違っていましたので、右側優先を踏襲。

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軽く錆も落として天然へ移行。中硬の巣板から。

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中山の緑板で仕上がりました。

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研ぎ上がりです。

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次に、ペティです。此方は、殆ど新品の状態。多少、シャープナーで擦った様な痕跡は有りますが。

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人造は、前述の内容と同じ。天然に入ってからは、黒蓮華。

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中山の緑は同様ですが、僅かに硬さと細かさが上回る物。返りの出方や取れ難さへの対処が、変更の主な目的です。其の上で切れの仕上がりに不足が無ければ合格。

440系統にしては、素直な仕上げの熱処理との印象を受けます。ステンレス系統は結構な割合で、(中山なら)浅葱や並砥で仕上がる事が多いのですが。

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研ぎ上がり。小刃の範囲を極僅かに広げて、刃先側と反対側で角度変化を。抵抗の低減と、耐久の向上を図ります。切っ先へ向けての鋭角化も施しますが、視覚的には判別困難でしょう。狙い通りに仕上がりました。

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H様には此の後、錆のより多い菜切り様?の三徳でしょうか、其方に掛かりますので宜しく御願い致します。仕上がりましたら順次、出刃・柳へ進みたいと思っております。

 

 

 

 

 

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