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追加のワークショップ

 

前回の「まちのえんがわ」のワークショップでは、コロナ関係で予定が延びた為、予定が狂って参加が不可に成った方も。他に、後からの参加希望の方も含めて対応する為に再度、開催されました。

 

今回は作業場を御借りするのでは無く、木村様の御自宅のキッチンを使わせて頂ける事に。そして参加人数も、2~3人の予定から6人に増えた事で、途中からはホームパーティーみたいな様相に。

 

 

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かなり大きなアイランド型ですね。

 

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その横にもスペースが有るので、ソーシャルディスタンスが可能。

 

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説明後、実際に研いで貰います。

 

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経験者の方が多そうでしたが、改めて説明通りに、となるとバラツキも。

 

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途中で何度か、チェックしつつ研ぎの不足を手助けして回ります。

 

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休憩を挟むように御気遣い下さいました。美味しい珈琲と御茶請けを頂きます。

 

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ステンレス包丁同士で、粗と仕上げ・天然仕上げの差を体感して貰ったり。

 

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難易度高目の野菜の切り方をアドバイスしたりもしました。

 

 

 

此の度も、木村工務店の「まちのえんがわ」を通して、熱心な方々に研ぎの説明を聞いて頂けた事を嬉しく思いました。予想以上に興味を持って頂けた様子にて、今後の調理に幾許かの寄与が見込めましたら幸甚です。

木村様と御家族、スタッフの皆様と御参加下さった六名の方々に感謝致します。有難う御座いました。今後も需要が有りましたら、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

常連様からの御依頼、本焼きの柳

 

北海道のT様から、本焼き柳の御依頼でした。初期刃付けの状態では、以前にも研がせて頂いた幾つかに見られた特徴が。

切り刃全体を通して、浅いながらも中央部分が溝の様に凹んでいる・・・つまりホローグラインドに成っています。其れに加え、薄く削がれた刃元に対して中央部の厚み。其れに比べれば、ややマシですが切っ先カーブ辺りにも厚みが残存。

 

 

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研ぎ前、全体画像。

 

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同じく、刃部アップ。

 

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裏です。

 

 

 

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先ずは、人造の400番から研いで行きます。

 

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次に、1000番。

 

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小割りの3000番で研ぎ目の違いを利用し、形状などを確認。切っ先カーブ以下に、ホロー(幅狭)が。

 

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刃元は全体に薄く、ホローは幅広。

 

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天然を幾つか使用し、或る程度まで仕上げてみたのですが・・・やはりホローと、刃先まで残る中央部の厚みが気に成ります。

 

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養生テープで砥石の粉などを防御していましたが、若干の変色が。使用する水もアルカリ性にしていますが、時間を掛け過ぎたのかも知れません。軽く磨いてT様には、御知らせしましたが、現物を見て磨き直すか判断を頂く事にしました。

 

 

 

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人造の小割りで、気に成る厚みを集中的に減らし、再度天然で仕上げて行きます。

 

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軟口の巣板

 

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中山の中硬

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やや硬口の奥殿

 

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硬口の奥殿産巣板

 

 

 

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研ぎ上がり、全体画像。

 

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同じく刃部のアップ

 

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刃先拡大画像。

 

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裏ですが、特に弄っていませんので変化なしです。錆予防の塗料のみ、除去しました。

 

 

 

T様には、此の柳以外にも追加で二本、御送り頂き有難う御座います。追加は又、コツコツ進めて行きますが先ずは明日、此の柳を発送致します。申し訳無いですが変色の状態や、切り刃の仕上がりを御確認頂きたいと思いますので、宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

砥石館での研ぎ講習

 

この前の日曜は、久し振りに砥石館で研ぎ講習でした。

 

 

 

それにしても砥石館の装備の充実度合いは、留まる所を知らない様で・・・簡易的ながら、切れ味試験機が。

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ナイロン?でしょうか、糸を切断する際に必要な荷重を測定する事で判定。元は剃刀のテスト用だったらしいですが。

剃刀的には、数十グラムが基本の様ですが、包丁類では200を切ればマズマズな感じです。強度・永切れを考慮するならば、170を切るか否かが分かれ目な印象でした。

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羽布やグラインダーの他、湿式の砥石切断機(びしょ濡れになる)も二台、設置されていました。

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研ぎ講習は地元、亀岡に在住の方からの御依頼で、和包丁を対象とした内容に。しかし先ずは、御持参の中から筋引きをお借りして、現状の把握と刃先の研ぎを進める際のポイントを説明する事に。

現物の包丁画像は撮り忘れましたが、刃先の最先端まで安定して研ぎ目が届いていない部分を指摘し、一定の角度で安定して研ぐ必要性を説きました。

其の証拠?として、三段階ほど角度を変えて顎から切っ先まで均一な線を入れて見せました。元の状態で気に成っていた、刃線中央やや切っ先寄りの微細な荒れも消退したので、使い勝手も改善される事と思います。

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さて本命の和包丁ですが、薄刃の新品は手強そうとの共通認識から、柳を選択。

二本を御持ちでしたが、より状態の整って居ない方を俎上に載せました。御自身に研いで貰う事に先行して、私が歪みを少し減らしてから、切り刃中央に残る厚みを取りつつ、裏を少しづつ研ぎ進めました。

其の後、切り刃の研ぎ方・刃先の研ぎ方の基本的な所を実践して頂きました。

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研いでは、其々の段階で拡大画像にて御確認。

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切り刃も整い、刃先の研ぎもマズマズと成った時点で、切れの確認も。片刃のテストは、若干ですが難易度高目みたいです。

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おまけとして?、研ぐ際のブレも実感して貰う為にセンサー付きで。此方も、意外と楽しんで頂けた様で何よりでした。

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最後は、御土産に頂戴した最中。丹波大納言として有名な小豆の中でも、大きさで有名な馬路大納言を使用との事。変な混ぜ物も無い、すっきりとした甘みで美味かったです。

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H様には、研ぎ講習の御依頼を頂きまして、有難う御座いました。最中まで頂き恐縮です。砥石・研ぎ関連に付きまして、御不明な点が有りましたら御遠慮なく御問い合わせ下さい。今後も宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

知己を通じての御依頼

 

少し前に行われたワークショップで、(三十年ぶり以上で?)再会を果たした方が御身内の出刃を御依頼下さいました。拝見した所、刃先の角度などは悪く無い物の、本来の性能を発揮させるには切り刃の研ぎも不可欠な様子。しかし研ぎ料金が和包丁基準に成ると、流石に洋包丁基準(ナイフ含む)よりも高額に成るので、所有者に確認して貰いました。

結果的に刃先周辺のみを研ぐ、洋包丁基準で御受けする事に。しかし若干、気に成ったのは裏の状態。裏押しが不安定なのは作業時の砥石の平面不足かとも思われますが、更に問題に成りそうな事が。僅かに刃体自体が表側に引っ張られている印象で・・・。

 

 

 

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研ぎ前の状態、全体画像。殊更に欠けや摩耗は酷くは無いのですが、平や裏・峰に幾らかの錆が有ります。

 

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刃部のアップ。刃先の角度と研ぎ方は結構、良いと思われますが刃元には数個、欠けも見られました。切り刃の研ぎも取り立てて可笑しくも無いのですが、切っ先カーブより先の厚みが残存・その周辺の切り刃の幅が元寄りに比べて狭い。従って、抜けにマイナスとなっていました。

しかし研ぎ方の意向を確認して貰った際に、「本職では無いので刃先周辺のみの研ぎで」との事でしたので、刃先数ミリ(精々は刃金部分)の研ぎの工夫で改善を目指します。

 

 

 

 

 

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カーブの部分から切っ先に掛けて、裏押しが不安定。具体的には、平面で無い砥石の使用による物か?微かに両刃的な角度が付いている部分が複数存在⇒裏押しが刃先まで未到達と成っていました。

前述の通り、裏面が凸の刃体となっていましたので、特に切っ先へ行くに従って砥石へ当てても少し、浮いて居ました。

 

 

 

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平と裏・峰の汚れと錆びを、ざっと落としてから人造で研いで行きます。この場合は、3Mのスポンジ付きの耐水っぽい物が便利ですね。

刃体の(裏面凸の)反りを少々、叩いて修正を試みてから人造の400・緑1000・白1000で。刃元・切っ先の欠けを取る為・裏押しの届いていない部分を削り落とす為に、400を多目に使います。その後は意図的に、包丁の形状に合わせて裏を当てに行き、全体が砥面に当たる方向を目指します。

数回、其れを繰り返すと徐々に折り合いが付いて来ます。しかし現段階で、切っ先の5mm弱は浮いている状態。余り追い込むと、他の部分にしわ寄せが出るので次の工程へ。

 

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やや軟~中硬の巣板二種と、やや軟~中硬の合砥を駆使して刃先の角度を段階分けで研ぎ・表裏の傷消しです。

御使用時に、初期の角度の儘では刃元に欠けが生じていたので、私の推奨している出刃の角度変化を。刃元は70度・中央は50度・切っ先は30度程度に研ぎ分けます。

 

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同時にダイヤ砥石で泥を多めに出して、裏押しの安定化を狙います。

 

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仕上げとして、中山の緑で。幸い、かなり相性も良かったので他の砥石をとっかえひっかえする必要に迫られず、助かりました。

 

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此処に至っても、切っ先の裏の3mm程度は裏押しで僅かに浮いています。他の部分は殆ど問題無い状態に収まったのですが・・・今後の数回の研ぎで、徐々に揃って来るのは間違い無いので終了としました。

 

 

 

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研ぎ上がり、全体画像です。

 

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刃部のアップ。切り刃は、奥殿の内曇りの小割りで軽く撫でて置きました。

 

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切っ先の最先端以外は、裏も普通に押せる筈です。問題は、平面が出ている砥石を使って貰えるかどうかのみですね。

 

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刃先拡大画像です。

 

 

今回の研ぎで、刃先周辺の研ぎとしては狙った性能(切れと永切れ・抜け)を盛り込めたと考えますので、実際の御使用で確認を頂ければと思います。もしも此れ以上の使い勝手をと御考えの折りには、切り刃からの研ぎを御提案いたします。此の度は研ぎの御依頼、有難う御座いました。

 

 

 

 

本格的な、切り刃からの研ぎで無かった為に手が空きましたので、代わりに?手持ちの手入れをしました。

ここ数年は、刃先のみの研ぎでしのいできたのですが・・・やはり整い切っていない切り刃が気に成り、何度目かの追い込んでみました。途中の画像は残して居なかったのですが後、一度か二度の研ぎで殆ど完成と思われる状態に。

 

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刃先は中山の合いさっぽい切り落としで仕上げましたが、切り刃は中硬の巣板⇒八枚の小割り⇒千枚の小割り(自分の包丁なので一線級では無い)で均し研ぎ。

昨今は、軟鉄(極軟鋼・極軟鉄)でさえも天然で仕上がり良く研げる品質の物は希少だと言うのに、二十年以上前の物とは言えステンレスで此処まで良く仕上がる地金を使ってくれていた三層利器材は、現在では驚異的とさえ感じます。当時は、そんな事はお構いなく何も考えず研いでいたのですが(笑)。

 

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研ぎ後、全体画像。初期刃付けの段階で、刃元の角度が鋭角で幅広の切り刃に成っていましたが、現在は中央から切っ先に掛けての切り刃がテーパー状に厚みが調整出来つつ有ります。

 

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前回の研ぎでも残っていた、変色を超えて深錆に成り掛けていた箇所も、殆ど研ぎ落せました。

判別は難しいのですが、前の記事で掲載の画像と比べれば、特に切っ先カーブ周辺以遠の刃先の研ぎ(キツイハマグリ)の部分の幅が狭められています。即ち、切り刃の厚みが減少した訳です。

 

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左側の切っ先部分には、錆の痕跡が消し切れていませんが、全体のバランスを鑑みて極端な部分研ぎは避けています。

 

 

 

 

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刃先拡大画像。

 

 

刃元~切っ先・鎬~刃先の、双方でテーパー状に成って来ましたので、いよいよ使い易さも向上。片刃・両刃に関わらず、やはり和包丁は切り刃と刃先の両面から性能を追求するのが本筋だと感じます。一旦、切り刃の形状を整えてしまえば、暫くは刃先の研ぎ直しだけで維持出来るので楽でも有ります。

刃先の鋭利さを求めれば切り刃全体が鋭角に成りすぎ、強度不足や走りが重く成り勝ち。刃持ちを意識し過ぎれば、切り刃が厚過ぎて切る際の抵抗に。それらを解決しようとすれば、二律背反の迷路に入りますが、研ぎ分けをする事で解決に近付くと考えています。出来れば、(どうしてもベタで無ければ成らない場合を除き)一律で無い緩いハマグリ・キツイハマグリの組み合わせと、切っ先へ向けての鋭角化を併用すると効率も上がりますので、お試し下さい。

 

 

 

 

 

天然砥石館イベント当日・その他

 

先週末には、予定通り天然砥石館でのイベントが行われました。親子連れ限定でしたが、やはり子供の年齢もマチマチでしたね。性格も様々でしたが案外、小さい頃は似通っている傾向も感じました。怪我の心配も無くは無いので、暴れる子が居なかったのは助かりました(笑)。

 

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人造砥石の他、小割りや共名倉も年々充実して来ている様子。しかし今回は、地元産の青砥仕上げを目標に仕上げる内容。着色(アルマイト仕上げ)をした際には、硬度が増すので前段階として、ダイヤモンド砥石を使用する必要は有りますが。

 

 

 

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先ずは、アルミの丸棒の鍛造からです。捻じれや反りが出始めると、私が修正して回ります。日野浦さんの所での経験が活かされますね。

厚さ・長さが大まかに整った所で、私がベルトサンダーその他で削り出します。現物次第で制限も有る物の、出来るだけ御好みの形状に近付けました。

 

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着色する作業は、砥石館の常連で従来もイベント関連では補助に入って貰って居るY様が担当。今回は、(之までも度々でしたが)御子息を伴って柄巻きにも大活躍でした。

 

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ダイヤの後は柄を付けて、いよいよ青砥での仕上げ研ぎです。

 

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着色無しの場合は、鍛造⇒整形⇒柄付け⇒青砥です。

 

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前述の通り、常連様親子が並んでの柄巻きの図。

 

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参加者の中には職業柄?巻きや結索に明るい方も。子供が固定した所で、父上が高難易度の巻きを御自身で。

 

 

 

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姉妹で参加の姉上は、形状にも色の合わせ方にも拘りを感じさせるタイプでした。

 

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柄と刃体が織りなす全体的な形状を考慮して、材料を選別後に研ぎ。

 

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紐の色も、柄の素材である桜の枝に因んでピンク・若葉を模した緑と悩んだりしましたが、最終的に黒っぽい色をという事で、焦げ茶に。そして、館長自ら柄巻きを。

 

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拘りを詰め込んだペーパーナイフが完成しました。

 

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美観への傾倒が勝っていた様子でしたが、切って見ると此方にも真剣で。

 

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切る幅を、より細く設定したりと自ら難易度を挙げて行くスタイルには共感を禁じ得ません。飽く事無く挑戦し、切れの加減に一喜一憂。

意気に感じて再度、私がダイヤでの念入りな修正を経ての青砥仕上げをして手渡しました。結果は、御満足頂けた様で光栄です。

 

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妹君も、ツラれて?切り始めますが性格が出ますね。大まかに切れれば・・・な感じでしょうか。まあ、此方が普通ですね。

 

 

 

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勿論、他の子達も結構な食い付きでした。

 

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合間では、周辺の設備などに興味が移る子も。着色する際は待ち時間も必要ですので、拡大鏡・顕微鏡でのコインなどの観察は暇潰しとしても秀逸です。

 

 

 

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姉上に置かれては、終盤(美術刀剣にも関心が?)館長愛用の刀を持たせて貰ったり。父上と記念撮影は恥ずかしそうでした。

 

 

 

 

何度も御手伝い頂いている、砥石館常連のY様には他にも色々と御世話に成って居ります。イベントに関わらず、差し入れや御土産を持たせてくれたり。

下画像は、その一部です。主として、近隣で栽培されていた野菜類ですが・・・自分としては幾分、多目だなと感じる場合が多いのは秘密です。

 

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或る時は破竹?でしたか、皮付きで十数本を渡されたのですが・・・調理した事はおろか、食べた事も有ったかどうか。取り敢えず皮ごと下茹での後、出汁で煮てみました。

 

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また或る時は何故か、ズッキーニとアーティチョークでしたか?カリフラワーの育った奴(商品表示にはカリフラワーと)を頂きました。特に深く考えず、フレッシュの特別栽培トマトとホールトマトをベースにストウブで煮込んで見ました。

 

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更に、ワークショップで茄子が余った時に上乗せで茄子をくれました。余りに多いので、フライパンで蒸し焼き⇒マーボーナスもどきの煮込みとしました。

 

 

 

事程左様に貰い物が多いのですが、稀に御自宅で食事を御馳走になる事も。まあ、半分~三分の二は私が料理する事が多かったりします。

更に稀ですが、愛宕山を掠めて少し車で移動した所にある蕎麦屋に御一緒した事も。私が今まで食べた中で、一番薄く切ってある蕎麦でしたが風味が逃げてしまわないかなと心配に。しかし癖も無くサッパリして居り、此れは此れで・・・とも感じました。辛味大根?との相性も中々でした。

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蕎麦屋の近所だからと、序でに砥石店へも案内してくれました。以前から知っては居ましたが、出掛ける機会が無かった場所です。

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加工場には、原石状態で積まれた砥石群。入り口には、内曇りとの事ですが大きな板状の砥石も。

 

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中々、訪れる事は少ないとも思われますし、折角ですから小振りなのを購入。幅は狭くとも厚みが有り、明確な巣は見当たりません。(最悪、気に成れば避けて研げる余地が有るので)困る程の筋も無く、中硬~やや硬の巣板としては粒度も細か目です。

女将さん?からは、「羽二重の質に当たるが蓮華が入っている」とか。サラサラ・すべすべと言うよりは、ツルツルに近い感じ。

 

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上画像は、おまけに付けてくれた青蓮華です。手の平サイズですが、綺麗な形です。砥面の荒れは一か所在りますが、粒度・硬さは上の蓮華巣板と同様で使い易そうな印象。

 

 

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普段から時々は使っている上、最近のワークショップでサンプルに使用した為に手入れの必要性が有る包丁です。

 

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炭素鋼の芯材(刃金)を両側からステンレス地金で挟んだ、三層利器材です。平(ステンレス)は人造の研磨剤・切り刃(ステンレス)は千枚系統で磨いて有りますので、余計に錆びや変色は有りません。従って刃金部分への対処として、キツイ角度のハマグリ部分の研ぎ・緩いハマグリ部分の錆落としと成ります。

 

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購入し立ての大平産、白巣板蓮華入りで試し研ぎを兼ねて研いで見ました。

 

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ダイヤ砥石で擦った砥粒により、殆どの錆は除去されました。元より変色程度でしたので楽ですね。予め、磨いて置いたメリットが効いています。

 

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研磨力・切れは、中硬~やや硬の巣板と言うよりも硬口の巣板に近い感じです。全く遜色ないと迄は行かずとも、普通は困らない仕上がりと言えます。ただ、この包丁は硬度も案外、高目である上に組織がやや粗い・粘り控え目の何れかの理由により、しっとりした砥石との相性が良いので、仕上がりで傷を消そうとすると若干ですが難易度が高い相性でした。

 

 

上の砥石の入手の機会を得られた以外にもY様には様々、御世話に成って来ましたが今後も御付き合いを願えればと思いますので、宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

天然砥石館でイベント打ち合わせ

 

昨日は久々に、自粛期間により開催が危ぶまれていた天然砥石館でのイベントの打ち合わせに行って来ました。

(内装は何時もの如く、少しづつ変化している様です。青砥の小型の商品の追加なども。)

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作業工程はアルミの丸棒から、鍛造⇒整形⇒アルマイト仕上げ⇒研ぎ、の流れを体験して貰います。文化事業的側面のイベントらしく、親子連れ(孫・祖父母も有り)限定と成っています。

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レール(金敷)の上で、金槌を振るって薄く幅広に。

 

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ベルトサンダー等により整形後、アルマイト処理。六種程度のバリエーションから、御好みの色で。

 

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此の辺りの作業は、参加者で無くスタッフ?が行ないます。

 

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接着剤で、館長御手製の木の柄を付けて完成。今の所、募集人数に空きがある様です。興味をお持ちの方は次の土曜ギリギリまで申し込めると思いますので、御一考を御願い致します。

 

 

 

砥石館の設備は、可成りマニアックな方向へ進化していました。下画像は、最奥が金属顕微鏡とか。中央はパソコンですが、本体は繋がれたセンサーとダウンロードされた内容。傾斜を計測する物です。(他には、素材を高温で融解、鋳造に使える装置や、表面粗度を数値で表す装置も)

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その表示が此れです。傾斜度・上下動・旋回の三種が判定されます。例えば、研いでいる刃物にセンサーをマグネットで付けると、自分の動きのブレが分かります。しかし益々、研ぎ・砥石関連に措いて他の追随を許さない病気度合いを強めていますね。一般人が個人宅で網羅していたら、ドン引き確定モノ。

私のテストでは、ゆっくりの研ぎでは±0.5~0.6度。早く動かすと±1度~1.5度のブレでした。研ぎ講習に有効な気がしますし、場合によっては私も導入しようかなと・・・。

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おまけは、砥石館二階で営業中のチョロギ村のメニュー、薬膳の料理です。此れも久々に、昼食時に頼んで見ました。予約に空きがあれば出してくれます。

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今日は自宅で研ぎ講習を

 

ワークショップを終えて間を置かず、本日は兵庫県のフレンチレストランの方が拙宅まで御足労下さいました。現在、御使いの包丁の性能を引き出したいが、疑問点なども有って改善策を求めていらっしゃるとの御依頼でした。

 

 

研ぎ方・使用砥石も関わって来るとは思いますが、特に返りの処理に纏わる事柄に御興味が。(条件・道具で多様な結果になる)その為もあって説明が多目に成り画像が少なかったのですが、初期状態の刃先拡大画像です。砥石は中砥・仕上げ二種を御使い乍ら、偶にスチール棒も併用と。荒い研ぎ目は、その際の物でしょう。当て方は、適切そうに見えます。

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先ず全体を拝見した所、少なからず刃線に不均等(刃渡りの切っ先寄り半分・刃元寄り半分の摩耗差)が有る他は、刃角度が作業内容に適切な状態なのか判然としない?印象程度。まあ、切っ先の小さな欠けは有りましたので、其方を対処(ダイヤ砥石)してから軽く刃線を整えつつ若干、小刃の幅を鋭角にして広げます(人造400番)。

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其の後、1000番の二種と3000番で見本を示しつつ説明、実地で試して貰います。合間には適切に角度・形状修正も加えながら。

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人造3000番の後は、中硬の巣板⇒やや硬口の砥前系統や奥殿の硬口巣板。

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慣れない左手での研ぎを強要(笑)したのですが、キッチリ練習の成果が時間内に現れました。一応、最後は修正して置きましたが是非とも研鑽を続けて欲しいと思います。

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右側は当然、其れよりは練度が高かったのですが矢張り、修正を。練習の段階としては、私の通常仕上げ迄は達しなかったのですが(当たり前とも言えます)、実用してみて従来の御自身の研ぎと比べて貰おうと。

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今回、御持ちの包丁は、確かに返りの処理が容易なタイプとは言い難い物でした。熱処理の仕立てが、やや粘りを重視した感じと言うか、返りが出易く取るのには工夫が要ると。研ぐ際の注意点と使用砥石の選択方法など、私に出来る限りのアドバイスをさせて頂きました。

顔合わせから何故か、マニアックな内容が相応しいとの予感がしたので?話が長くなってしまったのですが・・・余り嫌がらず御聞き下さったので、難易度も気にせず一気呵成な説明に。O様には、此れに懲りて居られなければ御気軽に御質問などを御願いしたいと思いますので、宜しくお願い致します。此の度は研ぎ講習の御依頼、有難う御座いました。講習の内容を、今後にお役立て頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

地元でのワークショップ

 

先の日曜は、初めて地元(少し離れていますが)でワークショップを行なう機会を得ました。定期的にワークショップを開催して来た実績のある、木村工務店の企画「まちのえんがわ」からの御誘いを受けていたのですが・・・イベント等の自粛期間に跨ってしまい、延期となっていました。

 

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普段から、地域の共有スペース的に解放されている一区画。

 

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隣接する、作業所・加工場などに充てられている場所を流用しての開催です。

 

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入り口付近

 

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各自で実際に砥いで貰う前に、軽く説明するスペース

 

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午前は四人、午後からは八人の受講者に参加を頂きました。其の中には、私の実家(食堂)の近所に位置していた、餅や菓子の店舗の方も。子供の頃にみたらし団子など買いに行っていましたし、実家では正月に長細い木箱に二杯の餅を届けて貰っていた記憶が。三十年振りとかに成るのでしょうか、懐かしかったです。

 

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オピネル(フランスの折り畳みナイフ)を御持参の方も二人ほど

 

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御手持ちの包丁も、多くの方は複数を持ち込みで。上画像の砥石は、キングの1200と共に月山さんに送って貰った希少な物です。砥石を御持参の方以外には、それらを事前に購入して頂いていました。

 

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牛刀などの洋包丁だけでなく、両刃ながら和包丁も。

 

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此方も同じく。但し、菜切りと言うよりは両刃の薄刃と言った風情?二種類の和包丁は、洋包丁と違って切り刃の刃先側に半分弱を含んで砥いで貰いました。その後に改めて、刃先の調整。

 

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何れの方も作業途中から、研ぎの進捗をモバイル顕微鏡で確認しつつ進めました。私の説明内容が目視で理解できると好評で、私物のパソコンごと持ち込んで正解でした。

 

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研ぎ上がると、切れの確認です。一般に出回っている野菜各種で試し切り。一様に、切れの向上具合に驚いて貰えた様子。

 

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序でに、炭素鋼のペティ+天然仕上げ砥・ステンレスペティ+天然仕上げ砥・ステンレスペティ+人造仕上げ砥の三種で切った野菜の味覚テスト。今回は意外とバラつき、ステンレスペティ+天然仕上げ砥も高評価。しかし炭素鋼ペティで切った後で、ステンレスペティに接触させたトマトは、接触無しと比べて全滅の評価となりました。やはり此処は、違いが明確に成りますね。

 

 

今回は、場所の提供から希望者の募集など、多岐に渡って「まちのえんがわ」チームの方々には御世話に成りました。コロナ自粛後のワークショップ再開一号として、相応しい内容・顧客満足度だったかは聊か不安も有りますが・・・参加された方々が帰路に就く際に見せてくれた表情からは、悪く無かった印象を受けました。兎にも角にも今回、見知らぬ講師であったにも拘らず、受講下さった皆さんには感謝致します。今後の包丁の運用に、お役立て頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

柄を挿げて完了

 

前回の包丁と共に送られて来ていた柄ですが、てっきり付属品(初期から用意されていた・一旦は挿げられていたが外された)と思って居ました。新品とは言え、幾らか年代を感じない事も無い身に対して、相応以上に年季の入った外観の柄で。

しかし、刃体を仕上げて画像を送信、御確認頂いた上で挿げてみようとしたら寸法が合わない。伺ってみると、特に合わせた物では無いとの事でした。自分では、手持ちの包丁類に(練習と言うか遊び程度で)数回、柄を挿げた事が或る程度なので如何なものかと訴えてみましたが、宜しくと。

 

 

下画像の黒檀柄ですが、何らかの包丁に付いていたのを外された物と思しき痕跡も有りました。今回の包丁の中子に対しては、入り口は少々ですが広く、奥は狭い。

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過去に使っていたのは下画像の道具です。ダイヤとは言え目が細かく、木材を削る目的では微々たる進み具合。自分の包丁であれば、中子の方を面取りしたり細くしてみた事も有ったので、その方面には有効では有りましたが。

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流石に依頼品という事で、使えそうな道具を追加して臨みました。特に下画像の右側は、引いて使う刃と押して使う刃が付属していて助かりました。左側は、主として柄の厚みを減らす役目。

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やはり、ダイヤ鑢の細目とは雲泥の差。効率よく削れます・・・しかし逆から言えば削り過ぎ・傷の深さに要注意と成ります。

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仕上がりです。中に或る程度の接着剤をという事で、手元に有ったウルトラ多用途を使用。普段よりも念入りに乾燥させた上で、はみ出した部分を除去。

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初期からの傷や摩耗?も有りましたし、中子の寸法との乖離も解消し切れない部分も。そんな条件下とすれば、ギリギリ纏まったかと思われます。少なくとも、私が試みた中では最高傑作(半分は偶々)ですね(笑)。

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全体画像です

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T様には少々、御待たせが長くなり恐縮ですが、何とか最後まで御要望の作業を終えられたと人心地をついています。今回の柳は、何れの作業も中々に手強かった物ですから(笑)。先程、画像を添付してメールを御送りしましたので、問題が無いか御判断を宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

御依頼品、一旦の仕上がり

 

T様から届いた本焼きを研ぎ進めてみたのですが・・・到着時の予想よりも少々、手強い柳だった様です。

 

研ぎ前の状態。刃体と柄は別々の儘で届きました。

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刃部のアップ。平の部分は鏡面の御要望。

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裏です。裏は手を付けない方向でと。

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マチの磨きも追加で。

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峰は、余り手が掛からないでしょう。

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裏から刃先に掛けて、養生しておきます。現状の裏の状態が御気に入りだそうですので、傷の予防に。

布ペーパーの100番台・200番台・400番で初期の研削痕を薄く。

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続いて、耐水ペーパーの400・1000・1500番。

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削る量の低減と、深い傷を避ける為にキングハイパーの硬軟を使用します。

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小割りの人造各種で、厚みのアンバランスを修正して行きます。今回は刃渡り中央が最も目立ち、其処から切っ先カーブまでが減らして行くべき部分。刃元から中央は余り気に成らず、切っ先カーブから先は殆ど問題無しと言えます。

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再度、キングハイパーで。平面の砥石での確認・仕上がりの向上を意図しての事です。

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大まかには厚みの除去が進んで来たので、月山さんから譲って貰った硬口の人造二種により更なる追い込みと、刃先周辺の整形です。

双方、1000番ですが製造方法・コンセプトの違いに因り、性格と性能にも明確な個性が有ります。使い分けが出来て便利ですね。

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平に対しては、耐水ペーパー2000番・布ペーパーの6000・8000番で仕上げつつ、切り刃に対しては中硬巣板の小割りで均して置きます。

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中山の巣板二種で、切り刃を整えつつ傷消し。

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最終的な刃先と裏押しは、奥殿の超硬本巣板。

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研ぎ上がり、刃体全体画像。

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同じく、刃部のアップ。中央までの切り刃は、寧ろ削られ過ぎの傾向でしたので、整形し直した刃先周辺以外は凹面気味に。

当面、使いつつ研ぎ進めれば問題無いように、整形し直した刃先周辺による性能確保は達成して置きました。

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峰の状態

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裏は、塗布されていた塗料が斑には成っていますが、無傷で済んだかと思われます。

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此処までの内容を、文章による説明と画像と共に送り、御判断を頂いた所・・・更なる刃体の整形を御希望に。全体の削る量が増える為に、料金・期間も増える点も諒承され、追加での研ぎに成りました。

私も何となく、それを予見していた部分も有り、刃先拡大画像を撮らずに居た位でしたので或る意味、順当な流れでした。T様には御負担の増加を強いる事にも成りますが其れに相応しく、現状を超える仕上がりを御覧頂けると思いますので、もう暫くの御待ちを御願い致します。