北海道からの御依頼、ペティ二本

 

北海道のT様から送って頂いて居た数本、其の内のペティ二本を研ぎました。前回の牛刀と同様、全体的に傷を消して磨くだけで無く、刃体の(左右非対称に成って居る)形状を整える方向です。

 

双方、右側面に切り刃風の明確な段が有る・全体的な仕上げの荒さは殆ど共通ながら・・・刃体の厚みに結構な違いが。厚い方の鍔とブレードの境界は抉れており、逆に顎からマチ?に掛けては削り残しが有ります。

あと、厚い方は切っ先手前の数センチ、ペティとしては困るだろうと思われる位に厚みが残っていました。

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左側面は、二本共にフラットです。

 

 

 

先ずは、刃体の厚みを取りつつ形状を整えて行きます。刃元⇒切っ先・峰⇒刃先に掛けて厚みを取りつつ、傷も徐々に小さく。

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厚みの調整が進むと傷消しに入りますが、余り刃体ばかりを一気に進める事は有りません。鍔とハンドルの傷消しも、少しの時間差で進める必要が有る為です。完全に別に作業するよりも、コラテラルダメージ(?)を防ぎ易いとおもいます。従って、刃体⇒ハンドル⇒刃体と、三回から四回の繰り返しで進めました。

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既に、刃先直前まで削って置きましたので、人造の3000番で刃先を整える所から始めました。次に、中硬の巣板⇒中山の合いさっぽい物⇒五千両の天井です。

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研ぎ上がりです。

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全ての箇所に言える事ですが、特にタングの一番深い傷は、他との兼ね合いで程々に。

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刃先拡大画像ですが、厚みの違いが大きい二本でしたので、小刃の幅も幾分は違って来ます。厳密に左右側面の形状を揃えるならば、右側は更に厚みを取り、左は刃幅半分から刃先までを削らねば成りません。

しかし当然の帰結として、全体的に刃幅が激減します。更に問題は、峰から刃先を通る中心線がハンドルの中心線とズレる可能性が高い事です。以上を踏まえ、追い込むのは程々にしてありますが、調理に於ける使用感はかなり改善されていると思います。

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北海道のT様には、いつも御世話に成って居り感謝致します。。しかも次回、牛刀に取り掛かる前に、他の方の剣鉈を仕上げる事を御諒承頂き有難う御座います。少し、御待たせが延びてしまいますが宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

「北海道からの御依頼、ペティ二本」への2件のフィードバック

  1. 村上様

    毎回ながら非常に丁寧に仕上げて頂き有難うございました。
    贅肉が取れイケメンになって帰ってきた感じです。

    早速使ってみました。
    いやー切れる切れる!
    使っていて心地よいです!
    然程硬い鋼材ではないと思いますが、刃の入り抜けが抜群で鋭く切り込んでいきます。
    刃体の形状と整った刃先で、ここまで違うのは驚きです。

    次の牛刀は初めての厚口で、適度な重さで心地よく切る事ができそうで、楽しみにしております。
    村上様のご無理のないペースでお進め頂ければ大丈夫です。
    宜しくお願い致します。

    北海道T

    1. 御使用でも問題が無かった様子にて、安堵しております。   

      今回は二本を同時進行での作業でしたが・・・刃体の厚みが相当、違っていました。使用目的別に使い分けるのも有りかと思わせる程でしたが、どちらも其々に性能は向上していると思ってはいました。

      次回以降の研ぎでも、御希望に沿って進めて行きたいと考えておりますので、少し間が空きますが宜しく御願い致します。

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