近い将来、京都府亀岡市に天然砥石館(仮)がオープンする事を目指し、準備やそれに関連するイベントが進められています。
その一環で、八月二十日には砥石山探検隊と銘打ち、主たる対象を夏休み中の子供とした催しが行われました。
天然砥石の簡略な「採集・加工・可能ならば試し研ぎ迄」を体験して貰い、貴重な経験を通して地域の伝統産業・隠れた特産品に目を向け、理解を深めて欲しいとの狙いでした。
様々な層に御参加頂きましたが幸い大過無く、先ず先ず好評の内に終了出来ました。以下の写真は二日前の最終準備段階と、当日の開場直前の物です。
看板と、予備で用意した砥石の原石(青砥・丸尾山巣板・大谷山軟口の薄物)
砥石の加工用ハンマーや、貼り付けて台にする木材切断用鋸・小西さん御提供の混合接着剤など
展示用・試し研ぎ用の砥石達。合砥から、現在流通がほぼ途絶えている中砥・荒砥まで
専用の木製とプラ製の研ぎ台
未だ仮設なので給水などの不安も有りましたが、十分に役に立ってくれました。
会場は当時、森の動植物解説など、以前の内装やセットのジオラマなどが変更されないままでの機材や砥石の搬入となりましたが、それなりに問題無く使用でき、また視覚的な違和感も最小限に留められたのではと思います。
あと、結構前から訪問を重ねて選別し、取り置きして貰っていた砥石を先日、持ち帰りました。
二ヶ月ほど前に砥取家の次男氏から提供して頂いていた千枚。手持ちの予備と言うよりは在庫としての持ち帰りです。
質は中庸かやや硬めで、模様からも若干八枚っぽい千枚ですね。
此方は、二週間ほど前に説明を受けた八枚。層の成りにやや難が有るので、ホームページに載せずに商品棚に置かれて居たとの事。自分で確認した所、事前に予見出来る症状は対処可能で有り、それを踏まえた値付けが妥当であると判断し、購入しました。
上の千枚とは逆で、軟らか目で取っつき易い、珍しく千枚っぽい八枚です。
因みに、今回の八枚には早速活躍して貰いました。研ぎ見本として置かれている 切り出しに、少々錆と欠けが目立ってきたので何回目かの研ぎ直しに使用しましたが、期待通りでした。
シャプトンの1000番から但馬砥、白巣板、敷内曇り、卵色巣板、千枚(手持ち)・八枚(今回の)、大谷山戸前浅黄の順で仕上げました。裏は、錆落としでやや苦戦しましたので千枚で大まかに。
この他にも、展示用や体験用の刃物を研ぐ事になりそうですが、目下の心配は十月二十二・二十三日の御披露目イベントの後、暫く工事が続きそうですので、仮設でも一部展示・体験が可能な場所が提供出来ればと期待しています。
あ、それと少し前にイベント用のチラシ?かリーフレットに載せるスタッフの近影が要るとかで写真を一斉に撮られて来ました。
カメラ目線でニッコリ笑えと言われて頑張り、其れなりに出来たと思いますが多分人生初の成功例かと。しかし結局、使われなかったりする落ちも有り得るかも知れませんが。