昨年同様、和食の祭典へ

 

京都の歌舞練場での和食イベント、和食道に参加して来ました。昨年は月初めでしたが、今年は月末でした。

 

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亀岡まで向かい、砥取家の土橋さんと同行しました

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去年とほぼ同じ場所にブースを設置。今回は、参加する企業・店舗の名前が前回より有名処が多くなっていた様です。

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砥石の展示。あと来場者にトマトや人参(未使用でしたが)を切り比べて、包丁の違い・研いだ石による違いを確認して貰いました。

炭素鋼とステンレスの牛刀を千枚で研いだ物、ステンレスの三徳をキングの8000番で研いだ物を使ってのテストでしたが、記憶している限り全ての方が違いを認識された様子でした。

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当日は研ぎ指導・解説役として、一流の料理人の協力を得られました。調理の現場で培われた具体的なアドバイスや研ぎの手本を享受でき、来場者の方々には貴重な体験だったのではないでしょうか。

御本人とは、砥取家で数回御一緒したり、土橋さんと食事に伺わせて頂いた事もある間柄で、安心して相互に役割を果たせたと思います。

 

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最年少は三~四歳の女の子から、御年配の主婦まで研ぎを体験されたり研ぎ指導を受けられたりしましたが、初めて研いだ中では前述の女の子が最も筋が良かったかも知れません。

不要な力みや恐れも無く、一定の角度と速度で身体を操作できる素質と、指示を実行しようとする意識、相手の動きを自分で再現する吸収力に才能を感じました。特に直前にトライしていた外国の少年(六~七歳?)が速度・角度・指示した動作が不安定、且つ時間経過で飽きたか成功の実感を得られない故か、投げ遣りになって行ったのとは好対照で民族性か男女差か?と興味深かったです。

あ、直上の画像で研いでいる方はその少年ではないです。明るくて気さく、色々と興味を持って話し掛けて頂き、楽しくコミュニケーションが取れました。リスニングに追いつかない片言会話なので、相手が不完全燃焼気味なのはいつも通りでしたが。

 

 

 

お立ち寄り頂いた中にT様夫妻がいらっしゃって、砥石や研ぎに付いてのお話しや、私が研いだ包丁を御覧頂く機会もありました。

後日、千枚のコッパを選別する依頼をメールにて頂きましたので、此処に参考画像として載せてみます。

 

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表です

 

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裏です

 

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切り出しで試し研ぎ

 

メールでも御説明しましたが、御依頼後の最初の亀岡行き(会合目的)で偶然、待ち時間の一瞥で加工場から見つけました。裏表とも面付けされていなかったので、持ち帰って電着ダイヤで面を付け、試し研ぎしました。千枚にしては、やや硬さと細かさが控え目かなと感じましたが、鉄を吸わせる目的で五~六回研いでは置きを繰り返す内に、千枚として標準的な反応になりました。

大きさは小さ目のレーザー型程度、裏・砥面もやや不均一・不安定ですが、千枚は出るのが不定期な点・極稀な程に短い期間で見つかった点を考慮して判断して頂く事としました。

大きさ・形で、目的とお好みに合いますか分かりませんが、御考慮の上で良いとなれば御連絡お願い致します。因みに、御提示の予算の75パーセントの価格です。勿論、今回のは見送って、次回いつか出るであろう石を御待ち頂いても差し支えありません。

 

 

砥石と、選別依頼に付きまして

 

S様に御送りした裏押し用の硬口砥石、それに前回掲載した自分用の白巣板蓮華や浅葱・レーザー型は、之までとは違ったルートで入って来た東物でした(巣板は判別待ち?で他のも未だ伏せます)。後続として、同系統の白巣板蓮華その他もと算段していましたが、価格的に厳しくなる可能性が出てきました。仕入れが同程度の値段でなくなる訳です。

その為、S様の硬口の質と性能の砥石をあの値段で出すのは難しくなりそうです。可能ならば、巣板も回せるようにと考えていたのですが、有ったとしても普段使い用としてお奨め出来る価格になるかどうか。これは私にとっても同様で、取り置き分の確保も不確定です。

砥取家製(丸尾山)も数年前より高目になって来て、以前にも増して見栄えのする砥石は気軽に購入し難い状況になっている昨今、辛い所ではありますが。とは言え、私の仕事用の砥石は、巣板各種・通常の合砥・平面と曲面対応の鏡面近辺を狙える合砥・各種小割りした砥石含め、一生分で必要な量は確保出来たと言えば出来ました。

 

例えば、本焼きに使用を想定している巣板(蓮華入り)ですが、現在は以下の砥石達で対応しています。

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鎌砥に近いサイズですが筋を避ければ結構、良い仕上がりに。

 

 

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変形ですが、上の砥石より粒度細かく砥面の狂いも少ない。更に上の仕上がりを提供してくれます。

 

 

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上二つを足して割った様な使い勝手です。

 

 

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そして最近仲間入りした物

 

 

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此れもですね

 

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因みに、仕上がりはこんな感じ

 

 

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此方(奥殿)は資料みたいな気持ちでの購入でしたが

 

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予想以上に使えますね。と言うか、最も優れるかも知れません。

 

 

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他には、元祖本焼き用としていた白巣板巣無し(敷き内気味?)もあります。

 

 

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それら本焼き用の手前で地均しをしてくれる頂き物の若狭産

 

これらの砥石達以外にも、目的別に各種・各サイズ・複数の性質に亘って大抵揃いましたので、以前とは違ってせっつく気持ちに惑わされる事も無くなり、冷静に見ていく構えで居られます。

 

 

 

 

あと。S様用の青砥ですが、手頃なのを持って帰れました。サイズは、幅が5.5cm強~6cm弱。長さ20cmの厚さ5cmといった所です。

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大まかに面付けしましたが、質としては硬さ・細かさ・研磨力共にバランスが取れ、文字通り優等生だと思います。割れに繋がるヒビも目立つ物無く、強いて言えば底面がまっ平らでない事でしょうか。一応、砥面以外は石ちゃんを塗っておきました。

 

 

 

参考までに手持ちの青砥ですが、あと二本(硬さ中庸のややシャリと、柔らか目のトロ)は親の家に置いてあります。トロッとした泥がやや多めに出るのが好みです。シャリは、何処かスリガラスのイメージが。

 

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トロでしたが硬い部分が増えて行き、かなり使い勝手が変わってしまいました。大きくて重いので余計に使わない状況に。幅と厚みは8cm位。

 

 

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青戸とは思えない硬さで先ず脱落した物。

 

 

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砥取家で、おまけに貰った物。性能はややシャリっと以外は、満足且つ好みの物。

 

 

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細いですが、性能・砥ぎ感共に最も優れると感じている物。

 

S様、以上の様な青砥(五つ上の画像)ですが、良ければ送らせて頂きます。値段的には、硬口の八掛け程度になりますので御判断下さい。

 

この度の砥石を得て

 

前回、手に入れた砥石達は予てからの私の希望、或いは願望を満たしてくれる物でした。流石は、古来より名品と名高い中から選んだだけの事は有ります。

具体的には、巣板・合砥(曇り~薄曇りに仕上がり、切れも充分な)を超える切れと微細な仕上がり(半鏡面~鏡面)を実現し、尚且つカミソリ砥クラスの弱点克服と言うか、更なる高望みを叶えてくれる砥石です。

以前にも多少記載しましたが、カミソリ砥の弱点(やや難癖に近いですが)と感じるのは、研がれた刃物が「一様な仕上がり」に成り勝ちな事。平面以外の立体的な形状への追従性が低い事。鋼材・仕上がり等に因っては、結構適応範囲が絞られる事。感覚として線の細い切れと、唐突な切れ止みも・・・。端的には、対応可能な範囲で鋼材の個性を均質化しつつ金属粒子を微細化、平面の切り刃へ特化した砥石と言えるでしょうか。

上記の印象から、之まではステンレス(炭素鋼に比べて個性の幅が狭い)以外では、相性によって巣板・戸前系・千枚系で刃金部分を仕上げて来ました。しかし、もう一段上を実現できない物かとの想いも拭い切れませんでした。切れ・長切れ・仕上がり(美観・防錆の兼備)で、より満足いく砥石は無いものかと・・・。

千枚系統では、大まかには納得できる場合が多く、若狭の系統も取り混ぜれば上位互換や守備範囲拡大を狙えます。この上、全性能(切れ・長切れ・仕上がり)を上乗せし、守備範囲も広くて研ぎ易い砥石を望むなど、欲張りすぎだと自分を納得させていたのですが、巡り合わせの妙で幸運にも期待通りの石に辿り着きました。

結果的には、組織の粗い炭素鋼を始め、廉価なステンレス(ふにゃふにゃ)・中級品の癖の有るステンレス(柔い粘い)・焼入れと戻しが変則的なステンレス(ハシカイVG10)・粉末冶金鋼(カウリY但し実用硬度)にも最も優秀な性能を発揮。主眼の炭素鋼は当然として、特にステンレスへの長切れ効果は驚きました。あくまでも最終仕上げなので、手前の各段階で夫々の石は必要ですが。

 

 

其れが前回の砥石達でしたが、中でもこの浅葱。小振りながら、同系統の中でも目的を絞って厳選した物。一緒に試した30型や40型、大判含めた黄板等色物とは異なる反応と仕上がりに大満足です。(何故かレーザー型の色物には刃金の仕上がりが同等な石が有り、確保して来ました)

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刃金はほぼ鏡面、地金も透明感ある仕上がり。平面の刃物であれば、カミソリ砥に繋いで完全鏡面への移行も楽。

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しかし白眉は、曲面(刃・地、共)にも対応してくれ、斑の無い微細な研ぎ肌で鋭利な切れ(画像は説明用に刃金の中央で明確な研ぎ分け)。更には地金も引かず、中々の滑走感を併せ持っています。つまり砥石に当てる面積広く硬軟両部分あり、完全平面がほぼ存在しない刃物である包丁に最適。

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切り刃は千枚で刃金(先側半分)は浅葱です。刃金に比べれば地金の仕上がりは、少し補正が必要な場合も。なので、千枚の本体・小割りした物にて均し研ぎ。

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今後は要件にも因りますが、合わせの包丁については基本的に此の仕様を標準としたいと考えています。地金の千枚仕上げは変色と錆びを軽減し、刃金の○○仕上げ(今は伏せておきます)は考え得る最良の刃先を実現してくれると思います。

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おまけは、此方も探していた蓮華入り巣板で粒度細かく硬さ中庸の物(側面には蓮華だらけ・砥面には黒っぽい模様の中に蓮華が出始め)。いうなれば本焼きの標準仕様に必要な石です。

以前からの手持ちにはコッパで大中小の白巣板蓮華がありますが、やや硬目でしたので有り難いです。此で大まかに仕上げ、部分的な均し研ぎはコッパで行う事になるでしょう。

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下はその予備?(墨流し+蓮華)ですが、上の石とほぼ近似の石も取り置き依頼中

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因みに、私は心配性なので今回掲載の浅葱は勿論、前回掲載画像のレーザー型・色物の予備も揃えるべく三度、選別して来ました。幸い、意外なほど驚異的にほぼ同質の石(数個ずつ)を見つけ出せたので、今後はそれらを仕上げの主力として最大限、自分の理想とする研ぎ上がりを追求したいと思います。

 

あと、S様に御送りした石の質もやはり気に成り、近い物を手持ちに加えてしまいました。続いて御依頼頂いた青砥は、もしかすると余り御待たせせずに見つかるかも知れませんのでお楽しみに。もし、サイズ・予算で御希望があれば御知らせを。上手く行けばかなり自由が利く可能性もありますので。

 

 

選別の結果

 

北海道のS様より、砥石の御注文を頂いていましたが、やっと相応しいと思える砥石が見つかりましたので御報告まで。

 

本焼き包丁に向く巣板と、糸引きや裏押しに向く硬口の砥石との御希望でした。当初は白巣板の「巣無し」や「蓮華」を考えていましたが現時点では余り弾数が無い様子。そこで暫く様子見した結果、巣の少ない敷き内曇りを砥取り家の次男氏から受け取りました(白巣板層は、巣の有無で砥粒の形状・積層も違う様で)。

 

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恐らく、前述の純粋な白系統よりも、やや曇りは強いかも知れませんが、研ぎ易さと砥粒の出方の違いから、研ぎ斑は出難いのではと思います。試した切り出しの裏(鋼部分)も良い状態に仕上がりました。

 

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もう片方は従来と異なる砥石群になりますが、幾つか試した硬口の内で最も裏押し(糸引きは何れも良好)に優れると判断した石です。

勿論、平面同士など条件が合えば、切り刃自体から研ぎ下ろせる性能でもあります。兎も角、鋼部分の目の細かい仕上がりと砥面の狂い難さ、其れに相反する扱い易さで際立っていました。

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S様、以上の二つの砥石ですが、近く御送りしますので試して頂きたく思います。もし、質的な相性やサイズ的な問題で交換を御希望の際は御遠慮なく御願い致します。但し、今度は何週間か或いは何ヶ月掛かるか分かりませんので、気長に御待ち頂く事になると思いますが。

 

 

 

 

おまけは、序でに選んだ自分用の物と、正におまけで貰った物です。

 

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上画像の物は、之までの手持ち(大谷山・御廟山以外の鏡面系)の上位互換や相性探しの選択の幅を広げてくれる有難い物でした。特に鋼の鏡面(又は近辺)仕上げ・地金の鏡面(又は一歩手前)仕上げに役立ちます。

勿論、これらも裏押しでの使用に際しても、扱い易さと性能に不満は出ないレベルです。確かに超~超超硬口での仕上げとは、極僅かに違いが有るやも知れませんが、それらは性能を発揮せしめる能力を求められる上に、扱い難さを克服する必要があります。失敗の確率も上がり易いでしょうから、現実的には今回選んだ砥石達が重宝すると考えられます。

 

他にも、ほぼ真っ白な(薄っすら柄あり)定型のが気に成りましたが、資金が貯まる迄はと予約して取り置きにしました。まあ、あれは完全に資料(愉しみ用)ですので、急ぐ必要も無いのが幸いです。

 

 

三度、御依頼を頂きまして

 

 

以前、小刀と和剃刀の研ぎ依頼を頂きましたI様より、更に御問い合わせが。一転してアメリカンナイフの古典的なモデル、BUCK社の110です。

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ナイフ好きの方には説明の必要も無いフォールディングナイフで、勿論?自分でも持っています。父親の持ち物でしたが、アルマーのフォールディング(SERE)が大き過ぎたので交換しました。その後、チタンモデルや112?も追加した経験があります。

今回、アウトドアでは使う予定は無くいので、代わりに紙がすうっと滑らかに切れるのが御希望と。

 

研ぎ前 刃先

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皮砥で仕上げた結果、切れが今一に・・・との事で、角度を鈍角にしてしまったのが原因として考えやすいですが、初期の小刃(エッジ)角度がやや鈍角であったのかも知れません。アメリカのファクトリーナイフでは割合、多いパターンだと思います。

 

研ぎ前 刃先拡大

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角度を変えて、拡大画像の二枚。かなり、狭い範囲で其の割にきついカーブで砥石あるいは皮砥が当たっている様に見受けます。

 

 

今回の使用砥石、人造から。シャプトンの1000と2000。

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刃先の角度の再調整と僅かな刃毀れ取り

 

 

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そこから、研ぎ目の微細化とミクロのハマグリ気味に

 

 

天然は右から丸尾山の、薄っすら黒蓮華(墨流し模様入り)・戸前・田村山の戸前

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黒蓮華に硬めの伊予砥名倉

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丸尾山の戸前に卵色巣板(紅葉)名倉

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田村山の戸前に卵色巣板(紅葉)名倉

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研ぎ後 刃先

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研ぎ後 刃先拡大

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今回の鋼材(元は425モディファイトで現在は420でしたか)と、使用した天然は予想以上に相性が良く、研ぎ易さと仕上がりの良さに感心しました(合わせた名倉の後押しも有るでしょうが)。

このセットは狙ってはいたのですが、ウィーンのイベントで向こうの包丁(大半が硬さ控え目)に効果的だった組み合わせです。そこで、近い硬度であろうと試した結果、覿面だったと言う訳です。

 

 

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一応、御希望に副って紙が滑らかに切れるとは思いますが、更に髪も切れる程度には正確な刃先になって居ます。極端に其れに特化した鋭角研ぎでは無い為、材質にも因るかも知れませんが・・・。しかし、代わりに通常ナイフが相手にすると想定される対象には問題なく使えるでしょう。アウトドアも含めて。

料金的には、刃渡りが8.5cmで状態が1cm当たり100円レベルでしたので、8.5cm×100円+税で、918円でした。

 

 

I様、この度も有り難う御座いました。この仕様がお好みから外れていた場合は勿論、研ぎ直し致しますので御遠慮なく御願い致します。

 

 

 

11月22・23日の砥石選別

 

この連休に、亀岡に行ってきました。目的の半分は、以前北海道から本焼きの柳の研ぎ依頼を頂いたS様に相応しい砥石の選別でした。

結果としては、通常使用では中々の物が多く在りましたが、本焼きに適する上に出された条件に見合う物は、もう少しじっくり探したいと思いました。S様には、値段・期間の幅を取って頂きましたので、短期(週単位)での選別ではなく、やや中期(月単位)で対応したく存じます。

 

 

代わりに、私の仕事用(本当かな?)の砥石で追加と変更をしてきました。

先ずは小さい白巣板ですが、之は特殊用途専用です。和包丁の切り刃を仕上げる際、複雑な面構成に成る所への対応は大きく二つ。一つは狭い範囲毎に小割りした砥石で分割、もう一つは其の面に合わせて砥石表面を変形させ、そこで研ぐ方法です。

下画像の砥石は、後者の方法に使用する目的で選びました。選定基準は、石そのものがやや当たりが柔らかく、肌理細かく尖っていない砥粒で傷が消え易い物です。小さ目が在り難いのは、当然大きい物で同様に使うと平面管理が面倒なこと、作業のテンポが遅くなる事、砥石の性格として、その目的に対して最大に振り切った物が少ない事からです(絶対数と、其に伴う確率の問題)。

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一応、切り出しを研いで見ました。目的通りの仕上がりですね。問題は平面以外での働きですが、それも現地で試し研ぎ用の置き包丁(来週生ハムスライス予定にて)を研いでテスト済みです。

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次は、八枚と表示が在りましたが、ほぼ千枚ですね。此方は、少し前に白巣板と共に購入した敷き内曇りが、やや性格的に似すぎていたので交換して貰った物です。

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刃金は、この系統としても可也良い状態です。

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最後は、砥取家で集合していた常連の一人、小鮎様から頂いた中山の並砥です。どうやら、再生品?に近い砥石で大きく厚かった物を加工されたそうです。経験値を上げて貰えるプレゼントを、何時も有り難う御座います。

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刃金は、上の砥石に比べてやや曇り加減ですが元々は結構、柔らか目だったそうなので其れ故でしょうか。対して、地金は此方の方がやや明るく仕上がり、そう云う違いも面白い所ですね。そして、層が変わって硬さも激変したとの由、又鉄を吸っての変化もあるでしょうから、今後はどうなって行くかも楽しみです。とは言え、充分な綺麗さと切れではありますが。

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次の日曜も、同様の予定ですが前回よりも大変そうです。春からの動きや予定が確定したり方向性が示されるかも知れません。それに亀岡周辺での動きも連動して来る筈ですので。

 

しかし其れとは別に、依頼を頂いた砥石の選別は抜かりなく行なうつもりではあります。

 

 

初のヨーロッパ

 

以前からの予定通り、一週間程オーストリアに行ってきました。現地のレストランから駐日オーストリア大使館を通じて、日本研ぎ文化振興協会に依頼があり、私がイベントでのパフォーマンスを任されました。

出発前から知人(風景・建築好き)に、現地の画像を見せろと言われていましたので先ずは、ウィーンに到着してからのほぼ順番通りに。

 

空港です

離陸(成田)

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着陸(ウィーン)

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宿舎になったホテル。傍には国連のビルも。階段や室内には絵画が。

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道路の向かい側から。中央の車線と側道でちょっと御堂筋風に感じます。人通りを含めて交通量はかなり控えめですが。

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真っ直ぐ行くと川に出ます

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徒歩20から30分で、ドナウ川です。車道と段差を付けて地下鉄と歩道(自転車道併設)が一体になった橋が架かっており、中洲を挟んで向こう岸まで渡れます。橋の中ほどには地下鉄の駅があります。ホテルからの最寄り駅は、橋の手前に在るもう一つです。

 

手前の川岸。鳥も四種類ほど居ました。白鳥と真鴨、ユリカモメみたいな鳥、烏と鳩の間みたいなサイズとカラーリング(白・グレイ・黒)の鳥。

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中洲(左側)に下りるスロープ。自転車、ランニングの人がちらほら。

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対岸の教会と船着場。ドナウの始まりから終わりまでのクルーズや、もっと短距離・短時間のツアーもあるそうです。

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イベントに先立ち、系列の別レストランで研ぎの指導を。

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内部は色々な設えで、此処は最も明るいスペース。試食を兼ねて食事を頂きます。

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その後、厨房にて研ぎの説明と実演。一番切れない包丁を、と言うとかなり丸っ刃になり、裏からも角度の付いてしまっている柳を差し出されました。一応、修復する方向で研ぎ始めましたが、裏押しがまともに出来ない内は、若干両刃的に角度付きで返りを取らざるを得ないと判断しました。シェフに研ぎ上げた包丁で実際にサーモンを捌いて貰いましたが、頭を落として三枚にし、腹膜を梳き取る動きは上々の様子でした。途中では吟味する表情でしたが、最後に笑顔で良かったです。

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次の日は、シュテファンなんとかで待ち合わせです。地下鉄の駅から上がると待ち合わせの時間には早過ぎ、場所も判然としなかったので(どれが約束した教会か)、少し見晴らしの良い縁石に座って待つ間、周辺の写真を。

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ツヴィリングやストウブなど鋳鉄鍋の店も

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教会の中。神様は一人だけれど、聖人が夫々、ジャンルを分担して加護を与えるといった説明を聞いて、日光月光両菩薩みたいだなと思ったり。

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中心部の 広場周辺。

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端っこでハープを弾いていたり。ラピュタのエンディングだったような。

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OECDのヘッドクォーター等が入っているとの事。

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像の向こうは国会的な建物だったかと。それ以外の役所(財務省や内務省?)も城・宮殿式のデザインみたいです。

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広場から少し離れると美術史博物館と、その向かいに瓜二つの自然史博物館が並んで建っています。

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内部(展示室以外)です

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帰りに日が傾き

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彼が今回、通訳とガイドを引き受けてくれたヨハネスさん。日本の文化や宗教にも詳しく、漢字の読み書きも出来る程(私の走り書きのメモも読めたのには驚き)。一時期、日本に居た事も在り日本人の観光案内は御手の物といった風情。

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主要な建築物や有名な通りは勿論、裏通りの老舗や裏路地の地元民御用達の名店も網羅。

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ヨーロッパでペストが流行した時期に、収束した事を感謝して作られた物だそうです。

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ここの左側には呼び込みの(?)お父さんが居て、「コンチェルト、七時、どう?」と日本語で誘ってくれます。

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昔から王侯貴族に金の装飾品を納めていたとか

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サザビーみたいなオークションの会社を通り抜け。

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カフェにも 何軒か連れて行ってくれました。予想以上に御菓子が充実しており、中には一階の売り場がケーキ屋にしか見えない店も。それもあって、観光客には入り難いのも頷けます。実際には二階は落ち着いて飲食できる調度になっていました。ケーキ類は基本的に、街の伝統的な物と店の名物、そして季節の物が並んでいる様です。

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ザッハトルテ(と同系統)の想定を上回る甘さには驚嘆。

 

 

唯一、自分一人で入ったのはザハホテル併設のカフェらしかったのですが、兎に角メニューに日本語の表記が混じっていたので飛び込みました。注文したのはウィナーシュニッツェルとかいうウィーン風カツレツです。団扇みたいな広くて薄い奴に苔桃のジャムの小瓶、レモンの半割りが付いてきました。それらの御蔭と、酸味を効かせたジャガイモも相俟って、さっぱりと食べられました。一緒に頼んだのはアールグレイです。

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オペラ座で行なわれたドンキホーテのバレエも、運良く予約して貰えたので鑑賞する事が出来ました。先の腹ごしらえは此の為です。何と三幕です。

しかし二幕目から到着した隣席のお姉さんに、三幕目との間の休憩中に何処から来たのか、日本なら宮崎駿を知ってるか、どの作品が面白いか教えろ、など聞かれたので焦りつつも片言の英語のみで独断と偏見により答えておきました。

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いよいよイベント会場のドッツレストラン(十周年記念パーティ用内装)で準備です。話してみると当初の話と色々異なる状況に困惑しつつも、代用や流用で何とか整えて開場を待ちます。

駐オーストリア副大使のテラオカさん(名刺が横文字のみ) と名刺交換と挨拶、イベントのオーガナイザーの方と打ち合わせ等している内に騒がしくなり、そのまま始まりに。

御蔭で、会場やゲストなどを撮影する余裕も無く、画像は以下だけです。(イベント会社からの画像を大使館が転送してくれたので、二枚追加します。その後、動画も送られて来ましたが、自分では全体どころか周囲も余り意識していなかったので可也、衝撃的な映像でした。こんな事になっていたとは)

 

 

 

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現場のレストランのシェフや、ゲストの包丁くらいは研ぎましょうと言っておいたのですが、到着してみると2ダース近い包丁が様々なレストランの料理人から届いていました。

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オーガナイザーその他からは、ある程度研いだら酒を片手に談笑でもしてれば良いと言われましたがそんな気分にもなれず、結局8時間くらいのイベント中に全て研ぎ上げて来ました。途中、何度かテレビのクルーが撮影に来ますが、只でも余分な照明が二倍になって厄介な上、レポーターが覚束ない手つきで包丁をカメラに見せるので気が気じゃ無くなります。

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それ以外にも、トマトやキュウリを「ヨハネスさんの研いで居ないステンレス包丁・自分が研いで持って行ったステンレス包丁・司作の三徳」で切り分けて試食させたり希望者には試し切りさせたりしました。切れの違いと共に、切られた食材の味の違いを確認できたとのコメントも結構頂きました。ですので、今回包丁は一本当たり15分から20分位で研いで居ました。普通は40分前後ですので、完全な形状や傷消しは諦めて80点狙いで捌きました。そして最後には、我が通訳殿の包丁も。

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柳で新聞を切ったりビクトリノックスのスーベニアでビニールを切ったりして、喜ぶ人やナイフを欲しがる人(ナイフマニアだかコレクターらしき人)も。結局、まずまずの割合の人に注目されたり、数組のゲストにはかなり食い付いて貰えたので良かったと思います。只、これまで余り切れない包丁しか使ってこなかったシェフ達には、よく切れると喜ばれるか手を切ったと恨まれるかの二つに一つでしょうか。しかし、切れに何らかの問題があるからと預けてくれていたのだから、喜んでくれていると信じたいですね。それでこそ、オーストリアまで出掛けて連続八時間研いだ甲斐があると言う物です。

因みに、夜中?四時辺りでイベントが終わり、此方も後片付けを終えたのは五時過ぎ。ホテルに着いたのは六時を回っていましたが、雑誌のインタビューは其の日の朝九時半です。ヨハネスさんとは二時間半後にロビーにて待ち合わせをし、シャワーの後一時間仮眠、再びタクシーでインタビュー場所のオフィスに移動しました。

此方も事前情報と違って相手は料理雑誌の取材に来たお姉さん三人。相手がシェフやオーナー的な人ではなかったので、普通にヨーロッパにおける和包丁の位置づけや日本の包丁の特徴や優位性に及ぼす要因など、聞かれるままに説明しました。

結果的に、テレビのニュースや新聞に取り上げられた事に加え、上記の料理雑誌でも記事になるとの事で、ヨハネスさんからは画像など手に入ればメールに付けて送ってやるとの事。しかし、今になって考えれば、雑誌の人と話していた時に発行されたら送って欲しいと言っておけば良かったですね。

今回のウィーン行きは、状況が悪くても(準備や設備が整っていない可能性を考慮)何とかなる様に、自分なりに手を打って向かいましたが、此方も急遽変更になった通訳兼ガイドのヨハネスさんの尽力に因る所が大でした。到着初日からホテルのロビーで熱心に打ち合わせに付き合ってくれ、話の理解も早く更に先まで読んで来る。私が研いでいる状況を通訳しながら基本的な研ぎの流れを理解し、イベント中も此方の動きのサポートもこなす。ガイドに至っては街の歴史や建築物の種類にも詳しい。バレエや絵画など芸術の造詣の深さも感じさせる奥行きのある人物でした。一緒に仕事をしても不満を感じさせないどころか性格も良く信用でき、頼れる男。彼との知己を得られたのは最大の収穫かも知れません。

ウィーンを離れる前日から、自分でも思っても見ないほど辛さを感じ驚きました。建物・街並みの綺麗さと人・車が多過ぎない環境、山河・自然の美しさと想像以上に食べ物が旨いのは当然あるでしょう。これらは自分の好みの範疇ですから。しかし、短時間の詰め込み教育的とはいえ、彼から案内された場所、聞かされた話しが幾らかでも具体的に身に染みたので愛着とまで言える感覚になったと思われます。ほぼ毎日、ドナウ川の川岸を散歩していたのが地味に堪えています。まあ、現地に居たときから薄々分かっていましたが・・・日本に居た時はこんなにウィーンにやられるとは、本当に思っても見ませんでした。

いつか再び訪れる機会を持てればと思います。それと同時に、遠からず日本を訪れるであろうヨハネスさんには、御世話になったお返しをと考えますが、関西にも詳しい彼には余り役立てないかもですね。其の分、多少専門分野という事で、包丁・砥石関係で貢献したいです。その頃には渡して来た小さな戸前と巣板を使いこなしているでしょうから、普通サイズの特選砥石やお勧めの包丁でも案内するとしましょう。

 

 

 

最後にお土産です。グラスはボヘミアガラス、焼き物の方は陶器と磁器の間くらいの感じです。どちらも伝統的な物ですが、グラスは三十年も前に母が欲しいと言っていましたのでこの機会にと。

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前祝?

 

前回の本焼きが北海道に届き、使用した際に鮪の脂の乗った筋入り部分が崩れず切れ、抜けも良かったので感激・感動との御返事を頂きました。御手持ちの合わせの方を上回ったそうで、一先ず安心しました。S様、加えて応援も頂き感謝致します。

 

そして夕刻、バイクで帰宅途中に何時もの和菓子店前で、若旦那と目が合いました。帰着後暫くして、何かを呉れるとの電話が。久し振りに店の常連の釣り師からのお裾分けとして、鯛を頂きました。これまで、イサキや太刀魚などはありましたが鯛は初だったかと思います。

 

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鱗を取って

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相出刃で三枚に。特に大きくなくても、頭を割るのは相変わらず難しいですね。あと、白子も入っていました。

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塩焼きです

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イベントでは、結構ちゃんと魚を捌く事も期待されている様子にて、直前に良い予行演習となりました。久々だと感覚が違いますね。現地では生食できる魚が手に入るか不明らしいので、態々やる意味が在るかは分かりませんが、日本人が魚を捌くところを見たいと。料理人では無いので、その部分は気が引ける成り行きですが・・・。それよりも今は荷物の残り半分を詰めねばなりません。砥石が多いと、荷物の各重量制限がかなり厄介です。

 

若旦那には何時も有難う御座います。あと、飴も美味しかったです。出張に向けて此方も応援を頂きましたので、特に迷子にならいように気を付けて行って来ようと思います。

 

 

北海道からの本焼き柳

 

北海道から本焼き柳の御依頼で、鮪の筋への切れと身離れを改善したいとの事でした。お手持ちの合わせの方では問題無いそうですが、其れとの差異が不明確でも有り、私の本焼きの研ぎ基本路線でお任せとされました。

切り刃は極緩いハマグリで、刃先近辺(3mm前後)から徐々に刃先に掛けてきついハマグリへ。切り刃と刃先の二段階のハマグリは双方、刃元から切っ先に向けて厚みと角度を減らして行きます。最終刃先角度は元側50度、中央40度、先側30度前後です。

 

到着時、刃先の厚みはかなり抜かれており、軽く糸引きが入っている様子でしたが、裏と表に恐らく製造段階のラッピング的な名残りが原因してか、紙の束には余り切り込めない状態でした。刃先・・・特に切っ先などは鋭利でしたが、やや滑り加減である事に加えて切り刃の抜けが不足している抵抗感がありました。

研ぎ前 全体

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刃部 アップ

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刃先 拡大

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切り刃の厚みの不均等は少な目でしたので、最初はキングデラックス1000と1200で

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ほぼ柳専用と化している細長シリーズ(白巣板ナマズ)と小鳥砥の名倉

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細長シリーズ(敷き内曇り)

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細長シリーズ(敷き内曇りの卵寄りでやや硬し)

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本焼き専用のやや硬口巣板(白+敷き内)

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千枚で傷消し・・・の筈がもう一つ・・・。

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研磨力+仕上がりの白巣板ですが追い込み切れず。

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白巣板蓮華の一つが覿面でした。良く食い付き、研磨も速いのに仕上がりが綺麗。

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最後は、鏡面青砥で裏押し(一本松戸前の名倉)

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研ぎ後 全体

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先側 刃部

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刃部 アップ

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刃先 拡大

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今回は、荒砥の必要性が無かった為に一寸当たり2000円となりました。刃渡り(刃の実測)が32cmだったので、料金は2000円×10.5寸+税で22680円でした。因みに所要時間は8時間ほど。

 

 

北海道のS様、この度は宝物の柳をお任せ下さり、有難う御座いました。合わせの方に負けない働きをしてくれると良いのですが。特性(製造法・刃の付け方)が違うと思われますので、其々の適性に応じた活躍を期待し、又それを楽しんで頂ける事を願っています。

添付しました画像の仕上がりに御喜び頂き恐縮ですが、現物が届いた際に、確認画像に劣らずの外観であれば幸いです。研ぎの御依頼、並びにブログ掲載への御協力に感謝致します。

あと、天然砥石の世界へようこそ。違いが分かると楽しいと思いますよ。御注文の砥石も狙い定めて選別してきます。其れまでは、御手元に届いたばかりの砥石達と親交を深めてお待ち下さい。

 

貰ったペティ

 

刃物まつりで貰ったペティを使ってみました。殆ど戻しを掛けていないとの事だったので、どれ程扱いづらいのかと思いましたが案外、普通に使えました。

吊るしの状態のままで重ね煮を作りましたが、刃零れが出やすい訳でも無く際立って長切れする訳でも無かったので、焼きと戻しの関係は中々、一筋縄では行かない物ですね。

では、特筆する点も無い平凡な出来だったのかと言えば、此れも違いました。組織の細かさは今までに試したV金10号の中で一、二を争う程で、良く掛かり滑らかに切れます。更に、ブレードの研削で上手く肉が取られている為、やや厚目を選んだにも関わらず切断対象から受ける抵抗も少ない仕上がりです。

使用後、天然砥石で研ぎ直したので本当の切れと長切れを試すのが楽しみですが、ペティは二本貰ったのでもう一本あります。そちらも使って、同等品の研ぎのビフォーアフターというのも出し物に出来るかも知れませんね。

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あと、知人から言われたのが(其の方にもデモでナイロンの掬い切りを見せたので)ヨーロッパで身近なビクトリノックスで袋物を抉って見せては?との事でした。そこで序でにスーベニア(デモで使ったモデル)も研ぎ直しました。

 

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これらも念の為にネタの一つとして加えておこうと思います。

 

 

研いだ包丁のビフォーアフターなどを載せていきます。