既に一週間前に成りますが、砥石館にて小刀造りイベントが行われました。今回は、将大刀匠を招いての本格的な火造りからの工程で、鋼材的には刃物鋼で無く通常の丸棒とは言え、充分な切れを期待出来る内容でした。
合計で十名の参加者の方々は受け付けを終えると、屋外の火造りからスタートです。
炭を入れた火床(ほど)に、鞴(ふいご)を用いて送風。丸棒を加熱します。
充分に温まると、取り出して
金床に載せて鍛造。薄く幅広に整形して貰います。その後は、ベルトサンダーで粗削りも。
火造り工程後は屋内に戻って来て、酸化被膜を適度に落とし
人造の1000番から研いで行きました。
全体的に刃が付いて来たら、天然砥石(中硬の青砥)で仕上げ研ぎです。
研ぎ上がった小刀には、希望により柄巻きが施されます。数種類の中から、任意で色の指定も。
第二陣以降は、御子さんの姿もチラホラ。
それなりに完成させる為に、手伝う部分は多目に成ったかも知れませんが、とても満足して頂けた様です。又、大人の方々にとっても、充実した時間を過ごして頂けた様で良かったです。一部、ハンマーを振るった腕が少々、辛かったとのコメントも漏れ聞こえましたが(笑)。
完成した小刀は、鍛造の加減か熱処理のバラツキか、硬さと粘りの兼ね合いに様々な個性が現れていました。当日で最も優秀な仕上がりと思われた個体は、研いで居ても鋭い刃が付くだけで無く、返りが取れ易い上に長く切れが続きました。余りに試し切りを続ける少年の様子に、切れが鈍るのではと危惧していたのですが・・・最後まで同様に切れ、杞憂に終わって良かったです。
此の度も、イベントに参加下さった皆様には感謝致します。複数の方々には、数種のイベントを連続での御参加、重ねて有難う御座いました。
更に少し先には、砥石館ではテレビ石(光ファイバー的に像を伝える性質?)の磨き体験も予定されているとの事です。