直近で到着した包丁の研ぎ、後半

 

次の研ぎですが、実際に触るのは私も二回目、研いで見るのは今回が初めてになると思われる、司作の菜切りです。

類似の経験としては、数年前に一泊二日で日野浦さんの所で御世話に成り、鍛冶体験として菜切りを作らせて貰った際の物だけです。

其れが下掲の参考画像です。

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今回に送られて来た菜切り、研ぎ前の状態、右側面。

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同じく、刃部のアップ。画像手前の左寄りに、小さな捲れが数ヶ所、確認できます。

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左側面

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研ぎ始めは、成の中砥の粒度別の二種類です。司作の切り刃は相当にフラットかつ薄目ですので、特に初期からは出来るだけ厚みを減らしたくない点、そして研ぎ目は細かく仕上がって居るので何段階も(荒い方に)戻って研ぎ直す必要を感じない為です。

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下画像は、少し前に田中砥石で薦めて貰った試作品的な砥石です。天然砥石の粉末を豊富に含んだ砥石ですので、当たりがソフトで仕上がりも相応に細かい印象です。

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其れを用いて更に、不必要に減らす事なく、研ぎ目を消しつつ切り刃の構造を調整して行きます。鎬筋から刃先周辺までは、殆どベタに近い形状を活かしつつ、切っ先方向へテーパー化(初期の切っ先側の数cmは、やや厚みが残存)。

刃先数ミリの範囲では、最先端に向けて漸次、鈍角化かつ切っ先方向に向かって鋭角化します。

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天然に移行し、対馬です。切り刃構造全体の精度向上、加えて研ぎ目を小さく。

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丸尾山の蓮華巣板で仕上げ研ぎ。

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中山の戸前・巣板の中硬で最終仕上げ・・・と思いましたが、もう一段の切れ向上を見込めると判断。

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やや硬口の中山の巣板、戸前っぽい物で仕上げました。

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研ぎ上がり、右側面です。

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同じく刃部のアップ。

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左側面です。

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T様には、此の度も包丁の発注・研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。私の手持ちから同時に御送りしました、六寸の三徳は今回の菜切りとは地金・刃金ともに異なりますので、切れ・永切れ以外にも研ぎ肌の違いとして現れると思われます。其の辺りも楽しんで頂ける方だと感じていますので、何方の包丁も可愛がって頂けましたら幸いです。

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

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