説明文 1               (研ぎ屋むらかみHPより)

 

これまで、幾つか御質問やお問い合わせを頂いたのですが、それらの内、ブログだけ、又はホームページの一部のみ見て、場合によっては殆どの説明を読まないままと受け取れる事が在りましたので、ホームページの説明の欄に書いていた事を此方にも載せてみます。(どちらに書いてあっても読まずに質問・問い合わせの人には効果無いかも知れませんが)以下は自分が関の刃物会社に居た時に経験・勉強した事やそれ以前から本・雑誌・資料から得た知識、子供の頃から刃物を研いできた体験をベースに、近年は様々なホームページやブログなどでの記述を照らし合わせて違和感の無い考えを参考に、現状考えられる大きな間違いが無いと思われる内容で書いた物です。(数個在ります)

極大まかな料金の説明や依頼を受けてからの説明はホームページの方で御確認下さい。

 

鍛造作業の手順(切り出し小刀の一例)

1. 地金(軟鉄)と鋼の材料を任意のサイズに切り分け、用意する。

2. 接合時、双方の隙間が出来るのを防ぐ為、鋼の材料の面取りをする。(断面が台形にな

 るように地金に乗せる)

3. 地金を加熱し、硼砂を乗せた上に鋼を置き、圧迫する。その後、鍛接温度まで加熱する。

 4. 手槌で手前から軽く叩き、安定したら強く叩き接合させる。

 5. 平(平面)やコバ(側面)を叩きながら整形していき、刃元から切っ先を造形する。(手作業・

    ベルトハンマーで伸ばしながら薄くしておく)

 6. 焼き入れ温度くらいまで加熱し、徐冷する。(ゆっくり冷やす事による焼き鈍し)

 7. 回転砥石で表面を均す。外周を削り、形を決める。面取りをして歪みを取る。

 8. 焼きムラ防止の脱脂。(有機溶媒やサンドブラストなど)

 9. 砥の粉(砥石の粉など)を水で溶き、塗布して乾燥させる。

 10.柄を暖めた後、焼き入れ温度まで加熱し、水冷。(急激に冷やす事による焼き入れ)

 11.状態により、この段階や後行程で歪み取りを行う。

 12.軽く加熱して再び水冷。(焼き入れ温度より大幅に低い温度からの急冷による焼き戻し)

 13.水研機で裏を梳き、刃を荒削りする。更に細かい目で刃付け。

 14.手研ぎによる砥石での仕上げ研ぎ。

  後半では合間に冷間で裏を叩き出したり、鍛造・鎚目付けが加わる事もある。

  注:硼砂・・・鍛接剤。硼酸や酸化皮膜などを調合して鍛冶が独自に作る場合が多い

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