たまに使う刃物

 

包丁だけが料理に必要な刃物と言う訳では無く、これも基本的な道具の一つでした。出汁を引く為に使いますが、下の道南産真昆布はそのまま使うので関係ありません。(熟成風にするため葉書サイズにして純米酒を塗ってから金網を敷いたダッチオーブンでキツネ色手前まで炙っておきますが。そして冷蔵庫へ。)

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使うのはこの枕崎産本枯れ節をかく時です。

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母が持っていた鰹節削り器で、小学生の頃はまず日曜毎に削らされていました。台が割れたので三木の常三郎で相談して台と鉋刃を見繕いました。幅のサイズは55㎜の台そのままで合いましたが、元よりもかなり厚かったので削って送るとの事でした。しかし到着すると、同時にまな板削り用に買った55㎜鉋と同寸の台のままでした(長さはぴったりに切り詰めてありました)。結果的には、引き出しが引っかかるのと蓋が浮くだけで使えてはいます。

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裏の鍛接線上にバリが出た物を安くして貰いましたが、青紙一号と錬鉄の合わせで、切れ味・研ぎ味共に文句ない性能です。但し本枯れ節の硬度か角度の問題か、欠けが出易かったので鈍角且つ糸引きを入れて対処する内に欠けが改善されてきています。初期のパラ付きだったかも知れません。

下は丸尾山敷内曇り仕上げの状態です。

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下画像の左は同時購入のHAP40と極軟鋼合わせです。最初は刃金と地金の耐摩耗性の違いから、地金の方が先に下りて鋭角になり勝ちでしたが、角度維持よりも刃金と合う砥石で刃先を研磨する意識により改善されました。因みに相性が良かったのは丸尾山の千枚でした。

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下がその千枚仕上げHAP40のベタ研ぎ刃先です。

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これで鰹節を削りますが、一度にほぼ使い切ります。だから切れ味が落ちてからは無意識に力に頼り、欠ける要因だったかも知れません。

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使用目的にもよりますが、極上品な出汁を取るなら上の状態の物を昆布で取った出汁に加えれば良いわけです。しかし煮物その他でやや濃い味付けの出汁の素として、下の鯵・鯖・鮪の類いで作られた製品とブレンドしてパックを作っておき、冷凍保存します。

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あとは海塩と薄口醤油(長崎のチョーコー・超特選 生が好み)、純米酒くらいでの味付けを基本にしています。下は菜の花(恐らく菜花の間引き菜)を下ゆで後に上記の出汁に放り込んだだけです。

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味見をすると、すぐに刃が気になってくるので、さっさと研いでしまいます。出汁の素を作っておく理由は、度々では面倒と言うだけでは無く、半分は使った刃物は例外を除いて直後に研いでおかないと落ち着かない性分のせいだと思います。

 

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「たまに使う刃物」への2件のフィードバック

  1. どうも砥取屋で会った者です。あのときは砥石の事をいろいろ教えていただきありがとうございます。
    家にも鰹節削りがありますが、上手には削れません。

    1. コメント有難う御座います。大まかな説明だったと思いますが、参考になれば幸いです。鰹節は自分も試行錯誤ですが、刃先の鋭利さだけで無く、鰹に負けない頑丈な角度が在ってこそで、更に刃物の性格に合わせた研ぎの選択が必要の様です。硬すぎ・柔すぎ・粘りの有無など。削る厚みにもよりますが、それで刃の出し方も変わりますし。あとは削り方で、頭の方を持って押すのか、引く時は又違うでしょうし。刃に対してスライドさせながらかまっすぐ削るかなど、色々楽しみながら試して頂きたいです。

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