砥石の選別 3

 

日曜は、先週辺りから研ぎ依頼されていた常連さんの包丁を、やっと受け取りに行けました。その流れで、更に前(つまり前回の選別直後)から頼まれていた(こちらも御馴染み)、直近のやや硬口・研磨力自慢の白巣板を当たって来ました。それともう一つは、質の良い戸前系・細か目の砥粒の物、という注文でした。

 

先ずは戸前系から

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上画像は、本戸前・色物・60型で、ほぼ、自分が「三色」と分類している物です。研磨力・仕上がり・切れ・扱い易さのバランスが良い優等生で、尚且つ砥粒がかなり細かい物です。硬さも程よいレベルで、平面の刃物を研ぐに当たっては、心配しようも無い砥石です。

 

 

 

以下はいよいよ、月山さん・かずかずけんさん・そして自分用の白巣板です。月山さんと私は、平面管理など取り回しの観点から、割合形状やサイズに拘りは少なく、定寸・直方体でないコッパやレーザー型でもと思っていました。しかし、砥取家にて次男氏から例の原石の一派と示されたのは十分に綺麗な物で、サイズも80型(近辺の物含む)でした。

今回も、青紙と思われる小刀で試しましたが、大きな差は無く近い性能の砥石達でした。

 

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上画像は、今回の白シリーズで最も研磨力が強く、その割には、かなり細かい砥粒に助けられて、傷の量・深さ共に問題無い仕上がりです。

 

 

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先の物より、僅かにマイルドかな?という性格ですが、ほぼ誤差の範囲と言って良いでしょう。

 

 

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上画像は、40型あり、性格も小鮎さんに送った物と近いと思います。(研ぎ手のアプローチの仕方による仕上がりに、特に幅が出る)その為、小さめの砥石で十分と思っていた筈が興味深さに負けて自分用に買ってしまいました。

 

 

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上画像は、80型には少し幅が足りないサイズですが、今回の白の中では 多少、自然な感じの泥が出る砥石で、幾らか研ぎ初心者や柔らか目好きにも対応出来そうです。ですから販売用としても無難で、且つ又自分の予備としても問題無いので確保してきました。

 

 

 

其れとは別に、カミソリ砥など、鏡面に仕上げる際に必要な共名倉も頼まれていました。実は以前に大上系の共名倉を紹介していましたが、今回は更に上を目指せる物を希望との事です。小さい砥石が数十個入っていた木箱から二個、探し出しました。

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上画像は、戸前系(敷きか?少し、いきむらさき部分有り)の物で、石自体がやや硬めなので希望から外れ気味にて自分用としました。只、砥粒自体の細かさは十分で、緩衝・研磨・張り付き防止の役割はこなしてくれます。

 

 

 

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上画像は、表裏が緑灰色と赤褐色の恐らく戸前と合さの境界でしょう。どちらも使えますが、緑の方が細かく仕上がります。石自体も砥粒も、先の物よりやや弾力があり、その割に仕上がりも綺麗だと思いました。こちらを送る事とします。

 

 

 

因みに、自宅にて大谷山で共名倉としての性能をテストした画像です。

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自分的には、この辺りまで仕上がれば問題無いと思います。

 

 

 

 

おまけです

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かなりの厚さです。巣が狭いピッチで入っていますが、研ぎ減りが少な目なので、巣を落とすサイクルは見た目程に慌ただしく無いと思います。

加工場から持って来て表裏、面付けして購入しましたが(だから之も判子など無しですね)、微かに黒蓮華の印象を受けます。砥面が細かく硬めでありながら、砥粒の目が立っているのか平面同士(刃・石)でも研ぎ肌にやや傷が入りやすい傾向がそう感じさせるのでしょうが、錆びが出易いとか巣が黒いとかも有りません。ましてや黄鉄鉱みたいな光る粒も硝煙みたいな匂いもありません。

そういう意味では扱いに気を使う程度は知れています。しかし、性格は異なりますが直近の白巣板と同様、鋼を強力に下ろして前段階の傷を消す役目を果たしてくれそうです。(刃物のサイズ的に、40型を使うまでも無い場合はこれで十分ですね)

 

 

「砥石の選別 3」への6件のフィードバック

    1. 小鮎様

      済みません、一つ目のコメントが不明になってしまいました。ですが、戸前系がかなり充実して来たとの事、祝着至極です。そして、試し研ぎをして裏・表で使い勝手が良い方を砥面に選ぶのは王道だと思います。

      敷戸前は尚さんの所ですので、単に研いでみるだけなら困難では無いとは思いますが・・・。

      今後は千枚のバラエティにも興味がおありの様子でしたね。又、注意して見ておきます。

  1. 村上さん今日は(^-^)/
    丸尾山敷き戸前研いみました^_^
    良いですね^ ^唯研ぎ感が色物に比べて硬い感じがしました(^-^)/
    でも結果は良いですね(^-^)/

    1. 小鮎様

      今日は。そうですか、試されましたか。敷戸前が適するのは大工の現場用、等と言われますが、天上や戸前と比べてやや巣板っぽい研ぎ感かな?と思わせるくらいで、最終的には好みですよね。性能的には個々のバラツキの方が大きく、各層の違いを凌駕する場合が多いと思います。傾向としては硬めが多いし、粒度も(本戸前以外の戸前系としては)粗いのは少ないので、確かに包丁よりは平面の刃物向きだとは思います。

      日曜の丸尾山行きでは、千枚は探し当らずでしたので、又次回と思っております。

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