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研ぎの合間に

 

京都からの二本目を研ぐ前に又、亀岡へ行っていました。身体の調整の方でも依頼を受けて居り、体調や日程(複数人なので)を見て連絡が来ます。

前回に伺った時はIHに惨敗を喫したので、今回は現場では最低限で済むように仕込みを終えて翌日に向かいます。メインと成るのは、牛筋(スネ肉含む)のシチューとテールのスープです。遠いですが品揃えの良いスーパーと、近所の焼き肉店に併設の精肉店に買い物へ。

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昔は、国産・黒毛和牛であっても筋なら安かったんですが、驚くほどに高くなっていますね。其のままでは食べられない位なのに、高級な部位に近いとは。

 

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焼き肉店がリニューアルしてからは通っていなかったんですが(素焼きの醤油ダレと冷麺の味が変わった気がして)、買ってみると出て来た肉類は程度も良く価格も適正だと感じました。

 

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筋の方は、炒めてから水で下茹で後、煮込んで行きます。

 

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スネは、炒めながら野菜も投入。時間差で煮込みへ。

 

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圧力鍋なのに、普通の鍋として使うと言う暴挙に出たのは、どうせ終盤は煮詰める作業が有るので。

 

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しかし最後は圧力を掛けて殺菌し、冷ましてから冷蔵庫へ。其の儘、安全に運ぶ事が出来るので便利では有ります。

 

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テールの方は、脂身を削ってから粉をはたき、塩胡椒して炒めてフランベ。下茹でする段階まで終え、冷蔵して翌日に備えます。

当日、現地では玉葱のみじん切りと共に煮込んで仕上げに絹サヤ(普段はグリンピースあたり)を加えました。あと、追加で今回はきちんとジャコとしし唐の炊いたんを作れました。どうしても自宅で作る通りには行きませんが、前回よりはマシだったかと思います。

次回はてっさと、鍋でもしてみますか・・・どんどん無難な方向に逃げている気もしますが。其の上、食材費で出て行く分も増加傾向にあるのが若干、気掛かりで。まあ、其処んちの子が喜んでいれば良いとしましょう。

 

 

 

他には、司作の地金が変更になったので其の対応を考えたり。以前に使われていた地金には、相性の合う千枚が余る程に在ったのですが・・・。

現行の地金に合う小割りは当座、困らないのですが予備として作って置いた分量でしか無い為、早晩不足が出るのは目に見えています。

下画像が其れで、千枚・八枚系統の一つ。白いのは、鹿革に貼り付けた物です。

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同質で残っている塊は此れのみ。他のは原石状態では無く、整形されています。

 

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研いで見れば、八枚と言うより千枚でしょうね。少し先に、小割りにして補充して置く予定です。

 

 

此方は、見るからに八枚。量も多目で余裕が有ります。

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八枚の原石状態は此れだけですが、大き目で結構使い易いです。用が有るのは上の石なので今回は、小割りにするのは見送ろうかと。

 

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この小さい二つ位は、小割りの足しにしておきます。

 

 

 

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試し研ぎ兼雑用に使用中ですが・・・やはり切り出しも、硬くて細かい砥石で仕上げた方が永切れするので、奥殿の浅葱(超硬)で研ぎ直しておきます。

 

 

 

 

 

京都の常連様からの御依頼、一本目

 

以前、二度ほど研ぎの御依頼を頂いた折りに、店舗の方へ伺いたいと希望していた鮨店に行く事が出来ました。今回は、司作の柳の納品に伴っての機会と成りました。

 

下画像の二本の御届け。飛紋と雲竜の地金ですが、現状ではノーマルの鍛え地自体、利器材を使わず製作出来るのは数人に限られる様です。

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出て来た料理の一部です。断らずに載せてしまい良く無いかも知れませんが・・・普段、接する機会が無いレベルでしたので、ついつい。勿論、味に不満の有ろう筈も無く・・・感服しました。

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入れ替わりに、此方を受け取りました。本焼きの二本・・・次の研ぎの御依頼と言う訳ですが、分不相応な贅沢をしてしまった直後ですので、有難い限り(笑)。

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先ずは此方から。切っ先が少々、傷んでいる他は鎬筋周辺の揺れと、切っ先カーブ辺りの厚みの残存・小さな欠け程度です。

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人造砥石から研いで行きますが、400番で欠けを取りつつ全体を均します。

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次いで、1000番で形状を大まかに。

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3000番で細部まで揃えます。

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天然で傷消し。中硬の巣板と若狭の巣板(軟口)です。

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中山の三毛みたいな奴で更に傷消し。防錆と食味に貢献します。

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奥殿の巣板(硬口)で最終仕上げ。特に、刃先と裏押しに。

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やや柔らか目の仕立ての包丁ですので、永切れを狙って更に中山の浅葱も当てて置きます。

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研ぎ上がりです。

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全体画像

 

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刃部アップ

 

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刃先拡大画像

 

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裏です。従来からの影響で裏押しが、やはり平面に成り切れていなかったので切っ先寄りの三分の一、やや起こして砥石に当てて有ります。

先々には、刃が研ぎ減りするに連れて平面が整って行く筈ですので、表裏から正確に研ぎ進めて行かれる事を期待したいですね。

 

 

 

京都のH様には、今回の研ぎ依頼を含めて御利用を頂き、有難う御座います。其の上更に、司作柳の追加まで発注下さり感謝致します。但し此方は、御存じの様に直ぐさまとは行きませんので、少々の御待ちを頂きます様に御願い致します。

あと、一両日中に今回の二本目が研ぎ上がりましたらメールにて御連絡を致しますので、研ぎ上がり画像で問題が無いか御判断頂きたいと思います。宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

博物館会議に御来場で

 

京都で行なわれた博物館会議に、砥石館もブースを出していたのですが其の際、御来訪を頂いた方の中から先日、研ぎの御依頼を頂きました。

近所と言っても良い距離から御送り下さったI様ですが、左利き・右利き双方の御二人で使用中との事。なるべく、偏りが無い方向で仕上げようと考えて砥ぎました。

 

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研ぎ前の状態。炭素鋼の刃金を、ステンレス地金で挟んだ三層利器材の三徳ですね。炭素鋼の部分(刃先や峰・マチの断面の中央)に錆が見られます。

 

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刃先の欠けや摩耗は、酷いと言う程では有りませんが刃線は白く見えています。

 

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刃先だけの研ぎで済むと思っていたのですが、平や切り刃を軽く磨くと、切っ先付近の切り刃(地金部分)に厚みが残っているのが気に成りました。人造砥石で研ぐ前に、人造の小割りで大まかにですが均し研ぎ。

其の後は、400番⇒1000番⇒3000番と上げて行きます。小割りの終了段階で安心してしまい、画像は撮り忘れです。

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天然に移行し、中硬の巣板⇒中山の合いさっぽい物で仕上げ⇒奥殿の天井巣板超硬で最終仕上げとしました。

 

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人造で研いでいる段階では鋼の質も結構、硬さを感じていたのですが、仕上げに掛かると若干の粘りを感じました。研磨力の強い砥石・圧力を掛ける研ぎ方では、返りの処置が厄介な傾向。ですので、今回は掛かりを犠牲にする事なく、刃先を軽く滑らかに研げる奥殿の天井巣板超硬を選びました。

 

 

 

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研ぎ上がりです。

 

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刃と地の境界は、錆の痕跡が残存しますが無駄に減らしたく無かったので研ぎは、此処までで留めました。

切り刃の地金部分はベタに近い研ぎ。刃金部分は刃先に掛けて、鈍角にして行くハマグリ。地金・刃金共に、切っ先方向に向かって厚みを減らしています。

 

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刃先拡大。

 

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切り刃その物の刃付けが元来、右側の厚みが多くなっていましたので、左右均等に近付ける為に左の切り刃を研ぐ割合を減らしました。

 

 

 

I様には、ブースに御越し頂くのみならず、研ぎの御依頼まで頂きまして有難う御座います。当日は、可成りの方々に説明やデモンストレーションをしていたのですが、其の中の幾人かでも砥石や研ぎに関心を持って頂ければとの思いでした。

実際に、依頼をしてみようと思って下さった方が現れた事は、感謝の念に堪えません。仕上げた包丁が御好みに合って、御使用上でも有用で有りましたら幸いです。

 

 

 

 

 

最近の事柄

 

先週位に、亀岡の砥石館に行って来ました。すると、閉館間際になって遠来の来訪者が。東京の、とある工作機材を取り扱っている方の様でしたが、父君の代に在った天然砥石を御持参で。

 

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合砥(戸前系統)と超大型の巣板。合砥の方も立派なサイズでしたが、兎に角も巣板の大きさに圧倒されました。大きい物で有りつつ、質も均一で性能も一級品だと思われます。仕事上、看板にも成り得るでしょうから大事に保存される事を願いますと伝えました。

 

 

 

しかし私が亀岡に向かったのは、砥石館で常連さんと待ち合わせをする為でした。時折り依頼される、体の調整の方の仕事の為です。落ち合った後は御自宅に招かれ、作業開始?終了後は食事も出して頂きました。

しかし、私が普段食べている物とは少々、趣を異にする品々でしたので悪戯心が湧いて来たので次回は私が御返しに料理しましょうと提案。一週間後にその機会が訪れました。

 

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少し、具材の大きさが目立ちますね。普段は冷凍の春巻きに近いサイズに切りそろえ、外観も準じるのですが急いで作った事も有り、ワイルドな感じに。

 

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IHでの揚げ物は初でしたので、温度の調節がリニアでは無く難しいです。普段はダッチオーブンの最小の蓋付きスキレットですが、親の家に派遣して居りスーパーで購入のスキレット(ガラス蓋付き)を持参しました。投入直後の温度の低下が抑えられますので。

 

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具材の大きさと、久々の巻きでしたので仕上がりも大雑把です。味に大きな不満は無かったのですが・・・。

 

 

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ブラックタイガーを背開きにして背わた出しと、(油を少量に抑えたいので)薄く切り開く目的を叶えます。

 

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フライパンが春巻きの中身で一杯ですので、スキレットで揚げ焼きに。少し手間でした。

 

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適当に手近な副材料を混入。今一、味付けが薄かった上に此れが宜しく無かった様です。火加減の微妙さと相俟って、薄らぼんやりな仕上がり。IH恐るべし。

 

 

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もしかするとサラダが一番、高評価だった恐れも有ります。まあ確かに、此れが一番、自宅で作った物に近かったんですが。本当は麻婆茄子と、万願寺とジャコの炊いたんも作る予定でしたが時間切れ。

 

 

 

二日後、気分転換?仕切り直しで肉じゃがを(笑)。

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あっさり風味で、煮汁は多過ぎず少な過ぎずに。少な目で、絡ませつつ煮含める方がパンチも有り見栄えもするのですが、此方の気分でした。上に在るのは、鮭の塩焼きを牛乳パックの上に取り出したままの状態で。

 

 

 

司作の鍛え地は、若干ですが気に成る部分を手直ししましたので、いよいよ納品に伺えます。研ぎの御依頼を頂いて居る常連様でもあるのですが、食事の予約も取って頂けました。納品にかこつけて、楽しんで来たいと思います。

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司作柳の二本目、鍛え地雲竜

 

さて二本目の鍛え地です。捻りが加わっているので、雲竜という事になります。シンプルな鍛え地とは、又違った雰囲気で躍動感・奥行きを感じさせますね。まあ、両方とも好きなんですが。

 

研ぎ前

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此の個体は、切り刃の厚みの残存が少なくて仕上げ易いかなと思ったのですが・・・刃線の突出部が刃元・切っ先カーブの開始部分・切っ先手前の三か所に。其処を減らして刃線を整えました。

他には何時も通りに、切り刃全体を刃先へ向かって鋭角のハマグリに。刃金部分は刃先へ向かって鈍角のハマグリ。勿論、切っ先へ向かって角度変化を伴いながら仕上げます。

 

 

 

研いで行くに当たり、平の磨きから始めました。

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磨いた平に、天然砥石の小割りを当てて仕上げます。巣板三種に、千枚と八枚。

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切り刃の方を、巣板で仕上げ研ぎ。

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千枚で最終仕上げ。

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刃金部分の先端と裏押しは、水浅葱で。

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研ぎ上がりです。

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此れで今回、送って貰った二本が仕上がりましたので、先方へ連絡する事が出来ます。二年程前から御要望を聞いていたのですが今でも必要とされているのか?いや覚えていてくれてるのか心配ですが・・・。

 

 

 

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司作柳の本番一本目、流水飛紋

 

手持ちの流水飛紋で予習を終え、御依頼の方に掛かります。

 

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到着時の状態

 

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塗布されていた油を除去。結構、薄目と言うか鋭角な仕立て。

 

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研いで行きます

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人造砥石の小割りで、厚みの調整と鎬筋の修正。カーブ辺りの厚みの残存・刃先の鋭角すぎ?へも対処します。天然の小割りも使って反応の確認。平の仕上がりが、光り気味・砥ぎ肌の表現、の中間でしたので、思い切って磨きました。

この後は天然で仕上げますが折角、私のオリジナルっぽい扱いの商品ですので、納得いくまでやって見ようと。幸い?事前の予行演習で要領も把握済みですし。通常の物ならやりませんけれど。

 

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研承の白の1000と3000で切り刃の全体を調整し、刃金部分の角度の調整は研承の成。研磨力・平面維持・傷の浅さのバランスが良く、便利ですね。其の内、同シリーズの3000番も試してみたい所です。

 

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天然の中硬の巣板

 

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中山の緑板で仕上げ研ぎ

 

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中山の水浅葱で最終仕上げ

 

 

 

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研ぎ上がり、全体画像です。

 

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刃部のアップ

 

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裏ですが、初期段階では刃線中央で僅かに、裏押しが刃先まで当たり切れていない部分が。研ぎ後は、何とか全体が揃って来ました。

此れで、今回の柳はあと一本ですので、仕上がった時点で御依頼主へ御連絡をと考えています。最短で、来週前半には御届け出来るかと思いますので、宜しくお願い致します。

 

 

 

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司作柳の研ぎ前に、肩慣らし

 

司作柳が来るとの連絡を、日野浦さんから貰って以来、予行演習も兼ねて手持ちを修正していました。

サンプルの柄を挿げる練習も兼ねて仕上げた、手持ちの包丁達の中で最初に選んだ事も有り、中子と柄の誤差が最大に成った物でした。研いでいる際に、僅かにガタツキを感じましたので付け替えも視野に。先ずは平・切り刃の傷を消して、数回目の鎬筋の修正。

 

 

 

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因みに、うちに来た時の状態。一番上です。

 

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荒仕上げ済み。左側です。

 

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当座、最低限は使える状態にしていました。

 

 

 

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人造の小割り(1000番以下)で傷消しを兼ねた均し研ぎ

 

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傷の浅い1000番・3000番で、更に傷消し

 

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軟口・中硬の巣板で

 

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千枚・八枚系統で

 

 

 

さて、柄を外したり付け替えるのは経験が少ないのですが、柄のサンプル第二段(改良されて殆ど製品レベル)を目にしたので、纏まった数を発注すると同時に一つ、先行して購入。早速付け替えてみました。

 

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やはり、割らないで外すのは困難でしたね。

 

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此方が、完成形の柄です。私は基本的に、黒檀系統・紫檀系統が好きですが、黒柿は味が有りますね。(長時間使うなら、色味の経時変化は有るものの、適度な硬さと肌触りで櫟が気に入っています)

初期状態で少し、穴の中で捻じれが有りましたので可能な限り、ダイヤモンド鑢を使って方向と間隙を調整しました。

多少の捻じれ・隙間は避けられませんでしたが、之までの中では最もマシな仕上がりかと思われます。

 

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最後に、もう一度だけ研いで置きます。

 

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研ぎ進めて来たので、裏押しの途切れている部分も初期状態から見ると随分、範囲が縮小して来ました。

 

 

この包丁は、研ぎ依頼の常連様でも有る知り合いに送る予定です。私が挿げた柄の使用感や包丁自体の研ぎも、様々にテストして貰おうかなと。所謂、モニター的な格好ですね。

若干、窮屈なままで中子をカチ込んだので、先々にひび割れなどを誘発しないかが喫緊の課題と言うか心配です。まあ、自分で柄の挿げ替え等を常時、行なう予定は無いんですが・・・。

 

 

 

 

 

最近の事

 

ここ最近の事柄です。

と言っても、最初の下画像は少し前の事に成ります。近所の商店街の行きつけのピザの店ですが、偶々テレビの取材と鉢合わせ。二階の端に引っ込んでいたのですが、漫才師の方が店員の方と絡んでいる数舜のシーンで、私も画面に映っていたと。知り合いの方が伝えて来ました。

 

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二階の端

 

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ピザを回したり放り上げたりする競技で、優勝した店員の方が撮影されていました。デモンストレーションで、生地を幾つも換えながら激しい動きでした。混雑にも因るでしょうが、状況が許せば何時でも見せてくれると。

 

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数年前から、本国のイタリアでも少数派になっているらしい石窯。と言うか薪窯?EUでは、環境基準的に煩いみたいです。大理石製だと何かが発生とか・・・しかしガスには無い独特の焼き加減と、何より香りが違うので好きなんですけどね。

 

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又、暫くしてからランチへ。ピクルスとサラダが付きます。

 

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基本のマルゲリータ。私は専ら、此れかシチリアーナです。

此方の店長からの話が広がって、地元の区の方が説明を聞きに自宅に御来訪。ワークショップ等、興味を示してくれた所も有ったとかで、僅かでも地域に貢献できる機会に成れば望外の幸せです。

 

 

 

 

あと、小割りの作成も続けていました。後半は、手のひらサイズとは言え一旦は成型した物を切って貰って分けました。

切り出しや包丁を研いで見て、性能に問題無い事を確認の上、小割りにすると万全の品が完成し易いです。

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奥殿の天井巣板、カラス気味の中硬。

 

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割れ方は、今一つ均等とは言い切れませんでしたがマズマズ。

 

 

 

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中山の作業場横、嘗ての切り落としなどが纏めて有った場所からの緑板(黄緑)。深緑よりも黄緑の方が細かい感じもします。

 

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其れを鏨・鑿・ハンマーで割って

 

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ダイヤで摺ります

 

 

 

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此方は、奥殿の天井巣板ですが結構な硬口。ですが、絶妙な弾力も併せ持っていたので、是非とも小割りにしたかった物です。

上の黄緑も同様に、質的には良くても普通の砥石としてはサイズ・形状的に扱い辛かったり、筋が研ぎの邪魔をし易い場合、小割りに向いています。

砥石に成らない様な端っこ・薄い部分等だからと言って、小割りに向いている訳でも無かったり、質的にムラが多かったりするので厄介では有ります。

 

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田村山の浅葱。数年前、初めて越後さんから若狭の砥石を買ったり交換した際に、貰った三つの切り落としの一つ。

質的には三つの中で抜きん出ていたのですが、筋が三本ほど走っていて研ぎが難しい。しかし厚みも有るので今回、やっと小割りに出来ました。

 

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最後に、二年越しの待ちを経て到着した司作の柳。流水飛紋と、鍛え地雲竜の其々、磨きです。私が最後の少し前の段階から、拘った研ぎを出来る様に刃付けを加減し、準備を御願いしていた分です。

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永く御待たせしていた御二方には、私が仕上げの研ぎを施す期間だけ、後もう少しの御辛抱を御願いしたいと思います。

 

 

 

 

 

海外からの牛刀二本(二本目)

 

本来は、此方の方が御問い合わせの本命でした。鍔元の錆?の痕跡を消せないか?・刃紋をハッキリさせられないか?との事で。前記事の合わせは、発送頂く際に同梱したからと送られて来ました。

 

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切り刃の大部分は、機械仕上げと思われますが結構、肌も綺麗で(少し粒が大きいか)鍛流線も現れています。

 

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刃先の切れも、中々の物。ただ、刃線中央から切っ先寄りで切断時に抵抗が増します。

 

 

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刃先拡大画像

 

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上画像の痕跡を消したいとの事でしたが、見る前から局所ばかりを削れば全体のバランスを崩す事は予想できたので、半減するくらいで留めてはと助言しました。

 

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本焼きの刃紋は、出る時は出るけれど専用に使う砥石を選んで来た訳では無いので、分かりませんよと断って引き受けたのですが。やはり可能な限りは期待に沿える様にと、小割りの増強も一本目の研ぎと同時進行で。

 

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以前に上野館長から貰った水木原の内曇り

 

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更に以前に採取して来た奥殿の天井巣板。現行使用中との性格違いを追加。

 

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同じく、性格違いの奥殿天井巣板の二つ目も追加。

 

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奥殿天井の現行の物。

 

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奥殿天井巣板の現行の物、その二。硬くて明る目に仕上がります。

 

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奥殿の天井巣板、現行の物ですが超硬口。光り系です。

 

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中硬の巣板の後で、上記の各種巣板で様子を見ます。合間に、千枚・八枚で光らせつつ仕上がりを判断。

 

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やや、明るい曇りに仕上がった所で終了。

 

 

 

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中山の緑板・合いさっぽい物・中山水浅葱で最終仕上げと狙ったのですが、相性的に普通レベル。

 

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奥殿の本巣板の白、各種ではマズマズ。珍しく持ち出した菖蒲の蓮華入り巣板で仕上がりました。

 

 

 

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研ぎ上がり、全体画像

 

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刃体

 

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刃部アップ

 

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刃先拡大画像

 

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痕跡は、半減しました。

 

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主目的の平の部分は、何とか狙った範囲の研ぎ肌に成ったかと思われますが、傷や痕跡を完全には消し切れていませんし、刃紋に沿って砥ぎ上げた訳でも有りません。

自分の仕事は切れを出すのが本筋だと考えていますし、美観を重視した仕事は不得手であると自覚もしています。ですので、余り綺麗さに過度な期待は御控え頂きたいのですが、どうしてもと言われれば応えようとしてしまいます。結果的に、仕上がりに満足出来る事が少なくて辛いのですが・・・。

此の度は、わざわざ国外から御依頼を頂きまして感謝して居ります。前述の通りで、拙い技術に御気を落とされるかも知れませんが、切れに関しては間違いなく向上していると思いますので、美観に関しては御諒承頂けましたら幸いです。

もしも、私で御役に立てる様でしたら今後も宜しくお願い致します。ですが先ずは今回の二本を、間違いなく御返送しないと行けませんね・・・。

 

 

 

 

 

海外からの牛刀二本(一本目)

 

フェイスブックを通じて、研ぎの御依頼を頂きました。後半の遣り取りで、持ち主の方は別にいらっしゃる御様子で。研ぎ上がり画像を送ろうとした際、間違って電話が繋がってしまった時にも日本語で出てくれたので良かったです。

そもそも、フェイスブックでも日本語でしたし・・・御蔭で、国内の外国籍の方かなと勘違いし、送料は(距離がマチマチなので)着払いにして貰っていますと説明してしまいました。香港の方からの御依頼に続いて、EMSの使用は二回目ですので少々緊張しますね。

 

 

一本目

合わせの炭素鋼牛刀です。刃先に損耗は見られますが、刃線の繋がり・刃角的にマズマズ切れてはいます。少なくとも、紙の束にも強めに力を加えれば切れる程度に。しかし、丸めた束には切り込めず。抵抗が大きすぎると、厚みが邪魔をしているのが分かりました。

 

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部分的に錆も見られます。あとは、特に左の側面に傷跡が。或る程度は減らしたい所ですね。

 

 

 

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全体を軽く、ペーパーで磨いてから刃先の厚さを減らして行きます。人造の400番から1000番、3000番まで。左右のバランスを取りつつ切っ先へ向かってテーパー状に。思っていたよりも、側面の広範囲迄手を入れる必要が。

 

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人造の小割りと天然の小割りで、側面の均し研ぎ。特に部分的に突出していたカーブ手前、錆と傷を微妙に狙って進めます。

其の後、天然に移って中硬の巣板で仕上げ研ぎ。

 

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最終仕上げに、緑板で様子を見ます。

 

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どうも、相性的に普通レベルでしたので、中山の黄色っぽい奴の二種で様子を窺います。

 

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大幅に改善しましたが、更なる向上を目指して硬口の奥殿本巣板で仕立て直し、もう一度中山に戻って仕上げました。

 

 

 

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研ぎ上がり、全体。

 

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刃体、右側。

 

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刃体、左側。

 

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刃先拡大画像

 

 

狙っていた内容を盛り込めたとは思いますが、天然と人造の表面処理が上手く融合とまでは行かなかった気がします。そもそも、もう少し研ぎの対象範囲が狭いとの想定でしたので、珍しい形に。性能的には、満足頂けるとは思うのですが。

当初は洋包丁基準でと考えていた所、結果的に和包丁基準に成ってしまいました。ですので、見積もりの上限以上の算定となる事を気に病み、両刃ながら片刃の料金としました。今後は、説明時点での幅が広くなっても御伝えしないとと反省しています。