大阪府下(南寄り)から研ぎの御依頼

 

大阪の南の方から、研ぎの御依頼を頂きました。文面ではペティナイフとの事でしたが届いてみれば、何方かと言うとハンティングナイフ寄りのアウトドアナイフ、但し調理にも適正が有るタイプとの印象でした。

研ぎ前の状態です。カスタムナイフ、乃至は手作りの部分が多目の丁寧な作りと拝察します。

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遠目にはフラットグラインドに見える方も有るかも知れませんが、関で御世話に成った事も有る、尾上さんの言葉を借りるならば「研ぎ切り仕上げ」となるでしょうか。切れ優先のハマグリと酷似しているとも言えますが、届いた段階の刃先は赤味肉を捌く位は出来そうながら、新聞の束に切り込むのは難しい状態。

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研ぎ始めは320番からですが、刃先が相当な薄さを保っていた(新品でしょうか)為、ほんの少しの研磨で済ませたい所。折角の刃先の薄さをスポイルしたく無いですから。そこで極小の小刃を、先ずは25度で付けてから35度くらいで二段階に付けます。

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次に1000番と3000番で研ぎ目を細かくしつつ、研ぎ分けた角度を繋げます。ベースの25度の面から峰側に急激に繋げ、25度と35度の間は緩斜面に。

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天然に移行し、対馬で研ぎ目を細かく。刃先角度は切っ先方向へ向かって、5度内外の範囲で鋭角化。

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仕上げ砥石で相性を探りつつ・・・と思ったのですが、予想以上に難航しました(笑)。鋼材と熱処理の加減で、カリカリ(粘り不足)・ネバネバ(硬度不足・焼き戻し過多)の傾向が有ったりしますが、其れに加えて組織の密粗・均一さの違いで下りの良さ・引け傷の入り易さにも影響します。

今回のナイフも大いに砥石を選ぶタイプだった様で、梅ケ畑の赤ピン系統・中山の各種・奥殿の天井巣板系統など、総力戦に近い様相を呈する事に。

下画像は、奥殿系の戸前っぽい(やや硬口)のと梅ケ畑の赤ピン(硬口)でしたが、上手く仕上がらず。(中硬の赤ピンでは辛うじて普通程度の仕上がりに)

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中山の巣板層の合いさ寄り・戸前寄りの硬口も御気に召さない様子。

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中山の巣板層、天井っぽい中硬~やや硬口では、僅かにマシかなレベル。この後、幾つかの水浅葱でも試したのですが同様で。

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奥殿系の天井巣板、紫とカラス(其々中硬)では、やや改善。

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奥殿系、超硬口の天井巣板では、ほぼ問題が無い仕上がりに。

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もう一段階上の性能を引き出す為、同じく奥殿系の天井巣板、超硬口の無地で最終仕上げです。

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研ぎ上がりです。刃先の小さ目の小刃(切っ先へ向かって鋭角化+刃先方向へ漸次鈍角化)と、刃体側面のハマグリ+直線部分の少ない刃線により、紙の束にも充分に切り込める、本来あるべき状態です。

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此の度は、M様には研ぎの御依頼を頂き頂きまして、有り難う御座いました。御使いの上、何か問題など有りましたら御知らせ下さい。刃先角度の調整その他、再調整も可能です。

今後も、私で御役に立てる場合は、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

最近の事

 

少し前から、手伝い先の若手の方から天然砥石の御要望も頂く事が続いて居ました。基本的には、小さ目・薄目の中山を御手頃価格で探して来て(田中砥石で採掘中の物)の御提案と成って居たのですが、中砥石にも興味が出たとかで、又それの為に京都まで往復する事に成ったり(笑)。

当然乍ら或る程度は、数を持ち帰らないと採算が合わないのですが、私が貧乏なのと選別基準が少々、厳しいのとの二重苦で精々、数個ずつが限度なのが厄介です。本当は自分用にも欲しい気持ちを抑えつつ、手頃なサイズ(幅は狭めでも充分な長さ)の天草(若干硬目・細か目)と資料用の中山コッパを買い求めて帰阪しました。

其の後、先方にとっての天然砥石一つ目であった中山に続き、天草は普通に御渡し出来たのですが、更に中山と天草の間を埋めるに相応しい砥石の追加も打診されました。おや、とうとう砥石沼に片足を突っ込んでしまうのかなと心配しつつも、御用命は有り難く。実は数か月前、有り金はたいて(当社比なので一般的には些少です)田中砥石で揃えた砥石群が、送ったまま返送された経緯が有りまして。期せずして、其れが活きて来る運びに成りました。

序でに、他の御一人からも同様のセットの御希望が有りました(借りて見て気に入った様子)ので、私が過去に入手の手持ちの中からも候補を挙げて、選んで貰おうかと。とは言え、流石に販売用の天草は無いので、再度の仕入れの為に遠からず京都まで出掛けるつもりです。勿論、今回は自分用にも購入する決意と共に。

 

取り敢えず御一人目に、天草から中山に研ぎ進める際に踏むべき、幾つかのステップとして提案したのが対馬(四分一)と相岩谷(レーザー型)でした。飽くまでも、ヘビーユーザー向けでは無く、天然砥石の御試し用~実用的には問題が無いレベルでサイズ・価格の面から妥当と思われるラインナップとしました。

 

御渡しした分の相岩谷の画像は無いのですが、対馬としては次の画像と同等品です。

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相岩谷は現在、私が最初期に買い求めた近所の道具店由来の三つ以外にも幾つか有り、其の内の一つを販売しました。系統としては中硬の緑色タイプで、下画像の大き目レーザー型のサイズ違いでした。

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下画像は、通常サイズレーザーですが左は難が無く、右は厚みが二倍ほどの物であり、対して販売用に選んだ緑色は普通サイズ・裏が一部欠け・側面に層の境界が有って割安に出来ました。

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側面を見ると、朱色の梨地とも言える模様が見えます。

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因みに、下掲の三つが天然砥石を集め始めた最初期の物です。左は超硬口に近い硬さと細かさで、嘗ては中山のマルカと強弁されて流通したとの噂?も強ち、有り得ないとも言えないレベルの高さです。

中央の浅葱色の砥石は、硬口で一部に当たる(鋼への影響は軽微)筋も有りますが、特に切り出し等の平面刃物への適正が高いです。

右側は中硬~やや硬口で、砥面が所期と比べて別物の質に成って居ますが、其れでも汎用性の高さは健在です。昔は、鎌型薄刃の切り刃を前面に当て、一気に刃金・地金を仕上げられる便利さに感動した物です。

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地金が敏感で、切り刃が広い切り出し(仕上げ難い)で試し研ぎです。上掲三つの内の右側の砥石は、泥が出過ぎない割りに滑走も適度に有り、研磨力に優れる(しかし平面の崩れは控え目)砥石です。

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左の砥石は、基本的に刃金は鏡面に近付きます。何年も前に有識者(清人さん)に鑑定を頼んだ際、欲しくなる位の石だと言われたり。地金に対しては少し気を遣う面も有りますが優等生で安定して居ます。

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真ん中の砥石は、泥が少なく鏡面系の石なのですが、筋が多いのが難点です。とは言え、当たる加減は様々で鋼材や形状で異なります。影響が少ない鋼材・形状の刃物を、問題個所を避けて研げばよい仕上がりも狙えます。ただ、今回の切り出しは難易度が高めですので地金に斑が出ています。

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中硬~やや硬口の、しかもヒビだらけでも、鏡面系かつ斑も出難い反則みたいな砥石も有りますね。

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もう少し、刃も地も明るくしたいならば、より硬く細かい砥石が必要に成りますが、泥は少なく滑走も減りがちなので、せめて弾力が多少は有るタイプが有り難いです。逆にカチカチ・シャリシャリは、綺麗な仕上がりには鬼門な事が多いです。

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あと、研ぎ依頼を頂いた方から、磨きはどうしているのかと御質問が有りました。私が御返送した分は、鏡面の御要望が無かった為に(通常、御受けするのは鏡面と言うより程々の傷消し止まりですが)、1500番か2000番位での磨きでした。

普通にホームセンターで手に入る、耐水ペーパーですが案外、メーカーと言うか研磨剤の種類により鋼材と熱処理のバランス毎に相性も有りますので、厳密には御持ちの刃物とテストする必要が有ります。

ただ、使用時には工夫した当て木(木材・硬質ゴム・フェルト)の併用が望ましいでしょう。参考までに下画像は、電動工具用のビットの棚から見繕った物で、左下は円盤を四分割して居ます。

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其の後、もっと傷を浅くしたいなら、下掲の二種類の選択肢が有ると考えて居ます。模型用と思しきベースが布の物と、スポンジベースの物です。

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どうしても手作業で限界に近付きたい場合は、最後にダイヤモンドペーストを使う事に成るでしょうか。

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細か目のバフ仕上げ(研磨剤の付き布羽布)等のヘアライン的な仕上がりの側面に対し、完全な傷消しでは無く中位のミラーフィニッシュ(途中経過)ですが、上記内容を実践して到達した現状も結構、気に入って居ます。

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最後に、数か月前に送って貰った司作の銀三筋引きを実際に使って見ました。フランスの有名料理人の弟子用とかの経緯で作った残りですが、確か鍛造と水焼き入れの仕様で作られた逸品。自分用に選んだのは七寸で、柄はエンジュに水牛の両口輪です。

平と切り刃を持つ、両刃の形状ですが適切な熱処理+サブゼロ+加工時のオーバーヒート無しの加工を経たVG10に、優るとも劣らない性能でした。刃体の厚みと刃幅、切り刃のベース角から予想される切れ加減を上回った結果に加え、掛かりの良さでは凌駕するかもと思わせる使い心地で、また大人買いして来たココロ(牛心臓)を快適に捌けました。

エンジュの柄は初めてでしたが、軽い割に確りしており、水分等でも滑らず良かったです。朴とは違う木目と色調で、其の面でも興味深いですね。

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多過ぎる部分の脂肪を除き、薄い膜も剥がして切り分けた状態です。刺身包丁(柳など)に近い作業性でしたので、極限の薄さでも目指さない限りは、筋引き・膜剥がし・切り分け・薄切りを不満無く熟してくれるでしょう。

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日野浦さんとは、例年通り?十月の初旬に関で御会い出来る予定ですが、前回の電話口では珍しく、食事でもしながら話そうとの事でしたので、内容は分からない乍ら(久々に会える事を楽しみつつも)聞き手の役割を果たしたいと思って居ます。

 

 

 

 

 

神奈川県からの研ぎの御依頼

 

神奈川県から、ヴォストフのスライサーを御送り頂きました。ローストビーフやスモークサーモン等に御使用だそうで、硬い物には使わない為に切れ優先でとの事でした。加えて、中央から切っ先までの間で刃線が乱れて居るのを修正して欲しいと。

現物を拝見すると、かなり鋭い刃先ですが確かに刃線はS字状に見える部分が有ります。そして、必ずしも研ぎ斑(ムラ)に因る物だけで無く、刃体の側面の凹凸・切っ先方向へのテーパーの不足が確認出来ました。

 

 

研ぎ前の状態。中砥石ではマズマズの仕上がりに成れど、仕上げ砥石では乱れが目に付くとの事ですが、遠目には分かり難い人も有りそうです。

研ぎ跡の付いている側面が必ずしも薄く成っている訳では無いので、元来の製造段階で結構、凹凸も存在していたのではと。勿論、抜け・走りに関して最も避けたい「切っ先カーブの辺りに残存している厚み」も合わせて調整したい所です。

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刃先最先端は充分な薄さですが、刃先の先端部の側面が平面で摩擦が大きい為、(押し引き共に)側面抵抗を受け易い状態です。単に厚みを抜く・薄い刃先の組み合わせでは、前述のデメリットが付いて回ると認識しています。

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下画像は、刃先を上側にした左側面です。偶々ですが、光が当たって居る二か所が刃線の凹んでいる部分です。

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先ずはダイヤ砥石にて、刃線の修正(或る程度は直線的に刃先を削り落とす)です。左右の側面共に削りますが、右側に厚みが多い様子。当然ですが、削った分だけ刃先の厚みが増しますので、次の工程で厚み抜きが必要に成ります。

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粗い番手の耐水ペーパーを用いて、刃体自体の側面の凹凸(狭小範囲)・厚みの残存(一定の範囲)を優先的に減らして行き、更に切っ先方向へテーパー化もしつつ、増えた刃先周辺の厚みも(前述の加工に則った方向で)減らします。

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人造の320番で、小刃(其処まで明確では無い)の研ぎ直し。

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1000番と3000番で、精度を上げつつ研ぎ目を細かく。

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小刃(仮)を付けるだけでも、僅かとは言え再び厚みが増すので、ペーパーで軽く削り直しです。

此の段階まで来ると、洋包丁の側面の仕上げとは言え、和包丁の切り刃の調整に匹敵する作業内容に成って来ますね。まあ、砥石(就中、硬口の砥石での面修正は格段の精度に成りますので一概に同列には論じられませんが)で正確に研ぎ上げた物は一線を画しますが。

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一つ前の段階で、既に刃先周辺の厚みは(普段の私の標準より)薄目かつ刃先は鋭角目ですので、天然の仕上げ砥石に直接乗せても充分な刃が付きます。其れだけ、最後は目の細かい耐水ペーパーで刃先最先端ギリギリまで、厚み抜きをして有ります。

因みに、画像は梅ケ畑の中硬の赤ピン各種です。通常ならば、此れで充分とされる事も多いですが。

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もう少し、硬目・細か目の赤ピンで小刃の精度を上げます。

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奥殿の紫入り、黄色の巣板(硬口~超硬口)で最終仕上げです。

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所が、研ぎ後の画像・刃先拡大画像なども撮影後、刃先の仕上がりの(重箱の隅レベル)気に成る箇所が目に入ったり、柔らか目ながら組織の細かい製品の可能性を探りたくなり、最後に水浅葱で一撫でしました。偶に蛇足(自己満足?)と思わない事も無いのですが(笑)、今回は明らかに奏功したと感じました。

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研ぎ上がりです。

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刃部のアップ

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刃先拡大画像

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此の度は、N様には研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。現場での御使用に於いて、此のスライサーが問題無く働いてくれる事を願って居ります。

今後も、私で御役に立てる場合は、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

御近所の方からの御依頼

 

一週間ほど前に、御近所のK様から三本の包丁を送って頂きました。何れもステンレスですが、一本は少し珍しい波刃のパン切り包丁で。珍しいと言うのは通常、波刃であれば凹部が多いのが常道ですが幾分か、凸部が占める割合が多いなと。

他の二本は、片刃と両刃の違いは有れど形状的には和式(平+切り刃の構造)でしたが、①余り研ぎ減っておらず刃先周辺の厚みが邪魔に成らない➁刃先の損耗も軽いので研ぎ減らす部分が少なくて済む(此れも刃先の厚さ増大に繋がり難い)との判断により、切り刃自体の研ぎは行わず刃先主体の研ぎのみとしました。

 

 

先ずは出刃ですが此方は、切り刃の捻りは控え目、尚且つ刃体の厚みのテーパーも大幅とは感じない物の、外観的には整っている印象です。ただ、裏梳きと言う程には凹面に成って居らず、現状でも裏からの小刃で仕立ててある為、其れを踏襲する方向で研ぎ進めます。因みに、刃先の損耗は三徳よりも軽微です。

新聞の束を用いての試し切りでは、切っ先へ向かっての厚み・刃先角度の減少が何れも控え目の為、小刃の最先端が少し切り込める程度。従って、小刃の研ぎ直しに際して(最先端の充分な切れ・必要な強度を両立させた上で)限られた幅の中でも、切っ先方向へのテーパーをも盛り込む必要が有ります。

僅かとは言え、切っ先へ向かって鋭角化して行けば、小刃の幅が徐々に広がりつつ切っ先へ到達する筈ですが、其処まで広がって見えないのは切っ先カーブから先の刃体の厚みが減少している為でしょう。

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研ぎ始めは、人造の320番です。ほんの少しの刃先の荒れを削り落とし、裏は返りを落とす程度に砥石に当てます。

私の経験上、裏梳きの無い裏(ほぼ平面)の刃先には、二段階の角度で小刃的な仕立てにすると抜けが改善し易いです。一例として、20度+25度あるいは25度+30度の二段階が汎用性に優れる様です。ただ、荒砥石に分類される段階では未だ一段階で軽めに。

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1000番と3000番で、研ぎ目を細かくしつつ小刃内の角度の研ぎ分けと、裏の精度を高めつつ二段階化。表の小刃は、最終刃先角度が刃元:60~70度、中央:50度、切っ先:30度強ですが、ベース角度は其々からマイナス30度・20度・10度です。

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天然に移行し、対馬砥石で。上記内容を踏襲して、より研ぎ目を細かくします。

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中硬・やや硬口の中山の巣板層・合いさっぽいカラス混じりで仕上げ研ぎ。

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更に、相性的に良さそうと感じた水浅葱で最終仕上げです。

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研ぎ上がりです。此の研ぎも、外観では研ぎ前との違いを判別するのは困難でしょうね(笑)。しかし、試し切りでは刃先の切れ・走り・抜けの何れもで改善が見られました。

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カメラ(モバイル顕微鏡)の走査線?と思って居た人も居た様ですが、小刃の中に見える平行線(此の場合は等高線と言うべきか)は、角度の研ぎ分けの結果です。しかも、刃線に平行に研いでの物では無く、更に峰側へのストロークでは無く刃先へ向かってのストロークです。

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二本目、和式の両刃の三徳です。此方は、上掲の出刃よりも刃先の損耗が幾分、進んでいましたが何よりの違いは切っ先の欠けでしょうか。まあ、其れを含めても新品時から大きく摩耗していると迄は言えない位では有ります。ですので切り刃を研ぐ必要に迫られるのは、刃先の厚みが邪魔に成ってからと言う事に成りますね。

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取り敢えず、掛けた切っ先をダイヤ砥石で削り直します。

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其の後、320番で刃先の欠け等(若干の錆も)を削り落とし、刃線を整えます。

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1000番と3000番で研ぎ目を細かくしつつ、刃元40度・中央35度・切っ先30度(何れも片側ですので両側を合わせた角度が刃先角度)に。因みに、小刃のベースは其々、マイナス10度くらいに成って居ます。

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天然に移行して対馬砥石。研ぎ目を細かくしつつ、小刃の角度の研ぎ分けの繋がりを均します。

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中硬の相岩で仕上げ研ぎ。

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そう一段階の切れの上乗せを狙って、超硬口の中山の戸前系で。

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研ぎ上がりです。

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小刃の中で峰側半分は緩い角度変化、刃先側は最先端へ近付く程に急激な角度変化である事が見て取れます。(平行線の間隔が狭まる)

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最後のパン切りは、未だ最適な仕様・研ぎ方を確立出来ているとは言えない為、研ぎ代金は今の所、大抵の場合で頂戴して居ません。

特に今回は、波刃の凸部のみ少し切れが落ちている様子ですが、凹部は殆ど変わらないのでは?との印象で。止むを得ず、耐水ペーパーを適切な形状の物に当てて、刃先最先端(特に凸部)の切れが向上する程度には仕上げて置きました。

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此れこそ、全く判別不可能とは思いますが、切れのテストでは改善が見られましたので、試して頂ければと。何せ、自分では如何なる硬いパンでも(逆に柔らかいパンでも)牛刀で済ませていますので、パン切り包丁の研究が中々に進みませんで(笑)。

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此の度はK様には、研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。出刃と三徳に関しましては、初期状態よりは使い勝手が向上していると思いますが、御使用上で不都合などが有りましたら御知らせ下さい。また今後も私で御役に立てる場合は、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

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ランボーナイフ2種

 

以前に一度、ランボー3のモデルを商品化したナイフを研がせて頂いた御近所さんから再度、研ぎの御依頼を頂きました。

前回は電話にて、当日持ち込みの当日返却を御希望で。普段は中々、電話に出るタイミングも難しかったり、研ぎ上げる時間的な兼ね合いも有って、御断りせざるを得ない内容だったのですが偶々、昼から夕方までの猶予も有り、御受けしました。

商品の性格上、デザイン優先だからと言うだけでは無いと思われますが、ナイフの一般的な刃付けの中でも大らかな初期状態であったと記憶しています。1~2日後に、キャンプ若しくはアウトドア御飯の予定だとの御都合も加味し、強度と切れの両立を図った仕上がりを目指して研いだのですが、結果としては御不満も無かったとの事。

 

其れが下掲の画像で、少しの使用による切れの低下を回復する程度の研ぎをと。

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全長46cm、刃渡り30cmの中の一部には、確かに少々の損耗が見られました。

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もう一つは今回が初めてとなる、購入し立てのランボー2のモデルです。

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上掲のランボー3の初期状態よりは、整っては居るものの、荒く削ったり叩き付けたりするには困らないか?レベルの刃付けです。

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或る意味では、安定した小刃の付け方では有るのですが・・・刃先最先端の部分的な潰れが目立ち、そもそもの刃先の鋭さが不足している状態。(例え如何に鈍角であっても必要な精度は不変)

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研ぎ始めは「2」の方からダイヤモンド砥石で。刃先に返りが発生する程度まで研ぎ下ろす事に加え、初期状態の小刃の幅を僅かに広げながら、切っ先方向へ向かって鋭角化して行きます。

「3」とはメーカーが異なるそうなのですが、此方の「2」も刃元の角度が他の部分と齟齬が見られましたので、削りシロを余分に増やす事を避けつつ、バランスが取れる範囲で収めました。

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320番の人造で、上記内容の精度を高めつつ、研ぎ目を細かくして行きます。

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1000番と3000番に繋いで、更に研ぎ目を細かく。

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天然に移行し、対馬です。此の段階から、限られた小刃の範囲の中で角度の研ぎ分けの準備に入ります。

最終的な微調整は仕上げ砥石に譲りますが、土台の小刃は初期の小刃に比して僅かに鋭角化。然る後、小刃のスタート部分へ向けて漸次、鈍角化します。

仕上げ砥石に移ってからは、逆に刃先最先端へ向かって刃先を漸次、鈍角化しますのでベースの部分に対して両端を鈍角化している事に成りますね。

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中山の中硬~やや軟口の、恐らくは合いさで仕上げ研ぎ。

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最終仕上げは、中山の天井巣板らしきカラス混じりの巣板、やや硬口で。

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研ぎ上がり、全体画像です。

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刃部アップ。「3」と違ってホローグラインドの部分が狭いので、小刃の部分の厚みは「2」が勝ります。従って、余り刃先最先端を鈍角化せずとも強度が担保される為、刃先の角度変化は少な目です。(角度変化は少なく段階数も少ない)

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刃先拡大画像です。上記内容を示す様に、小刃の始まりと最先端以外には角度差を現わす等高線が三本前後のみ、確認出来ます。

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「3」の方も大まかには同じ工程ですが、損耗が少なかったので天然砥石のみでの研ぎです。

対馬に始まり、

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中山の合いさ、

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戸前に近い質感の硬口巣板、カラス混じりです。

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研ぎ上がりです。

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此方は、ホローグラインドの部分が広いので相対的に刃先の厚みが薄目です。従って、強度を保つには最先端へ向かって急激に鈍角化する必要が有ります。

上記内容は下掲の画像に現れている通り、最先端へ近付く程、等高線の間隔が狭まって居ます。

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御依頼主のH様は、ナイフ好きかつアウトドア好きらしいので、私が関の先輩へ発注している刃物の話しもさせて頂いた所、興味を持たれました。(骨スキ改の発案者の方の筋引き・名古屋の方向けの牛刀・自分用の切り付け包丁風と柳葉風)

下掲の手持ちを例示して、御好みの形状・刃長・刃厚・ハンドル材を選択可能だと御伝えしました。すると御手持ちのユーティリティタイプの発展形を想定し、御依頼を示唆されて居ました。

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H様には此の度も研ぎの御依頼、有り難う御座いました。またナイフの発注の方も、御心が決まりましたらデザイン画或いは現物の画像を添付の上、メールにて御知らせ頂ければと思いますので、宜しく御願い致します。

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

作業場に置いている包丁の手入れ

 

久々に、手伝い先の作業場に置いている包丁の二本を持ち帰り、手入れをする事にしました。一本は16cm×3.5mmの骨スキ改(手持ちには4.5mmバージョンも有り)、もう一本は24cmの牛刀ですが、前者(初期から相当にベタに仕上げて有りました)は切り刃の形状を抜け・走りを意識した仕様への研ぎ直し。後者は、刃先周辺の厚みが若干ながら増して来ていたので、少し広範囲に厚みを抜く事にしました。

 

 

先ずは、作業内容的に大掛かりと成る、牛刀の方からです。

現在の状態は、刃先だけの軽い研ぎを何度か繰り返す事により、主変部を含めて幾分、厚みが出て来ています。切る対象に因っては別段、不自由を感じる程では全く無いのですが、私の好みの状態に戻すだけで無く、より切り込み・カット仕事の仕上がり向上を目指す為です。

つまりは切れの回復に留まらず、徐々に完成度を高めるつもりで先延ばしして来た形状の不適切さの完全な解消を狙って、刃体の厚さ・角度変化の仕上げもしようかと。

因みに今回は、洋式の両刃構造を維持した厚み抜きを選択しましたが、刃体側面の全体と言わずとも大部分を削る作業は中々に大変ですので、もっと狭い範囲を切り刃的に削って和式に近い両刃にしたり、(芯材が中央に存在する三層利器材の類では不可能ですが)聞き手側の側面にのみ切り刃的な刃を付ける等の方が効率が良いと思われます。ただ片側のみの切り刃だと、切り進む時に逆側へ刃先が流れる傾向は付いて回りますが。

 

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峰側の四分の一を残して、残りの部分を刃先方向へ向けて荒目(120~180番)の耐水ペーパーを用いて厚みを抜いて行きます。中央部分は緩斜面、刃先へ向けては急斜面とのイメージです。勿論、切っ先方向へも厚みを抜きますが、此れ迄に残存していた切っ先手前の頑固な部分を念入りに減らしました。

逆に、刃先最先端に近い部分は不必要に薄く成るのを避ける為、1.5mmから2mm程の幅で、削らない様に留意しました。

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次いで、中目(240~400番)の耐水ペーパーで傷を浅くしつつ、全体を均して行きます。

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1000~1500番と順次、細かい耐水ペーパーで進めて行った後は、砥石で。此処までで刃先以外はフラット気味の薄い状態に成って居る上に元々、刃先の損耗は皆無に近く、またペーパー掛けでも不用意に接触しなかったので対馬砥石からです。精々が、狭めの小刃と言った範囲ですので研ぐ面積は小さいのですが、逆に数段階に及ぶ角度の研ぎ分けは其の分、より明確かつ精緻に行なう必要性が有ります。

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梅ケ畑の並砥~戸前と思しき中硬で、研ぎ目を細かくしつつ刃先最先端へ向けて漸次、鈍角化と刃先方向への鋭角化を進めます。

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やや硬口の中山の巣板・並砥で最終仕上げです。鋼材と熱処理の加減次第では有りますが、組織が細かくて硬さ・粘りのバランスに問題が無ければ、細かい砥粒・硬い砥面の砥石で仕上げる方が切れ・刃持ちに有利です。

刃先の条痕(研磨痕)が大きな場合は、刃線に並ぶ頂点を形成する山の数が少ない、つまり接地圧が高く摩耗が速い。逆に研磨痕が微細な程、山は小さいながら数が多く成るので接地圧が低く、摩耗が遅く成ります。当然ですが、切り込む対象が(意図的に固定された場合を除き)柔弱で不安定である程、緻密な刃先が求められます。大きな条痕を残したままでは接触する面・点の切れ込みで、より長いストロークを要したり、大きな山の頂点を食い込ませる必要から、より強く対象に押し付ける必要が有る為です。

まあ、硬い対象に付いても、荒い刃先では刃先の摩耗が速いのは変わりませんが、(周辺に引っかかる摩擦が強い為)刃筋を通す際の乱れが許容されたり、(細かな欠けに等しいレベルで荒いならば)切断面の状態を問わない限り相応に永く切れると言えなくも無いかも知れません。

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研ぎ上がりです。

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次は骨スキ改を320番からです。ほぼ完全にフラットな切り刃なので、使い手の好み次第で如何様にもアレンジが容易です。私の標準的な研ぎ方として鎬筋付近は、なだらかな角度変化。中央部分は急激に厚みを抜いて行き、刃先手前は更にフラットに。其の上で全ての範囲を切っ先に向けて鋭角化としました。

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次は1000番と3000番で、傷を浅く。

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天然に移行し、対馬ですが・・・想像以上に相性に優れ、切り刃全体の仕上げは対馬で丁寧に進める事で、完了としても良さそうです。

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最終仕上げは、梅ケ畑や中山の水浅葱の系統が良さそうで、逆説的に先輩が製作するVG10の組織が細かい(かつ硬さと粘りのバランスも良好)事の証明にも成りますね。荒い組織の刃物では、却って一段階・二段階ですが落とした粒度の砥石の適正が高い印象ですので。

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研ぎ上がりです。

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これで又、当分は軽いメンテナンスのみで維持が可能に成り、更に基本性能は、此れ迄以上の物を見せてくれるでしょう。

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骨スキ改を実戦投入しての感想は、正に期待通りでした。従来と同様、プラスチック真名板による刃先の損耗は問題に成らない事を確認。

上ミノの切り込み・カットは正直、初期段階の切り刃に小刃研ぎ(角度の研ぎ分け済み)だけでも充分に快適でしたが今回の研ぎによって向上、そしてアカセン・テッチャンの切り込み・カットは別物に成りました。

特にテッチャン(盲腸を含む)の、性状の異なる、しかも双方共に難易度の高い両面の表層のみに、浅く均一に切り込みを入れるのには貢献度が大でした。コリコリ(大動脈)の繊維質の薄膜も切り残しが出難く、柔らかく成りつつあるマルチョウの切り込みも、苦労が無くなり効果覿面でした。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

直近で到着した包丁の研ぎ、後半

 

次の研ぎですが、実際に触るのは私も二回目、研いで見るのは今回が初めてになると思われる、司作の菜切りです。

類似の経験としては、数年前に一泊二日で日野浦さんの所で御世話に成り、鍛冶体験として菜切りを作らせて貰った際の物だけです。

其れが下掲の参考画像です。

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今回に送られて来た菜切り、研ぎ前の状態、右側面。

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同じく、刃部のアップ。画像手前の左寄りに、小さな捲れが数ヶ所、確認できます。

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左側面

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研ぎ始めは、成の中砥の粒度別の二種類です。司作の切り刃は相当にフラットかつ薄目ですので、特に初期からは出来るだけ厚みを減らしたくない点、そして研ぎ目は細かく仕上がって居るので何段階も(荒い方に)戻って研ぎ直す必要を感じない為です。

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下画像は、少し前に田中砥石で薦めて貰った試作品的な砥石です。天然砥石の粉末を豊富に含んだ砥石ですので、当たりがソフトで仕上がりも相応に細かい印象です。

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其れを用いて更に、不必要に減らす事なく、研ぎ目を消しつつ切り刃の構造を調整して行きます。鎬筋から刃先周辺までは、殆どベタに近い形状を活かしつつ、切っ先方向へテーパー化(初期の切っ先側の数cmは、やや厚みが残存)。

刃先数ミリの範囲では、最先端に向けて漸次、鈍角化かつ切っ先方向に向かって鋭角化します。

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天然に移行し、対馬です。切り刃構造全体の精度向上、加えて研ぎ目を小さく。

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丸尾山の蓮華巣板で仕上げ研ぎ。

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中山の戸前・巣板の中硬で最終仕上げ・・・と思いましたが、もう一段の切れ向上を見込めると判断。

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やや硬口の中山の巣板、戸前っぽい物で仕上げました。

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研ぎ上がり、右側面です。

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同じく刃部のアップ。

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左側面です。

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T様には、此の度も包丁の発注・研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。私の手持ちから同時に御送りしました、六寸の三徳は今回の菜切りとは地金・刃金ともに異なりますので、切れ・永切れ以外にも研ぎ肌の違いとして現れると思われます。其の辺りも楽しんで頂ける方だと感じていますので、何方の包丁も可愛がって頂けましたら幸いです。

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

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直近で到着した包丁の研ぎ、前半

 

数年前に、司作三徳五寸五分の注文を頂いた東京のS様の分と、北海道のT様の分の五寸五分の菜切り(此方は案内が来たので御紹介)が到着。ほぼ時を同じくして、関の先輩から名古屋のM様の骨スキ改と、自分用の骨スキ(世話に成って居る人へのプレゼント用)が届きました。

 

 

司作三徳

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司作菜切り

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骨スキ改(刃渡り21cm・ココボロハンドル+黒スペーサー・ステンレス+ニッケルシルバーのカシメの表裏ミラーフィニッシュモデル)

此れのバランス(刃厚を含めて確りして居るのでアウトドア風味を感じる程)と、使用されているココボロの質の良さを目の当たりにして、次の注文で自分用に21cmの筋引きを少し薄目の同じ仕様でと、頼んでしまいました(笑)。

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骨スキ(ブラックマイカルタ+赤スペーサー・ステンレスカシメ・表裏ミラーフィニッシュモデル)

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送られて来た二本の司作ですが、何方も研ぎを御希望で。とは言っても、何れも両刃の和式ながら、三徳は刃先調整のみ・菜切りは切り刃の全体の研ぎです。

T様の方は何時も通りですが、S様の分は(標準的な司作は汎用を考慮すると鋭角に過ぎるキライが有る為)研ぎ依頼を頂いて良かったなと。何故なら今回の刃先は二本共、小さいながら捲れが数か所に点在。恐らくは柄入れ・保管・輸送の段階の何処かで何らかの接触が有ったものと思われます。

あと、三徳に限っては刃先の一部に、鍛え傷と思しき箇所も見受けられ、研ぎにより切れには殆ど影響が無くなる迄、持って行けたので良しとしました。(S様には報告して承認済み)

 

 

 

三徳の研ぎ始めは、対馬からです。薄目設定である初期刃付けの切り刃に対し、より実用的な刃先角度(刃元片側40度強~切っ先側片側30度弱)で、糸引きレベルの研ぎですが、捲れが消えてからも一か所、手強い欠けに見える部分を発見。

周辺の状態を含め、其れが鍛え傷と見受けられる物でしたので、刃先最先端に影響が無くなる迄、通常よりも研ぎ進めました。

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愛宕付近と思われる砥石で仕上げ研ぎ。

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中山の合いさっぽい物で、最終仕上げです。

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研ぎ上がり、右側面です。刃先の糸引き程度では、違いの判別は困難ですね。

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刃部のアップ

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下掲の画像の左寄り、刃線上の側面に見える錆や欠けに酷似した部分の横、右方向の範囲にも痕跡が確認出来ます。まあ、この後は研ぎ進めて行けば消退するだけで在り、現状でも過度な衝撃などを与えなければ強度的にも不安は無いと考えます。

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左側面です。

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次は骨スキ改では無く、正真正銘の骨スキです(笑)。骨スキ改は、基本的にガラスキ程には幅広で無く、やや筋引きに寄せたデザインと成って居ます。その意味では此のモデルは本家本元の骨スキ(手伝い先で使用中の正広製と同クラスの最小サイズ)と言えます。

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研ぎ始めは、ダイヤからです。別に、研がずとも当分の間、其の儘で使える程度には刃が付いていましたが、念の為にと。敢えて理由を挙げるなら此のシリーズ、始めの0.5mm程が研ぎ減ってからの切れを知った後では、早く本領を発揮して欲しくなります。

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人造の1000番と3000番で。小刃に近い幅ですが、切っ先方向へ鋭角化しつつも刃先へ向けて三段階の鈍角化のハマグリに。

刃元付近の切り刃には、完全なベタ研ぎよりも僅かに厚みが(他の部分に比べ)残って居る様子にて、浅い擦過痕が。目の細かいペーパーとダイヤモンドペーストで粗方は見掛けを整えて置きました。

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対馬で大まかに傷を消します。

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馬路で更に細かく傷消しと、精度の高い刃先の形成です。

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中山の巣板、やや硬口で仕上げ研ぎです。

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同じく中山の巣板層の産ですが、戸前に近い質の物で最終仕上げとしました。

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研ぎ上がりです。

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東京のS様と名古屋のM様には、此の度の包丁の御注文を有り難う御座いました。(M様には、此のモデルで問題が無いか確認中ですが)もしも御手元に届いた際、気に成る点など有りましたら、御知らせ頂きます様、御願い致します。

北海道のT様の分の菜切りは、後半として次の記事にての記載に成ります。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

少し前から最近の事まで

 

 

春も御終いに近い頃、田中砥石店への買い付けの序でに、漬物も買って帰りました。

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何時も購入する主な物は、すぐき・賀茂しばです。

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この時期は、小さい大根が有りましたし、母親が好きな桜湯用にの桜花の塩漬けも。

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蕗の薹は父親向けで、合わせて帰省?の時の土産にと買い求めました。

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珍しかったのは、菜の花漬けと並んでスグキ菜の花を付けた物が。同じアブラナ科の為、わざわざ花を採る目的で(スグキを採取する為に種をまくには時期外れながら)栽培したそうです。

残念ながら私程度では、漬物に成った両者を峻別するのは困難で、僅かに違いは有る物の、同時に食べ比べ無いと単独では当てられないのではとの印象でした。まあ、初めての邂逅でしたので慣れれば何とか成るかも知れませんが(笑)。

そう言えば最初にスグキ(なり田の)を食べた時も、スグキ菜と塩のみで乳酸発酵させた味わいが淡白過ぎて、美味さを実感するのに三回くらいは掛かりましたね。この両者も後年、味わいで何方かを言い当てられる様に成りたい物です。

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偶々ですが此の度、久方ぶりに建物ごとリニューアルした大阪市立美術館で国宝展が開催されて居ましたので、子供の頃以来に成りますが拝見して来ました。(以下、建物の外観等は閉館日である前日に、様子を見に行った際の画像です。庭園は、当日に出口から見えた範囲の画像です。)

通路に面した門をくぐった所から見える建物の側面。

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此方が正面です。階段の脇からも(バリアフリーの)入場が可能な様子で。

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振り返れば通天閣が見え、足元には動物園に繋がる広い道も。

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美術館を出ると、隣接する庭園(画像は未だ違うかもですが)が有り、憩いの場ぜんとした趣きです。そう言えば、此方に向かって通って来た場所も(てんしば)家族連れや愛犬家でにぎわって居ましたが、其方と違って落ち着いて居ます。

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折角ですので出口の手前にあるグッズ売り場で、クリアファイルと手拭でも買って見るかと。

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てんしばを通って自転車置き場へ向かう途中、ピッツェリアが見えたので窯と薪で焼いて居るのを期待して、立ち寄りました。

どうせならと、水牛のモッツァレラチーズを使った方のマルゲリータを注文しましたが満足の味でした。店内の雰囲気的には、酒を頼まない人間が、ふらりと立ち寄るのが少々ながら憚られる様な気もしましたが(笑)。

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また、以前に購入のヘンケルスのツインセルマック(恐らくはZDP189)のテストを常備菜のミネストローネその他で。

廉価版・標準品のヘンケルスと比べて、刃体の刃先側の三分の一程の厚みの取り方が、フラット過ぎずにラウンド形状気味なので、其の部分の側面抵抗が低減しているのを感じます。

小刃の付け方は、個体差で無ければ(大まかに)カーブ手前までとカーブから切っ先までとで、角度が変わって居ましたので使い分けを企図して居るのかなと。

刃先の耐久性は、変に硬さを追求して居らず、かと言って(高硬度を狙った鋼材に半端な熱処理を施した製品に有り勝ちな)粘りが強過ぎたり組織が粗大に成っても居ず、良いバランスに収まって居る印象でした。

ただ、やはり直線的な部分の小刃が同一角度ですので、強度の有る対象には押し切りと引き切りで使い勝手が近似で。途中、仕上げ砥石で刃先最先端に角度的なテーパーを付けた所、少し引き切りが楽に成ったり。

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何度目かの心臓を購入し、掃除と柵取り・即時に食べる用と冷凍用に分けました。

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冷凍した物を解凍後、ドリップを除去して切り分ける際には、炭素鋼の物を使う事も有ります。食味(味と香り)がサッパリしている個体への対処だったりしますが、やはり刃体が薄い刃物の方が、特に薄切りには有利ですね。最近で一番、使っている骨スキ改は刃厚が4.5mmですので。

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更に、初めてと成りますがツラミ(頬肉)も変えましたので、其方も同様に進めます。片側の白さ(脂)の付き具合に若干、驚いたのは秘密ですが・・・この個体はホルスタインでしたので、和牛に成れば少しは異なるのかなと。

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何とか、筋と脂を除去できました。

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家庭用の冷蔵庫から取り出し、冷房を付けない室内で成れない作業をした御蔭で、結構な温度に成ってしまったからか、骨スキ改で綺麗に切るには柔らかくなってしまった様です。こう言った場面では、筋引きや柳・薄目の牛刀などが重宝するでしょう。まあ、そもそも確り冷却・室温も低く・作業慣れしていれば問題は無かった筈ですが。

とは言え、手伝い先でのアカセン・てっちゃんの身に、切り離さない範囲で薄く切り込みを綺麗に入れて行く作業に比べれば、難易度は常識的な範囲に収まる種類では有ると思います(笑)。

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先々週でしたか偶然、電話に出られるタイミングで問い合わせを頂いて、当日預かりの当日渡しを初めて敢行。昨日の購入したナイフを、次の日のキャンプで使いたいとの事で、三時間少々の時間を貰って研ぎましたが、分かる人には分かると言うべきか、物が物でしたので(全長46cm・刃渡り30cm・ハンドルに手が回り切らない)時間一杯まで掛かってしまいました。

御近くなのにも関わらず、当方の所在地が分かり難いとの事で、受け取り・御返しも近所の神社前でしたが、御渡ししてから長時間、喋ってしまいました。その際に御伝えした様に、電話では対応出来るタイミングに限界が有りますので、メール(家計のGmailの方)にてお願い致します。

あと、留守電に入れて頂いたメッセージは間違いなく確認していますが、当方の留守電は古い為、先方の電話番号は自動で表示してくれませんので、折り返しが必要な場合は恐縮ですが口頭で番号を御願い致します。

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現在、ホームページに記載しているアドレスからの御依頼・御問い合わせが不調に付きまして、御面倒を御掛けして居ります。下記のアドレスから宜しく御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

最後は、御待たせして居ました司作の二本が届きました。調整が済み次第に発送の予定ですので、宜しく御願い致します。

東京のS様の御依頼分

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北海道のT様からの御依頼分

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下掲は空箱です。自分用として、また私の手持ち(研ぎ見本・試し切り兼用)の六寸の三徳を、T様に御送りする目的で取り寄せました。

六寸の三徳は、今回の発送に含まれていなかった為、急ぎでしたら私の手持ちでも・・・との苦し紛れの提案?を了承頂きまして(笑)。ただ、直近の製品とは刃金・地金共に異なるので、刃先の硬さと粘り・研ぎ易さ(刃・地共に)と言った性能だけで無く、研ぎ肌の違いも有りますので、その差を愉しんで頂ける方には、余り気兼ね無く御薦め出来るのも事実です。

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かなり、昔に購入の六寸の三徳。画像では分かり難いかもですが、マチの部分が小振りに成って居ます。最初に購入の五寸五分は、広めに取って有ったので、今回に送られて来たモデルとの中間モデルと言えそうです。時期に因るデザインの際からも、時の移り変わりが伝わりますね。

上掲の空箱の画像ですが、此の三徳を御送りするに当たって、改めて新品の箱が必要に成った訳ですね。その他の箱は、傷んで来た手持ちの交換用です。

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筋引きの御依頼、三例

 

手伝い先の方の中には、研ぎに関して興味が有る物の、御自身の研ぎ方に不足を感じたり、包丁の形状(主として刃線)の修正を希望される事が有ります。

過去にも御一人、御依頼を頂いた事が有りましたが、その後にも御二方から其々、時期をズラして同様の御依頼を頂きました。

 

 

 

先ずは、計二本を時間差で研いだ二人目の方の筋引きからです。

業務初期から使い続けていたと思われる、研ぎ減った状態でしたので、電動工具を用いて切っ先5cm程を切断。その後は刃元以外の刃幅を、可能な限り減らさない方向で刃線を整えます。

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ダイヤモンド砥石にて広目の小刃と言うより、狭めの切り刃に近付けるべく削って行きます。

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400番で切り刃の幅を広げつつ、僅かに切っ先方向へ鋭角化。

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1000番から3000番に繋いで傷を浅くしつつ、切り刃も拡張。

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天然に移行し、対馬砥石で改めて切り刃の成型。

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愛宕辺りと思しき、中硬~やや軟口の砥石で傷を浅くしつつ、刃先方向へ鎬筋から急激に鋭角化し、刃先直前から急激に鈍角化。

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中山の巣板、硬口の各種で仕上げ研ぎ。このモデルは柔らか目の焼き加減ですので、或る程度以上は細かい砥石で仕上げた方が刃先の確り感が出易いですね(砥石の研削痕による刃先の山と谷のサイズ・数の関係で、接地圧が分散されるので)。此の段階位からの粒度が、適正かなと思われます。

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もう一段の性能向上を目指し、水浅葱で最終仕上げです。

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上掲の仕上がりが御気に召したのか、次の殆ど新品の筋引きも、側面をピカピカにして欲しいとの事で。恐らく、汚れが落とし易くて錆も出難いので、便利だと認識されての事でしょう。勿論、刃も研ぐのですが其処は新品同様ですので、やや小刃の幅を広げて切っ先カーブ手前に在った「鶴首の成り始め」の修正程度で。

ただ、ピカピカと言っても仕上がり(追い込んだ傷消し・厚みの適正化など)と作業量により代金も嵩む為、汚れ・錆対策ゆえに程々までとしました。

 

右側面、全体画像。テープが巻かれて居るのは、滑り止めにペーパーを巻いたりもする様で、その際のアンカー見たいです。(人体へのテーピングの際、目的とする部位を挟んだ場所に、事前に土台にする為に巻いて置くアレ)

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刃部のアップ

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左側面

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研ぎ始めは人造の400番からです。刃先の摩耗・刃線の歪みを削り落としますが、可能な限り刃幅を狭めない様に留意します。

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人造の1000番と3000番で傷を浅くして行きます。

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天然に移行し、愛宕あたりの中硬~やや硬口の砥石で更なる傷消し。

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中山の巣板~合いさっぽいので仕上げ研ぎです。

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研ぎ上がりです。

右側面、全体画像

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刃部のアップ

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左側面

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最後は別人の所有の品(同一モデルではある)ですが、大幅に研ぎ減った訳では無いものの、特に切っ先寄りは新品時より刃幅が狭く成って居る状態です。

ただ、御意向を伺うと裏(左側面)はベタで研いで行く方針、との事で裏は出来るだけ平面に仕上げて行く方向に。

研ぎ前の状態、右側面。

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刃部のアップ

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左側面

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研ぎ始めは、人造の180番です。刃線の歪みと刃先の損耗を削りつつ、刃幅の減りを最低限に抑えます。

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400番で傷を浅く、小刃の幅も広げて行きます。

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1000番と3000番で、更に傷消しと小刃の精度向上を。僅かに切っ先方向へ向けて鋭角化して有ります。

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天然に移行し、対馬です。小刃の始まり(鎬筋に当たる部分)から、刃先方向へ急激に鋭角化・刃先直前からは急激に鈍角化。

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赤ピンの中硬~やや軟口で傷消し・仕上げ研ぎです。

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中山の巣板各種(実際には他にも、数種の巣板系の砥石を取り混ぜて)使用し、平面度を上げつつ相性の良い組み合わせを模索しました。

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三本とも同じモデルの製品ながら、各人・各状態に合う仕様に仕上げられたと思いますので、仕事場で活躍してくれる事を願っています。此の度は研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。

 

 

 

 

現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。

togiyamurakami@gmail.com

 

 

 

 

 

研いだ包丁のビフォーアフターなどを載せていきます。