先日は、研究目的の各種検査機材に適応する試料のサイズ等の最終的な打ち合わせと、当日持ち合わせた通常サイズの刃物でも測定出来る機材を選んで試験的に測定してみました。
切り出しは、新品と研磨済みの二種類、イカサキは販売用の軽く均し研ぎ済みとほぼ本刃付け済みの二種類。三徳は現物一種類です。
使用した機材では表面の粗度と同時に面自体の凹凸やうねりも測定出来、仕上がりの細かさや面の均一性や破綻の無い連続性等が確認出来ます。
ほぼ新品のイカサキを測定中
これらによって、刃物自体の状態が判断出来るのみならず、任意の砥石の任意の番手(♯・グリッド)で研いだ際、センサーの振幅を読み取る事によって研ぎ目の細かさも測定出来ます。つまり砥石から転写された研ぎ傷のサイズにより、実際の砥石の性能判断にも役立ちます。以上は主として人造砥石の再確認といった所ですが、一例を挙げれば天然砥石、所謂合砥辺りはおおよそ8000番前後と言い習わされて来ましたが、それが確認出来ました。
そして、ほぼベタ研ぎで刃先近くからやや角度を付ける仕様にした物は、本当にそのものズバリの線がグラフ上で再現されていて納得もし、それ以上に面白く感じました。下画像は上の刃物とは関係ない、又切り刃とも確定出来ないサンプルとしての画像ですが、このような振幅と全体のラインで表示する事も可能です。
小さな試料しか対応不可の機材用に、製品レベルの仕事を施した上で規定のサイズに納めたサンプルを、無理を聞いてくれる鍛冶に依頼しました。これで鋼材メーカーから出たばかりのテストピースに熱処理しただけではない、実際の刃物と同等の条件での測定に道筋が付きました。