まずまず形が整ってきたので、地金の厚みをテーパー状に抜きながらほぼベタ研ぎ・刃金の部分のみを鏡面状態でややハマグリに仕上げました。更に傷を無くせば完全となります。
先ずは先日の加藤さんの三徳 五寸五分 刃金は白紙一号A との事
次に中屋平治作 三徳 六寸 刃金はスウエーデン鋼
(これは新入りでは無いですが三徳同士の比較用)
最後は司作 三徳 六寸 刃金は白紙二号A
どれも刃金は組織の細かさ・硬さ・粘りで(バランスはそれぞれ乍ら)文句なく、当然切れ味も良いですが、特筆すべきは研ぎ易さも備えている所です。この硬さからは想像以上の下りで、面が揃ってからは特にその傾向が顕著です。地金も同様で、特に加藤さんの物が硬口の砥石で地を引き難い様ですが、他の二つも標準的な物よりもかなり優れています。とは言え、完全ベタ研ぎで全面鏡面は大変なので、刃金の辺りをカミソリ砥で、地金は巣板で仕上げました。これなら幾らか手軽に出来ます。コントラストとしては一番分かり易いのかも知れません。