通常(仮)開館初回

 

イベント後、通常モード(仮)での初回の土日を終えました。展示されていた砥石は一部を残して撤収されていますが、鰹節を削ったり天然砥石を実際に砥ぐ体験(包丁の用意も有り)・研ぎ指導(包丁主体ですが)も受け付けています。

土曜は流石に来場者は少しでしたが、日曜には引率の方に付き添われた小学生の小集団。それと主婦の方々(包丁持参、中には自前の砥石も)。その内の複数名に研ぎを体験して頂き、簡単な指導も行いました。最多の包丁持参数は母娘での参加で約10本。

あと、過去に譲られた手持ちの天然砥石を確認して欲しいと訪れた男性も御二方。その内の恩人の一人は、パネルに収められている故人(直近の出来事)であったりして、何やら不思議な縁を感じる場面も。斯界の先達に対し、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

 

砥石の採掘・加工の様子のパネル

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上野さんの尽力により、天然砥石の地質学的な分類や、採掘地の地図上での分布(世界各地・日本各地・京都周辺)を表したパネルも充実して来ました。

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子供達にも体験希望という事で。皆、砥ぎは未経験だった様ですが、中には家族の研ぎを見ていたからか上手く熟していた子も。

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砥取家の次男氏にも、包丁研ぎについて助言しつつ練習して貰いました。単なる研ぎ技術習得のみならず、包丁その物について理解を深めると共に、鋼材やメーカー毎の違いと砥石への相性を実体験で探る契機になればと思います。

そして現場で実際に砥いで見せる必要が生じたり、最大限の切れを体感して欲しい時用に、幾つか普段使わないサイズの手持ちの砥石を持参しているのですが、不足分の補充に協力頂きました。

下の砥石がそれで、御廟山のコッパの原石(この前の御廟山で選んだ逆の法)、黄色タイプの中庸かやや柔らかい物。自分の経験上では、永切れでは水浅葱に一歩譲るものの、組織が大き目でやや焼きが甘い鋼(炭素鋼)や、特にステンレスには鋭利でありながら掛かりの良い刃を付ける最右翼だと考えています。

 

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最後は、切り出しの参考にと自作を持ち出してみたのですが若干、錆が浮いていたので持ち帰って早速研ぎ直し。それにしても此れを見ていると、再び日野浦さんの所で鍛冶体験をしに行きたくなりますね。

特注刃物の最終確認で、近々電話をする必要も有りそうなので此の際、先方の都合が良い時期のお伺いを立ててみるとしますか。

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私の切り出しは大谷山の戸前浅葱(カミソリ砥)で仕上げましたが、明日は御依頼を頂いた切り出しを仕上げるとしましょう。それに付いては、巣板での曇り仕上げになる予定です。

 

 

 

 

「通常(仮)開館初回」への2件のフィードバック

  1. むらかみ様、

    砥ぎの指導、お疲れ様です。

    むらかみ様の直接指導で、天然砥石を使い刃物を研ぐ、
    分かる人達が見たら、「なんと、ゴージャスな砥ぎ体験なのだ」と言うと思います。

    と言う事で、5日or6日(多分5日)剃刀の砥ぎ、再チャレンジに伺いと思っていますので、宜しくご指導、御願い致します。

    1. タマキ様

      今のところ、来場者(砥ぎ体験済み)の方には御満足頂けている様です。少なくとも、がっかりして泣いて帰った人は居なかった筈。

      私程度で良ければ、研ぎと天然砥石についての理解や経験を深める手助けに幾らかでも貢献したく思います。特に、地元民でありながら天然砥石の産地としての認識が無かった層に驚きと楽しさを感じて貰えると此方も嬉しくなります。

      一定レベルには砥げる包丁と違い、ささやかな経験と知識のみの剃刀研ぎではありますが、多少なりとも参考にして頂けましたら幸いです。何より、研ぎに情熱を傾ける方の横に居られる時、シンパシー・盛り上がり・議論・対抗心、人により様々でしょうが私が感じるのは、あるべき物事があるべき様になっている安心感と言うか調和です。楽しみにお待ちしております。

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