常設展示へ向けて(当分は仮ですが)

 

イベントを終えたばかりですが次の週末からは、ひと月余りの期間、砥ぎ体験(出来れば少々の展示も)が開始となります。一応、22・23日で行った内容を踏襲する形となるので要領は掴めており、不安は無くなっているのですが。

ただ、砥ぎ体験と銘打ってのイベントでも砥いで欲しい要望の他に、得物の御持参無く砥いでみたい方もいらっしゃいました。その場合、事前に用意した試し研ぎ包丁をお渡しするのですが唯一、鋼の和包丁に不満がある品揃えでした。

実際は、洋包丁での試し研ぎの御希望が大半でしたが、以前から気になっていたので関の刃物祭りで購入して来た和包丁を試し研ぎに使える状態にしておきます。

 

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アジ切りと言うか両刃のイカ割きと言うか、廉価なラインの和式の包丁です。刻印には青刃金入りとあり、地金は極軟鋼でしょう。まあ、フルサイズの出刃や柳刃では扱いに困る層向けです。ベテランの方は是非、相棒を御持参で。

 

 

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切り刃には荒い研削痕がくっきりで、形状も多面的です。なので上画像の小割りした各種人造で修正と均し研ぎ。自分では此処まで種類も消費も無いので、月山さんから貰っての加工品。

柄には石ちゃん(多少防水と汚れ防止狙い)を塗り、中子との隙間にはコニシのウルトラ多用途を塗布して養生しておきました。

 

 

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次いで、巣板(小割りと本体)にて更に均し研ぎ。これにより、当初の問題点を半減。以降の仕上げて行く手応えは、試し研ぎでのお楽しみとしておきます。

天然砥石の質の違いによって、仕上がる刃先の違い・刃金と地金の砥ぎ肌の違いなど、砥ぎの醍醐味は和包丁の方がより強く感じられると思います。

 

 

 

以下は春以降の本格稼働時に使う予定で、同じく関で購入した物です。

 

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幾ら洋包丁と言えども、砥ぎと天然砥石をテーマにした場所で置いてあるのが百均と、それに近い物ばかりなのはどうかと思っていました。

一応、百均包丁も目的(極限の腕試しとか)によっては有効ですし、砥石と研ぎが良ければ充分切れるので意味は有るのですが。しかし、例えば海外からの来場者等に対して、そんな変化球・実力テストはどう受け取られるでしょうか。

そこは、形状・強度・鋼材のレベルで砥ぎ易い、包丁メーカー製造による試し研ぎ包丁が相応しいと思います。以上の判断から、入門用として手頃なマサヒロの包丁を選びました。上級品は、本職も使用している所です。

 

 

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此方は、行く行くは鋼材・研ぎ技術・砥ぎ目の細大・砥石の人造・天然による、切られた食材の味の変化を体験して貰うコーナーも作りたいと考えて用意しました。

上画像は、全く同じステンレスのペティですが此れを砥ぐ砥石に違いを付け、変化を感じるか試して貰う予定です。ミソノは、特に洋食界隈では有名な所ですね。

 

 

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上画像は、逆に砥石は同一で鋼材による味の変化を実感して貰うべく、同一の仕様である牛刀でステンレスと鋼(炭素鋼)の二種類を購入。

従来から研ぎ文化振興協会や、月の会での催しの時?に行われていた内容でしたが、不特定多数の一般に門戸を広く開放して常時となった暁には、より多くの方々に体験して頂けると思います。

 

 

春以降、常時開設に向けて他にも、展示している其々の砥石(或いは同等品)で砥がれた刃物(切り出し)をセットで観察する事で砥石の粒度・山や層の違い等を理解しやすくする。其の為の切り出しの準備・出来れば石と刃物の拡大画像の準備に、十二月から三月までの期間を充てたいと考えています。

 

 

 

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