更に身内へ向けまして

 

前回紹介した砥石の仲間達です。今回は、中山産ばかりだと思います。因みに前回の後半二種もそうなのでしょう、〇カの判子が有りましたので。浅葱は一つを除く全てに・・・レーザー型とコッパにも判子付きは有ります。

しかしそれらは持ち帰って側面を濡らしたり、明るい場所で見てから改めて気付く事も。入手ルートは緘口令が敷かれたままにて伏せますが、大元の出所は確実なので安心です。

私は元々、少ないラインナップから渋々ピックアップするのは性に合わないのと、有名処へのブランド信仰も別段強くないので過去には余り注目して来なかった砥石達です。しかし多くに触れる機会があり、その中の50~60個を撫でて確認し、選んだ30個程を試しに研ぎ、最終的に十数個を手に入れました。

所謂、東物で中山主体。尚且つ〇カも相当量散見される中で、納得いくまで探せた為に本当の実質重視で選べました。〇カが付いている傾向が強い質や形状。しかし例外的な物や首を傾げたくなる個体。逆に何故これに判子が無いのか理解出来ない程の性能を見せる個体(只単に付ける前だったと考えれば納得いきますが)。色々興味深く勉強させて貰いました。

大判や尺長、完全均一な黄板や色物も含めて試し、実際一度は少し見栄えのする立派な黄色(或いは黄土色)を持ち帰ったものの、後に浅葱と交換しました。他に選んであった浅葱の幾つかも、欠けの無い綺麗な30型・40型を返品し、形状は不完全・サイズも小さく成りはしましたが、操作性・仕上がりの良さを優先した同系統で選び直しました。

以下の砥石達がそれで、自分にとっては納得の銘有りと、平均的な銘有りをも凌ぐ驚異の銘無しと言う訳です。

 

 

之まで幾度か画像を上げた浅葱。最初に選んだ石の一つで基準・或いは目標となった物。硬口で泥は余り出ず、滑走感強い。

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その予備

上の石を基準とすれば、やや硬めで刃金は更に鏡面気味。しかし滑走感はかなり低下。

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同じく硬めで鏡面傾向強い。滑走感は更に低下。

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やや柔らか目で研ぎ易く仕上がりと滑走感は基準に近い。砥粒の目は僅かにまったり?

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最も基準と近い質。厳密に言えば、直上画像の石の成分を僅かに基準に混ぜた感じです。

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以上の浅葱はどれも自分の研ぎに合い、特に刃金の処理は秀逸で最上の刃先を提供してくれます。中山の特徴的な模様なのか、妙な表現ですが「瘡蓋と其処から伸びる枝」みたいなのが在るようです。これは鉋や剃刀を極限まで研ぎ込む場合に、注意が必要かも知れません。まあ問題ならその部分を避けて使えば良い事ではありますが。

ネットの画像や知り合いの持ち物、しかも黄色や緑の石についても見た覚えが有るので結構普遍的に現れる共通項なのかも知れません。あと、裏に直径2ミリ前後の小さく綺麗な球状陥没が見られる物も。

兎も角、最初期から高い基準となる浅葱と出会い、それに比肩しうる予備達を追加出来た事は、真に僥倖でした。

 

 

 

次はレーザー型です。同じ色物でも、レーザー型には浅葱に近い刃金の仕上がりを見せてくれる物があり、之はやはりレーザー型と云うだけあって剃刀と合う質の石が選ばれているのかも知れませんね。

だとすれば、単に小さく採れたからそのサイズなりに仕上げるのとは違い、見識ある対応と見極める能力、そして贅沢な選択も賞賛されるべきだと思います。大きく採れた原石を敢えて小さく仕上げるのは、採算性から考えれば忌避される行為の筈ですので。

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と言いつつ、先ずは浅葱系です。 しかし浅葱系の中では最も柔らかいです。何故か色物とは逆に、この外観・サイズに限っては浅葱であり乍、硬口では無い物を幾つか確認しました。それでも刃金が光って来るのは流石。画像の石には、前述の球状陥没の痕跡が砥面にも見えますね。

 

 

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やはり浅葱寄りかも知れません。反応も近い感じ。しかし此方は柔らかくは無いです。最初に選んだ石の一つですが、その後は中々近似の物に出会わず

 

 

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色物らしく、ややまったりした研ぎ感。地金は浅葱系統より曇り勝ち。此方も最初に選んだ一つでしたが、幸い同系統が見付かりました。

 

 

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上の砥石と、ほぼ近似の反応。

 

 

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以下同文ですが、少し刃金はしゃきっと。しかし側面を見る限り、レーザー型の中では一番巣板っぽいような。

 

 

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レーザー型では、と言うより全体の中でも地金・刃金共に鏡面に近いです。

 

 

変な形ですが性能はまずまず。

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これだけは表裏、面付けされていない状態で選んだので何か分からずでした(暗い中で巣板っぽいのを探したのですが)。仕上げてみると並砥なんでしょうか、小鮎様から頂いた中山並砥に近い研ぎ感と仕上がり。しかし頂いた石と同様、硬さ・細かさが控えめに感じたので鉄を吸わせて育てた所、同様に改善されました。

砥面の性状として、濡らした状態では砥粒の凝集性がややクラスター状、例えれば丸尾山の天井戸前うぐいすに度々見られる感じになります。繋ぎに使えば良いかと考えていましたが、普通に使う刃物で不満は余り出ない質になって来ています。これも後になって判子に気付きました。

 

 

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黄色ですが、研ぎ易さと仕上がりのバランスが良かったので、相性探しのバラエティにと選びました。刃先の性能も問題なし。

 

 

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紫系統ですが、同じく研ぎ易い割りに仕上がりも充分。研いだ刃先の性能は、黄色と比べて同等若しくは其れ以上です。

 

 

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おまけで貰った物と購入したカラス入り。右と下は黄色・紫同様ですが、カラスは殊の外硬くて中々減らないでしょうね。使い道も切り出しなどに限られるでしょうから余計に。しかし全く地金を引かず鏡面で切れ味良く仕上げてくれるので、サイズ以外の点では完璧と言えます。

 

 

 

(業務連絡: こんな感じで選んだけれど、好みが近いなら納得の品揃えかと。先々そっちの手が空いたら選びに行く日を連絡されたし。予定を合わせて選別に。助言・手伝いは問題なし。)

 

 

 

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