取り敢えず一応の準備

 

オーストリアでのイベントに招聘される事になったのは良いのですが、予想外に遣り取りが遅滞気味です。此方の質問項目を翻訳しての問い合わせとは言え、慌ただしい本国から大使館に返答が来ないとの事。最初のごく大まかな当日の予定をメールで見て以来、具体的な要望や現場の設え、観衆の種類やレベルなども不明の為、やらなければならなくなる可能性のある事柄、全てに準備をしています。

パスポートを二十数年振りに申請したり着る物(親の家に在った作務衣的な服)を用意したり近所からスーツケースを貰ったり。研ぎに関しては取り敢えず、人造・天然の砥石を用意する事から始め、簡単な展示が必要かもと、手持ちの包丁(柳と三徳メインで)を研ぎ直しました。人造砥石は五本に絞りましたが天然砥石の方は、機内持ち込みの荷物には重量制限も在るらしい事に加え、移動中の損傷・紛失も警戒すると余りサイズ・性能・値段(知れていますが)のレベルが高い物は憚られます。かといって普段使いの実用一点張りシリーズは、やや見栄えに難があります。

と言う訳で先日の日曜に探しに行って来ました。大き過ぎず、性能にも不満が無く、見た目もまずまず整っている巣板を二つ選び出す事が出来ました。

 

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白巣板にややナマズが入っています。その割りに中庸からやや硬めですが、刃金の傷は直ぐに消し、地金の仕上がりも若干粗め乍ら斑無く仕上がります。

 

 

 

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此方は通常の白巣板よりは敷き内曇りに近い物で、やはりナマズが入っています。しかし硬さは上の石を更に上回り、刃物を当てると巣板より合砥っぽく感じる程で、粒度もより細かいです。その為、仕上がりは刃・地共に先の状態よりも僅かに細かいです。

 

 

 

之まで、同じ役割で使って来たのは下の二つ、敷き内曇りの蓮華と紅葉です。両方、特に蓮華の方は平面ではない刃物の地金に斑が出易い傾向以外は存分に働いてくれます(他の蓮華にも同様の傾向は見られました)。

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しかし、今回は多少形状が整っている新入り二つに初陣を飾って貰うとしましょう。働いて、もう少し鉄を吸って帰ってからは、硬さ・細かさが向上するでしょうから、寧ろ今から其れが楽しみでもあります。あとは戸前系(若狭産)、千枚系、カミソリ砥の合砥を加えて出張用のチームを作ろうと思います。

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あと、研ぎ直した包丁ですが、日中に自然光で写さないと余り様になりませんが、以下の様な感じです。

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最初の通知メールによると当日イベントでは、最後の方で偉い方のスピーチの後、パフォーマンスとか書かれていましたが、持ち時間の長短や説明の内容・レベルとその有無、試し切りの可否や展示の有無も不明なままですので、大半の準備が無駄になるかも知れませんが出来る範囲で万全を期し、ウィーンでの仕事自体が無駄だったと思わずに済むようにしたいと思います。

 

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