今年も関の刃物祭り(10月11日)に行ってきました。と言っても、今回は特に購入予定の物も無く、砥石の出店も見当たらなかったので、何時もの鰻屋に寄って食事とお土産だけにしました。
アピセで日野浦さんと話し、今後の展開について報告したり、テレビで米国の少年との交流を見た事については、その後の予定を聞いたり。また鍛冶体験に来ても良いぞと言われた事は嬉しく、いつか再び切り出しを作りに行きたいと申し込んでおきました。
現地で、過去の勤務先の元同僚とも年に一度の再会を果たした訳ですが、相変わらず気を使って貰い、恒例のプレゼントを頂きました。仕事に関連するマスプロ製品としてのペティではなく、オリジナルです。アウトドアナイフショーでもチャレンジャー部門で展示している意欲的なグループの一人でもあり、下画像がその作品です。
鋼材はVG10、焼き戻しは殆ど無しの堅焼きだそうで、ハンドルは上がアイアンウッド、下が黒檀だったと思います。そのハンドルにボルトを通す為、タングには戻しが掛かっているとの事。タング後端は軽くテーパーになっており、所謂テーパードフルタングです。
4~5本の中から選ばせてくれたので、身が厚い方から2本を採りました。その方が、刃付けによる差別化が顕著に現れるからです。因みに、ヘンケルのペティ(左)と比較すると、中央、右に行くに従って厚みが増しています(現物は峰の角が僅かに丸めてあるので、画像では控えめに写っていますが)。
四~五年ほど前には、こんなナイフも頂きました。ひと目見て以来、母が気に入って放さないので、其方(親宅)に配備されたままになっている物です。
マイカルタハンドルにVG10の三層クラッドのブレードですが、主にパンやチーズを切る為、テーブル下の引き出し手前に位置を占めています。此方も、やや堅焼きですが中庸な研ぎ感(滑ったり返りの処理に悩む様な研ぎ難さは無い)と結構な長切れで、割り当ての仕事内容では滅多に研ぐ必要を感じません。上のペティは更に硬いのなら、一層の長切れが期待できます。
あと、半月ほど前、ある大使館を通して研ぎ文化振興協会宛に研ぎの出来る人材の派遣をと連絡があったそうです。一応、私が対応する事になるだろうと聞いてはいましたが、本日振興協会からの転送ではありますが依頼のメールを自ら確認する事が出来ました。今後は相手方と直接情報の遣り取りをして現地でのイベントに備えます。
もし、研ぎの依頼をと御考えの方は、来月前半の海外出張期間と其れまでの準備期間中は、納期の面で御迷惑を御掛けする事になるかと思いますが何卒御理解の程、宜しくお願い致します。
(場合によっては、「六月七日の砥石の選別」の導入部分で軽く触れていた計画が本決まりとなり、其方も担当するとなれば春以降、更に長期の御迷惑を・・・となるかもですが、それは又いずれ。)