六月七日の砥石の選別

 

七日の日曜日に亀岡に行ってきました。千枚採掘までにまだ間が在るのは分かっていましたが、土橋さんから前の週に電話があり、久し振りに会う事に。

勿論、行けば砥石を見るのはお決まりですが、月山さんから「使い勝手の良い白巣板は常時募集」との依頼もあり、先ずはそれを探しました。3~4個ばかり選んだのですが、新潟からの来客用に20個ほど入用だとの事にて其れは断念、代わりに面付け機まで仕上がった段階の中から80型相当のコッパ2個と薄めのレーザー型1個を送って貰う事にしました。

他にも、打ち合わせのような会話で、日仏での匠村計画の内容を聞いたり、当日居合わせた二人の来客に丸尾山砥石の説明をしつつ、自分用の砥石も探しました。今回選んだのは以下の物です。

 

本戸前 色物のレーザー型

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試し研ぎ用にしている青紙一号に極軟鋼地金ですが、丸尾山の本戸前としては結構、光り気味に仕上がりました。単体で研ぎ感が似ていると感じたのは御廟山の戸前色物(黄色主体)です。

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少し前に手に入れた別の本戸前の色物ではもう少し曇りがちだったと思います。研ぎ感としては三色に近い此方が好みなんですが。

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実は合砥の中で最も研ぎ感が好きなのは本戸前なので、以前はそれだけで複数持っていました。しかし仕上がりの差別化や切れの性格(料理用として)から、千枚系にシフトした経緯があります。

本戸前色物の中でも特に朱・紺・褐色の三色タイプ(朱が多目)が好みで、その他に八枚風、梨地混じり(少な目)と続きます。三色は適度に泥が出て研ぎ易く研磨力もあるタイプ(曇り気味)。八枚風は泥少な目で下ろすよりも磨くタイプ(やや光り気味)で、それ故に刃も石も減りが少ない。

上記二つに比べて個体差が大きいと思われる梨地は、其れが多いと精細な研ぎに邪魔をする場合も在る様です。また、ある程度硬くないと泥による張り付きや平面維持の低下になり、中々これはと思う物が少ない印象でしたが、以前偶々おまけで頂いた小さなコッパ(少し梨地入り)は、使いやすく良い仕上がりでした。尤も、初期は泥が出過ぎの柔らかいだけの印象だった物が鉄分を吸って硬くなってからでしたが。それに従い、刃物にも因りますが、仕上がりは過去手に入れた本戸前としては一、二を争うほど光り気味になりました。(それが以下の砥石です)

 

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今回手に入れた砥石は、初期から適度な硬さで面の崩れや研ぎ減りも少ない。そして粒子の細かさ仕上がりの綺麗さで、手持ちは勿論、これまで砥取家で試した分を含めて丸尾山産本戸前のトップレベルかと思われます。

初めは手持ちの予備、或いは普段使いやバラエティとして求めたのでこの結果には少し驚いていますが、ラッキーだったと思います。しかしこうなると、やはり本戸前は諦め切れず、レーザー型でも良いので好みのシリーズを再構築するべく、見て行きたいと云う誘惑に駆られつつあり危険な兆候ですね。

 

 

 

※  因みに 本文中に言及した御廟山の戸前色物は、以下の砥石です。厚みはあれどレーザー型としては、やや狭い砥面。只、元々取り回しや平面管理のし易さから80型やレーザー型は実用的だと捉え、重宝してきました。その基準で考えればメリットの方が勝るかも知れません。

御廟山としてはやや軟らかい為、刃金は完全には鏡面にならず、地金も同様です。しかしそれだけに、気難しさも控えめで、其処も気に入っています(手持ち御廟山の難易度別で三段階の初級)。

 

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「六月七日の砥石の選別」への2件のフィードバック

  1. 御廟山のいきむらさき(超硬口)を持ってますが最近では大谷山で剃刀を仕上げるのであまり使ってませんがこの御廟山も気むずかしい砥石ですがストライクゾーンでの研ぎでは神がかりてきな刃が付きます。

    1. ゆうけん様  

      そうですね。うちにも、お持ちのに近いと思われる御廟山(難易度上級の赤褐色がかった物)が有るので想像出来ます。自分は以前から、土橋さんには「極端に表現すれば、大谷山は仕事向き・御廟山は趣味向き」と話していました。

      実際に研ぐ場合の適応範囲の広さの違い・面直しの難易度から、傾向としては御廟山は使い手や刃物を選ぶ印象ですね。其処を生かした研ぎが決まると、より大きな喜びに繋がる所も趣味性が高いと思います。同時に勿論、仕上がった刃の性能も、実用に耐える以上のレベルに達しますが。

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