七月十一日の砥石選び

 

今月は十一日の土曜に、亀岡に行って来ました。何時もの様に、注文されている層の偵察と自前の補充を兼ねて。そして以前から話が出ていた対外的な活動開始への進捗を聞く為でした。

 

まず顔を合わせると、これから採れたばかりの巣板を切ってしまいたいので待ってくれとの事。その間、手近な木箱や台上の砥石を選んでいました。結果、10本ばかりの尺長や厚めの真四角な上物が切り分けられましたが、自分の希望する硬さ・弾力をやや上回っており、一応サンプルとして小さいのを購入するに留めました。

因みに、白巣板層らしいですが、敷き内よりは黒蓮華気味だと思います。匂いもうっすらそんな感じ。

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帰宅後、砥面・底面共に電着ダイヤで面を出し、養生をしてから試し研ぎ。結果、砥粒の細かさ・目の立ち方は上々で、研磨力・傷の消えに不足はありません。丸尾山の巣板としては硬過ぎず弾力が有るタイプなので研ぎ減りは少なめ。其れに影響されてか、食いつき方もグイグイ来る感じで言ってみれば若狭(田村山)の砥石を彷彿とさせる印象でした。

 

 

 

待っている間に見ていた方ですが、戸前系でやや千枚風味を感じさせる物です。

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天井戸前や敷き戸前の色・柄に近い外観ながら、一部にグレーや緑褐色以外の色調を含んでいる。研いで見ると明らかに普通の戸前系と違った研ぎ感や仕上がりになる。そんな物が偶にありますが、これもそんな砥石です。勿論、戸前寄りと千枚寄り、どちらに近いかは個体差があり、一様ではありませんが、今回のは若干の千枚寄りでしょう。

 

 

 

更に千枚寄りだったのは以下の画像。以前、戸前系ばかり数十個纏めて切り出された時に選んで来た物です。側面から見るとグレーと緑褐色で綺麗に分かれており、半々といった所でしょう。

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そして最も千枚に近い物も同時に手に入れていました。手持ちの千枚際戸前?の中では一番大きい物。

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最後は、此れも変わった物です。共名倉兼、小さい刃物用として購入しましたが、カミソリ砥に合わせると予想以上の性能で、研磨力・潤滑力・仕上がりと三拍子揃った働きを見せてくれました。通常使用としてはやや硬い(丸尾山産合砥としては)かなと思いましたが、結果的に鏡面用の超仕上げ「三大共名倉」として重宝しています。(因みに他の二つは、特に砥粒が細かく適度に目の立った大上の硬軟それぞれです。)

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画像側面は、いき紫特有の赤っぽい色が出ているので、どう影響するか気になっていましたが、少なくともその部分が表面に出ない限り他の千枚寄りと異なる挙動は無さそうです。以前、天上戸前いき紫を持っていた時、赤色とその周辺でとても違いを感じたので、その時が楽しみなような心配なような複雑な気分です。

 

 

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