栃木県のK様から、ククリナイフを2本、御送り頂きました。似た様な形状は少数ですが研ぎの経験は有りましたが、此処まで本格的な物は初めてかも知れません。ケイバ―社製の刃渡り32cm、シルバーとブラックコーティングのモデルです。
研ぎ前の状態。シルバーモデルは、少し錆が見られますね。御依頼でも、磨いて欲しいとの内容が有りました。
又、此方のモデルは御使用により切っ先が鋭さを欠いてしまった為、元の鋭さを取り戻したいとも。
ブラックモデルは、ほぼ新品時の状態を維持しています。
先ずは、六角のボルトを緩めてグリップを外し、錆を落とします。と言っても所謂、赤錆の部分をペーパーで擦り、黒く成っている部分は殆ど手を入れませんでした。下手に弄るとグリップ材との面の擦り合わせが狂って来るからです。
其の後、平の部分とホローグラインドの部分を磨きましたが、主に平の部分を綺麗に。但し、刻印(腐食?)部分が消えない範囲で磨き、ホローグラインドの部分は幾分、ラフに。
丸く成って居た切っ先部分の刃線は、取り敢えずエッジ(刃先)を最低限だけ削り、刃線の繋がりを意識しつつ整えました。
こんな事も有ろうかと偶々、半年前に購入のアトマの小さい奴(甲丸と平)で、リカーブエッジと通常のカーブ部分を使い分けて刃を立てます。
次いで、ダイヤにより通常カーブの形状を整えます。
人造の320番で、研ぎ傷を浅く。
1000番と3000番で、更に傷を浅くしつつ形状を整えます。
天然に移行し、対馬です。
仕上げに丸尾山の巣板、中硬で傷消し。
月の輪の八枚の細い物で、リカーブエッジを仕上げて行きます。
最終仕上げは、中山の合いさっぽい物で。リカーブエッジは、細い物の面にアールを付けて。
研ぎ上がりです。強度を確保しつつも切れを重視し、更に初期のバランスと状態を崩したく無いとの御要望に沿って、小刃の幅も最低限の広げ方としました。
刃渡りと形状から、振り回す・叩き付ける使い方が予想されますので、小刃のベースは25度(切っ先)~30度(刃元)くらい、刃先最先端は40度前後としました。これでも、ナイロン程度は楽に切れますので。
刃部のアップ
刃先拡大画像
ブラックモデルも、シルバーモデに準じた手順で。
此処までで問題が無いか、最終確認の画像添付メールで伺った所、もっと切っ先を鋭くしてブラックモデルと相似形にして欲しいとの事で。
グラインダーとベルトサンダーで背面から削り、少々ながら峰のカーブを直線的にする事で、鋭さをアップしました。其れに伴い切っ先周辺を研ぎ直し、その他の刃線部分も整合性が取れる様に調整し直して御返送に。
一旦は此れで安心と思って居たのですが、やはり何とかシルバーモデルの切っ先を、もっと鋭く出来ないかとの御相談が。色々と、刃線の位置と切っ先の減った刃渡りの関係から、御要望を実現するには如何なる手順が必要か?等の御説明のメールを御送りしたりして居ます。
もしかすると、研ぎの御依頼の追加の運びに成るかも知れませんが、先ずは今回の研ぎの御依頼、有り難う御座いました。






























