新潟県のO様から、日本剃刀を送って頂きました。数年前にも包丁の研ぎの御依頼を頂いた事が有るのですが、今回は大掃除で発見した御祖父様の御使用品だった此方を、研ぎ上げて仏壇に供えたいとの御意向で。
御依頼を頂いた際、文面と共に画像も拝見出来たのですが、改めて現物を確認した所、結構な範囲にソコソコの錆が出ていました。箱の外観から分かる通り、相当に古い物でしょうから、手入れが中断したままに長期間の経過と在っては、致し方ないでしょう。
とは言え、地金部分は兎も角、裏の刃金部分が心配だったのですが・・・表よりも状態が厳しい様に見受けられました。
余りに警戒して、各種方法で試しながら錆取り・梳き直しを進めた為に、画像には残して居なかったのですが(笑)・・・先ずは網状の研磨シート・粗いサンドペーパーで錆落とし。梳き直しは始め、安定のリューターとダイヤモンドシートで進めました。
しかし、熱が上がり易い割りに研削が控え目だと感じ、ダイヤモンド鑢で取り掛かると案外、(以前は困難だったのですが)狙い通りの結果を得られました。
其の後は裏表共に、耐水ペーパーで番手を上げて行き、最終的には高番手の模型用布ペーパーとダイヤモンドペーストの併用で仕上げました。
刃付けの初期は、320番からでしたが其の後、平面維持に優れつつも研磨力も有るタイプの1000番で。
次に研削痕の浅い1000番・3000番で精度を上げて行きます。
天然に移行し、対馬です。
やや軟口~中硬の巣板で研いだ後、中山の硬口の巣板や戸前系統で仕上げ研ぎ。
更に中山の水浅葱各種で、相性を見ながら最終仕上げです。
研ぎ上がりです。
O様には、此の度も研ぎの御依頼を頂きまして、有り難う御座いました。今後も私で御役に立てる場合は、宜しく御願い致します。
現在、ホームページ不調の為、御面倒を御掛けして居ります。研ぎの御依頼・御問い合わせの方は、下記のアドレスから御願い致します。