興味があった田村山

 

今回の連休中は去年同様、砥取家の常連ばかり数人で集まり、会合みたいな状況でした。

色んな人と色んな話をしたり砥石を試したり、鍛刀を見学したり牡丹鍋を作ったりしましたが、自分にとってのトピックは、以前から興味があった若狭の砥石・田村山を手にする機会を得られた事です。

過去に田中清人さんから中井産の砥石を頂いていましたが、採掘場所としては其処からやや離れており、石の傾向も違う田村山を尚さんから三つ(おまけ付き)、共名倉も三つ分けて頂きました。

若狭の砥石は結構、特殊鋼の類と相性が良いとの話を伝え聞いておりましたので、試し研ぎは青紙一号の今井義延と青紙スーパーの重春、共に切り出しで行いました。砥取家にて試した折は、石の感触の割りに少し傷が残る感じがありましたが、予想したとおり溜め水の影響だったらしく、自宅での使用に際しては問題なく仕上がりました。

 

 

先ずは、丸尾山の卵色巣板で下研ぎです。

IMG_0822

 

卵色巣板による仕上がり

IMG_0820

 

 

 

田村山(八枚の系統と言われた様な?)  「戸前(上層部)でした」

IMG_0826

 

上画像の砥石による仕上がり

IMG_0827

 

 

 

田村山の戸前浅黄

IMG_0828

 

上画像の砥石による仕上がり

IMG_0830

 

同、刃先拡大画像

Still_2014-11-28_004028_60.0X_N0001今井義延若狭

 

 

 

田村山の浅黄か千枚っぽい物  「戸前(表層)でした」

IMG_0838

 

上画像の砥石による仕上がり

IMG_0840

 

 

 

田村山の八枚?  「再び戸前(上層部)でした」

IMG_0841

 

上画像の砥石による仕上がり

IMG_0842

 

同、刃先拡大画像

Still_2014-11-28_004158_60.0X_N0002重春若狭

 

 

 

以下はおまけで頂いたコッパと共名倉です。

IMG_0832

IMG_0835

IMG_0836

IMG_0837

 

 

研ぎ感としては、丸尾山の硬口千枚系統に近い物と、大谷山に近い物に分かれる感じでしたが、緻密な砥粒と硬目で泥の少ない割りに、地金を引いたり上滑りする事も無く研ぎ易いと思います。

ここ二年程は、巣板や通常の合砥以降に当てる、カミソリ砥の手前の砥石を充実させたくて取り組んで来ましたが、正に希望通りの性格の砥石達で良かったです。これで最終仕上げに必要な砥石群は、ほぼ揃って来ましたので仕事の上で刃物に適した砥石選びが楽になると思います。

 

 

 

「興味があった田村山」への7件のフィードバック

  1. レポート有難うございます(^^)

    八枚?の砥石は戸前層の物です。戸前浅葱より若干表面に近い所での採取で風化により若干滑らかかなぁという感じでしょうか(^^)千枚っぽいと書いて頂いているものはまさに天井近くの戸前で千枚かもしれません(^^)うちでは同じ戸前表記しちゃいます〜(^^)

    浅葱はまさに戸前のど真中です(^^)色物や黄板がほとんど無いのでうちの戸前は90%ぐらいは浅葱です。

    良い結果が出た様で嬉しく思います(^^)有難うございましたm(_ _)m

    1. 尚様

      層の説明有難う御座います。御存じの通り、自分は山・層・色・柄などの拘りは薄く、使って性能(研磨力・仕上がり・使い易さ)が良ければ文句が有りません。ですので、当日に砥石の側面に名前が無くても気にしておらず、大まかな説明を聞いて試し研ぎをした事で納得していました。しかし、ブログに載せるに当たっては、「あれもこれも層が不明」では不味い事に気がついたので助かりました。しかし、極少ないであろう当ブログの訪問者の方には、この欄を観る事によって採掘者御本人から直接、間違いの無い名前を解説されるという現在としては希有な状況を楽しんで貰えたのかも知れません。

      珍品・名品を珍重するマニア心理や、シリーズで揃えたくなるコレクター心理も理解出来るのですが、自分はどうしても実用に於ける性能を最優先としてしまいます。その上で色や柄が好みで有ればラッキー位の認識です。その意味で、今回分けて頂いた砥石達は、正にラッキーな物でした。

      若狭の採掘場所の難易度も、今回の砥取家周辺縦走から少しは想像出来ましたので、今更乍らに安全に留意して頂きたく思います。この度は有難う御座いました。

      1. 小鮎様

        えーと、持って行って、と言いますと・・・ぶつぶつ交換用の砥石?では無くて?

          1. ああ、成る程、そうでしたか。尚さんは心配りが細やかですからね。

            しかし石の性格が違うので、丸尾山と直接競合する筈も無いですからね。土橋さんがそこを分かっていれば文句も出ないと思いますよ。

            少なくとも、自分としては丸尾山が欲しい(作業上必要である)時は他の石で間に合わせる事は困難です。それ程、行程や目的別に砥石のルートやグループが確立して来ています。

  2. ゆうけん様

    済みません、頂いたコメントが不明になってしまいました。

    何やら、飛駒砥に興味が有るかとの由。確かに画像を拝見しまして、綺麗で肌理の細かそうな砥面に瞠目しました。しかし万が一にも、自分だけが試し研ぎの幸運に浴するとあっては恐縮の極みにて、月山氏はじめ他の常連の方々でお試しの繋がりメンバーが出来ました折りには、自分も加えて頂けましたら幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>