料金関連のお知らせ

 

之まで、依頼を頂いた刃物の研ぎは特別な場合を除いて、作業期間は一日~二日、つまり私の手元に届いてから返送期間を含めても、三日前後でお届け可能でした。

しかし今回の常連さんの研ぎは、引取りからお届けまで丁度、一週間お待ち頂く事となりました。今後はこの様に、一週間前後が精一杯となる場合もありそうです。ですから研ぎの御依頼をと御考えの方には、その辺りを御理解の上、お願い出来ればと思います。

それに付随して、常連さんとの会話で勧められた内容もありました。以前に知人から、「料金の具体例が挙げられていたり、料金の増減の基準が示されていた方が分かり易い」との指摘に対して、今回の包丁三種を例示として良いか伺った所、寧ろそうすべきとの返答でした。そこで以下に、今回の研ぎ料金の金額と内容を記します。

 

 

IMG_0790

まず、ステンレスの包丁(刃渡り13.7cm、小数点以下切り捨て)ですが、「洋包丁は1cm当たり100円」との基準通り、1300円+税でした。

この理由は、14cmに満たない刃渡りなので13cm扱いとなる事。又、刃の状態として欠けや捲くれが異常に大きくなかった事によるものです。

 

 

 

IMG_0792

次に和ペティ(刃渡り14cm)です。これは和包丁ですが、現状、洋包丁扱いの研ぎ料金として「1cm当たり100円」基準として1400円+税でした。

この理由は、現物が新品であり切り刃から研ぎ下ろさずとも、刃先周辺の研ぎで問題無い為です。もし鎬から切り刃全体を研ぐ必要が出てくれば、和包丁の「1寸当たり1500円」基準に則り、14cm、つまり4.7寸(4.5寸で計算)なので1500×4.5寸=6750円+税となります。勿論、刃の状態で増減します。この包丁の場合、出荷時の切り刃の状態がかなり整っているので、整っていない場合と比べれば2分の一程度になると思われます。(刃先の損耗などが同程度の場合)

追加情報として、これは「私から直接お買い上げ頂いた包丁」なので、本来は錆び・汚れを落とす所で留めますが、洋包丁扱いにも関わらず、更に切り刃を小割りした天然砥石で均し研ぎしています。自分の好みの仕上がりと、使用時の錆び難さを求めての無料サービスです。

 

 

 

IMG_0795

最後の和式の三徳包丁(17cm)です。和包丁基準で17cmつまり(5.7寸ですが)5.5寸×1500円の-25%で今回は6200円+税です。

この理由ですが、本来、両刃(刃の表裏から研がれている)の三徳なので、研ぐ箇所が二倍で料金も二倍になる所、切り刃の幅が狭い構造なのを鑑み、片刃和包丁扱いとしています。更に以前の研ぎで切り刃の余分な厚みを抜き、刃元から刃先までテーパー状に均されつつあり、更に刃先の損耗が少なめであった為、25%引きとなっています。

 

 

以上の内容からお分かりの様に、傷んだ包丁が修復に時間や手間が掛かるのみならず、新品でも適切な形状で出荷されていなければ、かなりの修正が必要になります。しかし、それは取りも直さず状態が適切になって行く程(研ぎ回数の増加に従い)、損耗が少なく使える程(使用者の知識・技量の向上に従い)、料金が二分の一や三分の一まで在り得ると言う事です。

因みに、研ぎ料金が安くなる条件として代表的な三つを挙げますと、以下のようになります。

①新品時から形状が整っている包丁を選んで頂く。

②使用に際して、欠け・捲れ・錆びに注意してなるべく傷めない。

③普段は御自身で、形状を悪化させる事無く寧ろ適切な状態に近づける様に研ぎ、手に負えない時や更に上を求める場合に研ぎ依頼をする(之は可能ならばですね)。

 

 

 

お終いになりましたが、もう一つお知らせです。

和包丁の 研ぎ料金が来年より、一寸当たり3000円となります。これは新品やそれに近い状態から、まずまず使用に耐える研ぎを行うに当たってかなりの手間隙が掛かる為です。大まかに言えば、六寸前後の和包丁でも、人造の荒砥・中砥・天然中砥・天然仕上砥と進むのに、少なくとも5~6時間。場合によっては7~8時間も珍しくありません。

但し、初期からかなり整っている物や、数回の研ぎを経て整ってきた物は、一寸当たり2000円くらいで済むと思います。更にその後、酷い錆や欠けが無く維持されている物に至っては一寸当たり1000円という場合も。

之まで最高は、「尺(尺越えだったかも)の剣鉈を鏡面に」との依頼で研ぎ時間32時間でした。因みに仮眠と簡易な食事以外は継続して二日で仕上げました(当時の料金設定では時給としてはワンコイン未満)。一日8時間の勤務とすれば四日分の労働時間ですが、例えば月給を頂いている皆さんなら、計算すると日当、或いは時給換算幾ら位になるのでしょうか。

とは言え、上記、料金の説明を読んで頂いた方はお分かりかと思いますが、基準料金が上がっても状態次第という点は同じなので、余程、物が悪くなければ実質は大差ありません。では何故改定するのかと言えば、自分が現物を見てこれは・・・と思っても中々、適正な値段を提示し難かった為です。つまり不必要に遠慮してしまう傾向がありますので、やや高め(本来これでも砥石代・技術料・手間賃から考えると・・・ですが)の料金設定から、「良い状態なので~割り引きになります」なら言い易いかなと思っての判断です。

洋包丁は、引き続き変更なしですが、これは一般の方が普段使いされているであろう包丁への応援とサービスと御考え頂ければと思います。宜しくお願い致します。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>