司作の柳の研ぎ上がり

 

もう一方の北海道の常連様、T様には二年程の御待ちを頂いて居ましたが、最近ようやく司作の柳を持ち帰る事が出来ました。

近く、海外出張へ出発される事を聞き及び、間に合うように送ろうと仕上げました。最後の最後で、発送受け付けに間に合わず一日の遅れが出ましたが、期限ギリギリの火曜には到着予定です。

 

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人造の中砥から研ぎ始めましたが、かなりフラットに凹凸も少なく仕上がっています。ただ、切っ先カーブの始まる付近の刃金部分が若干、研削が多目だった点。その後方、鎬の切っ先側の厚みが少し多い点。裏押しの刃元寄りの一部に当たり難い部分有り。

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人造の3000番まで当てた後、小割りの人造も使って均し研ぎ。その後、天然の小割りも。

 

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やや柔な巣板➡中硬の天井巣板で形状を整えつつ、砥ぎ目を細かく。千枚で更に向上。仕上げに中山です。

 

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僅かに、切れに相性の問題を感じて水浅葱を試すとピッタリでした。

 

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奥殿の天井巣板ほぼ内曇り(何故か確りした硬さと弾力)の小割り➡天井巣板蓮華カラスの小割りで地金部分を整えます。

 

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切り刃の刃と地のコントラストも適度ですね。

 

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刃先拡大画像でも問題無しです。

 

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裏も綺麗な物。

 

 

今回、司作の柳は初めて触りましたが、鉈や小刀よりは幾分、粘りに配慮している印象です。とは言え、司作らしい硬さもキッチリ備えており永切れも期待できます。其の上、今回の刃金は組織の仕上がりに優れるのか、過去の司作と比べても切れが一層際立ちます。黒の鍛え地の迫力に、引けを取らない存在感を放つ高性能な刃金で才色兼備と云った所です。

T様には、料金面のみならず御菓子も送って頂きまして、御気遣いに感謝致します。御満足いく包丁と研ぎに成っていましたら幸いです。

 

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とても面白いので、頂いた御菓子の画像です

 

 

 

 

 

「司作の柳の研ぎ上がり」への2件のフィードバック

  1. 村上様

    二年待っても十分甲斐のある柳刃です!
    今手にしているのが夢の様です。
    しっかり重さがありバランスが良く、オーラを感じます。
    上品な桐箱も素敵です。

    ここぞ!という時に大活躍してくれそうです。
    お陰様で家宝がまた増えました。
    心よりお礼申し上げます。

    北海道T

    1. T様

      どうやら、結構な待ち期間を経ても手に入らない方も存在する様でして、未だ恵まれていると考えるべきだったのかも知れませんが・・・私としては異例の御待たせに成り恐縮でした。

      ただ、三条迄出掛けた甲斐あって、見た瞬間に出来の良さを見て取れました。待たせたのが無駄で無かった安堵と共に、仕上げの研ぎも確りしないととも感じましたが。

      先ずは、現物を御確認の段階で御悦びの様子ですので、私も晴れがましい気持ちです。御使用の上でも楽しんで頂けると思いますので、この先じっくりと付き合って行かれる中で、性能面での優位性も実感して貰えましたら幸いです。

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