砥ぎ目の違いと錆

 

今回、人造と天然の砥石で其々、砥ぎ目の細かさに因る錆の違い(錆び易さ・取れ易さ)に付いて簡易なテストをしてみました。結果的には方法がいまいち適正で無かったのでしょうか、特に画像上では分かり難い内容には成ってしまいました。

ただ、実際に行なった立場では予想の検証や再確認には役立ちました。錆の除去に付いては普段の印象通りだったり、本格的に錆び始めると意外に外見的には大差なく見える、等。

 

 

 

先ずは、人造砥石の1000番・3000番・6000番・10000番で試料(日野浦さん提供の極軟鋼に白紙二号を鍛接した角棒を、手作業で切断した物)を其々、砥石の番手が反映される程度に研いで仕上げました。

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鋼の研ぎ肌。左から高番手に成っています。

 

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同じく左から高番手の、地金側。

 

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其れを、千鳥酢に漬けました。(ポッカレモンでは変化に乏しかったので此方にしましたが、少し効果的過ぎたかも知れません)

一目瞭然、左端の10000番仕上げが撥水効果を発揮しています。次の6000番も、表面に乗っている水分が少な目です。

此の儘では、普通に弾かれた部分の錆が出ないのは自明ですので、濡らしては静置、を数回繰り返しました。

 

 

 

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つまり途中からは共通して、表面を常に酢の膜が覆っている状態で10分放置した事に成ります。それだと流石に、錆びた状態の外観上に違いが少なくなってしまいました。

因みに、上画像は鋼側のテスト後です。それでも、僅かですが高番手の方が錆が薄く見えます。画像を撮り忘れた地金側に比べると、炭素量の所為でしょうか刃金側は錆の程度がやや酷い印象でした。

 

 

 

 

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次に、天然砥石各種でも砥いで調べてみました。左から奥殿の水浅葱(硬口)・中山の赤ピン(中硬)・奥殿巣板茶色(中硬)・やや軟らかい巣板です。

 

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刃金側のテスト前画像ですが、天然砥石の並び順と同じく左から水浅葱仕上げで以下、巣板までです。

 

 

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テスト後の状態。此方も、弾く効果を打ち消す様に酢を付けては置いてを繰り返したので、似た様な外観に。強いて言えば、砥ぎ目が細かいと目される方が赤い錆・逆側は黒い錆が強い気もします。

 

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上画像は、テスト後にジフ(クリームクレンザー)で軽く洗ってみた結果です。

 

 

 

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地金側、テスト後の画像です。

 

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此方もジフで。やはり刃金側よりも錆が弱い様で、より綺麗に成りました。

 

 

 

再度、天然砥石で研ぎ直しました。目的としては初期に研がれていた同じ砥石で、錆びの影響を何処まで落とせるか調べる為でした。

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再研磨の結果は同じ砥石では問題無く落とせて、番手としては一つ上の細かさの砥石でも可能でした。しかし、二つ上と成ると難しい事が分かりました。二つ上に関しては、下の二つのみのテストと成りましたが。

 

 

 

 

結論として薄っすら・物によってはハッキリ分かったのは、錆び難さの主要因が撥水性(錆びの要因となる成分を含んだ溶媒としての)にある事です。腐食を惹起する成分に触れ続けていれば、表面の研ぎ目の細かさでは大きな差が現れ難い事も観察できました。

砥ぎ肌が細かいと、其れが付着し難い・流れ去り易い・拭き取り易いので錆び難さに直結する訳ですね。それらが無い環境で付着し続けたり乾燥までしてしまえば効果は薄いと。

あと、鋼は軟鉄よりも錆が進行し易く(あらゆる製品でそうとまでは言えませんが)、其れを落とす際も比例して大変です。まあ一度錆びると硬い鋼材の方がが大変では有りますが。そして砥ぎ目を一度細かい番手まで仕上げて置けば、除去する際に荒い番手まで戻る必要性が低く成ります。

錆びに関して総合的に見ればやはり、砥ぎ目は荒いよりは細かい方が低減できる可能性が高いし、錆を除去する時も手間が省ける可能性が高いと考えられます。

 

 

 

 

 

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