講習に向けて準備

 

明けまして、御目出とう御座います。本年も宜しく御願い致します・・・との台詞に相応しい画像も特に無いのですが、少し研究と準備をしていました。 思い返せば去年の年末年始は、高雄に泊まり込みで色々と勉強させて貰っていました。今年はゆっくりしようと思いつつも、ついつい今月上旬・中旬の講習に向けての準備と、序でに研究をしていました。

 

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余分な所をハツって落とした、鍛え落ちとでも言うべき部分ですがサンプルには成ります。右は奥殿天井巣板で、左は中山緑色の戸前です。これ等は薄いので、神戸の方へ贈った様に砥石館で台を付ける予定です。砥石館での講習の際に丁度良いでしょう。

 

 

 

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本巣板の茶色も、余分な箇所を落としましたので其れを小割りに。面を付けました。

 

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筋が邪魔な場合は、避けて割ったり削ったりします。

 

 

 

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上画像の包丁で試します。簡略にですが千枚仕上げの状態から。

 

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作ったばかりの茶色で。明るめの曇りに仕上がります。

 

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共栄で購入の硬口の白。更に明るく成ります。もう少しで光り系と言えそうです。

 

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天井巣板の内曇りです。今回の中では一番曇りましたが、或る意味当然ですね。

 

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同じ天井巣板ですが、超硬口です。千枚系統に近い仕上がりで、殆ど半鏡面です。

 

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最後に、刃金部分(特に刃先)を中硬の中山赤ピンで仕上げて置きます。砥ぎ易い上に、硬口の浅葱に近い切れと永切れを齎してくれて便利です。

 

 

 

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結構、長い直方体の状態で採掘される事が多いそうですが、此れも御多分に漏れず。切り分けて貰って持ち帰りましたが、砥石の性質と層の成り立ち(硬さと粒度の分布)を調べる為に表裏から試用しつつ、ガンガン減らしています。

因みに現在は面積の広い、便宜上裏(底面)としている方が硬さ・細かさで上回っています。逆に表は筋や亀裂、入り肌などの雑味が多く硬さも劣ります。その割には、上手く研げば裏で仕上げたのに近い性能を見せてくれるので面白いものです。最初は表側は、もっと柔らかくて雑味も多かったので、性能も其れに準じていたのですが追い付いて来た感じですね。

 

 

 

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此方も層の研究に使っている、巣板を半分にした片割れ。巣と牙目が問題でしたが、画面右側を意図的に減らしつつ巣を落として来ましたので、双方の問題点が解消されて来ました。このまま手順を重ねると、何処まで向上してくれるのか今少し試します。

 

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半分の片割れ、もう一方です。此方は既に、雑味も軽減されて普通に使える状態に近付いています。場合によっては、日本に滞在中に研ぎ講習をと御希望の受講者の方へ、サンプルとして渡して置いても良いかも知れません。折角ですので、記念品にも良いかと。

 

 

 

 

 

「講習に向けて準備」への3件のフィードバック

  1. 村上様

    明けましておめでとうございます。
    本年も宜しくお願い致します。

    今年は少し時間が取れそうなので、研ぎの研究をしていきたいです。
    正月、平面の鏡面仕上げに取り掛かり、取り寄せた「ダイヤモンドペースト」の威力に驚いている次第です。

    本年もご教授のほど宜しくお願い致します。

    1. T様

      明けまして御目出とう御座います。此方こそ、宜しく御願い致します。

      ダイヤペーストが効果的であったとの事ですので、その取り寄せた物は高級品だったのだと思われます。私が試したのは、やや廉価版だったものですから(服部でカウリの無垢に使っていたのよりは数段、落ちるのは承知の上でした)仕上がりも今一でした。恐らく下処理程度には使えるかなレベルで。

      本年も、御役に立てましたら幸いです。

  2. 本日、T様からダイヤモンドぺーストが届きました。御気遣い頂きまして、申し訳無いですが同時に感謝致します。

    先々、通常の手順で上手く行かない場合などで、効果を期待出来るカードとして試すのが楽しみです。有難う御座いました。

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