是非にも直接で、との御希望により自転車にて御持参下さいました。大判やレーザー型の御手持ちの砥石も拝見しましたが、剃刀に傾倒されている御様子で他の剃刀の維持管理は万全なのでしょう。
今回の此方は、理髪店からの貰い物と御聞きした様な。
研ぎ前、全体画像
刃部のアップ
裏側
先ずは梳き部分を軽く修正です。リューターとダイヤ鑢、荒砥と中砥の小割り等々で。
人造の1000と3000で中研ぎ。
巣板⇒千枚⇒中山水浅葱で仕上げ研ぎ。少し、硬度的に柔らかい印象でしたので極限の鋭さ・滑らかさ狙いでなく、永切れも視野に入れての選択です。
研ぎ上がり全体画像
裏は錆も浅く、裏押しも問題無かったので軽く磨いた程度。
研ぎ後、刃部のアップ
刃先拡大画像ですが、布で返りを落とした程度。革や研磨剤による刃先の微調整は、御好みで御願いしようかと。
剃刀に関しては、まだまだ知見が少ないので今回も理論上、問題無いであろう状態に仕上げました。持ち主が砥ぎ易い形状・使用時の手指への当たりの柔らかさ・表面の錆び難さ、位の項目を満たす感じで。
ですので、絵にも歌にも成らない実用一点張り。御気に召すか分かりませんでしたが、完了後の御知らせメール(確認画像付き)に対して幸いにも問題無しとの御返答。安心しました。
翌日、引き取りに来られた際も大丈夫との事で良かったです。もしも不都合が有りましたら、仕上げに使う砥石を買えたりして違う仕様に致しますので御遠慮無く御願い致します。
T様には、往復とも御足労頂き恐縮です。此の度は有難う御座いました。