カウリXへの準備

 

以前からのメールの遣り取りの結果、北海道から送られて来る予定のカウリX製の包丁に備えて、相性の合いそうな砥石で予行演習をと。

之までも手持ちの中から(全部では無いですが)幾つも試して来ましたが、光り気味に仕上がるのは勿論、充分な切れを引き出せる石が中々見つけられませんでした。

そんな中、田村山の砥石は切れも見た目の仕上がりもまずまず。特に、面同士がかなり安定して当たる(ある程度の面積で)場合は巣板よりも明らかに明るい研ぎ上がり。

 

 

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二十二~二十三年前、最初に作ったカウリX製のナイフ。鋸・鑢・電動ドリル(+モルタル用ドリル)だけで何とか仕上げました。グリップは黒檀でピンはステンレス。シースも牛革の自作。

 

 

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積層では無く無垢材です。研ぎは、当時から使用していたGC240番とキングデラックス1000番・6000番・8000番+耐水ペーパーです。

 

 

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今回、試したのは此方の同時期二作目、積層利器材。芯材は当然、カウリXで焼き入れ後の硬度はロックウエルで67.3度です。他にも作りましたが其方は当時、父に贈ったので手元にありません。シースは、服部刃物でハネテてあったのを貰いました。因みに、これとカーショウの1030(フィレナイフみたいなの)で関時代の自炊は殆どを熟していました。

 

 

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先ずは地金には優しくない巣板で。

 

 

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拡大してみると結構均一に見えます。

 

 

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次にこれ。

 

 

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やや細かさと明るさが向上。

 

 

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拡大しても研ぎ目が細かくなっています。

 

 

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更に浅葱で向上を狙います。

 

 

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先程よりも、やや明るくなった様子。

 

 

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拡大画像でも同じ印象。見た目での違いは少しでも、切れについては格段の違いが有ります。現状、手持ちの天然仕上げ砥石では、田村山の浅葱が切れと見た目の仕上がりで一番かと思われます。切れのみならば、中山産浅葱も甲乙付け難いのですが、面が合っていないと更に傷が入り易く難しいですね。

若狭産の砥石は、ステンレスや特殊鋼に向くとの評価を見聞きし、又自分でも実感していましたがカウリにもかなりの処まで対応してくれ、有り難いです。今回のナイフはキツいハマグリでしたが、もう少し平面に近い刃物ならば、より綺麗な仕上がりを望めると思います。

 

 

と言う訳で、北海道のS様。カウリXの包丁は、手筈が整いましたら何時でも御送り下さい。どんな仕様になっているのか、又どう仕上がるのか純粋に興味があります。ですので、それについての研ぎ料金の御心配は無用です。興味が半分ですし、残り半分は本日到着しました本場の旬の食材で充分ですので。それでは、このあと料理して頂戴したいと思います。有難う御座いました。

 

 

 

「カウリXへの準備」への4件のフィードバック

  1. 村上様

    素晴らしい研ぎをしていただいたり、宝物の砥石を選別いただいたり、研ぎの勉強させていただいたり、お礼をしてもしきれないです。

    隣町の私の地元がアスパラ発祥の地で原種を栽培していて、お送りしようと思って注文していたのですが、この時期に合わない猛暑があり、型がいつもより小ぶりになってしまいました。

    村上さんのカウリXのナイフ見てみたかったので、とても感激です。
    角の無い鎬?涙型に見え、何処までも切れていきそうですよね!

    私の包丁も刃金はカウリXと所持していた義兄が言っていただけなので、定かではありませんが、研いでいて『滑る』イメージが強く、裏用に選別していただいた砥石でも曇るかんじでした。

    村上さんに研いで頂いてどう生まれ変わるかとっても楽しみです!!

    1. S様

      有難う御座います。お心遣いを頂きまして恐縮です。先程、早速調理しました。

      数本ずつ、一方は軽く茹でてそのまま。もう一つはオリーブオイルを引いたフライパン上に転がし、途中で卵を落として蓋で蒸し焼きに。味付けは岩塩と白胡椒を擂りました

      普段食べている遣り方と同じに料理してみましたが、色・艶・味・香りなど、何れも抜群でした。瑞々しさだけであれば、親の育てたヒョロッとしたのを庭から取って来たのも中々でしたが、充分に育っている上に前述の項目を満たしているのは流石に本場と言うべきかプロの栽培と言うべきか。そもそも発祥地の原種と来れば、比べるべくも無いのかも知れません。

      昔から、ナイフの類いに於ける万能型の一つに、断面形状が涙滴型の刃体があると考えて来ました。特にカウリXは組織の性質上、ハマグリに仕立ててこそハードワークに耐え、その耐摩耗性を活かして長切れに繋がると説明されていましたのであんな形にしました。

      計画通り、枯れ竹を抉る様に削った後でも驚く程に切れ止まないナイフになりました。しかし、無理な外乱や衝撃を与えないのであれば、其処までタフな断面に拘る必要も無いと思われます。

      送って頂ければ、何とか性能を引き出せる様に努める所存ですが、場合によっては人造砥石・研磨剤・耐水ペーパー等の合わせ技を要する可能性も有ります。しかし、そうなったらなったで悩みながら楽しみたいと思っております。

  2. 村上様

    今朝アスパラに目玉焼きを、村上さんの真似して作ってみましたところ、抜群に美味しかったです!!!

    我が家のアスパラの美味しい食べ方レシピ増えました!

    あと、包丁発送いたしました。
    お手数をお掛けしますが宜しくお願い致します。

    送って頂いた砥石の代金をお支払いした後、この包丁の砥石も選別いただけたらなって頭でっかちになってます!

    1. S様

      やってみましたか。あれは結構前に某グルメ漫画を従兄弟の処で読んで以来、思い出しては時々作ってきた料理です。又聞きの「知ったか」みたいで恥ずかしい気もしますが、喜んで頂けて何よりです。うちでも後、何度か出来る量が有り嬉しいです。

      包丁は楽しみですね。それにしても将来的には、当包丁に相応しい砥石までも視野に入っているとは敬服します。確かに各刃物には、それぞれ性能を引き出す相性の良い砥石を個別に見繕うのが理想。本来的には斯くあるべしとは言え、中々徹しきれないのが世の習い・・・其処を突破していく気概・思い入れを感じずには居れません。まあ、本当に一つの刃物にしか使えない石は滅多に無いので、「他の刃物には無用の長物」となる恐れは少ないですが。

      もしかしたら、ゆくゆくは相性の点から若狭の砥石を見に行かせて貰わねば成らないかも知れませんね。それはそれで、楽しみの幅が広がりますので歓迎すべき事だと喜んでいます。

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