香港のS様から包丁購入の御依頼が有りました。その際、お任せでの研ぎを併せて申し込まれておりました。
新品への最初の研ぎでもあり、半分サービスの意味合いもある研ぎでしたが、鋭利過ぎる刃先は通常でもお好みで糸引きを入れて来ました。ですので、もう少し完成形に近付く様に仕上げて行きました。
新品状態。人造砥石ながら、かなり追い込んだ研ぎが施されています。
刃部のアップ
天然砥石にて研ぎを開始。先ずは巣板から。白巣板・敷き内曇り系統。
巣板での研ぎあがり。曇り仕上げ。
千枚での研ぎ
刃金は半鏡面レベルと言うべきか、かなり明るく仕上がっています。地金も小割りした巣板から千枚で。
浅葱での研ぎ
更に明るく仕上がり、刃金は準鏡面に。地金も再度、千枚(小割り)で仕上げ研ぎ。
刃部のアップ
研ぎ上がり
新品から余り研ぎ減らすのも気が引けるので、人造の研ぎ目は大まかに消す事に留め、刃金部分を刃先へ行くほど鈍角の極緩いハマグリで、強い刃先と軽い切れ味に仕上げました。
これで、切れを保ったまま頑丈さと長切れを両立し、錆びや変色にも人造砥石仕上げに比して耐性が付きました。食材を切っても食味が損なわれにくいでしょう。
S様には、前回画像を上げた砥石にも興味を持って頂いた様子にて、包丁と砥石の値段は勿論、この司作三徳包丁の仕上がりを見て御判断を頂きたいと思います。
この度は包丁・研ぎ・砥石の御依頼、有難う御座いました。