カテゴリー別アーカイブ: 未分類

昨日の出会い

 

昨日も、拙宅に御二方が御訪問下さいました。掃除や整頓が行き届かない、居住性の悪い所で恐縮なのですが・・・構わないと言われれば是非に及ばずと言う所です。

連絡を頂いたのは以前に岸菜屋さんと御出でになった、椿包丁の鍛冶屋さんの弟ぎみである、桶職人の宮崎光一さん(桶光)。もう一方は、鋸の目立てを生業とされる須藤聖一さん(鋸研ぎ 須藤鋸店)です。あ、全員名前に一が入りますね。共に、御土産を頂いたり御茶を振る舞ったりしつつ、砥石と研ぎに付いて話す傍ら、研いで見せたり切って見せたりで確認して貰いました。

更に桶を作る際の刃物に付いてや、鋸を取り巻く環境、関連する事柄など楽しく勉強になる御話しも御聞き出来ました。貴重な内容に感謝です。

 

1550672776636

 

実際に御自身で試し切りもして頂きました。

 

 

1550672784280

後半には現在、御使いの砥石の情報を御聞きした上で手持ちの販売用から御提案。試し研ぎの上で選んで頂きました。やや軟・やや硬口・硬口と、バランスの良い組み合わせと成りました。

 

宮崎さんには、岸菜屋さんとのイベント?に御誘い頂きました。五月の佐渡島では又、樽の作成現場にて御世話になってしまうかも知れませんが、楽しみにして居ります。その際は又、宜しく御願い致します。

 

 

そうそう新潟と言えば、三月初旬に三条の日野浦さんの所へ行く予定です。柳を待つのに痺れを切らしまして。出来れば今回で複数持って帰りたい所ですが、どう成りますか。

宮崎さんの兄上にも、日野浦さんとの良い関係を築いて頂きたいと思いますので、機会があれば御案内したいですね。

 

 

 

 

 

11月17日の砥石館

 

昨日は、亀岡で色と技に関するイベントが有りました。天然砥石館でも其れに対応した内容が。手伝いに呼ばれたので行って来ました。

 

1542536806979

開始前には玄関ホールも準備中。

 

 

1542536908409

その間に、持参した薄いコッパに台を付けさせて貰ったり打ち合わせを。

 

 

 

1542536788204

此方も手伝いに来てくれていた常連さん向けに。

 

1542536797748

おからを準備して来たので御渡し。いつも差し入れを頂いて居る御礼です。

 

 

 

1542536815652

予定では無かった、市長が御出ましで開会式的な流れに。久し振りに挨拶しましたが、意外と忘れられていないもんですね。

 

 

1542536841406

いつものDIY砥石の箱は人気ですが

 

1542536849015

 

 

1542536855800

今回、一番の待ちが出たのはコパル磨き。琥珀の若い物の研磨です。チェーンを付けてネックレスにも出来ます。

 

1542536869235

 

 

 

 

 

1542536828078

玄関前には、幾つかの出店が。

 

1542536885702

中の一つはステーキ販売

 

1542536894626

買って帰って見た所、二階のチョロギレストランの差し入れ?も頂きました。

 

1542536862291

自分の担当は、砥石や研ぎに付いての説明と簡単な実演。計四回行いました。

研ぎ方の違いや砥石の粒度・人造と天然の特徴などを説明しながら、新聞紙や野菜を切ったり氷を削ったり。

 

1542536901838

合間には、居ついてしまった子供の野菜嫌いが直らないか試みたり。胡瓜以外は嫌いだとかで。まあ、遊んで貰っていた様なものですね。

 

 

 

 

 

暫く前の一日、今日の半日

 

暫く前に、近所の和菓子店の店主夫妻とツーリングに行って来ました。普段から何くれと無く気に掛けて頂いている上に、遊び相手が居ない心配迄されているのかなと思いながらも御誘いに応じました。実は仕事の成功の願掛けも兼ねてだとは聞いていましたが。

 

1540895169614

スクーター三台を連ねて、金剛山越えからの奈良県を南下。

 

1540895198135

天河の弁財天でしたか

 

1540895214527

 

 

1540895230535

 

 

1540895246505

立派な舞台ですね。之の対面には有名な五十鈴が下がっています。

 

1540895287407

鍾乳洞も見学しようとウロウロ

 

1540895300294

結局、登りはモノレールで

 

1540895346088

鍾乳洞はライトアップ等で演出が

 

1540895372763

 

 

1540895413399

 

 

1540895422838

 

 

1540895471957

此の滝を見に行っている内に、鍾乳洞近くの蕎麦屋が売り切れに。奥さん曰く、手打ち蕎麦は食べた事が無いとの事で、いずれ又、何処かでの流れに。

 

 

 

 

其の流れを受けて、本日は記憶にある蕎麦屋を10年振り位に偵察です。その前に、此方も一年振りに買い物に。

 

1540895550721

嘗ては大阪の北に在ったのですが、芦屋に移転。少し通い難く成りました。喫茶店機能は排して、販売のみの店舗です。

 

1540895564406

二回から売り場を

 

1540895581871

購入者へのサービスとして、希望の茶葉で淹れてくれます。(別の茶園を選択したので)今回購入リストから外れた、ファーストフラッシュのマリーボーンを頼みました。念の為に確認ですね。例年より味と香りが確りしていました。

 

 

 

 

1540895619287

鴫野駅近くの蕎麦店です。昔の勤務先に蕎麦っ食いの御兄さんが居て、近くに目ぼしい店が有ると連れて来てくれた思い出の店。

 

1540895625893

 

 

1540895633480

鴨せいろとザルを頼んだのですが、本来の目的の手打ちが売り切れで。機械打ちの蕎麦で二種類を頼みました。やっぱり、余り運が良くは無いのでしょうか。

因みに、手打ちは二八で機械は十割です。今回の二種では、ザルのバランスの良さが気に入りました。手打ちを食べに、今度は早目に到着するか、予約で取って置いて貰うかしないといけませんね。

 

 

 

 

 

久し振りに砥石館

 

日曜は、砥石館でのイベントの手伝いでした。以前にも行われた内容と同じく刀匠監修の下、鍛造体験をして貰う物です。

参加者自身でローカーボンの丸棒から小刀を火造りし、焼き入れ・焼き戻しの後、研ぎをする際の手助けをと呼ばれました。

 

1539598385217

私が到着時、準備中の所に見学希望の方が。

 

 

 

1539598222256

砥石館の展示。他のジャンルの作品との兼ね合いで、以前と少し変更されています。例えば大工道具のブースが料理のブース左横に。

 

1539598208623

奥の部屋は基本的に同様。一部展示品の入れ替わり位です。

 

1539598200581

シンプルな装備が特徴の、体験コーナー入り口。此れだけ、妙に世慣れた感じですね。新たにモニターが追加されています。

 

1539598193155

コパル(若い琥珀)の磨き体験用。充実して来た様ですね。

 

1539598215086

ベルジャンブルーと言いましたか、ベルギーの天然砥石も販売用として並んでいます。

 

1539605814601

館長御自慢の(旧型ですが)鉱物顕微鏡。時間が有ったので、試料を見せて貰いました。

 

1539598260366

砂岩だという事ですが、確かに万華鏡的な美しさ。此れには色を強調するフィルターを被せて観察しています。

 

 

 

1539598252555

体験が始まり暫く経過しましたが、準備中から一番乗りの見学の方がずっと。とても熱心で、興味の深さが窺い知れます。

 

1539598365384

手動のブロワーである、右の鞴(ふいご)から送られた空気で中央の炉が加熱されます。

 

 

 

鍛造と熱処理を終えた小刀を持って研ぎ場へ。ダイヤモンド砥石や荒砥から砥いで行きます。人造中砥の後は巣板で仕上げです。

1539598280989

 

1539598313137

 

1539598319980

 

1539598359756

 

1539598372709

 

1539598291172

途中、仕上がりの確認や思う様に切れない原因究明に、顕微鏡が活躍。理解して貰うのが早くて助かります。体験者の方にも好評でした。

 

 

1539598325760

完成した右側。

 

1539598331355

同じく左側。最後に柄に紐を巻いたり、桐箱を買ったりのオプションも有ります。

 

1539598340749

最後の方には、別イベントに参加の大人数が続々とバスから。亀丸までお出迎えです。子供の受けも良い様ですね。

 

 

 

今回も、刀匠の中西さんには御世話になりました。御参加の皆様にも喜んで頂けて良かったです。今後はこう云ったイベントも難しく成るかも知れませんが、何らかの形で楽しめる催しは有るものと思われます。

他には、海外から現地での同様のイベント開催の要望も有ったとかで、本決まりに成るか成らないかも含めて自分としては楽しみでは有ります。

 

 

 

 

 

気分転換

 

前記事の最後、研ぎ直しの辺りでPCが動かなくなり、作業が停滞したりしました。その後は復調したので事無きを得ましたが、久し振りにベスパショップに持ち込む必要が?と慌てました。

まあ、そうで無くともリアタイヤを交換しないと和菓子店の主人夫妻と奈良ツーリングには行けませんので、顔を出すつもりでは居りましたが。 心配したのと、明日の砥石館イベントに備えて此方も久々にオアシスカフェに行って来ました。

寒い時期には頻繁に通っていたのですが、暑さ+辛い・熱いでは厳しいので。普通はランチに行く所、夕方に向かいました。ランチで選べるメニューは限られますが、夜はカレーだけでもマサラ・サグ・ヴィンダルーその他を選べます。

 

1539432268614

画像はシンプルなダルバートですが、選択可能な一つにはチキンヴィンダルーを頼みました。此れが一番、好みですが辛さは普通や甘いを選択は不可です。

右は野菜カレーで左はダル。昔、ある持ち帰り専門店でダルカレーと言われて買っていたのと違うが?とオーナーだかマネージャーらしき人に聞いた所、黄色くて透明感が有って酸味と辛みで味付けをしてあるのはダルスープだと教えてくれました。食べたいなら前もって言ってくれれば作ると言われたので、其の内に頼んで見たいです。

具はチキン・マトン・キーマ・エビ?・野菜と選べますが、基本はチキンですね。同じカレーでもマトンは少しサッパリ・エビは辛みが際立つスパイスの配分な印象。

 

 

 

1539432275921

最後はチャイ(シチュードティー)を頼みますが、此れも又熱々なので寒い時期が相応しいでしょうか。

 

 

 

1539438962806

 

1539432282959

インド・ネパール料理という事に成っていますが、ネパール色が強い様な。キッチンで働くのもネパールの人っぽいですし、メニューもそうです。

何でも本店はカトマンズに在って、スパイスの流通にも関わっているとか。私は此処の本格的なスパイスが、ふんだんに使われている点も気に入っていたので郁子成るかなと云った所です。

 

1539432294953

ククリ(グルカナイフ)を模した形の酒も有ります。高所の醸造所で作られるビールとかも。私は飲めないので余り関係は無いですが。これで、日曜の刀匠監修鍛造体験イベントの手伝いをして来る事が出来そうです。

 

 

 

 

 

刃物祭りで自分に御土産

 

アピセで日野浦さんと話したり

1539092070976

 

作品を見たりが主目的とは言え

1539092085450

 

折角、関まで出かけたので先輩と孫六(鰻屋)の客待機リストに記名し、時間まで出店を見て回りました。この辺は既定路線で、御互いの興味のある商品を重点的に探します。

今回は何時もの店の他に、ヤクセルと言うのを見て来ました。以前からネットなどで名前は知っていましたが現物を見るのは初めてです。海外向けモデルの数種が御買い得価格で並んでおり、多過ぎたか返品だったかで激安?に。アメリカで買えば五倍とか。

特に安くなっていた(恐らくグリップがシンプル?)モデルを試しに購入。余り使う事は少ないと思われるサイズですが、11月に砥石館で研ぎと切れ味のイベントが有るとの事で、デモンストレーション用に必要かもと考えてです。

ブレードにBと入っていますが、B品の意味でしょうか。確かに切っ先側三分の一位が右側に反っていましたが、コジ棒で直しました。性質がバネっぽく無くて助かりました。

 

 

1539092098611

流石にアメリカモデル、25cm少々の刃渡りです。長さで無く数字。つまり10インチという訳です。プロで無い限り、普通は24cmでも長めでしょう。自分でも洋包丁は最大が24、後は精々21と18です。使用頻度で言えば九割以上が18以下ですね。

使って見ると、購入時に感じた焼きの入り方と刃先の鋭利さに問題は無く、刃体(ブレード)の厚みの取り方も良い方です。箱出しでも結構使えました。中国製のサイズも見た目も立派な安い包丁も大量に出回っていますが、鋼材と熱処理・研削でどの程度張り合えるのかは興味が有ります。案外、差が小さければ一般の方は其れで満足するでしょうし、其れで良いのでしょう。しかし、拘りの使用者が満足する拘りの包丁も存続して欲しいですし、其れを製造するメーカーにも頑張って貰いたいと思います。

 

 

 

 

 

次鋒と云う訳でも無いですが

 

四本中の二本目、肥後守です。産地やメーカー違いで幾つか有って、「肥後ナイフ」とか「~の守」とか呼ばれていましたっけ。

此れは、柄の側面に服部の社長の名が入っていたんですね。最初に確認した際は部品や刃体・刃先の状態に目が行くので意識していませんでした。そもそも、余り作者や銘に注意していない事も有りますね。

本質は砥げば分かるし、逆に砥いでみないと分かりませんので。あとは切れと永切れですが、テスト前に傾向は掴める場合も多いです。

 

1538153491927

研ぎ前、全体画像

 

1538153502255

研ぎ前、刃部アップ、右側

 

1538153513554

研ぎ前、刃部アップ、左側

 

 

 

 

1538153523937

白1000番から当ててみます。思ったよりも不均一で、矢張り初見では整い方が分かり難いですね。特に(私が居た頃と同じなら)水研機⇒GC1000の棒砥石⇒ペーパー⇒黒染めでは難しいです。

 

1538153532369

左の方が僅かにマシです。

 

1538153560617

白3000番で更に研ぎ進めます。

 

1538153571395

同じく

 

1538153585993

大体、整ったら小割りも投入。

 

1538153596525

鎬筋の辺りも明確にして行きます。

 

1538153611173

巣板で傷消しと精度向上。

 

1538153631165

左は刃先以外、切り刃の全体的には早く揃っています。

 

1538153639237

平に当たる部分の黒染めが、濃淡の斑に成って来たので軽く磨きました。

 

 

1538153645942

自分では、此の仕様が相応しいとも感じて居り、切り刃の千枚仕上げにも似合っていると思います。

 

1538153652514

従来のカウリは旧型の田村山戸前浅葱で仕上げて来ましたが、今回のは最終に新型の戸前浅葱が良かった様です。巣板から千枚、田村山巣板を経て仕上げました。

 

1538153661268

 

 

 

 

1538153676876

研ぎ後、全体画像

 

1538153684332

研ぎ後、刃部アップ、右側

 

1538153691973

研ぎ後、刃部アップ、左側

 

Still_2018-09-29_014900_60.0X_N0006

刃先拡大画像

 

 

北海道のT様には、今回もOKを頂きまして有難う御座います。初期の御要望に無かった、平を磨き仕様にしたので染め直しも想定していたのですが、問題無しとの事で安心しました。

このまま三本目と四本目に続いて掛かりますので、近日中に順次、御知らせ出来ると思います。 それまでの間、宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

近所の和菓子店にて

 

少し前に、近所の行きつけの和菓子店に寄って来ました。買い物と、来月のツーリング打ち合わせを兼ねてでした。

定番の生麩餅を頼んだ所、マスカット大福も。他には釣り好きの御客さんが度々持ち込まれる、御裾分けを頂きました。丁度、準備が出来て持って行く所だったとかで。

 

1537842009862

初めて切ってみましたが、マスカット大福の数倍の難易度ですね。片刃故に左の断面は、より真っ直ぐに切れています。両刃の洋包丁では左右から等しく引っ付かれました。

余り形状の整っていない廉価な菖蒲(正夫)であり、裏も広がっては居ますが両刃との違いは現れた様です。尤も、餅などで無ければ此処まで粘着しないので結果の差は小さいですけどね。

 

1537842002513

以前はペティで切りましたが、此方は先ず先ず綺麗に切れていますか。

 

1537842021036

此の状態で貰って来ました。

 

1537842027743

私は頭周り以外では、尻尾が一番好きですので早速此方から。胴体の方は、背側をスライスして塩、その後千鳥酢とレモン果汁で締めました。腹側は塩を振って置き、翌日に酒と醤油で付け焼きに。何れも美味でした。

 

 

丁度、北海道のT様からの御依頼品の四本に取り掛かる所でしたので、応援して貰った様な気持ちにも成り、有難かったです。中には手強い物も混じっていますが、頑張れそうです。

 

 

 

 

 

昨日も「きしな屋」さんへ

 

これで4~5回目に成りますが、昨日もきしな屋さんへ出掛けました。何時もと違っていたのは岸菜さん御本人と会えた事です。早速、事前に相談していた通りに砥ぎ上げた椿包丁を御渡し。状況に応じ、店舗にて試し切り・研ぎ見本・包丁の広報活動その他に御活用頂きたいと思います。

1534593082212

 

 

 

 

幾つか、お聞きして置きたかった項目の打ち合わせも出来ましたので、出張の邪魔はそこそこに留めて食料調達へ移行。前回も買って帰ったものの、両親宅へ持参したまま置いて来たので買い直しです。

 

1536732156295

もう一つ、丼の素の真空パックも・・・と思ったのですが、自宅では稀にしか白米を炊かないので上画像のみに。

 

 

 

代わりに、全粒粉のパン等で御気に入りの店で購入の此れと組み合わせます。他は有り合わせの野菜で。

 

1536732172286

焼きたてと言う訳でも無いのに、表面の一部は未だ可成りの硬さです。

 

1536732194824

水から茹でたメークイン

 

1536732205610

温泉の塩と黒コショウ。他には、安い時期に大量に茹でて冷凍して置いたパセリを刻みます。余り劣化していなくて幸いでした。

 

1536732214335

其れを荒く崩して付け合わせに。ここに玉葱と肉を刻んで炒めた物を加えて、コロッケにする事も有ります。

 

1536732178615

スライスしたトマトと、ちぎったレタスを

 

1536732222892

此れの切り分けた奴と共にパンの上に

 

1536732235959

しっかりと鶏に味が付いている(其処に拘った製法だそう)ので、特に塩分やマヨネーズ・ドレッシングの必要は無さそうです。

 

 

 

1536732163646

今回使用した包丁。手持ちでは少ない白紙一号で、結構硬焼きの印象です。他には白疾風の柳くらいですが、彼方は幾分まろやかかと。

白一やスェーデン鋼は金属組織的に、対象に掛かりが良いのは結構なのですが俎板によってはカシカシする感触で好みが分かれる気がします。

 

 

1536732257020

使用後の錆びや変色は、たかが知れていますが矢張り炭素鋼にフランスパンの硬い部分は辛いですね。鋼材の硬さや刃角度の影響も大きいですが。

 

1536732264779

殆ど新品であり、焼き入れ時の温度変化を強く受ける刃先に脆い部分が残っている可能性も有ります。

 

1536732271663

何れにしても最低限の減らし方に留めていた刃先形状が、今回の研ぎで結構整ったので今後は幾分安心して使えるでしょう。

 

1536732290429

使いつつ、御手入れとしての研磨で状態が整って行く分には、研ぎ減りも余り気に成らないので精神衛生に寄与します。勿体無い病は厄介ですね。単に希少な包丁・砥石だけで無く、お気に入りに対しては特に。

 

 

 

 

 

貰った茄子で

 

この前の日曜に、両親の家に届け物をしました。古い家電が故障したので、代用品を持って来て欲しいと言われていたからです。

所謂テレビデオと言う奴を運んだ帰りに、野菜を数種類貰ったのですがその中に、自分では余り買わない茄子が。予想通り最後まで残ったのですが、傷ませる訳にも行かないので久々のメニューを。

 

 

1535894813652

 

1535894798012

 

1535894887361

 

1535894901642

基本の作り方である豚肉仕様よりサッパリさせたかったので、先ずは鶏肉(胸肉)を粉末塩麴で一晩寝かせます。其れをスライスの後、微塵切りにしてミンチ状に(因みに、私はハンバーグもモクモクの豚肉の塊から同様に刻んで作ったりします)。

刻み仕事でのポイントは、切れ味と永切れを両立した包丁を使う事です。特に、硬目のプラスチックの俎板は刃持ちが悪くなる代表的な原因になります。しかし、木材の俎板では細菌の感染などが懸念されるので洗浄・殺菌に耐える樹脂製品は外し難いでしょう。

そこで悪条件下でも性能を発揮してくれる、頼れる包丁が重要に成ります。しかし、幾ら上質な鋼材を適正に熱処理した製品でも、研ぎ方と砥石の選択無しには効果を発揮出来ません。相応しい扱いが肝要です。

 

1535894774420

古くなっていたので、例の50°洗いで。

 

1535894908273

少しシャッキリしたかと

 

1535894918865

適当なサイズにカットです

 

1535894805870

風味付けに、冷凍保存していた大蒜・生姜もカット。甘焼きなら兎も角、硬度の有る炭素鋼では低温脆性が気に成る物ですが、低温且つ硬くなった対象にも問題無く切り込み、刃先に損耗も生じず。

手持ちの司作としては、初期刃付けの状態も有って最も薄い切り刃の包丁でしたが、この点でも頼りに成ります。

 

 

1535894940255

途中でカタクリ(馬鈴薯でん粉)が切れているのを思い出し、代替として葛を用意。水で溶いておきます。

 

 

通常、茄子は油通しが下準備と成るでしょうが、一般家庭では其処まで潤沢に油を用意・使用するのは困難だと思われます。ですので私は少な目の油で炒めつつ、酒を振り掛けて半ば蒸し焼きにします。

茄子を取り出してから、大蒜・生姜を炒めて肉を投入。火が通って来たら豆板醤・豆鼓醤・甜面醤・醤油などの調味料で味付け。出汁(出汁の素と水でも)を加えた所に茄子を再投入。加熱後、仕上げに水溶きカタクリ(今回は葛ですが)でトロミ付け。

1535894949107

 

1535894959696

 

1535894972293

思ったより多かったので、皿も大きい物で。

 

1535894982204

此の位で収まる予定だったのですが。

 

 

 

1535894999235

使用後の包丁ですが、平は研磨剤・切り刃は天然仕上げ砥で処理してあったので、此の程度の作業では殆ど錆や変色も出ず。刃先の傷みも無視出来る程で、同じ工程を数回行なったとしても切れに不満が出る事は無さそうです。

 

1535895004888

普通は、このまま数回以上に亘って使い続ければ良いのですが、気持ちの問題で研ぎ直しておきます。と言っても、超仕上げ砥で刃先を軽く撫で、その砥石をダイヤで数回擦って面を直し、その際に出た泥で全体を拭うのみです。時間にして数分の手間です。

上画像と比較しても違いは一部の薄い点錆びの除去・目視可能かどうかレベルの刃先の一部の荒れ修正のみ。判別は困難です。

 

1535895011393

永切れする包丁は研ぎ直しの回数が少なく、長持ちに直結します。手入れのサイクルも長く取れるので(私は頻繁にしてしまいますが)手間要らずでも有ります。

其の上、切れ味が良ければ使用中の体の負担が減るばかりで無く、気分的なストレスも減ります。寧ろ、楽しみにさえ成り得ますので御薦めです。勿論、必要であれば適切な研ぎで性能を引き出してやる事も視野に入れなければ成りませんが。