研ぎ前の状態
刃部のアップ
最大の欠けの拡大画像
研ぎ後の状態
刃部のアップ
最大の欠けの拡大画像
知人が研ぎを頼まれていた包丁です。あまりに長くなっていた様子なので、簡単で良ければ、代わりに研ぐけれどと申し出ると、宜しくとの事で研いでみました。
傷・汚れ・欠けを取るのを一通り行いましたが、切れ込み・抜けは大きな問題が無かったので、当初の予定通りに調整無しで略式です。
拡大画像は、約200倍で一番大きな欠けを撮りました。研いだ後、その部分の痕跡が残る物の、他の欠けが消えた時点で完了としました。普通に使うには充分以上の状態だと思います。
画像は数年前に注文し、砥取家の土橋さんにプレゼントした切り出しで、携帯で撮ったので鮮明ではありません。
初めは切り刃と裏を除いて、がさがさした焼き肌で、それを落とす所から出発しました。ペーパーや研磨剤で磨いていき、ガンブルーで染め、更に軽く磨きました。又、裏梳きも研ぎ目を消し、磨いてあります。(主に研ぎ最中と保管中の錆対策です)
粗砥(電着ダイヤ400/1000と240番)から人造中砥、天然中砥、巣板・合砥・カミソリ砥で仕上げました。研ぎ肌の見本も兼ねて、完成時より、やや鋭角に研いであります。
最後の2枚は、数ヶ月前に錆や刃毀れが酷かったので、ほぼ取れるまで修正の研ぎを加えた時の物です。
新品から、いきなり完全平面の鏡面仕上げを求めると、刃先が出てからも更に研ぎ下ろしていかないと均一な面が出ないので、勿体ない事になります。普通は、使いながら研ぎ直す度に平面度を上げていくのが望ましいでしょう。それまでは霞仕上げで追い込んでおいて、いよいよ整ってからは勇躍次の段階へ。と言う具合です。純然たる観賞用で無い限りは、研ぎ費用の面からも、刃物の寿命からも、その方がお勧めです。
砥石の欠片も様々な色や形が有り、見ていて飽きません。元々石は宝石から化石、只の石まで好きなもので、ついつい身近に飾りたくなってしまいます。
研ぎ屋むらかみブログ始めます。
研いだ包丁のビフォーアフターなどを載せていきます。