柄を挿げて完了

 

前回の包丁と共に送られて来ていた柄ですが、てっきり付属品(初期から用意されていた・一旦は挿げられていたが外された)と思って居ました。新品とは言え、幾らか年代を感じない事も無い身に対して、相応以上に年季の入った外観の柄で。

しかし、刃体を仕上げて画像を送信、御確認頂いた上で挿げてみようとしたら寸法が合わない。伺ってみると、特に合わせた物では無いとの事でした。自分では、手持ちの包丁類に(練習と言うか遊び程度で)数回、柄を挿げた事が或る程度なので如何なものかと訴えてみましたが、宜しくと。

 

 

下画像の黒檀柄ですが、何らかの包丁に付いていたのを外された物と思しき痕跡も有りました。今回の包丁の中子に対しては、入り口は少々ですが広く、奥は狭い。

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過去に使っていたのは下画像の道具です。ダイヤとは言え目が細かく、木材を削る目的では微々たる進み具合。自分の包丁であれば、中子の方を面取りしたり細くしてみた事も有ったので、その方面には有効では有りましたが。

KIMG5844

 

流石に依頼品という事で、使えそうな道具を追加して臨みました。特に下画像の右側は、引いて使う刃と押して使う刃が付属していて助かりました。左側は、主として柄の厚みを減らす役目。

KIMG5845

 

やはり、ダイヤ鑢の細目とは雲泥の差。効率よく削れます・・・しかし逆から言えば削り過ぎ・傷の深さに要注意と成ります。

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仕上がりです。中に或る程度の接着剤をという事で、手元に有ったウルトラ多用途を使用。普段よりも念入りに乾燥させた上で、はみ出した部分を除去。

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初期からの傷や摩耗?も有りましたし、中子の寸法との乖離も解消し切れない部分も。そんな条件下とすれば、ギリギリ纏まったかと思われます。少なくとも、私が試みた中では最高傑作(半分は偶々)ですね(笑)。

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全体画像です

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T様には少々、御待たせが長くなり恐縮ですが、何とか最後まで御要望の作業を終えられたと人心地をついています。今回の柳は、何れの作業も中々に手強かった物ですから(笑)。先程、画像を添付してメールを御送りしましたので、問題が無いか御判断を宜しく御願い致します。

 

 

 

 

 

「柄を挿げて完了」への2件のフィードバック

  1. 村上様

    今包丁を受け取りました。
    毎回ながら、美しい仕上がりにウットリしてしまいます。
    平面等を鏡面仕上げして頂きましたが、熱を持つ機械仕上げで無く、手間のかかる手仕上げで行って頂き、刃にストレスがかからなくて安心でした。
    綺麗に蛤刃をつけて頂き、これで切れない筈はありません!
    柄を挿して頂くために、道具まで購入し完璧に仕上げて頂き心より感謝致します。

    素直な包丁かと思いきや、今回も(毎回?)中々の難敵で大変失礼いたしました。

    今後とも宜しくお願い致します。

    北海道T

    1. T様

      今回も、標準以上の御待たせに成り恐縮です。

      切り刃は追加作業により、一応は改善出来ましたが元側の三割ほどに(初期の研削過多の)痕跡が消し切れず。平に付いても、稀にしか使わないコンパウンドを用いながら甘さの残る仕上がりで(代わりに過熱や面のダレは少ないですが)。

      柄に使った道具は従来、本格的に柄を弄る事を可能な限り避けてきた為です。過去に手持ちを主として、十本ほどは挿げてみましたが本来は、2~3倍は練習を重ねてから取り組むのが筋ではと考えていましたので。何とか上手く行ったのは僥幸でした。

      余り高度な技術も道具も擁してはいませんので、内容に依っては御希望に添える作業ばかりとは限りませんが、今後も私で宜しければ御依頼を御待ちして居ります。

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