私が主に使用している砥石は殆どが天然砥石の巣板・戸前・合いさの他、カミソリ砥、及びそれに準じる硬度・粒度の物として、千枚・八枚系を標準以上の仕上げ、又は鏡面近く仕上げる場合の下研ぎ用としても用意しています。
カミソリ砥クラス(大谷山戸前浅黄・御廟山戸前いきむらさき等)は、美観や錆対策としての鏡面仕上げもさることながら、刃先の切れ味と長切れに大いに貢献してくれます。特にステンレス鋼は、炭素鋼の刃に対して鋭さ・食い付き・長切れで、不満が出易いので必須の物だと感じています。
通常良く使っている砥石達です。
※各砥石の画像をクリックしていただきますと拡大画像がご覧いただけます。
【共名倉について】
これまでに身近な所で手に入れた白・黒名倉があまり使い勝手や仕上がりが良くなかった為、共名倉を使用しています。良くなかった点である、過大なクッション性・研ぎ肌の不均一性・刃先形成の不完全さがほぼ解消され、満足いく仕上がり・操作性・作業効率に改善されました。特に重宝しているのは、使用砥石や研ぐ刃物、狙いの仕上がりにもよりますが、丸尾山の敷内曇り(蓮華混じり)・八枚・大上二種(墨流し模様入り)です。但し、これらは特に切り刃全面を鏡面にする時に使用するもので、そうで無い限り殆ど必要ありません。他には巣板の研磨力を増強する為に一本松の戸前二種を共名倉に使用する場合があります。
→「共名倉とは」はこちら
【ステンレスの研ぎについて】
基本的にステンレスはカミソリ砥クラスの仕上げとしています。炭素鋼(合わせ)は相性次第で、巣板でも十分な目の細かさ・切れ味に仕上がれば合格。十分でなければ千枚・八枚クラス、又はカミソリ砥クラスで刃金の調整(刃先だけでは無い)をしています。
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