私が初めて研ぎを習ったのは、10歳前後。当時食堂をしていた父親からでした。精々、人造の粗砥と、よく分からない朱泥のような中仕上げ砥石しか在りませんでしたが、徐々に上達し、父と同等かそれ以上に研げる様になるのが嬉しく、店の包丁は最初の船行きから柳・出刃・ステンレスの菜切りまで一通り研いでいきました。
カブスカウトからボーイスカウトに掛けて、アウトドアをかじると共に、ナイフ・鉈も研ぐようになり、高校の頃には自分でキング砥石一式と幾つかの天然砥石を持っていました。しかし青砥はまだしも、天然仕上げ砥は大工道具用だったらしく、包丁は勿論ナイフには難しく、当分の間お蔵入りする事になります。
二十歳前後からは本格的な和包丁を揃え始め、封印していた天然砥石も多少使いこなせるようになり、35歳まで順調に増えていく包丁・山林和式刃物を研いでは使っていました。しかし、ある鍛冶屋の素晴らしい刃物と出会い、出来るだけ綺麗にも研ぎたいと思い立ち、京都亀岡で採掘中の砥石屋まで出かけ、より深く追求して数年。現在に至っています。
(注:20代前半、自作のカウリX製ナイフを引っ提げて岐阜県関市の刃物メーカーを訪問。入社し、一時期勤務していた当時はステンレス・粉末冶金が唯一最高だと信じていまた。)
研ぎ屋 むらかみ
〒544-0022
大阪市生野区舎利寺2-1-20
TEL 06-6718-3401
営業時間:平日10:00〜17:00
仕入等の関係で不定期で
お休みする場合があります。